指宿温泉の老舗旅館「砂むし温泉 指宿白水館」で過ごす極上のリラックスタイム

2018.09.14 更新

まだまだ残暑厳しい9月。連日の暑さにお疲れモードの人も多いのではないでしょうか。そういうときは旅館でのんびり過ごす「癒やしの旅」がおすすめです。鹿児島県を代表する温泉観光地・指宿(いぶすき)市にある「砂むし温泉 指宿白水館」は、そんな旅にぴったりの老舗旅館。今回は、多くの著名人をもてなしてきた指宿白水館の魅力をレポートします。

敷地から出なくても楽しめる旅館

▲客室棟「離宮」前の庭園

創業は1947(昭和22)年。当初は鹿児島市の中心地に「鹿児島白水館」を構えていましたが、1960(昭和35)年にJR指宿駅から車で10分ほどの海沿いにある現在地に移転し、「指宿白水館」が誕生しました。
▲海に面して佇む指宿白水館。その敷地の広さに誰もが驚くはず

約65,000坪もの広大な敷地には、手入れの行き届いた松の庭園や本館、4つの客室棟、プール、白薩摩(薩摩焼の一種)や歴史的文化物を集めた「薩摩伝承館」などさまざまな施設があり、思い思いの時間を過ごすことができます。
では、さっそく館内に入ってみましょう。
チェックインの手続きは、本館の1階にあるフロントで行います。開放感あふれるロビーには、美しい庭園を眺めながら喫茶を楽しめるラウンジがあります。籐があしらわれた調度品に南国ムードも盛り上がります。
チェックインは15時からです。着物やアロハシャツに身を包んだフロントスタッフが手続きをしてくれます。

接客面でもユーザーから高い評価を得ている指宿白水館。スタッフは日々数多くの宿泊客と接するため、徹底した研修を受け、すべての宿泊客に心地良く過ごしてもらえるサービスを提供しているのだそう。抜き打ちで接客をチェックされることもあるそうですよ!さすが老舗旅館ですね。

希望に合わせて選べるバラエティ豊かな客室

▲「薩摩客殿」の和洋室(1泊2食5名1室利用時の大人1名税込17,280円~、入湯税別)

チェックインの手続きが終わると、スタッフが客室へ案内してくれます。白水館には大きく分けて4つのタイプの客室棟があります。

1つ目は全室オーシャンビューで広々とした空間が魅力の「離宮」、2つ目は檜風呂付きでオーシャンビューも楽しめる「磯客殿」、3つ目は和室・洋室・和洋室の中から好みのタイプを選べる「花の棟」、そして4つ目はリーズナブルな価格ながら、落ち着いたしつらえと十分な広さが魅力の和洋室「薩摩客殿」です。

今回は、最も人気の高い客室の一つ「離宮」(1泊2食6名1室利用時の大人1名税込22,680円~、入湯税別)に宿泊することにしました。
▲本館と離宮をつなぐ渡り廊下

本館と離宮は渡り廊下で繋がっています。あえて吹きさらしの造りにしたのは、潮風を感じながら景観を楽しんで欲しいからなのだそう。

どんなお部屋なのか、期待を膨らませつつ客室に到着。離宮の客室にはそれぞれ花の名前がつけられています。筆者が宿泊したのは「さくらの間」。12.5畳の和室にツインベッドと応接セットが設えられた洋室というゆったりとした造りで、部屋に入った瞬間、思わず「ひろーい!」と声を上げてしまったほど。これなら家族連れでものびのびと過ごせそうです。
部屋の中でもひときわ目を引くのは、何といっても半円形の大きな出窓。180度のパノラマビューを楽しめるだけでなく、自分が宙に浮いているかのような不思議な感覚も味わえるスペシャルな空間です。

窓の先に広がるのは、錦江湾と対岸にある大隅半島の山々。ときおり大型タンカーなどの船が横切る姿も見られます。そして、視線を落とせば美しい松の庭園が広がります。

白水館の松林は、防風林として元々生えていたもの。そんな歴史ある松を暑い日も寒い日も白水館の庭師さんが丁寧に手入れして、美しい景観を保っているのです。
ソファに腰掛けてこの絶景を眺めていると、慌ただしい毎日から解放されて、肩の力が抜けていくよう。いつもよりのんびりゆっくりと時間が流れていきます。

見た目のインパクト大な「元禄風呂」は泉質もスゴイ!

客室でしばらく休憩したあとは、温泉に行ってみることにしました。指宿白水館には「元禄風呂」「松雲風呂」「露天風呂」という3つの浴場と、砂むし温泉(入浴料別、大人税込1,080円・小人税込756円)、岩盤浴処(入浴料別、税込1,080円)があります。
特筆すべきは1,000坪もの浴場に大小さまざまなお風呂が設えられた元禄風呂。江戸が最も栄えた元禄時代に、銭湯が江戸の町人文化の発祥地になったことから、元禄時代をイメージしてつくられた巨大な浴場です。
最も大きなお風呂の壁面を飾るのは、浮世絵。男湯には花魁(おいらん)が、女湯には当時の銭湯の様子が描かれています。

泉質は、天然の保湿成分として注目されている「メタケイ酸」を豊富に含む塩化物泉です。肌当たりがとてもまろやかで、いつまでも浸かっていたいほど気持ちいい!湯上がりの肌もしっとりスベスベです。

ほかにも樽風呂や泡泉(気泡風呂)、江戸石榴(ざくろ)風呂(サウナ)など、趣向を凝らしたお風呂がズラリ。それぞれ試して、お気に入りを見つけるのも楽しいですね。
▲高台にあり、開放感たっぷりの露天風呂

内湯(元禄風呂)の隣にある露天風呂は、内湯より少し高台にあります。中央にあるあずまや式休憩所で風に当たって少し休めば、のぼせ防止にもなりそうです。ここには他にも、打たせ湯や釜風呂(サウナ)もありますよ。

指宿名物の砂むし温泉もぜひ体験して欲しい温泉の一つ。砂むし温泉は全国でも珍しく、砂の適度な重みと温泉成分が身体の疲れを癒やしてくれます。
▲指宿に来たら砂むし温泉はマスト!

指宿白水館は、脱衣所から浴場に行く出入口付近にウォーターサーバーが設置してあったり、脱衣所のアメニティが充実していたりと、お風呂以外のサービスにも配慮が行き届いている点も大きな魅力です。浴場も脱衣所も広いので、混み合っていてもストレスを感じることなく温泉を満喫できますよ。

ここにくれば薩摩がわかる「薩摩伝承館」を見学

▲「薩摩伝承館」は、池に浮かんでいるような造りになっている

次に夕涼みがてら向かったのは、「薩摩伝承館」です。2008年にオープンした薩摩伝承館は、幕末から明治にかけての薩摩の歴史や文化を伝える美術館。指宿白水館が60年の歳月をかけてコレクションした貴重な薩摩焼や絵画、西郷隆盛をはじめとする偉人の書などが展示されています。
▲「金襴の間」に展示されているのは、パリ万博で絶賛された白薩摩の数々

一番の見どころは、純金箔1万枚を使用してつくられた「金襴の間」。1867年に開催されたパリ万博で、薩摩焼(白薩摩)が高い評価を得たことから、ヨーロッパの宮殿をイメージしてつくったそうです。絢爛豪華な美しさに圧倒されますね。
▲美術館スペースとカフェ&ショップをつなぐ渡り廊下もフォトジェニック!

薩摩伝承館には、カフェ&ショップとレストラン「イタリアン フェニーチェ」も併設されています。どこを切り取ってもサマになる佇まいなので、フォトスポットとしてもおすすめです。

幻の焼酎も無料で飲める!?贅沢過ぎる試飲スペース「焼酎道場」

のんびりと散策を楽しんでいたら、食事の時間が近づいてきました。でも、食事処に向かう前にぜひ立ち寄って欲しい場所があるんです。
それが元禄風呂の近くにある「焼酎道場」です。ここは、夕食後に有料で焼酎バーとして利用することもできるのですが、夕食前(16時30分~19時頃)なら無料で鹿児島のさまざまな芋焼酎を試飲できるんです。つまり、食事の際に飲む焼酎を事前に飲んで決めることができるということ。これは試すしかありません!
▲ストレートの焼酎をおちょこに注いでくれる

ズラリと並んだ芋焼酎の中には、入手困難な幻の焼酎「森伊蔵」の姿も。森伊蔵を無料で試飲できるなんて、贅沢すぎます!
他にもおすすめの芋焼酎を紹介してもらい、すっかりほろ酔い気分になってしまいました。

「焼酎道場」は、夕食前だけではなく、朝6時30分~9時30分も試飲を楽しめます。お土産の焼酎を検討している人はぜひ、チェックアウト前に寄ってみてくださいね。

地元食材をふんだんに使った懐石料理を堪能

さて、いよいよ待ちに待った食事の時間です。指宿白水館には宴会場を除く5カ所の食事処がありますが、今回は個室料亭「薩摩屋敷」をご用意いただきました。
▲NHK大河ドラマ「西郷どん」にちなみ、昆布には「せごどん」の文字があしらわれている

薩摩屋敷では、旬の食材を贅沢に使った懐石料理を楽しめます。一品ずつ提供してくれるので、自分のペースで食べられますよ。
▲黒豚の角煮

「四季折々の料理を提供したい」との思いから、メニューは毎月変わるそう。今回いただいた黒豚の角煮は、箸を入れるとホロッと崩れるほどの軟らかさです。
▲一品一品が芸術作品のような美しさ

錦江湾で揚がった魚介類や鹿児島県産の黒毛和牛など、鹿児島の美食がギュッと凝縮された料理の数々に、焼酎も進みます。
たとえばこちらの「西郷どん蒸し」は、鰻や灰汁(あく)巻き(鹿児島の郷土菓子で、もち米を灰汁で炊いたお餅のようなもの)、鰹酒盗(塩辛)の餡など、鹿児島の名物を一度に味わえる逸品です。

余談ですが、茶碗蒸しといえば、鹿児島県民なら子どもからお年寄りまで誰もが歌える「茶碗蒸しの歌」という童謡があるのをご存知ですか?他県の人には外国の歌かと思われるほど、歌詞がコテコテの鹿児島弁なんですよ。筆者ももちろん、完璧に歌えます♪
▲見てください、この満足そうな表情(笑)。芋焼酎をおしゃれなグラスでいただくのも斬新!

さて、脱線するのはこのくらいにして、料理のおいしさはもちろんのこと、器のセレクトにもセンスが光ります。というのも、器は美術に造詣の深い指宿白水館の会長がセレクトしているのだそう。会長は名誉会長とともに、薩摩伝承館の美術品を長きにわたってコレクションしてきた人物。ハイセンスな器のおかげで料理のおいしさが一層引き立ちます。

夜だから楽しめる、大人のリラックスタイム

お腹いっぱいになったら、酔い覚ましも兼ねて夜の散策に出かけました。夜はライトアップされて、昼とはまた違った表情を楽しむことができます。
▲ライトアップされた薩摩伝承館

夜の薩摩伝承館はなんとも幻想的。映画に出てきそうな不思議な雰囲気を醸し出しています。夜風も心地良く、至福の時間を過ごせました。

もちろん、寝る前に温泉に入ることもできます。元禄風呂は深夜0時まで、松雲風呂は深夜1時まで入浴OK。特に露天風呂では満天の星が楽しめるのでおすすめです♪

朝のお楽しみはやっぱりビュッフェ♡

ぐっすりと眠った翌朝、楽しみなことといえば朝食です。指宿白水館の朝食は、和定食かビュッフェのどちらかを選べますが、筆者はビュッフェを選びました。
和食、洋食、サラダやフルーツなど、色とりどりのメニューがズラリと並ぶビュッフェは、世代問わず大人気。ついつい食べ過ぎてしまいますね。

こうして指宿白水館で過ごす癒やしの旅は幕を閉じました。今回はご紹介できませんでしたが、7~9月はプールも利用できます。海に面したプールは眺めも抜群で、南国情緒を堪能できますよ。
指宿白水館で過ごした1泊2日は、とても贅沢な時間でした。美しいものを見て、温泉に浸かり、おいしいものを味わう。シンプルなようで、そのすべてが一流だからこそ、深い満足感を得ることができるのだと思います。
2004(平成16)年、小泉純一郎首相と韓国のノムヒョン大統領(ともに当時)が訪れ、民間の旅館で初めて日韓首脳会談が開催されたことでも知られる指宿白水館。その後も定期的に将棋界の頂点を決める「竜王戦」の開催場所になるなど、確かな信頼と実績を重ね続けています。
そんな一流のサービスを体験しに、ふらりと「砂むし温泉 指宿白水館」を訪れてみてはいかがでしょうか。
さわだ悠伊

さわだ悠伊

鹿児島市出身・在住のフリーライター。グルメ、旅、コラム等ジャンルや媒体を問わず活動中。鹿児島県内の離島取材も豊富。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報は直接取材先へお問い合わせください。
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