和倉温泉「加賀屋」が“日本一”と言われる理由を泊まって実感!
北陸を代表する温泉地、石川県・和倉温泉にある「加賀屋」は、全国の旅行会社が投票する「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」で36年連続「日本一」に選ばれた老舗温泉旅館。なぜそこまで支持されるのか。その魅力を探ってきました。皇室や数々の著名人をもてなしてきた「加賀屋」の歴史と、そのおもてなしの真髄とは……。※本記事の情報は取材時点のものです。最新情報は直接施設にお問い合わせください。

110年以上の歴史を誇る老舗旅館「加賀屋」
「加賀屋」は和倉温泉の中心部に位置する老舗旅館。温泉街のなかでもひときわ存在感のある建物で、和倉温泉のシンボル的な存在にもなっています。
「旅行業のプロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」で1980(昭和55)~2015年まで36年連続、また2017年も再び総合とおもてなし部門で一位に輝き、名実ともに日本一の温泉旅館として、全国から多くの宿泊客が訪れています。

創業当時は30名程が宿泊できる木造の建物で、旅館というよりも旅籠に近かったそう。それが今では和倉温泉街に「加賀屋」「あえの風」「松乃碧」「虹と海」、金沢駅前に料理旅館「金沢茶屋」と5つの旅館を構える、国内トップクラスの旅館グループとして成長を遂げました。

入口からすでに感じるおもてなしの心



天皇陛下が御宿泊された迎賓室も
「雪月花」の18~20階にある特別階「浜離宮」には、皇室の方々がご宿泊された迎賓室も。

今回は、人気が高い客室の一つ「雪月花」の和室(1泊2食4名1室利用時の大人1名39,960円~税・サービス料込、入湯税別)に宿泊することにしました。

加賀屋に宿泊するならぜひ参加したい「館内は美術館ツアー」
それらの作品を毎日2回各回約45分(16:00~/17:00~。各回定員20名)、加賀屋のスタッフの案内のもと、館内をめぐって鑑賞する「館内は美術館ツアー」が大人気なのです。事前予約制なので、チェックイン時に申し込むのがおすすめ。

例えば、能登渚亭の1階から12階までの吹き抜け一面にわたる加賀友禅は、金沢の作家、梶山伸氏によるもの。ガラス張りのエレベーターから眺めることができ、豪華絢爛な加賀友禅に思わず心を奪われます。


こちらは俳人・高浜虚子氏によって書かれたもの。「古壺新酒(ここしんしゅ)」すなわち、伝統的な建物を大事にし、常に新しいサービスに挑戦するという加賀屋の精神を表しています。

人間国宝や文化勲章、文化功労者など、日本を代表する作家による作品が館内に散りばめられていて、まさに美術館のよう。

まだまだたくさんの見どころがありますが、あとはツアーに参加した方だけのお楽しみです。加賀屋に宿泊するならぜひ参加してみてはいかがでしょうか。
七尾湾を一望できる温泉
加賀屋がある和倉温泉は、開湯1200年の歴史を誇る石川県を代表する温泉。もともと海から湧き出した温泉のため、塩分濃度が高いナトリウム・カルシウム-塩化物泉です。
源泉100%の飲み湯コーナーでは実際に温泉を飲むことも可能。2倍に薄めて飲用すれば胃腸病や貧血病などに良いとされています。
3階にわたって広がる男湯の「恵比寿の湯」はサウナや水風呂をはじめ、天井がガラス張りの野天風呂や空中露天風呂が充実。七尾湾が一望できる景色は格別です。

女湯は「辨天(べんてん)の湯」と「花神(かしん)の湯」の二つ。特にイタリア製タイルで彩られた花神の湯はまるで竜宮城のような美しさで、お姫様気分を味わえます。

毎月26日は「風呂の日」として、宿泊者は和倉温泉街にある加賀屋グループの4つの旅館を湯めぐりすることができます。タイプの違う温泉を楽しむことができるのも嬉しいですね。
ここでしか食べられない、にこだわった海の幸
加賀屋では料理にも細部までこだわり、「ここでしか味わうことのできないもの」を取り入れています。

春は山菜やアワビ、夏はサザエや七尾湾特有の貴重なアカニシガイ。秋はきのこなどの山の幸、冬は甘エビやカニ、ブリなど季節の食材が登場。さらに名物の料理として、鯛のかぶと煮やノドグロ、地元の魚醤「いしる」を使った海鮮焼きも人気です。


加賀屋では毎晩800食近い会席料理をつくっていますが、長期滞在されている方にはお客様に希望の料理を伺うこともあるそう。滞在中は同じメニューを出さない、そんなこだわりも加賀屋ならではのおもてなしです。
食後も楽しめる仕掛けがたくさん!


錦大路の一角にある「祭り小屋」では、毎晩20:15~から歌謡ショーや和太鼓演奏、子どもも楽しめるマジックショーなどを開催。

さらに、加賀屋ではなんと専属の歌劇団「雪月花歌劇団」も人気。ラインダンスをはじめ、日舞やタップダンスなど、躍動感あふれるショーを鑑賞することができます。


どの時間帯に訪れても楽しめる仕掛けが盛りだくさん!夜も素敵な思い出ができそうですね。
加賀屋が“日本一”と言われる理由
1941(昭和16)年のこと、とある大きな企業がお得意様とともに和倉温泉の複数の旅館に宿泊。加賀屋も宿泊箇所のうちの一つでしたが、準備に追われた当時の女将はつい、うたた寝をしてしまい、お客様の出迎えに遅れてしまったそう。お客様からひどいお叱りを受け、すっかり気を落とした女将でしたが、同時に「加賀屋を日本一の旅館にしてみせる」と決心し、さまざまなサービスに取り組んできました。

今では多くの旅館でも見られる光景ですが、加賀屋では、いち早く女将自ら客室に挨拶に訪れるようになりました。
お客様にNOを言わない姿勢を徹底しているのも加賀屋ならでは。
宴席で「富山のお酒が飲みたい」と言われたお客様のために、ハイヤーを飛ばして富山まで買いに行ったこともあったそうです。
加賀屋では、客室係への教えに「笑顔で気働き」という言葉があります。
気を働かせる、つまりお客様がなぜ加賀屋にお越しになられたのかをお客様の動きや言葉の端々から読み取り、どうすれば喜んでいただけるのかを考え、実践していくそう。
例えば、記念日を迎えたお客様に記念品をお渡しするサプライズなども、加賀屋の“気働き”の精神から生まれたものでした。

最近では、「日本一のサービスを実際に働いて学びたい」と県外から就職を希望する人も増えているそう。
子どもがいる人も安心して働けるよう企業内保育園「カンガルーハウス」を運営したり、力仕事の多い客室係をサポートするためにITの技術を導入したりなど、安心して働ける環境づくりにもいち早く取り組んできました。
このような取り組みがあるからこそ、加賀屋のスタッフはお客様へのおもてなしに集中できるのかもしれません。

画像提供:加賀屋
加賀屋
石川県七尾市和倉町ヨ部80
[チェックイン]15:00~
[チェックアウト]~10:00
[宿泊料金]1泊2食4名1室「雪月花」和室利用時の大人1名39,960円~(税・サービス料込、入湯税別)※時期や人数、客室のタイプにより料金は異なります
0767-62-4111(加賀屋予約センター)

石原藍
ローカルライター。 大阪、東京、名古屋と都市部での暮らしを経て、現在は縁もゆかりもない「福井」での生活を満喫中。「興味のあることは何でもやり、面白そうな人にはどこにでも会いに行く」をモットーに、自然にやさしく、心地よい生き方、働き方を模索しています。趣味はキャンプと切り絵と古民家観察。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。
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