世界一の吊り橋!明石海峡大橋「ブリッジワールド」で絶景に震えてきた

2018.09.30 更新

「明石海峡大橋」は、兵庫県の神戸市と淡路島の間、約4kmを結ぶ大吊橋。明石海峡に立つ2本の主塔と主塔との間の距離が1,991mと、世界一長いことで有名なんです!そんな明石海峡大橋の大きさを体感できるツアーがあるのをご存知でしょうか?ツアーでは、橋の一部を歩けるだけでなく、高さ約300mの主塔の上まで登ることができます。300mといえば東京タワーに匹敵する高さ!どんな大パノラマが待っているのか、さっそくご紹介しましょう。

世界一を体感できる「ブリッジワールド」に参加しよう!

普段は車両のみが通行できる明石海峡大橋ですが、見学ツアー「ブリッジワールド」に参加すれば、橋の下層を1kmほど歩き、神戸側の主塔のてっぺんまで登って絶景を楽しむことができます。
▲神戸側から望む明石海峡大橋。空に向かって立つ2本の主塔が印象的です。手前が最寄駅のJR舞子駅、橋の向こうに見えるのが淡路島です

ツアーは毎年4月1日~11月30日の、毎週木~日曜と祝日に開催。午前と午後(9:30~、13:30~)の1日2回行われ、所要時間は1回につき約2時間40分です。参加料金は大人3,000円、中学生1,500円(ともに税込)。申し込みはインターネットか電話、FAXで受け付けています(1回につき42名まで、先着順)。

ちなみに、ブリッジワールドへの参加条件は「中学生以上」で、中学生は大人同伴であること。また、補助具なしで「2kmの歩行と階段の昇降ができること」です。そして大切なのは「高所恐怖症でない」こと。筆者も高所恐怖症ではないハズですが、ちょっとドキドキしてきました。
▲集合場所は、明石海峡大橋のたもとに立つ「橋の科学館」。JR舞子駅・山陽電鉄舞子公園駅、高速舞子バス停より徒歩約5分です

「橋の科学館」の2階で受付を済ませ、ブリッジワールド参加者が集まる部屋へ(「橋の科学館」の入館料はツアー料金に含まれています)。ここでツアー中の注意事項を聞きます。さらにガイド用イヤホンマイクやストラップを装着、ヘルメットをかぶるなど、出発準備を整えます。
▲この日の参加者は41名と、ほぼ定員いっぱい。最近は参加者の2割ほどが海外からの旅行者だそう
▲部屋の窓いっぱいに広がる海と明石海峡大橋

さあ出発!ツアーには1名のガイドの他に数人の補助スタッフが同行して、私たちの安全を守ります。

橋へ向かう前に、「橋の科学館」1階の展示室で橋の成り立ちについて、ガイドさんの説明を受けながら事前勉強します。
▲天井にある橋は、建設前に風洞実験で使用された100分の1の模型

兵庫県の神戸市と淡路島をつなぐ明石海峡大橋は、1986(昭和61)年5月に着工しました。「明石海峡は、潮の流れが早いことで有名です。また、大阪や神戸港に入港する巨大タンカーや客船も含め、1日に約1,400隻も往来する交通の要衝。船を通しながらの工事でした」とガイドさん。

そのような中、水深約60mの海底に丸いコンクリートの主塔基礎を埋め込み、建てた主塔にケーブルを渡し、車両の通る道路などになる補剛桁(ほごうげた)を渡していきました。工事期間は約10年でした。

工事そのものも大変なのに、強い潮の流れと闘い、往来する船舶を止めずに作業をしていたなんてびっくりです。
▲「主塔基礎は直径80m、高さ70mと巨大なもの。それを水深60mの海底に設置します。まさに、地球の岩盤に基礎を打ち込む感じ」と説明するガイドさん

本州と四国を結ぶルートは3つあり、それぞれのルートに、瀬戸内海に浮かぶ島々をまたぐようにして複数の橋が架かっています。瀬戸内海で初めて吊り橋がかかったのは1983(昭和58)年、現在のしまなみ海道の一部である因島(いんのしま)大橋でした。その後、1988(昭和63)年に瀬戸大橋が完成し、本州と四国が初めて陸続きになりました。

「橋が架かるたびに、安全で効率的な工法が研究されました。そして1998(平成10)年に完成したのが、世界一の規模を誇る吊り橋、明石海峡大橋です」とガイドさん。

実はガイドさんをはじめツアーに同行する補助スタッフは、実際に橋の建設に携わった人ばかり。冷静に説明する口調にも、誇らしさがにじみ出ています。
▲20年ほど前に、これほどスケールの大きい工事が行われたのかと、ツアーへの期待が高まります

さあ、いよいよ橋の上へ向かいます。明石海峡大橋の橋桁の中に造られた、回遊式遊歩道「舞子海上プロムナード」を経由します。
▲「舞子海上プロムナード」へは、写真左にそそり立つコンクリート構造物「アンカレイジ」の中を進みます。アンカレイジとは、メインケーブルの両端を固定する巨大なコンクリートの重しのこと

「舞子海上プロムナード」には、一般人も有料で入場できます(大人250円、土・日・祝日は300円。高校生以下は無料。※ともに税込、ツアー料金に含まれます)。アンカレイジから橋の内部へと通じていて、橋の内部にある回遊式通路からは、大阪湾や瀬戸内海の雄大な景色、そして足元に横たわる明石海峡を楽しむことができます。
▲「舞子海上プロムナード」内の回遊式通路。ここからいよいよツアー参加者しか行けないエリアへ出て行きます
▲回廊から出て、橋の下層部の「幅広管理路」という通路まで、細い階段を下りていきます
▲幅広管理路を横から見ると、なかなかスリリングな光景です
▲幅広管理路から下の海面まで高さ約45m。床は金網で透けています。吹きつける風を受け流して、橋への影響を常に最小限にするためです

このまま淡路島方向へ、主塔までの約1kmの道のりを歩いていきます。
▲目線をあげるとこの景色。怖いなと思った人も、歩くうちに慣れていきます。天井の上の道路を走行する車が橋のつなぎ目を通るたび、ガターンガターンと響きます
▲幅広管理路を作業車が通る!1カ月のうち20日程度は、橋のどこかの箇所を点検しているとのこと。「幅広管理路」は、そのような作業車が走る通路なのです

対岸の淡路島は、かつては夏場に水不足に悩まされることもあったそう。しかし橋が完成して本州から安定的に水が供給されるようになって以来、そのような心配も無くなりました。
▲明石海峡大橋には、水道管や電気ケーブルも通っています

いよいよ神戸側の主塔に到着しました!橋は真ん中に向かって緩やかに高くなっていて、この辺りは海上から約65mの高さ。ここから主塔の内部に入り、エレベーターで284mの高さまで一気に上がります。
▲もともと作業用に設計された構造で、内部は狭い。でも、だからこそ特別な場所に潜入するワクワク感があります
▲主塔の中は、ビルのように細かい層に分かれています。「実は今いる場所は17階です。これから98階まで約2分間で上がりますよ」

あっという間に98階に到着!さらにもう1フロアを階段で上がると、天井部分に横へスライドする扉があります。ここを上がれば、目指す塔頂です。
▲さあ、天井の扉が開くといよいよ絶景が待っていますよ!

ハンパない大パノラマ!主塔の頂上からの超絶景

上がったところで待ち受けていたのは、約300mの高さからの、目もくらむほどのハンパない絶景でした!
▲こちらは神戸側。右側に神戸の須磨海岸、左側に神戸に隣接する明石の街が広がります
▲こちらは淡路島側。もう1本の主塔が見えますね。橋の下を、船が横切っていきます
▲真下を見ると、橋を行き交うトラックや車が。なんて小さい!道路の下には、円形の主塔基礎が見えます

主塔からの景色を、動画でもお楽しみください。

▲写真では味わえない、この空気感が伝わるでしょうか!

▲淡路島側と神戸側でまったく異なる風景が広がることも大きな魅力です(こちらは神戸側)
▲私たちが立っている場所は海面から289mの高さで、左上のてっぺんの部分は306m。吊り橋における主塔の高さも世界一!(2018年9月現在)
▲神戸方面。塔頂部の滞在時間は約15分なので、その間に写真映えする風景を撮影しようと、シャッターを押す手が止まらない!
▲空気が澄んでいれば、大阪市内に立つ「あべのハルカス」(東側)や、「関西国際空港」(南側)、「小豆島」(西側)も眺められるそう
▲橋をつなぐ太いケーブルの直径は、1.1m。ケーブルの中には高強度亜鉛鋼線の束が詰まっていて、橋を支えています

間近でメインケーブルを見ると、その太さに驚かされます。

「ケーブルがダメになれば吊り橋は終わりです。だから、ケーブルが損傷したりサビが出たりしないよう、メンテナンスを怠りません。目標は、今後200年以上にわたる橋の維持管理です」とガイドさん。

ケーブルの寿命がそのまま吊り橋の寿命になると言われ、ドキッとしました。サビを出さないために、メインケーブル内へ常に乾燥した空気を送り込むなどの対策をしているそう。吊り橋なのに、まるで毎日世話が欠かせない生き物の話をされているように感じました。
▲天空でハイチーズ!塔頂でガイドさんに撮影してもらった写真は、後で認定証と一緒にプレゼントされます

再びエレベーターで幅広管理路まで降りてきました。途中、幅広管理路の横にある、作業員用の歩行者専用通路を歩く体験も。幅が狭いので、先ほどとはまた違うスリルが味わえますよ。
▲来るときには通らなかった歩行者用の通路を通ります
▲幅広管理路から見た、歩行者専用通路。見ているだけでスリリング
▲特に海外の方から「これはバンジージャンプ用か?」と質問されるという階段。橋の外側のレール上を移動する、点検用台座を乗り降りするためのものだそう
▲主塔から約1kmを歩いてきました。階段を上がって「舞子海上プロムナード」の通路へ
▲「橋の科学館」に戻ってツアー終了です。ヘルメットなどを返却し、最後に認定証にハンコをいただきましょう
▲「この橋を歩いて、あの主塔の上に立ったんだよ!」。認定証と橋を一緒に撮影すれば、いい記念になりそう

車で橋を渡るだけじゃ、本当にもったいない!橋を歩いて海を渡り、海面より約300mの主塔のてっぺんから雄大な風景を望む「ブリッジワールド」を、ぜひ体験してみてください!

大橋を下から眺める絶景スポットへ

天空からの景色をツアーで満喫した後は、地上からの橋の絶景スポットもご紹介しましょう。
「舞子海上プロムナード」は、明石海峡大橋の一般車両が通る道路の下にあります。海上へ向かって150mほど伸びている回遊式遊歩道の中には、一部足元がガラス張りになっているところも。
▲「舞子海上プロムナード」入口は、明石海峡大橋の真下。ここもなかなか写真映えするスポットです
▲回遊式遊歩道の途中、ここでちょっぴりスリリング体験!ガラス張り通路の真ん中に渡してある丸木橋を歩いてみよう!下の海面まで、47mあるそう

「舞子海上プロムナード」内には、カフェもあります。ガラス窓いっぱいに広がる大阪湾や瀬戸内海、また神戸や明石の街並みを眺めれば、気持ちもすっきりするはずですよ。
▲「Tom's Cafe 舞子(トムズ カフェ まいこ)」。営業時間9:30~18:00(L.O.17:30)/定休日第2火曜(祝日の場合は営業、翌日休)、12月29日~31日
明石海峡大橋の、神戸側のたもとには舞子公園が広がっています。平日の夕方や休日には、芝生でのんびりする家族連れや、多くの釣り人も集います。
▲公園からの眺め。橋桁の手前側に、先ほどまでいた「舞子海上プロムナード」の通路が見えます
▲船を眺めていた親子連れ。どんな話をしているのかな
▲明石海峡大橋の架橋5周年を記念して製作されたモニュメント「夢レンズ」。ドーナツのような形状越しに橋をのぞく

園内でもひときわ異彩を放つ三角屋根の洋館は、「孫文記念館(移情閣)」。神戸華僑の豪商・呉錦堂(ごきんどう)の別荘だったもので、現在、国の重要文化財に指定されています。歴史を感じる洋館と橋のコラボレーションは、絶好の撮影ポイント!
▲3階建ての八角堂が特徴の「孫文記念館(移情閣)」。呉錦堂の業績や、孫文と神戸との関わりを紹介する資料が展示されています(営業時間10:00~17:00/入館料大人300円・税込、高校生以下無料/休館日月曜、12月29日~1月3日)

明石海峡大橋のロマンチックな夕焼けや夜景も見逃せない

明石海峡大橋の雄大な景色は、家族や友人同士で訪れるのはもちろんデートにも最高に魅力的です。
▲夕日をバックにした明石海峡大橋を眺めながら、波の音を聞く。心から癒されます
▲舞子公園に隣接する「ホテルセトレ神戸・舞子」付近から眺める夕景は、とってもエキゾチック

また、日没後から夜中の0時までは毎晩ケーブル照明(ライトアップ)を実施。真っ暗な夜空と海の中に浮かび上がる明石海峡大橋は、ものすごい存在感です。
▲ライトアップされた明石海峡大橋。左下に見える小さな丸い光は、対岸にある淡路サービスエリアの観覧車

明石海峡大橋は、光の色を自在に演出できる照明器具を世界で初めてケーブルに設置した橋です。通常はパール色1色ですが、開通20周年を迎えたことを記念して、2018年10月末までの土・日・祝日は、赤や黄色、緑や紫などカラフルなライトアップを行なっています。この期間だけの華やかな大橋のライトアップを眺めに訪れるのもオススメです。
▲上空には、神戸空港に着陸する旅客機が。空から眺める橋は、どんな風に見えるのかな?

いかがでしたか?世界一の大きさを誇る吊り橋・明石海峡大橋は、周辺から眺めるだけで気持ちの良いものですが、建設工事に携わったガイドさんの案内で巡る「ワールドブリッジ」も断然オススメです。雄大な景色やスリリングな体験を味わいに、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。
國松珠実

國松珠実

大阪エリアの女性ライターズオフィス「おふぃす・ともとも」所属。人と話すのが好きで店舗や企業取材を得意とする。また旅行好きが高じて世界遺産検定1級を持っている。 編集/株式会社くらしさ

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