チョコレート激戦区・京都で絶対に行きたいおすすめ専門店3選

2019.02.08 更新

京料理や和菓子、喫茶など伝統的な食文化のイメージが強い古都・京都。しかし、実はチョコレート専門店の激戦区でもあるんです!しかも、どの店舗も趣向を凝らした傑作ぞろい。その中でも今回は「京都」テイストが感じられて、イートインが可能な専門店を3つ厳選してご紹介します!

伝統と手仕事の街・京都はチョコレート職人を惹きつける

伝統文化を色濃く残す地域でありながら、一方では新しい文化も受け入れてきた京都。そんな古都には、ざっと数えただけでも市内に30以上ものチョコレートショップがひしめきあっています。

コンパクトな町の中に、なぜこれほどまで多くの店が集まっているのでしょうか。理由は定かではありませんが、一つには「日本らしさ、京都らしさ」がポイントのようです。
▲古典柄が目を引く「サロンドロワイヤル京都本店」のボンボンショコラ「古今」

例えば、海外発のチョコレートブランドが京都に出店を決める理由として「素晴らしい日本建築を見つけたから」という話を耳にすることがあります。ほかに理由があるとすれば、着物など京都らしい伝統的な手仕事に共鳴したのかもしれません。

いずれにせよ、日本らしさを強く感じさせる魅力やトラディショナルな手仕事が、チョコレートに関わる人々を強く惹きつけている様子。そこで今回は、「和」を印象づけるチョコレートショップを3店舗ご紹介しましょう。

日本のチョコレート作りの草分け的存在「サロンドロワイヤル京都本店」

▲京都で「ろおじ」と呼ばれる路地の奥まった場所にある店舗

京都市営地下鉄東西線・京都市役所前駅から北東へ徒歩すぐ。京都特有の、歩いていると見過ごしてしまうほど細い路地を約50m奥へ進んだ先にある「サロンドロワイヤル京都本店」。昭和10(1935)年に大阪で創業し、「日本のチョコレート作りの草分け的存在」として業界から高い評価を得ているお店です。
▲店舗から表通りまで延びている路地。この“奥まった”雰囲気が特別感を演出する

創業当時は焼き菓子をメインに展開していた同店。1955(昭和30)年にチョコレート製造中心の指向に転換すると、この頃に手がけたサイコロチョコレートが大ヒット。1961(昭和36)年からは洋菓子としての本格的なチョコレートの製造を開始しました。

2012(平成24)年には、現在の場所に京都本店をオープン。「和と洋を融合させた本物の美味しさを」をモットーに、ここから日々美しいチョコレートが生み出されています。それでは早速、お店へ入ってみましょう。
▲本店限定のボンボンショコラやケーキなどがピカピカのショーケースに並ぶ

店内に入ると、細い路地からは想像もつかないほど広くエレガントな空間が広がっていました。入り口そばの棚には、看板商品のピーカンナッツチョコレートなどがずらり。
▲人気No.1の「キャンディコートピーカンナッツ」のほか、抹茶やストロベリーなど様々なフレーバーのピーカンナッツチョコレートが並ぶ

そして店内奥の巨大なショーケースには、色とりどりのボンボンショコラやチョコレートケーキ、マカロンなどが並んでいます!そのあまりにも美しい光景に、感嘆の声が漏れてしまいました。
▲ツヤツヤのボンボンショコラが約30種も!店長の出浦志保さんによると「ショーケースには季節によって限定品も並びます」とのこと

きらびやかなチョコレートを今すぐ頬張りたい人は、ショップに併設されたカフェスペースを利用しましょう。ショーケースに並ぶマカロンや約30種のチョコレート、ケーキをオーダーできます(1ドリンク制)。

カフェは鴨川に面していて、川のせせらぎや涼風を感じながら、とっておきのチョコレートやスイーツを味わえます。5月1日~9月末には京都の夏の風物詩・鴨川納涼床にちなんだ「カフェ床」も登場するそう。また「優雅な時間を過ごしてほしい」という思いから、毎日ピアノやバイオリンを、金・土曜の夕方からはジャズの生演奏を行うなど上質な空間の演出にも工夫を凝らしています。
▲屋内に6テーブル・12席、バルコニーに2テーブル・4席が用意されたカフェスペース。カフェ床の時期にはバルコニーいっぱいにテーブルが並ぶ

そんなカフェスペースで、お店おすすめのボンボンショコラとケーキをいただくことに。ボンボンショコラとは、中にガナッシュなどの詰め物をし、チョコレートでコーティングした一口サイズのチョコレートのこと。どれにしようか迷いながら、オリーブフレーズ、エッフェル、酒ポワールをチョイスしました。
▲手前から時計回りに「オリーブフレーズ」「エッフェル」「酒ポワール」(各350円)

オリーブフレーズは、なんとスペイン産オリーブオイル「マシア」を使ったガナッシュと、甘酸っぱい苺のジュレを組み合わせた一粒。「オリーブオイルと苺って合うの?」と一瞬不思議に感じたものの、一口食べた途端、あまりの美味しさに絶句…!
▲オリーブフレーズ。指で触れただけで溶け出す繊細なチョコレート

外側の薄いシェルが口の中ですっととろけると、オリーブオイルのフレッシュで青い味わいと、苺ジュレのフルーティーな味わいが渾然一体に。パティシエの岡本昂也(こうや)さんによると「実は苺は青い風味の食材と相性が良いんですよ」とのこと。
意外な組み合わせなのに素材同士が調和している、見事なバランスに拍手を送りたくなりました。
次に酒ポワールを。こちらは、日本酒を使用したガナッシュと洋梨を合わせています。日本酒にも辛口・旨口いろいろありますが…と岡本さんに尋ねると「洋梨のパワフルな香りに負けないよう、旨みがあり、しっかり香るタイプを選んでいます」とのこと。とはいえ日本酒が前面に主張するわけではなく、口に含んだ瞬間にふわっと香る程度の優しい味わいです。

可愛い見た目のエッフェルは、エクアドル産のカカオ豆にこだわったショコラ。滑らかな口溶けと食べやすい風味は、手土産にも喜ばれそうです。
▲定番の「ショコラバニーユ」(600円)。食べ応え満点のボリューム

チョコレートを使ったケーキも常時8種揃えています。その中から選んだのは、スタッフおすすめのショコラバニーユ。まるで鏡のように輝くツヤッツヤのデコレーションに期待が高まります。
▲カスタード風味のクリーム「アングレーズ」を仕込んだムースショコラがたっぷり

カットすると、濃厚なムースが。一口ほおばると、とろんと溶けてあっという間になくなってしまいました!「食べる前からとろけてたっけ?」と錯覚してしまうほどのクリーミーなムースと、底にしかれたサクサクの生地との相性は抜群。デコレーションやムースに使用されたチョコレートは、どれもチョコレート専門店の味だとうなずけるほど濃厚です。
ちなみに同店は数々の権威ある賞も受賞。フランスの著名なショコラ愛好家で構成される、世界的なチョコレートの格付け団体「クラブ・デ・クロクール・ドゥ・ショコラ(通称・CCC)」のアワードにて、2017年にはボンボンショコラ「古今」で最高位のゴールドタブレットを、2018年には「雅」で外国人部門最優秀賞を受賞しました。店頭でこれらの受賞商品も購入できるので、ぜひお試しを。
▲2018年に受賞したボンボンショコラ「雅」を構成する4種より、絹ごし豆腐と黒胡麻ペーストを混ぜ込んだチョコレートガナッシュが秀逸な「禅~Zen~」

京都に特別な姉妹ブランドが登場「ショコラ ベル アメール 京都別邸 三条店」

次に紹介するのは「ショコラ ベル アメール 京都別邸 三条店」。2003年に東京・代官山に誕生したチョコレートブランド「ショコラ ベル アメール」が、日本の風土や季節にこだわったショコラを発信しようと、2015年に京都でスタートさせた姉妹ブランドの1号店です。
▲京阪本線・三条駅から徒歩約7分。築100年以上の京町家をリノベーションした一軒家

南北に走る烏丸(からすま)通と東西に伸びる三条通の交差点を東へ歩いて5分ほど。「京都文化博物館」などの歴史ある洋風建築が立ち並ぶ通り沿いに、京町家を利用した店舗が現れます。パリの代表的なチョコレートブランド「ジャン=ポール・エヴァン」も、同じ通りに店を構えています。
▲赤いのれんが目印です。現在は2号店が銀閣寺にオープンしている

「ベル アメール」とは、フランス語の「BEL(美しい)」と「AMER(苦み)」を合体させた造語「美しい苦み」を指す言葉。この言葉には、チョコレートの大きな特徴である「苦み」を活かした、美しいチョコレートに挑戦するという意味が込められています。
同店のチョコレートのベースには、オリジナルのクーベルチュールチョコレートを使用。だからここでしか出せない味を楽しむことができるんです。
▲1階の販売スペース「CHOCOLAT SHOP」

1階のCHOCOLAT SHOPには、メインブランドとは異なる京都別邸のオリジナル商品もズラリ。日本の風土や季節、京都らしさを意識した看板商品のボンボンショコラ「瑞穂(みずほ)のしずく」をはじめ、タブレットタイプのカラフルなチョコレートや焼き菓子、生ケーキなどをラインナップしています。
▲「瑞穂のしずく」シリーズ(240円)などのボンボンショコラを1個から購入できる
▲和を感じさせるタブレットショコラ「松竹梅」(700円)も

そして2階にはイートインスペースの「CHOCOLAT BAR」が。こちらで提供しているドリンクやスイーツは全て三条店限定です。では京町家の風情を活かした落ち着きのある店内で、おすすめのスイーツをいただきましょう。
▲ゆったりと配されたテーブル席。写真中央の障子の奥は吹き抜けになっている。三条通に面したテーブル席からは、通りを行き交う人々が眼下に見える

1品目は、オープン当初から人気の「京抹茶のスフレ」。宇治産有機抹茶を使用したスフレはボリュームたっぷりにふくらみ、見るからにふわふわ。スフレはすぐにしぼんでしまうため、急いで味わいましょう。
▲「京抹茶のスフレ」(1,000円)。スフレ用のミルクチョコレートソース、抹茶とアーモンドチュイールをトッピングしたバニラアイスがつく

スプーンをさしこむと抵抗なくスッと割れる生地。ひとさじ口に運べば、ふわっふわの軽い食感に驚きます。かといってパサついているわけではなく、しっとり。口の中にさーっと広がる抹茶のリッチな渋味と香りも印象的です。
▲生地そのものの美味しさを味わった後は、ミルクチョコレートソースをかけて

別添のミルクチョコレートソースは、まろやかなコクと甘みがちょうどよいアクセントになり、スフレの味わいに変化をもたせてくれます。
さらに食べ進めたらアイスを一口。スフレの濃厚な味わいをバニラアイスがほどよく中和してくれるので、スフレ、アイス、スフレ、アイス…と、いつまでも食べていられそうになりますよ。
▲アツアツの出来たてが運ばれてくるので、おしゃべりを止めてスフレに集中しましょう!

次は2017年に発売されて以来の人気メニュー「フォンダンショコラ ~燻製~」をいただきます。フォンダンショコラの周りに、干しぶどうのソースや、ブラックベリーのコンポート、チョコアイスにココア風味の乾燥メレンゲがデコレーションされた贅沢な一皿です。

なお、過去には夏季限定でフォンダンショコラソースにブルーベリーを使用するなど、季節限定メニューも登場。
▲「フォンダンショコラ ~燻製~」(1,200円)。モダンなデコレーションが素敵!

アーティスティックなビジュアルもさることながら、サーブされる時の演出にも驚きます。というのもテーブルに運ばれてきたフォンダンショコラは、こんな風にガラスケースで覆われていて…。
▲ガラスケースをゆっくり持ち上げると…
▲中から煙をまとったフォンダンショコラがゆっくり登場!

思わず「おおーっ」と声をあげてしまいました。ちなみに、煙の正体はくるみのチップを燻したもので、辺りにスモーキーな香りが漂います。燻されたフォンダンショコラは、まさに大人のデザートといったところ。
▲そしてさらなるお楽しみは、フォンダンショコラのオープン!

ナイフでカットすると、ビターチョコレートを配合した生地の中から、キャラメルクリーム入りのチョコレートガナッシュが顔を出しました。このガナッシュに使用しているチョコレートは、フォンダンショコラのためだけに作られたものだそう。ガナッシュのほろ苦さとスモークの柔らかな香り、濃厚なカカオ風味の生地があいまって、口の中がチョコレートでいっぱいになります。

ポルト酒とハチミツを煮詰めてアルコールを飛ばしたソースとも相性抜群。チョコレート・ラバーズにはたまらない一品です!

最後にボンボンショコラをご紹介。コーヒーか紅茶をオーダーすると、ショコラティエが一粒セレクトしてくれます。今回は特別に、おすすめのボンボンショコラをいくつかいただきました。
▲ショコラ雅シリーズ「寒椿」(左)、「紅葉」(各240円)

一粒の中に「和」と「洋」を組み合わせたショコラ雅シリーズからは、生姜の風味をしっかり感じる「寒椿」と、緑茶とメープルの組み合わせが新しい「紅葉」をチョイス。ごく薄く仕上げたコーティングの口溶けが素晴らしく、素材の味が色鮮やかに主張します。転写プリントで仕上げた和風のビジュアルもキュート。
▲瑞穂のしずくシリーズ「金鵄(きんし)正宗」(左)、「りんご」(各240円)

枡に見立てたチョコレートにジュレ状の日本の素材を閉じ込めた瑞穂のしずくシリーズからは、青森県産のりんごのジュレが甘酸っぱい「りんご」と京都の銘酒・キンシ正宗を味わう「金鵄正宗」を。味はもちろんのこと、チョコレートの中でまるで宝石のように輝くジュレの美しさに釘付けになりました。
▲断面もフォトジェニック!
▲さすがは“別邸”のベストセラー。見た目も味も楽しませてくれるボンボンショコラは、手土産にもぴったりです

新食感の不思議なトリュフ「京都ショコラ菓房 牟尼庵」

阪急線・河原町駅から西へ徒歩約5分。南北に走る御幸町通を北上すると、通りから奥まったところに見えるコンクリート製の瀟洒な建物。ここが3番目にご紹介する「京都ショコラ菓房 牟尼庵(むにあん)」です。

この工房がオープンしたのは2009年。当時は左京区北白川に構えていましたが、同工房の看板商品「牟尼庵トリュフ」が人気を呼び、2015年7月に現在の四条御幸町に移転。どの店にも真似できない、唯一無二のチョコレートを提供し続けています。
▲御幸町通沿いに看板が出ているものの、見過ごしてしまいそう。通路の奥に佇む秘密の隠れ家のよう

チョコレートを使用したお菓子を展開する「カカオ亭」と、「牟尼庵トリュフ」を代表とする「atelier du munian(アトリエ ドゥ ムニアン)」の2ブランドからなる「京都ショコラ菓房 牟尼庵」。同工房にも2ブランドの商品を提供するショップとカフェが併設されています。では早速中へ入ってみましょう!
▲エントランス脇のタペストリー。ローマ字でmunianとキリヌキされているのがおしゃれ!
▲「銀紙に包まれたチョコレート」をイメージしたという店内は、壁やインテリアに銀箔を施したスタイリッシュな雰囲気

店内から見える日本庭園は、比叡山山麓・北白川で造られた燈籠や、貴船神社山麓の岩などを配した100年以上にもなる石庭。歴史ある庭に臨む窓際席が特におすすめです。
▲外から差し込む日差しが心地よいカフェスペース。毎日スタッフが庭園をきれいに掃除しているのだそう

それでは眺めのよいカフェで、お店おすすめのチョコレートをいただきます!
一番人気は「牟尼庵トリュフ」。全12種類をラインナップしていますが、カフェスペースでは抹茶のみオーダーが可能です。今回は特別に3種類を出していただきました。
▲「牟尼庵トリュフ」(1個700円)。左から順に、抹茶、蜂蜜、白梅

まず驚いたのが、その大きさ。一般的なトリュフチョコレートより一回り大きく、貫禄さえ感じられます。「まずは食べてみて」とスタッフにすすめられるまま食べてみると、「ふわふわ、すーっ」と溶けていきました。まるで空気を含んだような、粉雪を食べているような食感。トリュフといえばまったりとしたコクと口溶けが特徴ですが、その印象をガラッと覆されてしまいました。

どうすればこんなに軽い味わいになるのかたずねると、秘密のひとつは「急速冷凍」とのこと。作ったトリュフを急速冷凍させて食べる直前に解凍すると、温度変化によって空気をたっぷり含んだふわふわの食感に変わるのだそう。
▲フォークの上にほろほろとこぼれた抹茶味は、石挽きの宇治産高級抹茶を使用

食感のみならず、上品な味わいもポイント。最高級のクーベルチュールチョコレートと国産の生クリームをベースに、プレミアムジン「タンカレーナンバーテン」などをフレーバーごとに配合するなど、上質な素材のみにこだわって使用しています。

他にもカフェスペースでは、自慢のチョコレートを使ったさまざまなメニューを提供しています。ラインナップは定期的に変わるので、詳しくは店舗にお問い合わせを。和を感じさせる石庭を眺めながら、こだわりのチョコレートの数々を味わってみませんか?
どれも個性があり、京都らしい風情を感じられるお店ばかりでした。日本で生まれ、日本人が育んできたチョコレートの数々。日本ならでは、京都ならではの味を、ぜひ体感してみてください。

※記事中の価格表記は全て税別です
中河桃子

中河桃子

編集・ライター、京都出身滋賀育ち。大学在学中に京都でライター業を開始。以後、関西・東京の出版社や制作会社で、グルメ・エンタメ・街情報を中心に18年以上携わる。新しいもの・おいしいもの・興味のあることは自分で体感しないと気が済まない現場主義。今は酒蔵巡り・和菓子作り・美術鑑賞・旅にハマり中。

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