【2018年版】小江戸・川越の秋の風物詩!「川越まつり」の見どころと楽しみ方

2018.10.12 更新

美しい蔵造りの町並みから小江戸ともいわれる埼玉県川越市。この川越を舞台に、約370年の歴史と伝統を受け継ぐ「川越まつり」(川越氷川祭の山車行事)が毎年10月の第3土・日曜に開催されます。国指定重要無形民俗文化財であり、2016年にはユネスコ無形文化遺産にも「山・鉾・屋台行事」の1つとして登録された「川越まつり」。その見どころをダイジェストでお届けします。

▲夜の「曳っかわせ」の様子(写真提供:さいたまつり

二層の鉾と人形から成る豪華絢爛な山車の競演

川越まつりは今から約370年前の江戸時代初期、当時川越藩の城主だった松平伊豆守信綱(まつだいらいずのかみのぶつな)が推奨した「川越氷川神社」の神幸祭が起源だといわれています。その後、江戸の祭礼で豪華絢爛な山車の曳き回しが主流になり、川越まつりでも山車の曳き回しが行われるように。そこから年月を経て祭りの形態も変容し、現在の「川越まつり」を象徴する「川越氷川祭の山車行事」が確立されていきました。

2005年に国の重要無形民俗文化財に指定、2016年にはユネスコ無形文化遺産「山・鉾・屋台行事」の1つとしても登録された、名実ともに川越を代表する秋の一大イベントとなっています。
▲「川越まつり」の開催日は、毎年10月の第3土・日曜(写真提供:さいたまつり)

2018年の開催日は10月20日(土)・21日(日)の2日間。開催場所は、蔵造りの建物がならぶ仲町や連雀町を中心とした川越市内のメインストリートとその一帯エリアです。ここ数年では70万~90万人ほどの来場者数を記録しており、川越市の市政施行90周年記念となった2012年には100万人超の来場数を誇りました。 

川越まつりの名物といえば、江戸と川越の職人が制作した華麗な山車。山車の数はその年によって若干異なり、2018年は19台の山車が参加します。
▲市政施行90周年記念(2012年)の際には、町内すべての山車(29台)が一堂に会しました(写真提供:川越まつり会館)

川越市内にある28の町内と川越市が1台ずつ保有している山車の中には、江戸の名人形師によって作られたものも多くあり、地元の伝統職人の手による補修を重ねながら今に受け継がれています。

山車の構造は、四ツ車または三ツ車と台座(せいご台)の上に、二層の鉾と人形を乗せた江戸型を発展させたもの。山車の上部に乗っている人形は、菅原道真や徳川家康など歴史上の人物や、日本武尊といった古事記や日本書紀に登場する神々など様々です。
▲左が「小狐丸の山車」(幸町・金山会)、右奥が「翁の山車」(幸町・雪塚会)(写真提供:さいたまつり)
▲人形のサイズは190㎝ほどあり壮観です(写真提供:さいたまつり)

山車の上層部は、迫り上げ式のエレベーター構造になっています。これにより、上部の人形を出したり引っ込めたりすることができます。また台座上部には360度回転するお囃子台がついていて、笛や太鼓のお囃子に合わせて、天狐、獅子、オカメ、ヒョットコなどが伝統の舞を披露します。
▲人形が上に出た状態で、山車の高さは約8mもあります。人形が出る瞬間も見どころの1つです(写真提供:さいたまつり)
▲川越まつりのお囃子は、文化・文政(1804~1830年)に江戸から伝わり地元の里神楽と合流した伝統的なもの。町内ごとに異なるお囃子や華麗な舞も必見です(写真提供:さいたまつり)

川越まつりのスケジュールと見どころをダイジェストでご紹介!

さて、ここからは川越まつり2日間の楽しみ方をご紹介します。初日となる10月20日(土)は「神幸祭(じんこうさい)」という行事からスタートします。これは川越氷川神社の神様が神輿に乗られて町を巡行するもので、神様の御神徳をいただき、人々の幸福や町の繁栄を祈請するという意味が込められています。
▲神輿は13:00頃に川越氷川神社を出御し、14:00頃に川越市役所前に到着。14:30頃には川越氷川神社に還御します(写真提供:川越まつり会館)

時同じくして、14:00~14:50頃に市役所前に山車が勢ぞろいし、お囃子をお披露目する「市役所前の山車揃い」が開催されます。
▲会場のアナウンスで各山車の特徴が説明されるので、耳を傾けて聞いてみましょう(写真提供:さいたまつり)
▲お囃子のお披露目を終えると、他の町内の山車と向かい合ってお囃子の競演を行う「曳っかわせ(ひっかわせ)」が始まります(写真提供:さいたまつり)

夕方の18:00~19:00頃になると、「宵山の山車揃い(よいやまのだしぞろい)」がスタート。会所と言われる各町に置かれたお祭りの本部(神様をお迎えする祭り宿)の前に山車を待機させ、止まったままお囃子を披露します。ゆっくりとお囃子を聴きたい方はこの時間が狙い目です。
▲昼間とは打って変わって、幻想的な灯りの中で響くお囃子に思わずうっとりしてしまいます(写真提供:さいたまつり)

初日のもうひとつの見どころが「鳶のはしご乗り」。これはかなりエキサイティングな行事で、梯子の上で鳶職人が技を披露するというもの。目の前で繰り広げられる美しい技の数々に、会場から鳴りやまない拍手と歓声があがります。
▲鳶のはしご乗りは幸町のりそな銀行前で18:20頃より披露されます(写真提供:川越まつり会館)

翌21日(日)には、13:30~15:00頃まで「市役所前の山車巡行」が行われます。これは各町内の山車が市役所前を1台ずつ通過してお披露目されるというもの。一カ所で多くの山車が見られるので、ここで待機していれば多くのシャッターチャンスに出合えます!
▲明るいうちに、それぞれの山車ごとの華麗な装飾をじっくりみてみましょう(写真提供:さいたまつり)

夜の「曳っかわせ」で祭りは最高潮へ

川越まつりの一番のハイライトが、20・21日の連夜に行われる「曳っかわせ」です。19:00~21:00頃(21日は18:30~)、川越まつりのメインストリートとなる西武鉄道・本川越駅から市役所前の交差点・札の辻に至る道中の各交差点で見られます。
▲各交差点で山車と山車が出合い頭に囃子の競演(曳っかわせ)を繰り広げます(写真提供:さいたまつり)
▲3・4台の山車が出合ったら、それぞれの舞台を回転させ向かい合いながら競演します(写真提供:さいたまつり)
▲「曳っかわせ」に合わせて、山車の周りを囲む曳き方衆による提灯の乱舞と掛け声もまた場内を盛り上げます(写真提供:さいたまつり)
▲ユネスコ無形文化遺産に登録された川越まつりのクライマックスは必見ですよ!(写真提供:さいたまつり)

江戸・川越職人の伝統を受け継ぐ豪華絢爛な山車と人形は一見の価値あり。山車が出る蔵造の建物が並ぶエリアは川越の名物グルメもいっぱいあるので、食べ歩きをしながら「川越まつり」を満喫してみてはいかがでしょうか。お時間がある方は、ぜひ夜の「曳っかわせ」もご覧ください。

「川越まつり会館」で川越まつりを詳しく知ろう

祭りについて、より詳しく知りたいと思った方は「川越まつり会館」を訪れてみましょう。豊富な展示物や貴重映像などから、川越まつりの魅力をたっぷり学べる施設となっています。観覧料は大人300円、小中学生100円(ともに税込)とお手頃なので、川越まつりと合わせて訪れてみれば、さらに理解も深まるはずですよ。
▲一番街の一角に2003年にオープンした「川越まつり会館」

施設は2階建てになっていて、1階には川越まつりの準備風景や携わる人々の思いなどを展示したコーナー、本物の山車を展示した展示ホールなどがあります。
▲観覧料を払って進むと見えてくるのが「まつりに向かう路地」。壁の左右に飾られた川越唐浅(かわごえとうざん)という伝統的な木綿織物に、祭りの準備の様子が細かく描かれています
▲「まつりへの思い」というコーナーでは、川越まつりに携わる人々が写真や文章で紹介されています

その先にある「会所に集う」という展示コーナーには、川越まつりの本部となる会所が再現されています。
▲会所には川越城を築城したといわれる太田道灌(おおたどうかん)の人形も。会所に集まってくる人々の会話が音声で再現されています

川越まつり会館の一番の見どころが、「山車展示ホール」です。1階と2階の吹き抜けを利用して、川越まつりで曳行される山車が2台常設展示されています。ボランティアガイドによる山車の構造についての詳しい説明を聞いたり、川越まつりの映像を見られたりする場所です。
▲気になることがあれば、常駐のボランティアガイドにぜひ聞いてみましょう。色々丁寧に教えてくれますよ(この2台は2018年の川越まつりには参加しません)

2階には、川越まつりやお囃子の歴史を説明している展示コーナー、川越まつりの映像を見られる視聴覚室、毎年行われている写真コンクールの受賞作品展示などがあります。
▲お囃子の種類などを詳細に紹介した展示コーナー
▲歴代のポスターが並んだコーナーも。100万人超が訪れた90周年の際のポスターも発見しました!
▲視聴覚室では川越まつりの映像も常時上映されています。お祭りの臨場感をたっぷり味わうことができますよ

ボランティアガイドの解説を聴きながら、川越まつりの歴史や山車の細かい構造などを学べる「川越まつり会館」。特に山車展示ホールに飾られている常設の山車は、細部まで間近でじっくりと観察できるのでおすすめです。
国の重要無形民俗文化財およびユネスコ無形文化遺産に登録された「川越まつり」。事前に知識をつけて臨めば、お祭りの魅力も倍増するはず。川越の歴史ある蔵造りの街並みを楽しみながら、秋の一大風物詩をぜひ存分に味わってみてくださいね。
takeko

takeko

普段はIT系ディレクター、時々ライター。趣味は美味しいお店開拓(でも方向音痴で、いつも目的地に着くまで一苦労)。学生時代は一人海外旅行が大好きで、現地ですぐ友達を作っちゃうタイプでした。社会人になり、全国各地へ出張に行く度に、その土地の美味しいグルメと人に会う楽しみを覚え、現在も休みがあればどこかしらに旅に出ます。最近のブームは日本酒。いつかマイボトル酒が作りたい!と思う30代女子です。

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