アートに出会える「ART BASE百島」へ瀬戸内海クルージングの旅

2015.12.01 更新

瀬戸内海の島々はアートが熱い。今回ご紹介する「百島(ももしま)」には、アートファン大注目のアートセンター「ART BASE百島」があります。ここはアーティスト・柳幸典と恊働者達による創作活動を通し、離島の創造的な再生を試みる場所です。

3年に一度開催される「瀬戸内国際芸術祭」の会場である直島や「犬島アートプロジェクト」が行なわれている犬島など、瀬戸内海に浮かぶ島々はアート作品の宝庫です。島々に点在するアート作品を巡る島旅は、風光明媚な瀬戸内海クルージングと相まって人気を集めています。

その中でも、最近注目を集めている島が「百島」。平成24年(2012年)に誕生した「ART BASE百島」は犬島アートプロジェクト「精錬所」を構想した柳幸典さんがディレクターとして立ち上げた、国内外から注目されているアートセンターです。

広島県尾道市に属する小さな島のアートセンター「ART BASE百島」を訪ねる旅は、瀬戸内海の魅力を満喫できる旅でもあります。今回は、百島を軸にアートを巡る旅をご紹介します。

尾道水道から風光明媚な瀬戸内海をのぞむ

百島に行くには、尾道から高速船で約25分、もしくはフェリーで約40分。尾道と向島(むかいしま)を隔てる尾道水道を通り、日本で一番穏やかな海といわれる瀬戸内海へ抜けます。
季節によってその色彩を変える瀬戸内海。その中でも最も多くの島が連なる芸予諸島をうっとり眺めているうちに百島へ到着します。
百島は周囲約11km、人口約540人の小さな島。緑に覆われた島を穏やかな潮風が抜ける風通しの良い島です。
港を降りると「ART BASE百島」への道案内が。「ART BASE百島」は港から徒歩10分ほどのところにあります。

「ART BASE百島」でアート作品を堪能する

「ART BASE百島」は廃校になった旧中学校を再利用した施設。スタッフたちの手でセルフ・リノベーションしたスペースは心地よいギャラリーに生まれ変わり、アートスペースやインキュベーションセンター、そして島の交流拠点になっています。
まずは、ウッドデッキの向こう側にある旧中学校の体育館へ。
旧中学校の体育館の広いスペースには、約600個にもおよぶドラム缶に囲まれたスペースに鎮座する、柳幸典さんの作品「ワンダリング・ミッキー」があります。アメリカで制作されたこの作品は、巨大な回り車の中をカートが走る大型作品です。
世界で一番有名なねずみがプリントされたカートがガラガラ音を立て、排気ガスをまき散らしながら回り車の中を走るさまに目が釘付けになります。
場所を校舎内に移し、こちらの作品は原口典之さんの「物性」。鉄製のプールに廃油が満たされています。水とは違い、埃やゴミは油の下に沈むため、表面はゾッとするほどの静けさを湛えます。黒い廃油はその表面に、ありのままの姿を映し出すのです。

「ワンダリング・ミッキー」とともに、この世の中に警鐘を鳴らす、メッセージ性の高いアート作品です。
▲柳幸典「バンザイ・コーナー」。バンザイをした正義の味方で形づくられた日の丸。日の丸を形づくる実体は1/4だけで残りの3/4体は鏡にうつされたものです
▲柳幸典「ユーラシア」。砂糖を固めた国旗の中にチューブを這わせて中を蟻が通れるようになっている。生きるアート
▲岩崎貴宏「アウト・オブ・ディスオーダー」。日用品に手を加え鉄塔などの巨大な構造物を極小サイズで制作するもの。髪の毛でつくられた百島から見た風景。
※肉眼でも確認することが難しいほど繊細な造形は写真中央にあります。


アートはその場の空気を含めて作品として完成します。百島の空気を感じて、直に見ていただきたい作品です。

アートとともに楽しみたい複合施設

アートセンター内にある「カフェ・ギャラリー」は、訪れるひとをもてなすカフェスペースです。島の野菜を使ったランチなど、ここでしか味わえない百島グルメはぜひとも食べたいものですね。
ただし、カフェの利用は完全予約制。ランチ、ドリンクのご利用は2日前までの予約がマストです。
そして、ぜひ足を運んで頂きたいのが「ART BASE百島」から徒歩5分ほどのところにある百島東映再生計画「日章館」です。かつてこの島の人口が3,000人だった頃の繁栄を象徴する旧映画館です。こちらには柳幸典の7mに及ぶ巨大なネオンの常設作品があります。
▲ 日章館でみることができる、柳幸典「ヒノマル・イルミネーション」

美しい瀬戸内海の夕陽に見送られて

アートな島を満喫したシメは、こんなキュートな船で帰路につきます。フェリーのデザインも「ART BASE百島」が手がけています。瀬戸内海は内海であるため年間を通して波が穏やかです。港では島民たちが手を振って見送りの挨拶をしてくれました。思わずキュンとくる別れは船旅がくれるノスタルジーですね。
そして乗船中に日暮れを迎え、西方の島々に沈む夕陽を臨みます。輝く黄金の水面は穏やかな瀬戸内海だからこそ、その美しさが際立ちます。

瀬戸内海の島々は、アートというカタチで人を呼ぶ島を目指し、さらに芸術を通して社会へのメッセージを伝える役割を果たしています。リアルな瀬戸内を感じられるアートを巡る旅にでかけてみてはいかがでしょう。
ココホレジャパン

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