東寺 「京都のランドマーク」五重塔を眺め、紅葉に染まる境内を散策

2018.11.12 更新

紅葉に囲まれる「東寺(とうじ)」の五重塔(ごじゅうのとう)。ポスターやテレビCMなどでもおなじみの、京都を代表する風景です。平安時代から続く歴史ある寺院を散策し、その見所を紹介します。例年秋に行われるライトアップの情報もありますよ!

迫力ある南大門から広大な東寺の境内へ

JR京都駅と新大阪駅を結ぶ東海道新幹線の車窓から見える、東寺の五重塔。町の中に多数の寺院がある京都市内においても、ひときわ大きな存在感を放っています。創建からおよそ1200年の歴史を持つ東寺は、貴重な平安時代の姿を今に残す遺構として、平成6(1994)年に世界文化遺産に登録されています。

それではさっそく、歴史ある寺院の見所を紹介して行きましょう!
東寺は教王護国寺(きょうおうごこくじ)とも呼ばれる、東寺真言宗の総本山です。創建は平安遷都から2年後の延暦5(796)年。国家を御仏の力で守るため「羅城門(らじょうもん)」の東に建立されました。
その後、嵯峨天皇により東寺の運営を託された弘法大師・空海は、「講堂(こうどう)」や「五重塔」の建立に着手しました。つまり、現在にも残る寺院の姿は、弘法大師・空海によって設計されたものなのです。時空を超えた歴史のロマンを感じながら、さっそく境内へと参りましょう。
京都駅から南西の方角、九条通に面した「南大門(なんだいもん)」は、東寺の伽藍正面の門です。平安遷都1100年を記念して、明治28(1895)年に「三十三間堂」より移築、再建されたもので、間口は約18m、奥行きが10.5mとかなりの大きさ。桃山時代の建築様式が随所に見られるのも特徴です。
▲金堂と五重塔

南大門から境内に入ると、正面には金堂、そして右手には五重塔がそびえています。離れた場所からも、その高さがはっきりと分かる大きさです。ここから金堂、講堂を右手に見ながら北に歩き、拝観入口へと進みます。

ちなみにこのエリアは無料の自由拝観エリア。取材時も、お散歩を楽しむ地元の方や、写真撮影にいそしむ観光客が行き交っていました。
北に進むと、瓦屋根の塀で囲まれた一角にある「御影堂(みえどう)」が見えてきます。ここは、弘法大師・空海が住まわれた場所。現在も毎朝6時には膳やお茶をお供えする生身供(しょうじんく)が行われています。こちらも自由拝観なので、ぜひ訪れて参拝してみてください。
御影堂から東に歩くと見えてくるのが「食堂(じきどう)」。文字通り、僧侶が食事をとった場所で、四国八十八カ所巡りなどの納経所にもなっています。十一面観音像を安置していることから「観音堂(かんのんどう)」とも呼ばれています。
▲拝観入口付近にはお土産屋やお茶屋さんも

食堂から南へ歩くと、拝観入口があります。ここで拝観料を支払い、五重塔をはじめ金堂や講堂、瓢箪池(ひょうたんいけ)を中心とした庭園のあるエリアに入って行きます。
参拝順路を進むと、まず「講堂」が見えてきます。境内の中心に位置し、弘法大師・空海が広めた密教の教えの神髄を現わしたのが、この講堂だと言われています。
中には宇宙の中心とされている大日如来(だいにちにょらい)を中心にした五智如来のほか、五菩薩、五大明王などが立体の曼荼羅(まんだら)となって安置されています。
承和6(839)年に建立されましたが文明18(1486)年に焼失し、その5年後に再建されました。
続いて現れるのが、国宝に指定されている「金堂」です。こちらは東寺の本堂で、延暦15(796)年の創建と言われています。講堂と同じく文明18(1486)年に焼失、その後慶長8(1603)年に再建されました。
再建時の桃山時代の建築様式ですが、正面の下の屋根は一段下げられている奈良期の作風で、創建時の形式に倣ったと言われています。堂内には、高さが2.9mもある本尊薬師如来が安置されています。

講堂、金堂とも内部の見学ができますが、写真撮影はNGです。うっすらと外光が差し込む堂内で数々の仏さまが佇む様は、浮世とは異なる不思議な世界。神聖な空気の中で仏様に向かい、心静かに手を合わせて過ごしてください。

高さ約55m!国内で最も高い木造の塔を眺める

金堂を背に順路を進むと、木々の隙間から神々しい「五重塔」が姿を現します。その高さはなんと約55m!19階建てのビルに相当します。国内で最も高い木造建築は、近づくにつれてその大きさ、存在感に圧倒されます。
▲手前にいる人と比べるとその大きさがよくわかります

国宝に指定されている五重塔は弘法大師・空海により建立されましたが、着工から完成まで50年もの歳月を費やしたそうです。落雷による火災などで、何度も焼失再建を繰り返し、現在の塔は五代目にあたります。最後の再建は江戸幕府三代将軍徳川家光によるものですが、創建当時と同じ場所、高さ、姿で再建されているとのこと。

現代を生きる私たちですら、その存在感に圧倒されるのですから、平安時代の人々が感じた驚きや畏敬の念の大きさは想像以上だったに違いありません。
五重塔は仏様の遺骨を安置するストゥーパ(卒塔婆/仏塔)が起源です。塔の頂上にそびえる相輪(そうりん)は、そのストゥーパの上に重ねられた傘を表していると言われています。
五重塔の内部には、弘法大師・空海が唐より持ち帰った仏舎利(仏様の遺骨)が納められていて、大日如来に見立てた心柱(仏塔の中心になる柱)を中心に、周囲を如来や菩薩が取り囲む極彩色の密教空間が広がっています。
通常、内部を見ることはできませんが、春や秋には初層の特別公開が行われているので、ぜひこの貴重な機会に足を運んでみてください。

庭園を染める紅葉と、五重塔のコントラストを愛でよう

境内には、金堂、講堂、五重塔に囲まれるように美しい庭園が広がっています。瓢箪池を中心に、春は梅や桜や藤、夏は百日紅(さるすべり)、そして秋は楓や銀杏と、四季折々の草木や花の美しさを愛でることができます。
▲池では亀がのんびりとひなたぼっこ。美しい鯉も泳いでいる
秋になると庭園に植えられた250本もの楓の木が一斉に色づきます。紅葉の見頃は例年11月中旬~12月上旬頃。青い空を背景にそびえる五重塔と、見事に色づく紅葉のコントラストは、秋の京都を代表する美しい景色です。
例年10月末頃~12月初旬はライトアップも実施されます。瓢箪池の水面に映る紅葉と五重塔の姿は幻想的で、思わず言葉を失ってしまうほどの美しさ。秋の京都を訪れたなら、一度は目にしたい絶景です。
▲金堂や講堂を望むアングルも美しい

いかがでしたか?弘法大師・空海が開いた寺院で悠久の歴史ロマンを感じながら、心静かな時間を過ごしてください。

【東寺までのアクセス例】
JR京都駅より徒歩約15分。または近鉄線・東寺駅下車、徒歩約10分
※紅葉の写真は2018年のものではありません
妙加谷 修久

妙加谷 修久

京都市在住の旅行系ライター兼ディレクター。全国各地に足を運び、旨いモノを食べ、温泉に浸かる日々。ここ京都を中心に、知っているようで知らない「日本のイイトコロ」を紹介します。日本酒好きが高じて利き酒師の資格を取得しました。

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