東京から飛行機で約1時間!能登「和倉温泉」まるごと満喫の旅

2018.11.04 更新

石川県・能登半島に位置する「和倉温泉」は、開湯1200年の歴史ある温泉地。国内では珍しい海から湧き出る温泉で、泊まりがけはもちろん、日帰り入浴や観光に訪れる方が増えています。周辺の温泉街は気軽に入れる足湯や絶景が見渡せるカフェなど、見どころもたくさん!これからの季節にぴったりのおすすめスポットをご紹介します。

気温もぐっと下がり、すっかり秋。温泉が恋しい季節になりました。今回やってきたのは、石川県の能登半島にある和倉温泉!開湯1200年の歴史がある、北陸でも人気の温泉地です。空路では東京・羽田空港から石川・のと里山空港までたったの1時間。さらに北陸新幹線の開通により、電車でのアクセスも便利になりました。
▲金沢からも特急電車(「能登かがり火」または「サンダーバード」)を利用するとJR和倉温泉駅まで1時間弱で到着

今回はJR和倉温泉駅からスタート!
駅構内にある大きなのれんは、この地方では嫁入り道具として持参する風習がある「花嫁のれん」。能登にやってきた!という感じがしますね。
早速ここから和倉温泉のおすすめスポットを回りたいと思います!

ここにも、あそこにもいる「わくたまくんパーク」

最初に到着したのは、和倉温泉駅から車で約5分の場所にある緑地広場「わくたまくんパーク」。ここには和倉温泉になくてはならない、かわいらしいキャラクターがいるんです。早速ご紹介しましょう。

「和倉温泉 わくたまくん」です!!
きゃ~かわいい~!

後ほど詳しく紹介しますが、わくたまくんは和倉温泉を発見したとされている「シラサギ(白鷺)」が産んだ “たまご”。

わくたまくんがいつも持ち歩いているバッグには、3つ子の温泉たまごが入っていて、嬉しくなるとすぐに転がっていくそうです。なにそれ、かわいすぎる!

「わくたまくんパーク」では、広い園内にいろんな種類のわくたまくんが隠れています。
▲こちらのわくたまくんはマリン仕様
▲温泉たまごが帽子を被ってる~!

わくたまくんのあまりのかわいさに、癒されること間違いなし!ここ以外にも、わくたまくんは和倉温泉街のあちこちに潜んでいるので、探してみてくださいね。
でも、シラサギが産んだたまごということは、わくたまくんって鳥の仲間なのかな……!?

七尾湾が一望できる無料の足湯「湯っ足りパーク」

わくたまくんパークの隣にある「湯っ足りパーク(妻恋舟の湯)」は、無料の足湯が楽しめる人気の場所です。
▲万葉の歌人・高浜虚子の『家持の 妻恋舟か 春の海』という句が名前の由来

建物のなかは開放感のある足湯空間が広がり、松林の奥からは七尾湾が一望できます。
▲松の木の緑と海の青が美しい

湯につかりながら潮風を感じることができる、贅沢な場所。これが無料って最高ですね~。序盤に訪れてしまいましたが、散策の合間に訪れると、足の疲れも癒されると思います。
▲右手には能登島大橋が

熱すぎず、ぬるすぎず、ちょうど良い湯加減なので、おしゃべりしていると何時間も入ってしまいそう。時間を忘れてゆったり足湯を楽しみたい方にはおすすめです。

和倉温泉のシンボル「総湯」

次に訪れたのは、和倉温泉のシンボル的な存在として、地元の人からも旅人からも親しまれている「総湯」。2011年にリニューアルした、風格のある建物です。
のれんも何だか迫力がありますね。
▲どどーん

「総湯」は和倉温泉街の共同浴場として、地元の人や旅人など多くの人から親しまれています。入湯料は中学生以上440円、小学生130円、未就学児50円(いずれも税込)とお手軽価格。

和倉温泉の源泉は、ナトリウムーカルシウム塩化鉱物泉。地下の花崗岩に含まれる水晶をくぐりぬけて湧き出たもので、その温度はなんと90度以上にもなります。そのままでは熱くて入ることができないため、通常は水を加えて湯温を下げるのですが、総湯では熱交換機を使うことで加水する必要がなく、源泉そのままを楽しむことができます。
▲内湯のほかに、露天風呂やサウナも。豊富な塩分により、殺菌効果や美肌効果が期待できるそうです(写真提供:和倉温泉 総湯)

館内には広々とした休憩処や、総湯のこれまでの歴史を知ることができるコーナーもあります。
▲歴代の温泉バルブも展示。左端が最新のものですが、昔のものと比べると今のバルブってやっぱり頑丈ですね

そして、総湯にも足湯が。屋内と同じ源泉を引いていて、「今まさにちょうどいい湯加減」の温泉を楽しむことができます。
▲営業時間内(7:00〜21:00)であればいつでも利用できる足湯。無料なのも嬉しい

「総湯」では温泉に入るだけではなく、無料で飲むこともできます。
ためしにゴクリ……めちゃくちゃしょっぱいです(笑)。飲用では胃腸痛や貧血に効果が期待できるとのことなので、ぜひおためしあれ。
▲ここにもわくたまくん

「湯元の広場」でとろとろの温泉たまごをつくってみよう!

和倉温泉街を歩いていると、「生卵あります」の張り紙をしているお店を何軒も見かけます。
なぜ生卵を売っているのかというと……
ここ「湯元の広場」で温泉たまごをつくることができるからなんです。
生卵はどのお店も3個で120円(税込)ほど。なかには器やスプーン、タイマーなどを貸してくれるお店もあるそう(各店舗の営業時間内に限ります)。

広場の中心には源泉が湧き出る「涌浦(わくら)の湯壺」があり、設置されたカゴにたまごを入れ、源泉に浸して15分ほど待ちます。楽しみ!
▲無料で利用できる湯壺。90度の源泉が湧き出ているので、火傷には気をつけて

和倉温泉のルーツを探る

湯元の広場には和倉温泉の成り立ちがタイルに描かれています。ここで、温泉たまごができるまでの間、和倉温泉の成り立ちをおさらいしてみましょう。
和倉温泉は、今から約1200年前の地殻変動により、海中から温泉が湧き出したのがはじまりです。それから少し時が経ち、今から約1000年ほど前に和倉で暮らしていた漁師夫婦によって湯脈が発見されました。
▲海から温泉を汲み出している様子が描かれています

なぜ海から温泉が湧いているのがわかったのか。それは七尾湾の沖合で、傷ついた足を癒すシラサギを見つけたから。不思議に思った漁師夫婦が近づいてみたところ、そのあたりから温泉が湧き出ていることが分かったそうです。
だから「わくたまくん」もシラサギがモチーフになっているんですね。
▲たまごを浸した「涌浦の湯壺」のそばにも、シラサギのブロンズ像がありました

江戸時代には加賀藩二代藩主・前田利長が和倉の湯を取り寄せて腫れ物を治療したことからその評判は広まり、周囲を埋め立てて現在の温泉街のもととなる湯島ができたことから、湯治客だけでなく公家や豪商、俳人なども訪れる人気の温泉街になりました。
明治4(1871)年の廃藩置県の後には、村人たちの努力により、和倉の湯権は藩から民へ譲渡。以降もドイツで開催された万国鉱泉博覧会で和倉の湯が三等賞を受賞するなど、名実ともに日本を代表する温泉街として多くの人に親しまれています。

そうこうしているうちに、温泉たまごが出来上がりました!

源泉によってじんわり茹でられたたまごは半熟でとろっとろ。天然の塩分を含んだ“海の温泉“なので、ほんのり塩味になるのも特徴です。
▲塩をかけなくてもそのままで美味しい!

牛乳のことを知り尽くした絶品ジェラート「能登ミルク本店」

引き続き温泉街を散策していると、なにやらかわいらしい建物が見えてきました。
2018年4月にオープンしたジェラート屋さん「能登ミルク本店」です!
店のいたるところにかわいいイラストが描かれていてオシャレ!
▲ショーケースの下にはコミカルな表情のイラストが

「能登ミルク」は、もともと能登半島にある牧場の牛乳を扱う牛乳屋さん。「能登ミルク本店」は、能登エリアの6つの酪農家が育てる牛から絞った牛乳だけを使用した、作りたてのジェラートをいただくことができます。

ジェラートに使う牛乳は、なんと牧場で絞ってから毎日6時間以内に届けられたものだけ。牛乳の鮮度には特にこだわりを持っているからこそ、抜群に美味しいジェラートになるんですね。
早速、店員さんおすすめのジェラートを注文。
▲左「能登ミルク」と右「宙(そら)」。シングルカップは350円(税込)〜

口当たりがよく、牛乳のやさしい甘みが広がる「能登ミルク」に、杏仁・マンゴーの甘みとブラッドオレンジの酸味が合わさった「宙」。さすがおすすめだけあって、どちらも美味しいです!

実は、牛は梅雨から夏にかけて乳脂肪分が少なくなるそう。逆に夏以降はどんどん乳脂肪分が上がるため、あっさりとした味が好みの方は春夏に、こってりとした濃厚な牛乳の味を求めている方は冬にいただくのがおすすめです。
店内にはジェラートだけではなく、能登ミルクを使ったカフェラテやトースト、お土産にぴったりな石鹸やキーホルダーなども販売しています。
▲「能登ヒバを使ったキーホルダー」(600円・税込)

お風呂上がりにミルクとジェラートなんて、最高ですよね~。

温泉の楽しみ方が広がる「弁天崎源泉公園」

七尾湾側に近づいていくと、和倉温泉の源泉がある「弁天崎源泉公園」に到着しました。
▲湯島ができる前の名残も見ることができます

ここでも温泉たまごをつくったり、温泉を飲んだりできるのですが、公園の一角に「あったかベンチ」なるものを発見!

ベンチの下に温泉が流れていてじんわり温かくなっています。これは一度座ってしまうと、あまりの心地よさで立ち上がることができなくなりそう。
▲座るというより、寝転びたい

さらに足湯ならぬ「手湯」コーナーもありました。タイツやブーツを履いていて簡単に足湯に入れない時も、これなら気軽に温泉を楽しめますね。
はぁ~手を浸すだけで、こんなにもリラックスできるとは。あったかベンチ、手湯ともに24時間利用可能なので、みなさんもぜひ試してみてくださいね。

絶好のロケーションで世界の辻口の味を堪能する

最後にやってきたのは、世界的に活躍しているパティシエ・辻口博啓(ひろのぶ)氏のお店「ル ミュゼ ドゥ アッシュ」。なんと、辻口氏は和倉温泉がある石川県七尾市出身なのです。
オリジナル・スイーツが味わえる「カフェ」、スイーツのテイクアウトができる「パティスリーブティック」のほか、日本ではここにしかない、辻口氏が手がけたお菓子の芸術作品(シュークルダール)が展示されている「ミュゼ(美術館)」の3つで構成されています。

早速、ミュゼの方から見ていきましょう!
▲黒を基調とした入口近くには世界の辻口氏!

なかに入ると、正面には壁一面のアート作品が。こちらは「海の中の銀河」という作品で、すべて飴でつくられています。LEDの光によって赤や緑に輝き、なんとも美しい作品です。
こちらは溶かした飴で自由自在に模様を描いたり、クラッシュした飴を散らしたり……辻口氏が幼少期に故郷の七尾で見た海をイメージしてつくったそう。
▲高さ1.2m、長さはなんと6m。この場所で完成させたそうです
▲こちらの作品はなんと、チョコの塊を削り出してつくられています。まるで彫刻作品のよう

メレンゲも辻口氏にかかれば、筆がわり。
▲メレンゲで絵が描けるんですね…すごい

圧巻の飴細工はどうやってつくるのか、もはや想像もつきません。
繊細な装飾の数々に驚き、感動しながら美術館をあとにし、カフェへ。
ショーケースのなかには宝石箱のようなスイーツの数々。思わずため息が出ます。
▲全部食べたい……

「ル ミュゼ ドゥ アッシュ」に訪れたのなら、ぜひ注文したいのが「セラヴィ」(567円・税込)。辻口氏の代表的なスイーツの一つで、“人生”という意味を持ちます。
上品な佇まいの白い円柱型のケーキには一粒の木苺がアクセントに。ホワイトチョコムースのケーキにフォークを入れると、中にはピスタチオの生地に、酸味のあるフランボワーズとショコラのムース。1番下にはチョコレートのサクサクとした生地が食感のアクセントになります。まさに人生のように酸いも甘いも表現された絶品スイーツです。

もう一つ、「ミュゼ」(562円・税込)もイチ押しの一つ。玄米のビスキュイとレモングラスをまろやかなショコラムースで包み込んだスイーツ。光沢のあるチョコのなかに、こんな多彩な味や食感が隠されているなんて、驚きです。ケーキに乗せられたチョコは「ミュゼ」の“M”の形になっているんですよ。
さらに季節限定のスイーツも充実。秋頃は能登大納言と白ごまのムースにマンゴージュレを組み合わせて抹茶のムースで包み込んだ「和茶」がおすすめです。
▲「和茶」(567円・税込)

そしてなんと、ここにもわくたまくんが隠れていました!
▲わくたまくんのカフェラテ(378円・税込)

七尾湾のパノラマが広がるカフェでは美しい景色と美味しいスイーツを楽しみながら贅沢な時間を過ごせます。友達同士でも、カップルでもぜひ訪れたい場所です。
お土産には「YUKIZURI」がおすすめ。石川県を代表する「兼六園の雪吊り」をイメージした焼菓子で、能登の梅をはじめ、揚げ浜式塩田で精製される「珠洲の揚げ浜天然塩」や山間部の棚田で育てた「輪島産の活地気米」など、地元の食材がふんだんに使われています。こちらも辻口氏、こだわりのお菓子なのだそう。
▲「YUKIZURI(梅)」10本入1,080円、22本入2,160円(いずれも税込)
和倉温泉はまち自体がコンパクトなので、気軽に散策を楽しめる温泉街です。さらに、36年連続「プロが選ぶ日本のホテル旅館100選」で日本一に輝いた「加賀屋」をはじめ、温泉旅館も充実。お時間がある方はゆっくり滞在するのもおすすめです。ぜひ今度のお休みに、能登まで遊びに行ってみませんか?
石原藍

石原藍

ローカルライター。 大阪、東京、名古屋と都市部での暮らしを経て、現在は縁もゆかりもない「福井」での生活を満喫中。「興味のあることは何でもやり、面白そうな人にはどこにでも会いに行く」をモットーに、自然にやさしく、心地よい生き方、働き方を模索しています。趣味はキャンプと切り絵と古民家観察。

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