神秘の絶景「青海島」で青く透き通った海と洞門クルージング!

2018.09.11 更新

山口県長門市の「青海島(おおみじま)」。島の周囲には、太古の火山活動や地殻の隆起、波の浸食によって生み出された奇岩、洞門などが連続しています。“海上アルプス”とも呼ばれるその絶景は、青く透き通る美しい海と相まって、とっても神秘的!その魅力を堪能し尽くすなら、圧倒的な自然造形を目の前で堪能できる遊覧船は外せません。

“絶景県”山口県の真骨頂は「青海島」にあり。青く透き通る海、奇岩、洞門に感動必至!

日本海に面する山口県北西部の都市である長門(ながと)市。その市街地の北端、漁港に面して広がる仙崎の街並みの目と鼻の先に「青海島」はあります。

山口県の日本海側の海岸線は、そのほとんどが「北長門海岸国定公園」に指定されており、美しい景色が連続しています。長門市は海岸線全域が国定公園に含まれており、その中心的な景勝地として知られているのが青海島です。
▲青海島より本土(橋で陸続き)を眺める。正面が仙崎の街並み、左側が仙崎港

山口県といえば、同じく長門市にある「元乃隅稲成(もとのすみいなり)神社」や隣接する下関市の「角島(つのしま)」が全国的な知名度を誇り、この他に「秋吉台」「別府弁天池」「千畳敷」など絶景スポットが多彩(関連記事はこちら)。“絶景県”ともいえる中にあって、青海島はその真骨頂ともいえる美しさなのです!
▲「元乃隅稲成神社」へは車で約20分。“絶景度”なら青海島も負けていない

40kmほどの青海島の周囲に連続する断崖、奇岩、洞門は、約9000万年前の火山活動やその後の地殻変動、長年にわたる波の浸食によって生み出されたそう。数々の自然の造形美と圧倒的な迫力から“海上アルプス”とも呼ばれ、島全体が国の名勝、天然記念物に指定されています。
▲青海島の日本海側は絶景の連続。この美しい光景ですらまだまだ序の口

そして、多彩な表情を見せる奇岩や洞門の美しさを、よりいっそう際立たせているのが青く澄んだ海。その魅力は、島の対岸・仙崎港から発着している観光遊覧船で堪能し尽くせます。美しい海から間近に眺める奇岩や洞門はとにかく圧倒的!そんな感動必至の青海島クルージングへとご案内します!

かわいらしい「イルカ船」「クジラ船」で青海島を一周!

まずは仙崎港にある「青海島観光汽船」の遊覧船乗り場へ。2018年4月にグランドオープンしたばかりの道の駅「センザキッチン」に隣接し、同施設駐車場(無料)がそのまま利用できます。
▲「センザキッチン」は長門観光の新たな拠点施設。山陽新幹線・新山口駅より直行バスも運行中(所要時間約90分)
▲観光汽船乗り場は、施設左手奥の海側にある

「センザキッチン」は後ほどのお楽しみとして、さっそく乗船券を購入します。岸壁に係留されている遊覧船は、クジラやイルカの姿!カラフルでカワイイ~。
▲カラフルな「イルカ船」(写真提供:青海島観光汽船)
▲こちらは「クジラ船」。お客さんを降ろしたあとに潮を噴き上げるパフォーマンスがある

小型の「イルカ船」は洞門をくぐったり、奇岩を縫うように進んだりと、ダイナミックな遊覧が楽しめます。対する中型の「クジラ船」はデッキを備え、潮風を浴びながら海上アルプスの雄大な眺めを満喫できます。定期船(青海島観光汽船ウェブサイト参照)がどちらの船で運航されるのかは、出港までのお楽しみ。
▲ウェブサイトで紹介されている「青海島一周コース」。奇岩や見どころの名称も興味をそそる(画像提供:青海島観光汽船)

基本的には「青海島一周コース」のみが運航されており、天候や海の状況によって途中で折り返したり、湾内のみになったりとルートが変更されます。さらに洞門をくぐったり、奇岩に近づいたりするには、海上のうねりや潮の干満などにも影響されるため、たとえ天気が良くても、どのルートになるかはその時の“運”にもよるそうです。
▲青海島観光汽船には二人の女性船長が在籍。今回乗り込む船ではその第1号・岡村有菜さんが舵を取り、見どころをガイドもしてくれる

取材当日は幸いにも晴天に恵まれ、海上もここ最近では一番の穏やかさとのことで、期待が膨らみます!「船は島の周囲を右回りに進むので、進行方向右側の座席がおすすめですよ」と岡村さん。
▲今回乗ったのは「イルカ船」。夏休み中とあって、座席もぎっしり。乗客が多い場合は船が追加される

圧倒的なスケールで迫り来る“海上アルプス”。海上からしか出合えない絶景に興奮!

青海島一周コースの所要時間は約80分。仙崎港を出港して青海大橋をくぐると、船はスピードを上げます。
▲最初の奇岩「花津浦(はなづら)」。見どころではゆっくりと進むので、ぜひ窓を開けてみよう

10分ほどで見えてきたのは「花津浦」と呼ばれる、ぽっかりと穴の空いた奇岩です。岡村さんのガイドによると、向かって左上に自然に造形された観音様のような岩があるそう…、あ、確かに!手を合わせた観音様のような姿に見えます!
▲左上の一部分をよく見ると、手を合わせる“観音様”のような姿が浮かび上がってくる

続いては「赤瀬」と呼ばれる岩場に差し掛かります。名前の通り、一帯の岩が赤く見え、海の青や打ち寄せる白波とのコントラストが見どころです。
▲「赤瀬」の岩の隙間を抜けていく
▲「赤瀬」内にある「コウモリ洞」。コウモリが翼を広げた姿になぞらえて名付けられた

次に遊覧船が向かったのは、一周コース前半随一の見どころ「夫婦(ふうふ)洞」。赤い岩に二つの洞門が寄り添うように並んでいる様子から名付けられました。海に反射した光によって洞内が黄金色に輝くことから「黄金洞」とも呼ばれています。
▲「夫婦洞」は、赤い岩と青い海のコントラストが抜群に美しい場所でもある

船は洞門に向かって進んでいき、え!?なんと中へと入っていきます!奥の岩までギリギリ!確かに、光が当たっている岩は黄金色に見えてキレイ~。
▲舳先、天井に岩が迫る!船が入れるギリギリまで奥に進んで、後退して外に戻る

岡村さんのガイドを聞きながら、船はさらに先へと進みます。程なくして「幕岩(まくいわ)」、さらに進むと「白旗岩」と呼ばれる奇岩が目の前に現れました。

岡村さんが「最近のイチ押しスポットです!」と案内する「幕岩」周辺は、約9000万年前、白いマグマに黒いマグマが入り込んだ火山活動の様子をそのまま伝えるとても貴重な地層なのだとか。両者ともに融合しない性質であったため、あたかも白と黒で描かれた芸術作品のように固まったそう。
▲「幕岩」。白と黒のマグマが作りだした模様は、まるで人が描いた絵のよう

やがて、視界には断崖が迫り、よく見ると海面部分にはぽっかりと洞門の入口が見えてきました。「観音洞」と呼ばれている洞門で、なんと船でくぐれるそうです!ちなみに、一周コースでは4カ所で洞門くぐりが楽しめ、「観音洞」は「夫婦洞」に続いて2つ目。
▲「観音洞」へ向かう。断崖にもご注目、地層をはっきり見ることができる
▲ゆっくりとスピードを落として洞内を進む。ここでも壁面までギリギリ~!

美しくも神秘的な奇岩がさらに続々!予期せぬ奇跡が起こるかも!?

出発して約30分、洞門を抜けてコースはまだまだ半分の手前です。船は少しスピードアップ…と思ったら再びゆっくり…に!?

すかさず「船の右側にイルカがいます!」と岡村さんのアナウンス。なんと、わずか10m先に5、6頭のイルカの姿が!
▲青海島近海でイルカに出合えることは、奇跡といえるほどの超々レアケース!わわ、目の前に~!

奇跡的な出来事に、乗客の大人も子どもも大はしゃぎ!興奮冷めやらぬ中、遊覧船はさらに先へと進みます。

断崖が両サイドに迫る中を航行し、すぐに3つ目の洞門「大門(おおもん)」をくぐります。岩の荒々しさが一段と増した雰囲気に、ただただ圧倒されるばかり。
▲断崖の間をゆっくり航行する。本当にギリギリの狭さを進むので窓から手や顔を出さないように
▲「大門」通過中に見える「小門(こもん)」

大門を抜けると、大小様々な岩が林立する海域へと差し掛かります。個々の岩に「カモメ岩」「十六羅漢」などと名称がついており、このあたり一帯の絶景から“海上アルプス”と言われるようになったそうです。
▲船の行く先には巨大な奇岩が連なる

なお、この付近の陸上には、約2kmにも及ぶ「青海島自然研究路」が整備されており、断崖上からも、奇岩が林立する海の様子を一望できます。岩が群がって見える様子は“セムラ”と呼ばれ、皇居新宮殿「長和殿(ちょうわでん)」の「波の間」に描かれている大壁画「朝明けの潮」(東山魁夷作、1968年完成)は、この光景がモデルなのだとか。
▲「青海島自然研究路」の展望所より。中央左にある海中の巨岩が「カモメ岩」、その右に並ぶ大小の岩が「十六羅漢」、右下浜辺から並ぶように連なる岩々は「変装行列」

奇岩の間を縫うように進み、やがて「島見門(しまみもん)」と呼ばれる4つ目の洞門へ。もちろん、船で通り抜けるのですが、その幅はコース内で最も狭い約2m60cm。船の幅はというと…約2m40cm!両サイド約10cmずつしか余裕がないということ、ひえ~凄い!
▲これまでの洞門に比べて、見るからに幅が狭い!

船の幅とほとんど変わらない「島見門」の通り抜けは、海が穏やかでなければ実行されません。本日の条件は完璧!あとは船長さんの腕の見せどころ、たとえ熟練の技術を持ったベテランでも、この洞門だけは特に緊張するそうです。
▲洞門の壁スレスレに通過!洞門の美しさはもちろん、何よりも見事なのは船を操る技術!
▲あらためて出口から「島見門」を眺める。洞門の向こうに島が見えるのがその名の由来

「島見門」を過ぎると、一周コースの終盤へ。袈裟を着たお坊さんが拝んでいるように見える「仏岩」、そして、高さ約80mもある「屏風岩」が次々に現れます。
▲「仏岩」には、人工的に数珠?がかけられた演出も。この岩に向かって祈願するのが一周コースの締めくくり
▲海岸にそびえる巨大な屏風岩も見応え十分

島の東側をぐるりと回ったら、湾を横切って仙崎港へと戻ります。奇岩や洞門くぐりに、神秘の青い海!今回は一周コースの航海に当たっては最高のコンディションで、青海島を100%堪能できたといえます。

長門の新名所・道の駅「センザキッチン」。絶品ぞろいのご当地名物に舌鼓!

青海島の美しさを堪能したあとは、遊覧船乗り場隣にある道の駅「センザキッチン」でご当地の逸品を堪能し尽くしましょう。同施設は、新鮮活魚、長門名物の蒲鉾など、ご当地自慢の品々がずらりと並んだキッチン棟と、飲食テナントや観光案内所が入居するダイニング棟で構成されています。
▲「センザキッチン」は、道の駅であると同時に海の駅にも認定。ヨットやプレジャーボートなど海からも立ち寄れる。写真はキッチン棟

まずは、文字通り“仙崎の台所”ともいえる、キッチン棟から見ていきます。駐車場正面、お鍋と海をイメージしたかわいらしいロゴマークが目印です。
▲鮮魚や水産加工品、惣菜などを中心に、長門自慢の品々がそろう
▲館内にある自家製干物が自慢の「ひものや食堂 ひだまり」は定食が人気。店先に並ぶ干物のみの購入も可。店外の窓口ではアジフライなどのテイクアウトもOK

「関東は小田原、関西は仙崎蒲鉾」という言葉があるほど、長門市は蒲鉾の名産地というのはご存知ですか?その特徴は、蒸す工程のない「焼きぬき」(蒲鉾を成形した板の下側から焼き上げる。かつては炭火が使われた)という製法にあり、「センザキッチン」では、“これぞ”という高級蒲鉾も並びます。
▲1本1,000円前後の蒲鉾は超がつくほどの逸品。ぷりっぷりの食感、噛むほどに広がる豊かな旨みがたまらない!

さらに、隣接する「グリルハウス」では、直売所で購入した海鮮、干物、野菜などで、すぐにバーベキューが楽しめます。
▲仙崎湾を眺めながらバーベキューを満喫。スタッフが焼き方のコツも教えてくれる(席料:90分500円/人 ※未就学児童は250円)
▲キッチン棟左隣にある「LaLaベーカリー」も注目。仙崎湾由来の天然酵母で発酵させたパンも絶品で大人気

続いて、ダイニング棟へと移動します。こちらには「センザキバル」と名付けられた飲食街があり、「全国七大やきとりタウン」の一つでもある長門の名店「焼とりや ちくぜん」のほかに多彩な店が軒を連ねています。地魚の海鮮丼、ご当地食材によるカレー、ラーメンなど、ローカルフードの食べ比べが堪能できます。
▲「センザキバル」ではその場で味わう以外にもテイクアウト可能なメニューがいろいろ
▲左上から時計回りに「ちくぜん」の焼き鳥(1本150~270円)、「ターカリー」の「骨なしふぐの唐揚げ」(300円)、「はれるや」の「仙崎ラーメン」(780円 煮玉子トッピング150円)、「海鮮丼Ajito(アジト)」の「日替わり海鮮丼・並」(500円)

なお、「Ajito」では、カンパチ、スズキ、ケンサキイカ、ウニなど、ネタを選んで自分だけの海鮮丼を作ることもできます。ショーケースにはその日仕入れたばかりの新鮮なネタが並んでいるので、好みのネタにこだわりたいなら要チェックです。
▲「センザキッチン」のダイニング棟。手前に観光案内所、老舗寿司店「千石」、一番奥にバルが並ぶ

また、ダイニング棟にある観光案内所「YUKUTE(ユクテ)」にもぜひ立ち寄りましょう。青海島や仙崎はもちろん、近隣の湯本温泉、元乃隅稲成神社、角島など、「センザキッチン」を拠点とする楽しみ方などを教えてもらえますよ。
山口県が誇る絶景スポット「青海島」はいかがでしたか?その美しさは、観光遊覧船に乗って“体感”してこそ楽しみ尽くすことができます。

神秘的な美しさは通年で目の当たりにできますが、海の透明度が一段と増すのは初夏から秋にかけて。運航か欠航か、またどのコースかなど、当日の状況は青海島観光汽船ウェブサイトをチェックしてみてください。
▲青海島の絶景の中を進む遊覧船。写真は「大門・小門」地点(写真提供:青海島観光汽船)

※記事中の価格表記は全て税込です
兼行太一朗

兼行太一朗

記者兼営業として、地元山口の地域情報紙に14年間勤務。退職後はNPO法人大路小路ひと・まちづくりネットワークに籍を置き、守護大名大内氏や幕末における歴史資源の取材に携わる。同時にフリーライターとして活動しながら、たまに農業も。自称ネコ写真家。(編集/株式会社くらしさ)

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