九州一ヤバい紅葉名所「耶馬溪」で、押さえるべき絶景スポット4

2018.10.08 更新

京都の嵐山、栃木の日光と並び日本三大紅葉名所と言われる大分県の耶馬溪(やばけい)エリア。人気温泉地の別府から車で約45分、湯布院から約20分、さらに福岡市内からは車で約90分の耶馬溪には、思わず「やばっやばっ!」と叫びながら、写真を撮りまくってしまうスポットが満載なんです!中でも必見の4スポットをご紹介します。

奇岩を包むもみじに一目惚れ!な「一目八景」

大分県中津市の西側に広がる耶馬溪エリアは、溶岩台地を山国川(やまくにがわ)が深く浸食して作り出した東西36km、南北32kmの奇岩の渓谷。江戸後期の儒学者・頼山陽(らい さんよう)もこの景観を見て絶賛し、中国風に「耶馬溪」と名付け、「天下の名勝」と世に知らしめたそうです。
耶馬溪内には数々の絶景ポイントがありますが、その代表格が「一目八景(ひとめはっけい)」。
▲商店街の中心にある「一目八景展望台」。九州道玖珠ICから車で約25分

一目八景鑑賞のベストポイントがココ。階段の上は360度ビューの展望台になっています。
展望台に上ると目の前に奇岩がドーン!にょきにょきの石柱にびっしりと樹木が絡まっています。鳶ノ巣山(とびのすやま)、群猿山(ぐんえんざん)、嘯猿山(しょうえんざん)、夫婦岩、雄鹿長尾(おじかながお)の峰、烏帽子岩(えぼしいわ)、仙人岩(せんにんがいわ)、海望嶺(かいほうれい)と8つの景色が眺められるということから、「一目八景」という名がついたそうです。取材日は8月でしたが、11月上旬になるとこうなります。
このようなカラフルなお姿に。九州の紅葉は京都のような真っ赤な姿ではなく、どちらかというと、赤やオレンジ、黄色の毛糸で編みこんだ、暖色系のミックスなセーターといった感じでしょうか。

一目八景は耶馬溪の中でも人気のスポットだけに、紅葉シーズンの11月上旬~中旬は混雑必至。10時過ぎには道路も展望台の階段も大渋滞なので、できるだけ朝の早い時間帯に来て鑑賞したほうがいいですよ。しかも岩々を覆う紅葉も、角度が浅く柔らかい朝方の光を通した姿が、一日で最も美しい、と地元の方々がおっしゃっていました。
展望台の真下には山国川の支流である山移川(やまうつりがわ)が流れ、ハヤなどの小魚の姿も見られました。ダイナミックな山々に眼下の清流、癒されますね~。

【例年の見頃時期】11月上旬~中旬

スモール耶馬溪を表現した日本庭園「溪石園」で紅葉散歩

続いては一目八景から車で約20分の「溪石園(けいせきえん)」へ。耶馬溪ならではの自然美を表現した広さ2万平方メートルの大日本庭園で、敷地内には100種類・3万1,000本もの樹木が植えられており、秋の紅葉はもちろん、春の桜、初夏の新緑、夏の深緑、枯山水の冬景色など四季折々のシーンを楽しませてくれます。しかも入場料無料!
▲1987(昭和62)年、耶馬溪ダムの完成記念に造園

駐車場から園内に入ると、まず大きな池が登場。緑の時季も鮮やかですが、秋になると…
ご覧のように、モミジが池の周囲を鮮やかに染めます。
▲池の奥には豪快な男滝、優しい流れの女滝による夫婦滝の姿も
散策路をそのまま進むと、庭園を二分する赤い橋が登場。春にはこの橋の両側にあるしだれ桜が満開になるそうです。赤い橋を進むと再びモミジゾーンへ。ケヤキ、モミジ、アメリカハナミズキなどによる並木道が登場します。
取材時には鮮やかな苔と木漏れ日が美しい緑のトンネルを作り出していましたが、秋にはきっとこんな姿に!
先ほどとは少し場所は異なりますが、このような鮮やかな散歩道が続きます。心地よい秋の山風を受けながら、園内をゆっくりのんびり散策してみてはいかが?

【例年の見頃時期】11月上旬~中旬

苔の石段を覆うもみじのトンネル「御霊もみじ」

庭園紅葉の溪石園から車で約5分。続いては古刹と紅葉の共演を楽しみましょう。
場所は国道496号沿いの「JAおおいた葬祭 プリエール耶馬溪」のわき道を少し入った山腹。江戸時代には耳病の神として崇められた「御霊神社」の参道とその先の境内が、3番目の紅葉スポット「御霊(ごりょう)もみじ」です。イノシシ対策用の鉄製の門を開け、右手に進むと…。
苔むした石段を覆うようにモミジのトンネルが登場。ナイスグリーン!ナイス木漏れ日!
あまりに美しい苔っぷりの石段なので、踏みあがっていくのにちょっと躊躇してしまいますが、地元の方曰く、自由に行き来してOKだそうです。ただし、けっこう急ですし、苔で滑ることもあるので、十分ご注意を。ここが11月中旬には…。
苔の頭上が赤や黄色のトンネルに。写真のように11月下旬ともなると苔の参道の周囲も、降り積もった紅葉で赤や黄色に染まります。

石段を上ると広い境内があり、先のイノシシ対策の鉄柵を入って左手、石の鳥居をくぐった先に、緩やかな坂道も用意されています。
境内を囲む木々も紅葉樹。紅葉シーズンも後半になると、イチョウによる黄色の絨毯で地面が覆われるそうです。
苔の参道も紅葉が進むとイチョウの参道に変身。これもなかなか映える紅葉シーンですね。

【例年の見頃時期】11月中旬~下旬

大イチョウが彩る手彫りの大トンネル「青の洞門」

さて、4つ目の紅葉スポットは御霊もみじから車で約10分の「青の洞門」。洞門とはトンネルのこと。そのトンネルがあるのが山国川沿いに立つ巨大な岸壁「競秀峰(きょうしゅうほう)」。
こちらも耶馬溪の名勝ではありますが、かつては川上にある羅漢寺(らかんじ)への難所ルートでもありました。しかし、享保20(1735)年、当時の羅漢寺に参拝した僧・禅海(ぜんかい)和尚と村人らがここにトンネルを掘ることを計画。苦節約30年、見事に貫通させたのが、この「青の洞門」なのです。
全長約144m、宝暦13(1763)年に開通。トンネルの大きさも当時のままで、壁には和尚渾身のノミの跡も残っています。この岩のトンネルだけでも十分、見ごたえがありますが、さらに川下の出入口に大きなイチョウの木がすっくと立っています。これも耶馬溪紅葉の見どころの1つ。
▲11月下旬には、道路もイチョウの葉で黄色に染まる

現在も一般道として使用されている青の洞門。車道と歩道が分かれていますが、車は時間差信号による片道通行。
▲トンネルの途中にある岩窓も禅海和尚らによるもの。採光はもちろん、穏やかに流れる山国川の姿も望める
▲山国川を挟んだ対岸からも岩窓、そこを通過する車の姿も見える
遊歩道もしっかり整備。ちなみに青の洞門の無料駐車場は洞門の川上にあり。大イチョウをじっくり見たい人はその無料駐車場に車を止め、洞門内の遊歩道を通り、禅海和尚らの偉業に思いをはせつつ、川下へ。

【例年の見頃時期】11月中旬~下旬
青の洞門の近くにはもう1つの耶馬溪名物もあります。大正12(1923)年に架けられた8つの美しいアーチが特徴の石橋「耶馬溪橋」。
▲国内の石橋としては最長の116mで、かつ日本で唯一の8連石作りアーチ橋

長崎県に多い石積み方式で作られていることから、別名「オランダ橋」とも呼ばれており、今も地元の方々の生活道路になっています。
▲橋のたもとには遊歩道もあり

川下に向かって右手には駐車場もあり、国道212号を挟んで青の洞門の大イチョウまでは約500m、徒歩で6~7分。青の洞洞門とセットでぜひどうぞ。

紅葉めぐりと共に一緒に味わいたい、耶馬溪の新そば

数々の絶景のほか、そばの産地として有名な耶馬溪。各地にそば処も点在する中、おすすめは青の洞門から車で約3分の「道の駅 耶馬トピア」内(以下、耶馬トピア)にある「そば処石臼亭洞門そば」(以下、洞門そば)。しかも紅葉シーズンのちょっと前の10月下旬からは、秋の新そばも登場。
自社製粉所も持つこちらでは、石臼を使った昔ながらの挽きぐるみ方式で、地元の玄そばを必要な分だけ挽いて、毎日そばを打つそうです。

耶馬溪で採れるそばは、日中の寒暖差が大きい地域で育つためか、そばの実自体に甘みがあり、できたそばもコシが強いのが特徴とのこと。それをストレートに実感するなら、やはり「ざるそば」で。
▲「ざるそば」680円
瑞々しさあふれるこの表情!石臼で丁寧に挽いた上質のそば粉を使った、まさに挽き立て・打ち立て・茹で立ての3立てそば。風味豊かでのど越しも素晴らしい!これは新そばが待ち遠しい!
「紅葉の時期はちょっと冷えるからね、こちらも人気ですよ」とお店の方はこちらもおすすめ。
▲「山かけそば」980円

かけそばの中央にぼってりと濃厚な自然薯が鎮座。単独で食べてモチモチ食感を楽しむもよし、そばに絡め、口の中でモチ、つる、とろんの3食感を楽しむもよし。こちらも紅葉前から新そば仕立てに。
ちなみに、耶馬トピアの周辺もモミジだらけで、ここ自体、耶馬溪を代表する紅葉スポットの1つ。洞門そばの店内からもその秋景色が一望できます。
▲「エチオピア イルガチェフ ナチュラル」など、店主厳選の3種類のコーヒー豆をハンドドリップで提供

さらに、耶馬トピアにある「やばけい情報館」の2階では、金・土・日・祝限定で「道Cafe」もオープン。新そばを満喫した後、紅葉を眺めながらのコーヒータイムはいかがですか?

ドリンクメニューはハンドドリップコーヒー(ホット400円、アイス450円)の他、耶馬溪産の紅茶(ホット、アイス共に400円)、地元産のブルーベリーと牛乳で作ったブルーベリーシェイク(400円)、自家製ジンジャーエール(450円)など、充実のラインナップ。
ハンドドリップコーヒーは多彩な波佐見焼のカップで。お隣のボードに書かれている通り、地元の素材にこだわった自家製デザートにも注目です。
▲「やばけいチーズケーキ」400円

しっとりとした口当たりのベイクドチーズケーキに、地元産ブルーベリーの自家製ジャムをプラス。ドリンクとのセットは700~800円。

他にも「道カフェガトーショコラ」(400円)、「生姜のパウンドケーキ」(350円)、旬のフルーツなどを使った「季節のデザート」(400円)もあり、季節のデザート以外はテイクアウトも可能です。

露天から奇岩紅葉が楽しめる「もみじの湯」

おんせん県大分ですから、耶馬溪にもいい湯がいっぱいありますよ。中には紅葉を望む露天風呂を持つところも。ご紹介しました4大紅葉スポット巡りの後に入るなら、道の駅耶馬トピアから車で約20分の市営温泉「深耶馬温泉館 もみじの湯」はいかがですか?
その名の通り、モミジに囲まれた日帰り温泉施設。実はここから一目八景へは車で約2分の距離なので、入浴後にもう一目、見に行くこともできますね。
▲岩露天風呂付きの湯

男女入れ替え制の2つの湯があり、それぞれ大浴場とタイプの異なる露天風呂があります。岩露天風呂が楽しめる湯は奇数日が女湯に。耶馬溪の大自然の中、少しとろみを感じる無色透明、無味無臭の単純温泉が楽しめます。しかも源泉かけ流しの天然温泉。
岩露天風呂からは耶馬溪ならではの奇峰が一望。紅葉シーズンでは一目八景のようなシーンが、岩露天風呂と共に楽しめます。
もう1つの湯には瓦屋根を配した八角形の半露天風呂を用意。
屋根があるため湯船から奇峰を望むことはできませんが、露天を囲むモミジによって、秋はその葉が映り込み、湯船が真っ赤に。
館内2階には広さ32畳の休憩室もあります。ここも秋には窓の外の木々が真っ赤に染まり、湯上り後もゴロンと寝ころびながら耶馬溪の紅葉が楽しめます。
さて、ご紹介しました、耶馬溪4大紅葉スポット+ランチ&温泉情報。ご紹介の順で仮に、一目八景を朝9時頃に見たとして、お昼前には青の洞門や耶馬溪橋も見終えるかと思います。そこから道の駅で新そばとコーヒー、もみじの湯を楽しんだとして14~15時。つまり、福岡市内から日帰りで行けるんです。ぜひ、日本三大紅葉の絶景を、生で愉しんでください!

※表示価格はすべて税込価格です
※紅葉写真は2017年以前のものです(提供:中津市耶馬溪支所)
山田誠

山田誠

新潟県十日町市生まれ、現在は福岡県福岡市在住のフリー編集者・ライター。九州の宿や温泉、飲食、雑貨系のショップ、さらに漁村、農村、道の駅など、暮らしと休日に関わるスポットをほぼ毎月、年間150軒以上を取材。取材後は必ず近隣の直売所で地元食材を買って帰る。1児の父。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報は直接取材先へお問い合わせください。
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