9・10月に伊勢海老まつりも開催!千葉の「外房イセエビ」はプリップリの身の甘みが絶品だった

2018.09.05 更新

伊勢海老の産地と言われて思い浮かべる場所はどこですか?実は千葉県の外房は日本トップクラスの漁獲量を誇る、知る人ぞ知る伊勢海老の産地。中でも「外房イセエビ」と呼ばれる伊勢海老は、特に美味しいと評判なんだそう。その外房イセエビのおいしさと毎年9~10月に開催される大人気のイベント「おんじゅく伊勢えび祭り」をレポートします。

▲伊勢海老料理を求めて、いざ千葉へ!

外房の伊勢海老がおいしい秘密は?

千葉県の外房と言えば、関東屈指の綺麗な海が魅力。夏になると海水浴場は多くの観光客で賑わいます。
そんな外房エリアは日本最北の伊勢海老の漁場で、毎年6~7月の禁漁期を終えると日本で最初に伊勢海老漁が解禁されます。8~10月は漁獲量が多いためお得に食べられることと、初物は縁起が良いと解禁日に伊勢海老を求めて千葉を訪れる人も多くいるそうです。
▲一年を通して、温暖な気候で過ごしやすさは関東随一

千葉県ブランド水産物にも認定されている「外房イセエビ」は、外房沖にある磯棚「器械根(きかいね)」とそこに隣接する「磯根」の栄養豊富な2種類の漁場から底刺し網という漁法で獲られ、夷隅(いすみ)東部漁協、御宿岩和田(おんじゅくいわわだ)漁協、新勝浦市漁協で水揚げされたものに限定されています。
サイズも伊勢海老の眼の付け根から尾端までが13cm以上のもののみ漁獲可能と決められていて、小さな伊勢海老を見かけることがないのも特長。

特にいすみ市沖の器械根で獲れた伊勢海老は、他の地域で獲れたものよりも体が赤く、身のしまりと甘みが違うと築地の仲買人からも評価が高いそう。
▲いすみ市沖の器械根で獲れる外房イセエビは、目を見張るほど真っ赤!

新鮮な外房イセエビがお得でおいしい「割烹かねなか」へ

と言うことで、通年で伊勢海老を提供しているいすみ市の老舗店「割烹かねなか」へ。この割烹かねなかは、伊勢海老の水揚げ高トップクラスである大原漁港の入札権を持っていて、毎朝港から直接買い付けています。そのためリーズナブルに新鮮でおいしい海鮮が食べられると、観光客だけでなく地元の方も訪れる人気店なんです。
▲都心から車なら約2時間、JR大原駅からはタクシーに乗って約5分で到着

どんな伊勢海老料理が食べられるか楽しみにしながらお店に入ると、すぐ右手に伊勢海老専用の生簀(いけす)があり、大量の伊勢海老がワサワサと動いていました!
▲生簀は4つに区切られていて、それぞれに50匹程の伊勢海老が入っていました ※入荷状況により変動有

生簀の伊勢海老を見てテンションが上がった筆者は、早速人気NO.1である伊勢海老の刺身・塩焼き・味噌汁が楽しめる「伊勢海老定食」(4,500円・税別)と、1匹の伊勢海老を6種類の調理方法から2種類を選べる「伊勢海老三昧」(4,000円~・税別)をオーダーしました。

オーダーが入ると、スタッフが調理内容に合わせて最適なサイズの活きの良い伊勢海老を吟味し、網を使って生簀からすくいます。
▲伊勢海老三昧用に取り出した伊勢海老は、尾の部分が約15cm!※入荷状況により変動有

伊勢海老三昧で使う伊勢海老は量り売りなので、300~330gのもので4,000円(税別)という目安になります。もっと大きなものを選ぶこともできるので、予算に合わせてオーダーしてくださいね。※伊勢海老は店のスタッフが選びます。
▲定食用が2匹(右・中)、三昧用が1匹(左)の合計3匹。ちょっと目を離すとボウルから逃げ出してしまう活きの良さ

今回は特別に調理風景を見せていただきました。
3匹の伊勢海老を注意しながら厨房へ運んだら、調理開始。1匹ずつまな板に取り出したら、ざっくり豪快に包丁を入れていきます。鮮度を大切にしているので、固い殻もザクザク言わせながら素早くさばいて、アッという間においしそうなお刺身に!
▲刺身は氷水でしめて、酒で洗うと臭みもなく食べられます
▲調理方法に合わせて手際よくさばいていきます

塩焼きにする伊勢海老は縦に二つに切られて焼き台へ。しばらく手足が動いていましたが、網に乗せられるとキューッと尾の部分が丸まり、磯の香りが周囲に漂ってきました。
早く食べた~い!
▲塩焼きは、にがり成分の入った焼塩を使ってじっくりと熱します

あま~い!プリプリの身はもちろん、味噌や出汁までおいしい伊勢海老料理を堪能!

オーダーから10分程で、まずは「伊勢海老定食」がテーブルに運ばれてきました。見た目の豪華さにテンションが上がります!
▲伊勢海老の刺身と塩焼き、伊勢海老頭みそ汁、ごはん、小付、お新香がセットになった豪華な「伊勢海老定食」

まずは素材の味を一番堪能できる刺身を一切れ食べてみます。
▲伊勢海老の刺身といえばこの姿!触角が立派!

あま~い!しかも弾力があってプリプリの歯ごたえ!海老独特の臭みもなく、スッキリとした後味なので、最初は醤油やワサビを付けずに伊勢海老本来のおいしさを実感するのもいいかもしれません。
▲透き通るような透明感の刺身は、一切れが大きめなので食べごたえがあります

次に塩焼き。こちらは殻から身をはがし、頭部分にある味噌をつけて一口で。丁寧にじっくり焼かれていただけに、ふわふわの身と甲殻類独特の香ばしさ、しっかりした食べごたえが楽しめます。海老味噌重視の方は塩焼きがおすすめですよ。
▲味噌がたっぷりの塩焼き。お好みでレモンを絞って
▲甘い身と程よい苦みある味噌が絶妙なバランス!

そして、一口飲んで「わ~っ!おいしい!」と思わず大きな声が出てしまったのが、伊勢海老頭みそ汁。香りが良く、味も伊勢海老の出汁が良く出ています。
▲実はファンが多い、伊勢海老頭みそ汁。一口飲めばその味の虜に…

なぜこんなに出汁が効いているかお話を伺ったところ、10~20匹もの伊勢海老の頭をたっぷり使って作るため、出汁がたくさん出て風味豊かに出来上がるそうです。

次に出てきたのは「伊勢海老三昧」。伊勢海老定食がおいしかっただけに、こちらも期待が高まります。
この伊勢海老三昧は、1匹の伊勢海老を刺身・寿司・塩焼き・バター焼き・釜めし・天丼から好きな調理方法2種類で調理してもらえます。今回は寿司と釜めしをオーダーしました。刺身やバター焼きを選んでも、追加でご飯セット(200円・税別)や伊勢海老頭みそ汁(300円・税別)などを注文すれば定食のように食べられますよ。
▲伊勢海老料理のみのセットなので、かなり満足度が高い「伊勢海老三昧」

まずは寿司を食べてみます。伊勢海老はプリプリ食感なのに口の中でとろけるような甘みが際立っています。そしてすし飯との相性も抜群。鮮度が良いからこそ成せるおいしさの余韻に浸ります。
この寿司をもっと食べたい方におすすめなのは、バター焼きとセットになった「伊勢海老寿司定食」(4,500円・税別)。伊勢海老定食に次ぐ人気メニューなんだそう。
▲伊勢海老本来の自然な甘さを感じたいなら寿司がおすすめ

6種類の調理方法の中でも、お店のおすすめは釜めし。この釜めしは、卓上で30分かけて炊き上げるのですが、香味野菜と伊勢海老の殻を香ばしく炒めてサラダ油に入れた「自家製伊勢海老油」が隠し味。炊く前に伊勢海老油を少し入れることで、ご飯がツヤツヤになって生臭さが消え、コクがでるそうです。
▲蓋を取ると、湯気とともに海老の香りがふわっと漂います

ひと口食べると口の中いっぱいに伊勢海老の風味が広がります。しつこくない上品な味でパクパクと箸が進み、お茶碗2杯分もあるご飯もあっという間に完食。それにもかかわらず、「もう少し食べたいな~」と思うほどのおいしさなんです。この釜めしは、単品(2,100円・税別)でもオーダーできますよ。
▲伊勢海老の半身を豪快に入れて炊き上げるので、身も出汁も楽しめて2度おいしい

あ~、もうおなかいっぱい!こんなに甘い伊勢海老食べたのは初めてかもしれません。千葉でこんなにおいしい伊勢海老が食べられるとは思っていなかったので、びっくりです。

伊勢海老を満喫したところで、社長取締役の中村一俊(かずとし)さんにお話を伺いました。「割烹かねなかでは、伊勢海老の素材そのものの味を大切にしているので、余計な味付けをしないのがモットー。そして、毎朝港から仕入れる伊勢海老をその日に食べることができるのが魅力です。いすみ市は伊勢海老の他にも魚やタコもおすすめなので、気軽においしい海鮮を食べにきてください」
▲「今日の1万円の伊勢海老は顔より大きい特大サイズ!食べごたえのある大きいサイズを量り売りで食べるのもおすすめ」と中村さん

また、4~5月頃に獲れる伊勢海老は秋に比べると少し価格は上がりますが、産卵前で栄養を蓄えているのでとってもおいしいそうです。体内に内子(うちこ)を持っていて、その時期にしか食べられない珍味として絶品なんだとか。

1年を通して安定して伊勢海老を提供している割烹かねなかでは、1年中色々な調理方法で伊勢海老を堪能することができます。お気に入りの調理方法でじっくり味わうのも良し、単品でいくつか頼んでみんなでシェアするのも良いですね。
6~7月の禁漁期も生簀で確保しておいた伊勢海老を提供していますが、その時期は事前に電話で確認をしてから訪れてください。
▲カウンター席や個室もあるので、一人客や子連れの方も歓迎とのこと

落ち着いた雰囲気の店内は、カウンター席、座敷、個室があります。休日のランチタイムにはすぐに満席になって店内が賑わうので、ゆっくり食事を楽しみたい方はディナーか平日のランチを狙うのがおすすめです。

伊勢海老の祭典「おんじゅく伊勢えび祭り」!伊勢海老つかみ取りや無料の伊勢海老汁も

同じく外房のほぼ中央に位置する御宿町。童謡「月の沙漠」のモデルにもなった綺麗な海岸が魅力の町です。ここでは、毎年9~10月に「おんじゅく伊勢えび祭り」が開催されています。

「千葉の地元食材の地産地消を目的に、高級食材を少しでも安く多くの方に堪能してもらいたい」という思いで、御宿町観光協会主催で2000(平成12)年からスタートしました。近年では、リーズナブルにおいしい伊勢海老を食べることができると評判が広がり、2017年のビッグイベント開催日には1日50,000人もの来場者を記録したこともある人気のお祭りとなっています。
▲御宿中央海水浴場にあるモニュメント「月の沙漠記念像」

2018年のおんじゅく伊勢えび祭りは9月1日(土)~10月31日(水)に開催。この期間中、町内の協賛店(飲食21店、販売2店)で伊勢海老のオリジナルメニューや商品が提供されます。

そして海岸が目の前に広がる「月の沙漠記念館」前の広場では、9月9日(日)と10月14日(日)に人気のビッグイベント、9月15日(土)~10月28日(日)の土・日曜、祝日に伊勢海老とサザエの直売があります。※悪天候の場合、ビッグイベントは翌週日曜に順延、直売も気象状況により内容を変更する場合があります。
▲イベント会場は「月の沙漠記念館」前の広場

ビッグイベントでは、伊勢海老汁の無料配布や伊勢海老つかみ取り(1人1回2匹まで:3,000円・税込)、伊勢海老セット販売(伊勢海老2匹、サザエ2匹:4,000円・税込)や伊勢海老直売(200g:2,000円~・税込)、青空市などが9時から開催されます。※イベントは数量・人数限定のものもあります。
▲ビッグイベント日は早朝から開始を待つ人も

なんと言っても嬉しいのは、購入した伊勢海老を会場内で焼いて食べることができること。炭火BBQなので、自宅で食べるのとは一味違うおいしさを味わえますよ。
▲「生きている伊勢海老を調理して、新鮮なうちに食べるのが一番おいしい」と御宿町観光協会の吉田さん
▲訪れたなら絶対に飲みたい無料配布の伊勢海老汁は、丁寧に出汁をとっているので伊勢海老の香りを堪能できます

どの企画もたくさんの人が並ぶ人気企画ですが、特につかみ取りは毎年長蛇の列ができるため、参加希望の方は早めに訪れるのをおすすめします。水槽の中から伊勢海老を専用のトングを使って取り出すのが見た目よりも難しく、獲れた時にはより一層盛り上がるそうですよ。
▲意外と動きが速い伊勢海老をしっかり捕まえられるかドキドキ

直売では発泡スチロールの箱や保冷剤(ともに有料)も用意していますが、当日持ち帰る予定の方は自宅からクーラーボックスと保冷剤を持って行くのがおすすめです。また、会場から宅配便で送ることもできます。
▲おいしそうな伊勢海老とサザエのセットもたっぷり用意されています

9~10月に旬を迎える外房の伊勢海老をリーズナブルにおいしく堪能したいなら、おんじゅく伊勢えび祭りへ行ってみてくださいね!

祭り期間中に、御宿で伊勢海老を食べるならココ!

おんじゅく伊勢えび祭り開催中には、周辺に伊勢海老料理を提供するお店が多数あります。その中からおすすめの2軒をご紹介します。

1軒目は、JR御宿駅からも伊勢えび祭り会場からも徒歩約5分の「伊勢えび・あわびが専門の宿 大野荘」です。
▲大野荘は新鮮な活磯料理のおいしさに定評があり、温泉もある人気の宿

伊勢えび祭り開催中には様々な伊勢海老料理を用意していますが、その中でも毎年人気なのがコチラ!
▲「伊勢えび活造り」(税別2,500円~/時価)。動いている伊勢海老のお造りを提供するのがこだわり!

そして、「伊勢えび釜飯膳」(2,400円・税別)。小さめだけどプリプリの伊勢海老をまるごと一匹と地元産コシヒカリ「いすみ米」を炊き込んでいます。伊勢海老の旨みをしっかり楽しみたいなら釜飯膳がおすすめですよ。
▲特製の伊勢えび汁付きで提供されます

「伊勢海老まいう~御膳」(4,600円・税別)も人気。伊勢海老一匹をお造り・鬼殻焼き・塩焼き・味噌焼き・ボイルの5種類の調理方法から好きな調理方法で食べることができます。
▲「伊勢海老まいう~御膳」は特製伊勢えび汁の他、房総ひじき煮や烏賊の塩辛など、千葉の味覚がふんだんに詰まった7品セットで、ボリューム満点!
次に紹介するのは、地元の方も多く訪れる1968(昭和43)年創業の江戸前寿司店の「かね八寿し」。伊勢海老やアワビを中心とした、御宿ならではの獲れたてのおいしい海の幸を提供しています。
▲JR御宿駅から徒歩約5分、御宿の砂浜から徒歩約3分とレジャー後にも立ち寄りやすい立地
▲1階はテーブル席、2階には大小の個室があります

こちらの伊勢えび祭り期間中の特別メニュー「かね八伊勢えび御膳」(5,400円・税込)は、伊勢海老の寿司が入った地物すし、天ぷら、鬼殻焼き、伊勢海老頭の味噌汁のセット。
▲生・揚げ・焼き・味噌汁と4種類の調理方法で伊勢海老を堪能できます

そしてかね八寿しの1番人気の「地物すし」(3,300円・税込)は、伊勢海老の他に蒸しアワビや白身魚、アジなどが入った全8貫。通年で食べられる、外房の旬の味を詰め込んだお得な一皿です!
▲お寿司屋さんだから、やっぱり寿司をオーダーしたいですよね
東京から近いのに、おいしくて新鮮な伊勢海老をリーズナブルに食べられる外房エリア。高級食材だけど少しでも安く食べたい、という願いを叶えてくれます!ドライブや観光、海水浴などで外房に行く際には、ぜひ伊勢海老を食べてみてくださいね。

※おんじゅく伊勢えび祭りの写真は2017年開催時のものです。
※入荷状況により伊勢海老を提供できないことがあります。
岸 久美子

岸 久美子

東京在住フリーライター。好きなことは海・山・ビールにワイン、たまにスポーツ観戦。気になる場所には行ってみないと気がすまない性分で、ちょっと暇ができると旅に出るフットワークの軽さがウリ。知らない文化に触れ刺激を受け、一緒に暮らすウサギに癒される日々。(制作会社CLINK:クリンク)

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