「仙台うみの杜水族館」の楽しみ方!イワシの大群や近すぎるイルカショー

2018.10.10 更新

平成27(2015)年7月に宮城県仙台市にオープンした「仙台うみの杜(もり)水族館」。「杜の都」という仙台の雅称からその名が付けられた、東北最大級の水族館です。館内に広がる多彩な展示のほか、ユニークな企画や季節に合わせたイベントを次々と展開。開館以来、何度行っても楽しめる水族館としてリピーターを続々と獲得しているその魅力を存分に味わってみましょう。

仙台港エリアに立地する、東北最大級の水族館

「仙台うみの杜水族館」があるのは、全国からサーファーが集うサーフスポットでもある仙台港の近く。アウトレットや複合商業施設、大型店舗が立ち並び県内だけでなく東北近郊からも多くの人々が訪れるエリアです。車なら仙台東部道路・仙台港ICを降りてすぐ、公共交通機関ならJR仙石線・中野栄(なかのさかえ)駅が最寄り駅です。
▲中野栄駅からは1時間に2本、無料シャトルバスが運行(12時台はお休み)。10分ほどでアクセスします

建物は地上2階建てで、建築面積は約6,100平方メートル、延べ床面積は約9,900平方メートルと東北最大級。施設内に大小合わせて約100基の展示水槽を設置し、約300種50,000点の生き物を展示しています。
▲バスを降りると真っ白い大きな建物が見えてきました。ワクワク感が高まります

三陸の海の豊かさを再現した巨大水槽 映像と音の演出も

早速入場してみましょう。1階は東北の海に特化した「日本のうみ-東北のうみ」。宮城県にある同館ならではの展示が広がるゾーンです。
▲三陸の海についての紹介がスクリーンに映し出される「ウェルカムホール」を抜けると、「マボヤのもり」が頭上に広がります

マボヤ(ホヤ)とは、海のパイナップルと呼ばれる海洋生物。宮城県が国内生産量の約8割を占めています(「全国漁業協同組合連合会」公表)。三陸の海で養殖が盛んに行われているホヤをぎっしりと付けたロープがぶらさがる様子は、まさにうみの杜!その合間をドチザメやイサキが泳いでいます。
▲マボヤの養殖は東日本大震災で大きな被害を受けましたが、徐々に本来の姿を取り戻しています

続いて最大の見どころが早速現れます。幅14m・水深7.5m・水量990tの巨大水槽「いのちきらめく うみ」。マイワシ、マサバ、アカシュモクザメ、ババガレイ、アイナメ、ホシエイ、クロメバルやウマヅラハギなど50種の生き物が生育しています。水槽で再現しているのは、世界三大漁場の一つでもある三陸の海の豊かな姿。水槽には屋根がなく、生き物本来の色鮮やかな姿を自然光の下で見られます。
▲三陸の海の生き物が目まぐるしく動く大水槽。順路の序盤なのに、足を止めていつまでも眺めてしまいます
▲2018年3月からは東松島沖で保護されたスナメリも公開。東日本で展示しているのは同館のみ!

中でも一番の注目は、25,000尾ものマイワシの大群。時に大きな魚のような群れを成して泳ぐ姿に、子どもの頃に読んだ絵本「スイミー」を思い出します。
▲イワシの大群が魚の形をして泳ぐ瞬間が見られるかも!?

こちらの巨大水槽では、プログラム「Sparkling of Life & Music」も1日4~5回実施。マイワシの群れを中心とした生き物たちの泳ぎを、観覧エリアの壁や天井に映し出した360度大パノラマプロジェクションマッピングと、迫力の音響で演出します。
▲プログラムの内容は一定期間ごとにリニューアルされるので、何度来ても楽しめます
▲360度大パノラマプロジェクションマッピングは、プログラム開催時以外にも十数分に一度定期的に投影されます

東北で暮らす筆者にとっては身近な三陸の海ですが、大水槽でその営みを目の当たりにすると、これほど豊かな生態系が海の中に広がっていることに改めて驚かされました。

宮城の水族館ならでは、東北の海をさまざまな切り口で紹介

「日本のうみ-東北のうみ」ゾーンはまだまだ続きます。
「いのちきらめく うみ」の巨大水槽を過ぎた先にあるのは、北三陸の海をテーマごとに表現した3つの展示。まずは、冷たい海に生息する個性豊かな生き物を展示する「親潮 冷たいうみ」です。
▲コイボイソギンチャクやエゾイソアイナメなど、寒色系のイメージがある冷たい海にカラフルな生き物が多いのは意外です

続いて、ミネラル豊富な三陸の海に揺れる海藻をフィーチャーした「彩り 海藻のうみ」へ。豊かな海藻がある場所に、それを餌とするウニやアワビなどが集まる様子を再現しています。この地域で古くから行われている素潜り漁についても紹介しています。
▲冷たい海と暖かい海の海藻が交じる「彩り 海藻のうみ」
▲「彩り 海藻のうみ」には、パネルに空いた穴を覗くことで、海女になって潜っている自分の姿が鏡に映って見えるコーナーも。手元に空いている穴から、スマホやカメラでその姿を撮影できます

「大漁 宝のうみ」では、さまざまな漁法によって200種類以上の魚種が水揚げされる三陸の外洋を表現しています。
▲ギンザケやマダラ、マサバなどが展示されている「大漁 宝のうみ」には、県内の水産関係者と連携したパネル展示も

その後も、養殖業が盛んな松島湾などの内湾を紹介した「内湾 恵みのうみ」、ふ化した稚魚が成長するアマモ場(海草藻場)の生態系を再現した「アマモ うみの揺りかご」、栄養豊富な微生物が集まり命の楽園となっている干潟の豊かさを表現した「干潟 育むうみ」と、東北の海にまつわるテーマごとの展示は続きます。
▲三陸の名産といえばカキ。「内湾 恵みのうみ」では、いかだから垂下しているカキ養殖と、それを隠れ家にして暮らす魚たちによる生態系を再現しています
▲「アマモ うみの揺りかご」には、自分で塗り絵をした魚をスキャンして映像の中で泳がせる「お絵かきアマモリウム」も
▲水槽の下をくぐって観察できる「干潟 育むうみ」。まるで迷路で遊んでいるように楽しめます

その後もいくつかの展示を見ながら進み、外へ出ると1階最後の展示に。仙台を流れる広瀬川の環境をモチーフとした「広瀬川 海のみなもと山・里・川」です。コイやギンブナ、ウグイやアユ、ヤマメ、イワナなど広瀬川で釣れる魚が見られます。
▲コイの餌の販売機(税込100円)も置いてあり、餌をあげるとわらわらとコイが寄ってきます
▲見落としがちなのが、この展示エリアの天井部にいるニホンリス。頭上をトコトコ歩いているかわいらしい姿を発見できます。午前中がオススメ!

生き物の展示はもちろん、素潜り漁や養殖など水産業の紹介もあり、自然と人の営みとの密接な関係を知ることができました。

東北最大級のスタジアムでイルカやアシカのパフォーマンスを!

再び館内に入り、エスカレーターを上って2階へ。眼下に広がるのが、1日5~6回イルカとアシカのパフォーマンスが繰り広げられる「うみの杜スタジアム」です。最前列はプールのすぐそばに席があり、至近距離で迫力あるパフォーマンスを楽しめます。
▲すり鉢状に観客席が広がり、約1,000人を収容する「うみの杜スタジアム」
▲最前列から撮影した様子。こんなに間近でイルカのショーを見られるなんて!
▲スタジアムのそばには、軽飲食とグッズの売店「cabana」も。近くにベンチもあり、一休みにちょうどいい場所です
▲サメ肉を使った「シャークナゲット」(税込380円)も人気

国内でもめったに見られない珍しい生き物が集まる「世界のうみ」

2階の館内展示へ進むと、東日本大震災後に支援を受けた世界各都市との絆を感じさせる展示コーナー「つながりギャラリー」があり、「世界のうみ」ゾーンが始まります。オセアニア、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカ、アジアと地域ごとに分けた展示によって、日本では見ることのできない貴重な生き物を見られます。
▲開業当時の「つながりギャラリー」の様子。現在は主に期間限定のイベントや展示に使われています
▲オセアニアエリアには、グレートバリアリーフの色鮮やかな魚のほか、世界最小のペンギンであるフェアリーペンギンも

複数の生き物が共生する海の中を再現した「日本のうみ-東北のうみ」に対して、「世界のうみ」は個別展示が多く、見た目にも珍しい生き物を1種類ずつじっくりと観察できます。バイカルアザラシ、ツメナシカワウソ、イロワケイルカ、アオウミガメ、ワニの仲間のメガネカイマンなど大型の生き物も多く、子どもにも人気です。
▲アフリカエリアに2016年11月に仲間入りしたツメナシカワウソ。国内での展示は同館を含めて3館のみ
▲黒と白のツートンカラーの小型イルカの仲間、イロワケイルカはアメリカエリアに展示。国内2館でしか見ることができません。時期によっては水中パフォーマンスも
▲最後はアジアエリア。ここで見たいのはチンアナゴとニシキアナゴ。砂の中から体の一部を突き出して集団で揺らめく姿に癒やされます

世界各地の展示を見終えて歩みを進めると、左側に巨大な水槽が…これは最初に見た巨大水槽?そうなんです。「いのちきらめく うみ」を2階から見られるのがこのスポット。下から見上げるのとはまた異なる視点で、三陸の海の様子をゆっくりと眺めることができます。
▲ベンチも用意されているので、一息つく人も多い場所です

通路を通った先にあるのが「クラゲのいやし」ゾーン。水槽の中でクラゲがゆらりと舞い、観覧エリアの壁や床には光の演出とインタラクティブ映像が施され、それらが相まって幻想的な空間をつくり出しています。
▲通路の壁に映し出されているインタラクティブ映像。クラゲをタッチすると効果音とともに星がきらめきます
▲その先にあるのが本物のクラゲの展示。壁面には、クラゲが舞うLED映像も投影されています

館内の展示が終わり、外へ出ると広がるのが、さまざまな種類のペンギンや、アシカの仲間のオタリア、ゴマフアザラシ、アメリカビーバーなど人気者が集まる「海獣ひろば」。愛くるしい姿や気ままに動き回る様子を見ているだけで癒やされ、いつも人だかりができている場所です。
▲フンボルトペンギン、ケープペンギン、オウサマペンギン、ジェンツーペンギンなどのかわいらしい姿を間近に見られる「海獣ひろば」
▲透明なガラス階段をぴょんぴょん飛び跳ねるペンギンのかわいらしいお尻や足を下から見上げることもできます
▲ゴマフアザラシとオタリアが泳ぐ水槽。深い水槽を潜っていても、しばらく待っていると上がってきます
▲「海獣ひろば」では、オタリアやフンボルトペンギンと触れ合えるエンターテインメントプログラムも実施

全ての展示をゆっくり回って1時間~1時間半ほど。身近な東北の海と遠く離れた世界の海、それぞれの場所で暮らす生き物の多様性に触れ、底知れぬ海の魅力を感じることができました。

オプションプログラムやグルメ、限定イベントなどお楽しみはまだまだ

一通り館内の展示を紹介しましたが、仙台うみの杜水族館をさらに堪能するためにオプションプログラムやグルメもチェックしておきましょう。

オプションプログラムは、バンドウイルカに触って写真が撮影できる「イルカタッチ&フォト」(税込1,000円)、ペンギンにご飯をあげられる「ペンギンフーディングタイム」(1杯・税込300円)、バイカルアザラシやツメナシカワウソの部屋に入れる「カワウソとアザラシのツメツメツアー」(税込500円)などユニークなものがたくさん。いずれも入館後に受付で参加の申し込みが必要です。

その一つ、「スタジアム バックヤードツアー」(税込500円)に参加しました。
▲パフォーマンスに出演していたアシカの部屋へ。呼び掛けると水の中から出てきてくれます。アシカと握手して記念撮影も

スタジアム バックヤードツアーは1日2回で、開催時間は季節によって異なります。所要時間は約30分。普段は入ることができない水族館の裏側、間近に迫るイルカやアシカの姿、ステージ側から見るスタジアムの客席など、普段めったに見られない光景に出合うことができます。生き物たちだけでなく飼育員の方々への親しみも深まる、胸に残る体験でした。
▲うみの杜スタジアムのステージで、観客席側からは見られない角度からプールやイルカの様子を観察。水面まで数十cmでドキドキ
▲イルカにボールを投げて返してもらう体験も。うまくキャッチできるかな?

1階にはフードコートとミュージアムショップもあります。フードコートでは「うみもり天丼」「銀鮭(ぎんざけ)と白身のいろわけ漬け丼」など、三陸でとれた魚を使用したフードメニューを提供。壁面にある水槽を眺めながら食事が楽しめます。
▲フードコート。横にある水槽は2階の「海獣ひろば」の水槽の下の部分で、オタリアとゴマフアザラシが泳ぐ姿を見ることができます
▲「うみもり天丼」(みそ汁付き、税込980円)。サメ肉やイルカの形をした海苔の天ぷらものった、同館の人気メニューの一つ
▲ミュージアムショップでは約1,500アイテムを販売。人気商品は同館オリジナルの練乳入り大福「イルカのおっぱい」(12個入り・税込1,200円)
▲フードコートの窓の外には「うみの杜ビーチ」も。磯場を再現し、ヒトデなどの生き物と触れ合えます

駆け足でのご紹介となりましたが、いかがでしたでしょうか。命きらめく東北の豊かな海の魅力を感じ、世界の海の珍しい生き物に出会える「仙台うみの杜水族館」。「おひとりさまナイト」や「日本酒ナイト」、大水槽前で就寝する「ナイトツアー」など期間限定イベントやキャラクターとのコラボレーション企画も多彩に行われているので、何度も足を運びたくなりますね。
▲アシカとイルカのパフォーマンスを光とミストで演出した夏季限定のナイトプログラム「ミスティックブルーラグーン」。2018年は好評を受けて9月にも7日間アンコール開催されました

なお、同館の年間パスポートは、なんと入館料2回分(大人4,200円、中・高校生・65歳以上3,200円、小学生2,200円、4歳以上1,200円 ※全て税込)というお得な価格。当日の入館料から差額で年間パスポートに切り替えることもできる親切設定なので、県内の方はもちろん、県外の方も「次の季節にまた来ようね」と、先の楽しみを予約するつもりで購入してみてはいかがでしょう。
菊地正宏

菊地正宏

大船渡生まれ仙台在住のライター/漁業ジャーナリスト/編集者。 仙台経済新聞編集長。

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