大空のまち・三沢!航空科学館や基地ツアーなどファン必見の聖地に潜入!

2018.08.25 更新

青森県の南東部に位置する三沢市は、全国有数の航空施設がある「大空のまち」として有名です。また、市域の中央に位置する「航空自衛隊 三沢基地」(以下、三沢基地)には約6,900人の米軍関係者も暮らしており、異国情緒漂う、独特の文化を持った国際都市でもあります。今回は航空ファンやミリタリーアイテムに興味のある人ならぜひ訪れたい三沢の観光スポットや、普段は入ることのできない激レアな基地のツアーイベントの様子をご紹介します!

▲航空機マニアも大興奮の名機がずらりと並ぶ

大空のまち・三沢ができるまで

三沢市がなぜ「大空のまち」と呼ばれるようになったのか。それは、三沢の航空史の始まりと言われる1924(大正13)年まで遡ります。東京・立川の陸軍が北海道・旭川までの飛行演習を計画した際、当時の航空機では一気に飛ぶことができなかったため、中継地として三沢を活用しました。古くから馬産地として栄えた三沢には当時多くの牧場が存在しており、牧場の一部が中継地として利用されたのです。
▲三沢基地を離陸する航空自衛隊の航空機

転機は1931(昭和6)年。世界初の太平洋無着陸横断飛行に挑戦する「ミス・ビードル号」が三沢の淋代(さびしろ)海岸を旅立ち、41時間10分をかけて見事その偉業を成し遂げました。英雄となったミス・ビードル号が飛び立った場所として、三沢は歴史に名を残したのです!
▲市内にある「青森県立三沢航空科学館」(以下、三沢航空科学館)にはミス・ビードル号の実物大レプリカをはじめ往年の航空機が展示されている
▲三沢駅前の観光案内図にもミス・ビードル号が。町のシンボルとして点在している

その後、1942(昭和17)年に日本海軍の基地として開設された三沢航空基地が、太平洋戦争後に日米共同基地となり、そこから町並みも大きく変貌。現在では米軍関係者も市街地に居住できるようになり、日米の人々が当たり前のようにコミュニケーションを取りながら生活をしています。
▲三沢基地周辺の町並み。洋風の建物が立ち並び、夜はアメリカンバーやハンバーガーショップが外国人客で賑わう

大空のまち・三沢の歴史を押さえたところで、市内のおすすめ観光スポットに出かけましょう。

航空機のテーマパーク!三沢航空科学館

青い森鉄道・三沢駅より車で約15分のところにある三沢航空科学館は、大空のまちとしての発展を目指す三沢市により2003年に開館。三沢の航空史を広く学べることはもちろん、「大空」と「飛翔」をテーマに、楽しみながら航空機や科学に触れられる人気スポットです。
▲ガラス張りの外観が印象的な三沢航空科学館

施設の1~2階は航空機の展示や航空機にまつわる体験スペースから成る「航空ゾーン」と、科学に関する体験学習ができる「科学ゾーン」に分かれています。最上階の3階には航空機の離着陸が見渡せる展望デッキもあります。また、建物に隣接している「大空ひろば」には屋外に実物の航空機を展示。敷地面積11万平方メートル、東京ドーム約2個分を誇る、国内最大級の航空ミュージアムです。
早速館内に入ると、大空のまち・三沢の象徴「ミス・ビードル号」の実物大レプリカが出迎えてくれました!世界初の太平洋無着陸横断飛行を成し遂げたときの写真や新聞記事なども展示されていて、当時の興奮が伝わってきます。燃料タンクの改造や飛行中の空気抵抗を減らすなどして世界初の偉業を達成したそうです。
▲1階には航空機や体験型アトラクションが配置されている

さらに航空ゾーンに足を進めると、ひときわ目立っていたのは「YS-11」という戦後初の国産旅客機。2002年まで実際に使用されていた実機であり、機体の内部も、コックピット部分を除き自由に見学することができます。開発の技術委員長には青森県にゆかりのある木村秀政(ひでまさ)博士が携わり、県内の航空史に名を刻んでいます。
▲航空機ファンの中でも人気の高い「YS-11」
▲「YS-11」の機内。当時は上の棚に大きな荷物を置くことができず、帽子などを置くハットラックとして使われていた

ほかにも国産機による初の飛行に成功した「奈良原式2号機」の実物大復元模型や、第二次世界大戦時に練習機として使われ、東北初の重要航空遺産に認定された「旧陸軍一式双発高等練習機」の実機など、日本の航空史に名を残す貴重な機体がずらり!
▲高度約4m、距離約60mを飛び、国産機の第一歩となった「奈良原式2号機」
▲十和田湖底から引き上げられた「旧陸軍一式双発高等練習機」の実機

展示を一通り楽しんだあとは、航空アトラクションを体験してみましょう。「プローブIV」は巨大な透明のカプセルで浮上・落下を繰り返す体験型アトラクション。航空機が急降下するときに起こる「エアポケット現象」を体感しながら館内を眺めることができます。

▲「プローブIV」のアトラクションの様子。ランダムな動きで急降下を体感できる。ちょっとしたスリルもあるため、子供たちにも人気(動画提供:青森県)

航空アトラクションの中でも人気なのが、セスナ機のフライトシミュレーター。本物のパイロット訓練用の装置であり、臨場感タップリな模擬操縦を体験できます。スタッフさんから操作説明を受けて、羽田空港(もしくは三沢空港)から自分の操縦で機体を動かします!
▲本格的なシミュレーター画面に興奮!操縦席に座るだけでパイロット気分

模擬操縦ということもあり、東京のビルの間を抜けて通るなどゲーム感覚で楽しめますが、操縦はなかなか複雑。特に着陸時はあらゆることに気を配りながら操縦する必要があるので、パイロットたちがいかに優れた技術を持っているのかを思い知らされました。
▲コツを教わりながらなんとか無事に着陸

一方の「科学ゾーン」には、参加体験型の展示物が数多くありました。竜巻を人工的に作る装置、自分の影を使って遊ぶ装置など、航空だけではなく身の回りにある科学についても体験しながら学習できます。
▲指が触れた場所に電気が集中するプラズマボール

お土産コーナーにはオリジナルのTシャツや航空機の模型などの他、フリーズドライの宇宙食や三沢基地のレトルトカレーなど充実のラインナップが揃っています。見ているだけでも楽しいので、ぜひ立ち寄ってみてください。
▲三沢基地に所属する米軍が監修した「三沢パイカカレー」(600円・税別)。地元のパイカ(軟骨付きの豚バラ肉)が具に入っている

そして、三沢航空科学館の見どころは館内だけではありません。屋外に出ると、広大な「大空ひろば」が広がり、航空機マニアにはたまらない名機(日米の軍用機の実機)が11機展示されています。
▲戦闘機の中には国内で唯一展示されているものも多い
▲航空自衛隊で使用された戦闘機「F-4EJ改」。マッハ約2.2の最大速度を誇る実機が間近で見られる
▲米海軍で使用された「UP-3A」では機内を見学できる

コックピットに搭乗してパイロットの気分を味わったり、目の前で航空機を眺めてその大きさと迫力を感じたりと、楽しみ方は人それぞれ。見て触れて体験して、三沢航空科学館を満喫しましょう。

フレンドシップツアーで三沢基地内を見学!

大空のまち・三沢を語る上で外せないのが、三沢航空科学館から車で約15分ほどの三沢基地。通常、民間人は入場できませんが、とあるツアーに参加すれば内部を特別に見学することができます。それが「フレンドシップツアー」。毎月1回開催されており(9月を除く)、なんと参加費は無料!窓口である三沢市へ電話やFAX、Eメールによる事前申込みで参加することができます。
▲県内を中心に、東京など遠方からの参加者も多いフレンドシップツアー

フレンドシップツアーは、米軍ガイドから基地内の見どころを聞きながら実際に施設を巡る約120分のバスツアーです。巡る場所は基地内の定番スポットはもちろん、毎回異なる施設も見学するので何度でも楽しむことができるのも特徴です。
▲優しく軽快なトークでガイドしてくれたメラニー・ハット三曹。通訳もいるので安心
▲階級のエンブレムが施された軍服にも注目

三沢基地は飛行場としての機能だけではなく、家族を含む米軍関係者が暮らす居住地としての機能も備えた巨大な基地。その面積は市の総面積の約5分の1を占めています。

厳重に警備された敷地内にバスで入ると、美しい緑や閑静な住宅街などがあり、基地内とはとても思えません。スーパーマーケットやレストラン、病院、学校などの教育施設もあり、街としての機能をすべて備えています。
▲基地内にも航空機は展示されている
▲日本語と英語が混在している基地内の標識

いくつかのスポットについてはバスから降車して、ガイドから詳しい説明を聞くことができます。この日は基地内中央に位置する広場「ライズナーサークル」前で降車。米軍機と自衛隊機の2機が屋外展示されていて、日米友好を象徴する場所であると説明がありました。
▲ライズナーサークルに展示された航空自衛隊機「F-86」(退役)。日米の友好を表現するために、米軍機のデザインが施されている

次に案内してもらったのは消防署。基地内の火災時に出動するための設備が完備されており、リラックスルームや通信司令室などの施設も見学できました。
▲日本人の消防隊員による署内ガイド。掲示されているチラシや書類も、もちろん英語
▲通信司令室で業務を行う外国人オペレーターも間近で見ることができる
▲施設内になにげなく置かれたアルミラップもアメリカンサイズ!

署内を一巡してから消防車のあるガレージへ。働いている米軍のみなさんと交流する時間もあり、防護服をタイムを計って早着替えするパフォーマンスを見せてくれるなど、サービス精神も満点です。
▲角ばったデザインがかっこいいアメリカ空軍の消防車
▲消防隊員による早着替えのパフォーマンス。重そうな酸素ボンベを背負うまで、約1分で防護服に着替えることができる
▲一緒に記念写真を撮ることもできる

他にも敷地内には、ゴルフ場やおしゃれなレストランなどもあってビックリ!訓練場がずらりと並ぶ基地をイメージしていただけにギャップが大きく、良い意味で驚きの多いツアーでした。住居も飛行機の防音のために厚い壁で作られているなど、様々な視点から基地内の様子を楽しむことができました。
▲「ゴッサー・メモリアル・ゴルフコース」入り口
▲ゴルフ場付近にあるレストラン「レイクビュー・グリル」は、休日は家族連れで賑わうスポット

▲ツアー中の様子がわかる動画を「Misawa Air Base」の公式サイトでも公開中

お土産探しに最適!Sky Plaza MISAWA

せっかく三沢に来たのだから珍しいお土産を買って帰りたい、という人には三沢基地入り口のそばにある商業施設「Sky Plaza MISAWA(スカイプラザミサワ)」がおすすめ。複数の店舗が集まっていて、なかでもマニア必見なのは1階にある輸入食品・雑貨店(愛称:スカプラ)です。
▲フレンドシップツアーの集合場所でもある「Sky Plaza MISAWA」

日本国内で流通しているような有名なお菓子はもちろん、見たこともないパッケージも多数。味の想像ができない色をしたドリンクなど、普段なかなか出合うことのない商品も陳列されています。見ているだけで楽しいですよ。
▲アメリカンな輸入食品が並ぶ店内
▲原色カラー多めのユニークな雑貨も並ぶ

また、館内のファストフード店「Jack & Betty」ではアメリカ各州のローカルドッグが食べられます。一番人気はシンプルなホットドッグ。ケチャップとマスタードはもちろん、ピクルス、オニオン、ザワークラウト(キャベツの漬物)もセルフサービスで好きなだけトッピングできるというアメリカならではの豪快さ!
▲一番人気のホットドッグ(356円・税込)

その他にもピザ屋やおしゃれなカフェなどがあるため、お土産探しだけではなく、ちょっと小腹が空いたときなどに立ち寄ってみるのもいいですね。

約10万人がブルーインパルスに釘づけ!三沢基地航空祭

三沢市では国際色豊かなイベントが多数開催されていますが、中でも人気なのが三沢基地内で開催される「三沢基地航空祭」。毎年9月上旬に開催され、全国から約10万人もの観光客が訪れます。フレンドシップツアーなどの見学日以外で基地内に一般入場できる特別な日でもあるので、基地内の街並みとイベント両方を楽しむことができますね!
▲航空機ファンで溢れかえる三沢基地航空祭(写真提供:三沢市)

会場では航空自衛隊と米軍による日米航空機の展示、米軍による訓練風景の一般公開などファン向けの企画が充実。アクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」による飛行ショーなど、航空機に詳しくなくても十分に楽しめるイベントもたくさんあります。
▲ブルーインパルスの飛行ショーは大観衆が釘づけになるメインイベント!(写真提供:三沢市)
▲抜群の連携で飛行機雲のアートを作るなど、子供も楽しめる内容になっている(写真提供:三沢市)
インターナショナルな大空のまち・三沢は、見るだけではなく体験することでその魅力をより深く感じることができます。異国情緒漂う町を自由に散策して、触れることで航空の歴史と文化を楽しみましょう!
下田翼

下田翼

東京生まれ、東京育ち。観光で青森県に初上陸し、人の暖かさに感動し2015年に移住。地域おこし協力隊を経て、青森の魅力を伝えるフリーランスのプランナー・ライターとして活動中。

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