チョコレート激戦区・京都で絶対に行きたいおすすめ専門店3選
京料理や和菓子、喫茶など伝統的な食文化のイメージが強い古都・京都。しかし、実はチョコレート専門店の激戦区でもあるんです!しかも、どの店舗も趣向を凝らした傑作ぞろい。その中でも今回は「京都」テイストが感じられて、イートインが可能な専門店を3つ厳選してご紹介します!※本記事の情報は取材時点のものです。最新情報は直接施設にお問い合わせください。

伝統と手仕事の街・京都はチョコレート職人を惹きつける
コンパクトな町の中に、なぜこれほどまで多くの店が集まっているのでしょうか。理由は定かではありませんが、一つには「日本らしさ、京都らしさ」がポイントのようです。

例えば、海外発のチョコレートブランドが京都に出店を決める理由として「素晴らしい日本建築を見つけたから」という話を耳にすることがあります。ほかに理由があるとすれば、着物など京都らしい伝統的な手仕事に共鳴したのかもしれません。
いずれにせよ、日本らしさを強く感じさせる魅力やトラディショナルな手仕事が、チョコレートに関わる人々を強く惹きつけている様子。そこで今回は、「和」を印象づけるチョコレートショップを3店舗ご紹介しましょう。
日本のチョコレート作りの草分け的存在「サロンドロワイヤル京都本店」

京都市営地下鉄東西線・京都市役所前駅から北東へ徒歩すぐ。京都特有の、歩いていると見過ごしてしまうほど細い路地を約50m奥へ進んだ先にある「サロンドロワイヤル京都本店」。昭和10(1935)年に大阪で創業し、「日本のチョコレート作りの草分け的存在」として業界から高い評価を得ているお店です。

創業当時は焼き菓子をメインに展開していた同店。1955(昭和30)年にチョコレート製造中心の指向に転換すると、この頃に手がけたサイコロチョコレートが大ヒット。1961(昭和36)年からは洋菓子としての本格的なチョコレートの製造を開始しました。
2012(平成24)年には、現在の場所に京都本店をオープン。「和と洋を融合させた本物の美味しさを」をモットーに、ここから日々美しいチョコレートが生み出されています。それでは早速、お店へ入ってみましょう。

店内に入ると、細い路地からは想像もつかないほど広くエレガントな空間が広がっていました。入り口そばの棚には、看板商品のピーカンナッツチョコレートなどがずらり。

そして店内奥の巨大なショーケースには、色とりどりのボンボンショコラやチョコレートケーキ、マカロンなどが並んでいます!そのあまりにも美しい光景に、感嘆の声が漏れてしまいました。

きらびやかなチョコレートを今すぐ頬張りたい人は、ショップに併設されたカフェスペースを利用しましょう。ショーケースに並ぶマカロンや約30種のチョコレート、ケーキをオーダーできます(1ドリンク制)。
カフェは鴨川に面していて、川のせせらぎや涼風を感じながら、とっておきのチョコレートやスイーツを味わえます。5月1日~9月末には京都の夏の風物詩・鴨川納涼床にちなんだ「カフェ床」も登場するそう。また「優雅な時間を過ごしてほしい」という思いから、毎日ピアノやバイオリンを、金・土曜の夕方からはジャズの生演奏を行うなど上質な空間の演出にも工夫を凝らしています。

そんなカフェスペースで、お店おすすめのボンボンショコラとケーキをいただくことに。ボンボンショコラとは、中にガナッシュなどの詰め物をし、チョコレートでコーティングした一口サイズのチョコレートのこと。どれにしようか迷いながら、オリーブフレーズ、エッフェル、酒ポワールをチョイスしました。

オリーブフレーズは、なんとスペイン産オリーブオイル「マシア」を使ったガナッシュと、甘酸っぱい苺のジュレを組み合わせた一粒。「オリーブオイルと苺って合うの?」と一瞬不思議に感じたものの、一口食べた途端、あまりの美味しさに絶句…!

外側の薄いシェルが口の中ですっととろけると、オリーブオイルのフレッシュで青い味わいと、苺ジュレのフルーティーな味わいが渾然一体に。パティシエの岡本昂也(こうや)さんによると「実は苺は青い風味の食材と相性が良いんですよ」とのこと。
意外な組み合わせなのに素材同士が調和している、見事なバランスに拍手を送りたくなりました。

可愛い見た目のエッフェルは、エクアドル産のカカオ豆にこだわったショコラ。滑らかな口溶けと食べやすい風味は、手土産にも喜ばれそうです。

チョコレートを使ったケーキも常時8種揃えています。その中から選んだのは、スタッフおすすめのショコラバニーユ。まるで鏡のように輝くツヤッツヤのデコレーションに期待が高まります。

カットすると、濃厚なムースが。一口ほおばると、とろんと溶けてあっという間になくなってしまいました!「食べる前からとろけてたっけ?」と錯覚してしまうほどのクリーミーなムースと、底にしかれたサクサクの生地との相性は抜群。デコレーションやムースに使用されたチョコレートは、どれもチョコレート専門店の味だとうなずけるほど濃厚です。


サロンドロワイヤル京都本店
京都府京都市中京区木屋町通御池上る上樵木町502
[営業時間]10月1日~4月30日11:00~19:00(L.O.18:30)、5月1日~9月30日11:00~20:00(L.O.19:30)
[定休日]不定休
075-211-4121
京都に特別な姉妹ブランドが登場「ショコラ ベル アメール 京都別邸 三条店」

南北に走る烏丸(からすま)通と東西に伸びる三条通の交差点を東へ歩いて5分ほど。「京都文化博物館」などの歴史ある洋風建築が立ち並ぶ通り沿いに、京町家を利用した店舗が現れます。パリの代表的なチョコレートブランド「ジャン=ポール・エヴァン」も、同じ通りに店を構えています。

「ベル アメール」とは、フランス語の「BEL(美しい)」と「AMER(苦み)」を合体させた造語「美しい苦み」を指す言葉。この言葉には、チョコレートの大きな特徴である「苦み」を活かした、美しいチョコレートに挑戦するという意味が込められています。
同店のチョコレートのベースには、オリジナルのクーベルチュールチョコレートを使用。だからここでしか出せない味を楽しむことができるんです。

1階のCHOCOLAT SHOPには、メインブランドとは異なる京都別邸のオリジナル商品もズラリ。日本の風土や季節、京都らしさを意識した看板商品のボンボンショコラ「瑞穂(みずほ)のしずく」をはじめ、タブレットタイプのカラフルなチョコレートや焼き菓子、生ケーキなどをラインナップしています。


そして2階にはイートインスペースの「CHOCOLAT BAR」が。こちらで提供しているドリンクやスイーツは全て三条店限定です。では京町家の風情を活かした落ち着きのある店内で、おすすめのスイーツをいただきましょう。

1品目は、オープン当初から人気の「京抹茶のスフレ」。宇治産有機抹茶を使用したスフレはボリュームたっぷりにふくらみ、見るからにふわふわ。スフレはすぐにしぼんでしまうため、急いで味わいましょう。

スプーンをさしこむと抵抗なくスッと割れる生地。ひとさじ口に運べば、ふわっふわの軽い食感に驚きます。かといってパサついているわけではなく、しっとり。口の中にさーっと広がる抹茶のリッチな渋味と香りも印象的です。

別添のミルクチョコレートソースは、まろやかなコクと甘みがちょうどよいアクセントになり、スフレの味わいに変化をもたせてくれます。
さらに食べ進めたらアイスを一口。スフレの濃厚な味わいをバニラアイスがほどよく中和してくれるので、スフレ、アイス、スフレ、アイス…と、いつまでも食べていられそうになりますよ。

次は2017年に発売されて以来の人気メニュー「フォンダンショコラ ~燻製~」をいただきます。フォンダンショコラの周りに、干しぶどうのソースや、ブラックベリーのコンポート、チョコアイスにココア風味の乾燥メレンゲがデコレーションされた贅沢な一皿です。
なお、過去には夏季限定でフォンダンショコラソースにブルーベリーを使用するなど、季節限定メニューも登場。

アーティスティックなビジュアルもさることながら、サーブされる時の演出にも驚きます。というのもテーブルに運ばれてきたフォンダンショコラは、こんな風にガラスケースで覆われていて…。


思わず「おおーっ」と声をあげてしまいました。ちなみに、煙の正体はくるみのチップを燻したもので、辺りにスモーキーな香りが漂います。燻されたフォンダンショコラは、まさに大人のデザートといったところ。

ナイフでカットすると、ビターチョコレートを配合した生地の中から、キャラメルクリーム入りのチョコレートガナッシュが顔を出しました。このガナッシュに使用しているチョコレートは、フォンダンショコラのためだけに作られたものだそう。ガナッシュのほろ苦さとスモークの柔らかな香り、濃厚なカカオ風味の生地があいまって、口の中がチョコレートでいっぱいになります。
ポルト酒とハチミツを煮詰めてアルコールを飛ばしたソースとも相性抜群。チョコレート・ラバーズにはたまらない一品です!
最後にボンボンショコラをご紹介。コーヒーか紅茶をオーダーすると、ショコラティエが一粒セレクトしてくれます。今回は特別に、おすすめのボンボンショコラをいくつかいただきました。

一粒の中に「和」と「洋」を組み合わせたショコラ雅シリーズからは、生姜の風味をしっかり感じる「寒椿」と、緑茶とメープルの組み合わせが新しい「紅葉」をチョイス。ごく薄く仕上げたコーティングの口溶けが素晴らしく、素材の味が色鮮やかに主張します。転写プリントで仕上げた和風のビジュアルもキュート。

枡に見立てたチョコレートにジュレ状の日本の素材を閉じ込めた瑞穂のしずくシリーズからは、青森県産のりんごのジュレが甘酸っぱい「りんご」と京都の銘酒・キンシ正宗を味わう「金鵄正宗」を。味はもちろんのこと、チョコレートの中でまるで宝石のように輝くジュレの美しさに釘付けになりました。


ショコラ ベル アメール 京都別邸 三条店
京都府京都市中京区三条通堺町東入ル北側 桝屋町66
[営業時間]10:00~20:00
[定休日]不定休
075-221-7025
新食感の不思議なトリュフ「京都ショコラ菓房 牟尼庵」
この工房がオープンしたのは2009年。当時は左京区北白川に構えていましたが、同工房の看板商品「牟尼庵トリュフ」が人気を呼び、2015年7月に現在の四条御幸町に移転。どの店にも真似できない、唯一無二のチョコレートを提供し続けています。

チョコレートを使用したお菓子を展開する「カカオ亭」と、「牟尼庵トリュフ」を代表とする「atelier du munian(アトリエ ドゥ ムニアン)」の2ブランドからなる「京都ショコラ菓房 牟尼庵」。同工房にも2ブランドの商品を提供するショップとカフェが併設されています。では早速中へ入ってみましょう!


店内から見える日本庭園は、比叡山山麓・北白川で造られた燈籠や、貴船神社山麓の岩などを配した100年以上にもなる石庭。歴史ある庭に臨む窓際席が特におすすめです。

それでは眺めのよいカフェで、お店おすすめのチョコレートをいただきます!
一番人気は「牟尼庵トリュフ」。全12種類をラインナップしていますが、カフェスペースでは抹茶のみオーダーが可能です。今回は特別に3種類を出していただきました。

まず驚いたのが、その大きさ。一般的なトリュフチョコレートより一回り大きく、貫禄さえ感じられます。「まずは食べてみて」とスタッフにすすめられるまま食べてみると、「ふわふわ、すーっ」と溶けていきました。まるで空気を含んだような、粉雪を食べているような食感。トリュフといえばまったりとしたコクと口溶けが特徴ですが、その印象をガラッと覆されてしまいました。
どうすればこんなに軽い味わいになるのかたずねると、秘密のひとつは「急速冷凍」とのこと。作ったトリュフを急速冷凍させて食べる直前に解凍すると、温度変化によって空気をたっぷり含んだふわふわの食感に変わるのだそう。

食感のみならず、上品な味わいもポイント。最高級のクーベルチュールチョコレートと国産の生クリームをベースに、プレミアムジン「タンカレーナンバーテン」などをフレーバーごとに配合するなど、上質な素材のみにこだわって使用しています。
他にもカフェスペースでは、自慢のチョコレートを使ったさまざまなメニューを提供しています。ラインナップは定期的に変わるので、詳しくは店舗にお問い合わせを。和を感じさせる石庭を眺めながら、こだわりのチョコレートの数々を味わってみませんか?
牟尼庵 京都 御所南本店
京都市中京区夷川通麩屋町西入ル木屋町484
[営業時間]12:00~18:00
[定休日] 日曜~木曜(金・土曜のみ営業)
075 - 256 - 5566
※記事中の価格表記は全て税別です

中河桃子
編集・ライター、京都出身滋賀育ち。大学在学中に京都でライター業を開始。以後、関西・東京の出版社や制作会社で、グルメ・エンタメ・街情報を中心に18年以上携わる。新しいもの・おいしいもの・興味のあることは自分で体感しないと気が済まない現場主義。今は酒蔵巡り・和菓子作り・美術鑑賞・旅にハマり中。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。
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