誇れ日本の技術力!「トヨタ産業技術記念館」で、ものづくりへの熱き想いに感動
世界のトヨタ。日本が誇る一大自動車生産メーカーとして、もはや世界のものづくりを牽引する存在といっても過言ではありません。そのトヨタグループ17社が共同運営する愛知県名古屋市の「トヨタ産業技術記念館」。ただの記念館と侮ることなかれ。とにかくすごいです!

ここがトヨタはじまりの地
広報の方にお話しをうかがいながら、館内を案内していただきました。
まず目に飛び込んできたのは、エントランスロビーですごい存在感を放つ、なにやら巨大な機械。

回転円運動により、布を織り上げるという画期的な織機で、「夢の織機」と評価され、世界19カ国で特許を取得したというこの機械。
今でこそ、たくさんの日本のものづくり企業が、世界に通用する高い技術力で活躍しています。
しかし当時の日本は、欧米の模倣が精いっぱいだった時代だそうですから、これが日本人の技術力や科学力の可能性を示した革命の瞬間だったのかもしれません。
「このものづくりスピリッツこそが、日本の技術力だ」
記念館のシンボルとして、堂々とたたずむこの機械の姿には、そんなメッセージが込めれている気がしました。
圧巻!佐吉の発明の歩みがわかる繊維機械館
前半は、繊維機械館。


まだ機械というよりは、「からくり」といった印象です。
しかし、このたくみに工夫された、からくりがお見事。
「係の人の実演をいつまでも見続けていたい」
そんな感覚に襲われます。

生涯をかけて発明、完成させた完全なる自動織機です。
この機械には、生産性が大幅に向上するさまざまな工夫が満載。
当時は、この発明に世界が驚き、その完成度は『マジックルーム(魔法の織機)』と評されたといいます。
佐吉の涙ぐましい努力の跡や、進化の課程が手にとるようにわかる展示の数々。繊維機械館では、現代の最新自動織機にいたるまで、しっかり紹介されています。空気圧で高速によこ糸を飛ばすマシンなど、人類のめまぐるしい進歩には目を見張るばかり。
「クルマ目当てで来たお客さんは、最初、なんで機織り?となるんです。ところが、展示を見進めていくうち、みなさんとても興味を持って下さるようになって…」
係の人いわく、来場者は、精密な仕掛けに、今のトヨタの技術を重ねるようになるといいます。
自動車館の前のおまけなどと思っていたら大間違い。
これだけで、十分な見応え。大満足の内容です。
喜一郎の熱い思いがあふれ出す自動車館

「ん?自転車…?」
どうやら、自転車に補助輪のようなカタチでエンジンをつけようとしているご様子。
「これは、試作した小型エンジンを試すため、自転車にとりつけて試運転しているところ。エンジンが動いて、ガッツポーズをしています」
広報の方が解説してくれました。
欧米視察を通して車時代の到来を予感した喜一郎。
「自分たちの手で自動車をつくる!」
一大決心をし、自動車製作部門を設置し、自動車試作の準備に取りかかったはいいが、はじめは、わからないことだらけ。織機工場の一角で小型エンジンを試作したり、外車のシボレーを分解し、部品をスケッチしたり、というところからのスタートだったといいます。

果てしない工程を一つひとつクリアしていく喜一郎の奮闘ぶりには、ただ感嘆するばかりです。
喜一郎自身や彼と親しかった人物が語った内容から、喜一郎の性格や思想など人柄を浮き立たせるエピソード(言葉)が紹介されているコーナーです。

「最初はモノをつくれ、形をつくれ、理屈などは後で考えろ -岩岡次郎(元アイシン精機会長)談」
ものづくりへの熱い情熱がビシビシと伝わってくる言葉たち。
思わず、自分にあてはめていろいろと思いを巡らせてしまいます。

流線型のきれいなフォルム。
何ともいえない味わいのある車です。
自動車工場をまるごと移築してきたような一角や、歴代の代表車種がずらりと並ぶコーナーなど、展示はまだまだ続きます。

子どもには、直感的にわかりやすい説明で、ブーブークッションのような当時のクラクションの説明をしたり、外国の方には英語で解説したりと、さりげなくとても気配りのある対応をしてくれます。
これぞ神対応ってやつでしょうか?
とても居心地のいい空間でした。



遊園地さながらの本格的アトラクションで、子どもたちに大盛況。
しかも、遊びながら車や織機のことが学べるのですから、言うことありません。

とてもすべてを紹介しきれません。車や織機に興味ないと思っている方も、思わず引き込まれてしまう展示が、目白押し。
筆者のように、トヨタの歴史に啓発されるもよし。近代工業のめまぐるしい発展に思いを馳せるのもよし。
展示されているトヨタ歴代の懐かしい車たちをみながら、「お父さんのお父さんは、昔この車に乗っててね…」などと昔話を子どもに聞かせてやるのもいいかもしれません。
ぜひ一度、足を運んでみてはいかかでしょうか。
トヨタ産業技術記念館
愛知県名古屋市西区則武新町4-1-35
[開館時間]9:30~17:00(最終入場16:30まで)
[休館日]月曜日(祝日の場合は翌日)・年末年始
[入場料]大人500円・中高生300円・小学生200円(すべて税込)
052-551-6115

James
イギリス人と日本人とのクォーター。大学では工学部、情報システムを専攻したかと思えば、ミュージシャンとしてギタリスト、MC、DJとして活動。TVやラジオなどでも活躍。その後(株)アドビジョンにて、デザインやコピーライティングなどマルチに活躍。バックグラウンドを活かした独自の視点が人気のライター。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。
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