えびの町・秋穂で車海老“おどり食い”の食べ放題!弾ける美味しさに感激必至!

2018.09.06 更新

瀬戸内海に面する山口県山口市秋穂(あいお)地域の名物は車海老。元々、周辺の沿岸で天然ものが漁獲されていたこともあり、国内で初めて養殖が事業化されるなど、「えびの町」として発展しました。地域一帯は、車海老料理もまた名物。今回は、食べ放題プランもある「えび料理 しらい」で超美味な品々を堪能しつくします!

秋穂は車海老養殖事業の発祥地。天然物に遜色なしの絶品!

周防(すおう)灘に面する秋穂は、「車海老の養殖発祥地」として知られる地。海岸沿いには養殖・加工事業所が点在し、山口県全体の養殖生産量の内の半分弱(中四国農政局「2015~2016年山口農林水産統計」)を占めています(山口県の車海老の養殖生産量は全国4位/農林水産省「2016年漁業・養殖業生産統計年報」)。

同地域では、水揚げされた海老を生きたまま貯蔵したり、天然物の稚エビを育てたりという「畜養」と呼ばれるスタイルの養殖法(熊本県の天草地方が発祥)が、明治時代後期に定着。その後、産卵・孵化からの完全人工養殖について研究が重ねられ、1963(昭和38)年、同方式では国内初となる車海老養殖事業者が誕生。これが「発祥地」といわれる所以です。
▲秋穂は、JR新山口駅から車で約20分。海岸沿いには、車海老の養殖池が広がる

発祥地ゆえに養殖技術は最先端。現在、海老に“ストレス”を抱かせない細心・丁寧な育成手法が確立され、天然物に遜色ない美味しさは、高級ギフトとしても絶大な人気を誇っています。
▲養殖場や加工場では、関連商品の直売も行っている。写真は、老舗養殖事業者・旭水産の人気商品「車海老の西京漬け」(200g・税込2,808円 ※10匹前後)

秋穂では、秋から早春にかけてが養殖物の最盛期で、夏には近海産の天然物も多数流通。鮮度抜群の車海老料理が年間を通じて堪能できます。

車海老料理の代名詞的存在!人気店「しらい」へ

地域内の料理店は、いずれも“海老づくし”が自慢の名店ぞろい。今回は、その中でも人気の筆頭といえる「えび料理 しらい」(以下、しらい)に訪れ、車海老三昧を堪能しつくします!
▲「しらい」横の建物には生け簀が並び、大量の海老が備蓄されている

秋穂は海沿いに広がる長閑な港町。「しらい」はその南端に位置し、目の前には海が広がります。夏季には海水浴とともに車海老料理を楽しみに訪れる家族連れも少なくありません。
▲コース料理は個室でいただく。目の前には周防灘が広がる開放的なロケーション

同店は、秋穂で車海老の食べ放題プランを設定した元祖のお店。バイキング形式のメニューにはもちろん車海老が含まれており、海老三昧を堪能できるコース料理とともに高い人気を誇っています。
▲自社水槽で常時大量の車海老を確保している。お土産に車海老そのものを購入することも可能

「おどり」「塩焼き」「フライ」の“三大人気メニュー”に舌鼓!

「しらい」では、10種近い車海老コースを提供。今回は「おどり」「塩焼き」「フライ」の三大人気メニュー全てを含み、車海老三昧を楽しめる「松コース」(全13品、8,300円、要予約、その他コースの価格帯は3,400円~13,000円 ※すべて税・サ別)をいただきます。
▲「松コース」。車海老に加えて近海産の旬の魚介もふんだんに使われている

各料理の海老たちが、鮮やかな色合いを競い合って「美味しいよ!」と主張しているかのよう。目移りしますが、まずは中央に鎮座する、鮮度が命の「おどり」からいただくことにします。
▲車海老の「おどり」はサイズによって1~3匹分(今回は2匹分)が使われている。鮮度抜群の身は見るからに弾力がありそう。そして、美味しそう~

「おどり」とは、車海老の活き造りのこと。いきなりの真打ち登場と言えるほど、その存在感は圧倒的です。抜群の鮮度ゆえの生命力で、捌かれてもなお頭部のヒゲや足が時折激しく動きます。艶やかで張りのある身は「ぷりっ」っと、その弾力が“見える”といっても過言ではありません!
▲半透明の身、尻尾の模様の美しさが新鮮な証。思わず見とれてしまう…

まずは、一口。こ、これは~、想像以上の弾力!「ぷりっ」とも「コリッ」ともいう音とともに身の旨みが口いっぱいに広がっていきます。一品目にして、いきなりの恍惚状態、この身の甘みといい、すべてが感動的です。

そして、身を食べたからといって終わりではありませんよ!いわゆる“みそ”が詰まっている、頭の部分をお忘れなく!通常、頭はそのまま唐揚げにしてもらえるのですが、せっかくなので今回は生でみそを味わいます。
▲頭の部分をのぞき込むと、まだまだ身とみそがぎっしり!
▲前脚の辺りと角をつまんで…
▲頭の殻をめくると、みそが食べやすく剥き出しに。コツさえ掴めば意外と簡単

思い切りかぶりついて、そして、目一杯にすすります。んん~、身の旨みとはまた異なる濃厚さがたまりません!これぞ「おどり」究極のお楽しみと言える珍味、一度覚えるとクセになってしまいそうです。

サザエやウニ、そしてワタリガニなど、目の前に並ぶ近海産の魚介料理を楽しみつつ、続いて「おどり」同様にひときわ目立っていた、大きな車海老の「塩焼き」をいただきます!
▲20cmはあろうかという大きさ。そして、いかにも身がぎっしりと詰まっていそうな胴の太さ!

まずは殻をキレイに剥いて、みその詰まった海老の頭は後のお楽しみ…。さっそく胴の部分に思いきりかぶりつきます。
▲殻剥き完了…、あとはかぶりつくのみ!

程々に弾力のある身の部分は、火が通ったことで、いっそう甘み豊かに。しかも噛めば噛むほど旨みが口いっぱいに広がっていく~!そして頭の部分は、…なんと表現して良いやら、とにかく超がつくほどの味わいの濃さ!伊勢海老、毛蟹といった、同じく甲殻類の高級食材にも全く負けていません。
▲「塩焼き」のみそも美味しい~。「もっと!」という人には単品追加(塩焼き2,000円、おどり3,000円 ※ともに税・サ別)も可能

ふと気が付けば、目の前の陶板鍋から湯気が勢いよく出始めました。陶板で蒸し焼きしたイカや野菜とともに車海老をいただきます。
▲陶板焼きにも、丸々一匹が鎮座
▲「グラタン」は、食事を開始した後に、熱々の出来上がりが運ばれてくる。ホワイトソースの中には、もちろん海老が!

そして、三大人気メニューのトリは「フライ」。えび料理が看板の同店では、食べ比べを楽しんでもらおうと、フライのみ車海老ではなく「ホワイト」という品種の海老が使われています。

ホワイト海老は、車海老に並ぶ高級品種で、その身の甘さは負けず劣らずなのだとか。車海老よりも身が柔らかく、フライにぴったりなのだそう。そして、一般的な海老フライよりもはるかにジャンボサイズ!もう、見ているだけで心が躍ります。
▲「しらい」に限らず、秋穂の海老料理店では、海老の“開き”をフライにするのが定番。大きな海老がさらに大きく見える!

さっくりとした衣に包まれた海老の身はふっくら。塩焼きと同様、噛めば噛むほど美味しさが深まっていきます。もちろん、こちらも追加で単品注文が可能(税・サ別1,800円)です!
▲衣の中には純白な海老の身が。さっくりホクホクと、フライの食べ応えも最高~!

「塩焼き」と「フライ」で大きめサイズを2匹、「おどり」は2匹分(1~3匹の場合あり)、さらに陶板焼きに1匹などと、その美味しさの余韻に浸りながらメニュー冊子を見ていると、目に止まったのは「おどり“食い”」…!?

「おどり」ではなく「おどり食い」!?車海老をワイルドにいただく究極の逸品!

女将さんに尋ねると、活き造りの状態で提供される「おどり」と違い、「おどり食い」は、活きた海老がそのままテーブルに運ばれてくるのだそう。つまり、跳ねて暴れる海老をしっかり手に持って、頭を取り、殻を剥いて口に運ぶという、野趣溢れる味わい方なのです!
▲今回はハーフサイズ(税・サ別1,500円)を注文。ハーフとはいえ、車海老が4匹も!
▲ドキドキしながら手に取って…、静かにしていても突如跳ねるのでご注意を

少々残酷かなという気持ちもありますが、思い切って頭を取り、胴体の殻を剥いて…、うお!ビクンビクンと身の動きが手に伝わってきます。なんとかキレイに剥けました~!
▲剥きたての身は、「おどり」よりもさらに透明度が増す。ある意味、これこそ最高に贅沢な味わい方かも

そして、口に運び身に歯を立てると瞬間的に海老の尾がバッと開きます。罪悪感を抱きつつ、甘く深い海老の旨みに、再び恍惚…。「もう一匹、あと一匹」と食べているうちに、あっという間に4匹を平らげてしまいました。
▲少しでも油断すると…、わわーっ!
▲一瞬でこんな有様に…。手に持った海老だけでなく、お皿に並んでいる海老たちも跳ねることがある
▲「おどり食い」完食後、残った頭と尻尾は素揚げにしてもらえる。カリッと絶品~!

果たして、これまでの人生の中で、一度にこんなにたくさんの車海老を食べたことがあったでしょうか…。おどり食い、塩焼き、フライなどなど、甘く濃厚なその味わいに感動の連続、これは何度でも訪れたいところです。

さらに「おどり食い」と「塩焼き」が食べ放題のプランも!

しらいでは、海鮮とともに車海老の「おどり食い」「塩焼き」が「食べ放題」となるプラン(火・土・日曜の18:00スタート、2時間大人7,500円、3時間9,500円 ※ともに税・サ別。大人10人以上であれば、曜日・時間帯問わず対応可)が大人気。一人で数十匹を平らげる人も少なくないのだそうです。
▲食べ放題はバイキング形式。車海老の塩焼きが山積みに~!秋穂地域での車海老食べ放題は「しらい」が元祖なのだとか
▲「おどり食い」は網を使って自分ですくい上げる。ワイルド!

また、11~4月には、敷地内で「牡蠣小屋」の営業が行われています。主役の牡蠣のほかに、もちろん車海老(1匹500円~※税・サ別、相場によって変動あり)もしっかり味わえます。
▲「牡蠣小屋」では、サザエ、マテ貝、ハマグリといった近海産の貝類が充実している

年に一度の「あいおえび狩り世界選手権大会」。参加申し込み殺到の超人気イベント

秋穂地域では、まちおこしイベントとして「あいおえび狩り世界選手権大会」なるものも、毎年8月末に開催しています。1991(平成3)年に始まり、「しらい」から2kmほど離れた中道(ちゅうどう)海水浴場を舞台に繰り広げられます。

高級食材の車海老がつかみ取りで「取り放題」(もちろん持ち帰りOK!)というインパクトも相まって、あっという間に超人気イベントへと成長。2018年の第28回大会では、1,500人の募集枠に対して、実に約59,451人(それも前年比約9,000人増!)もの応募があったそう。
▲「えび狩り世界選手権」の一コマ。会場となる浅瀬には約15,000匹の車海老が放たれ、上位の人は100匹以上を捕まえる(写真提供:山口県)

2018年は残念ながら8月26日に開催済み。毎年6月頃に、山口観光コンベンション協会のウェブサイトなどにて募集が告知されるので、興味のある人は要チェックです!
なお、「しらい」でも、7~10月頃に目の前の砂浜で「えび狩り」(大人税別3,000円~、10日前までの要予約、大人30人以上の団体より受付)を実施しています。どうしても「えび狩り」に挑戦してみたいという人は、ぜひお店に問い合わせてみましょう。
▲「しらい」の目の前には小さな砂浜がある。潮の干満など、条件が整ったタイミングのみ予約可能

えびの町・秋穂の名店「しらい」での車海老料理の品々はいかがでしたか?秋穂で車海老を味わうならば、いつ訪れても最高鮮度!そして、産地ゆえにリーズナブルに堪能できますよ!
▲秋穂の特産品が一堂に会す道の駅「あいお」では、海老関連の商品が多数並ぶ。仕上げに車海老エキスをふりかけるレトルトカレー「ココえび狩りー」(税込880円)が人気上昇中
兼行太一朗

兼行太一朗

記者兼営業として、地元山口の地域情報紙に14年間勤務。退職後はNPO法人大路小路ひと・まちづくりネットワークに籍を置き、守護大名大内氏や幕末における歴史資源の取材に携わる。同時にフリーライターとして活動しながら、たまに農業も。自称ネコ写真家。(編集/株式会社くらしさ)

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報は直接取材先へお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。

こちらもおすすめ

もっと見る
PAGE TOP