水の都は湯の都。長崎県の島原温泉で絶対に入るべき名湯4選

2019.01.07 更新

長崎県南部に浮かぶ島原半島は、長崎きっての名湯半島。半島の西側の小浜温泉、中央の雲仙温泉、さらに半島の東側にある「水の都」の島原市にも湧水同様、湯量豊富な「島原温泉」が湧きます。今回はその島原温泉の中でも、個性あふれる町の湯、宿の湯を4つご紹介します。

今回紹介する施設はこちら。

1.島原温泉 ゆとろぎの湯
2.ホテル南風楼
3.島原温泉 旅館海望荘
4.HOTEL シーサイド島原

1.城下町散策ついでにひとっ風呂。アーケード内の町の湯「ゆとろぎの湯」

まずは島原城から徒歩約7分。市街地の中心部を通る一番街アーケード内にある温浴施設「島原温泉 ゆとろぎの湯」。
かつて坂本龍馬が長崎に行く際に通ったといわれる旧島原街道上にある全天候型のアーケード。その北側出口の近くにある「ゆ」の湯暖簾が目印です。

ここで簡単に島原温泉についてご紹介します。その誕生は昭和42(1967)年と、島原半島内の温泉の中でもわりと新しいもの。市内に3つある源泉から集めた湯を混合させて、各宿や温泉施設などに供給する「温泉集中管理」方式を採用しているそうです。
▲暖簾をくぐって、階段を上った先の白い建物が「島原温泉 ゆとろぎの湯」

そんな島原温泉の中で、「ゆとろぎの湯」は平成20(2008)年オープンと比較的新しい施設なのであります。バリアフリー設計の館内には男女別の大浴場のほか、水着着用の歩行湯、飲食の持ち込み&出前もOKという30畳もの休憩室もあります。入浴料は中学生以上520円、小学生以下260円、70歳以上310円、3歳未満は無料。老若男女、地元住民も観光客も気兼ねなく、ゆとり+くつろぎ=ゆとろぎの湯浴みが楽しめます。ではその大浴場を覗いてみましょう。
清潔感あふれる大浴場には大小4つの浴槽があり、一番奥の大きいほうは源泉かけ流しの島原温泉、その手前では日替わりの薬湯が楽しめます。

ちなみに島原温泉の泉質はナトリウム・マグネシウム―炭酸水素塩温泉。肌に優しい中性の湯で、切傷、火傷、慢性皮膚病に効果があるといわれています。
基本的に、無色透明、無味無臭の湯ですが、源泉が注ぐ湯船の湯は、温泉成分が空気に触れると日によって上の画像ように、少し黄濁することもあるそうです。
また、「ゆとろぎの湯」の横には屋根がついた全天候型の足湯もありました。しかも24時間無料で利用でき、こちらの湯も源泉かけ流し。大人数で利用できるように横長に作られ、さらに中央には手荷物が置けるようにすのこのテーブルも設置されていました。
▲すのこのテーブルの真ん中には手湯もあり
足湯の横には飲泉所もありました。島原温泉は飲用も可能で、こちらのほか、市内に飲泉所が6カ所あります。
感想は無味無臭でクセもなく、飲みやすかったですよ。特に冬場は温まりますね~。ちなみに慢性消化器病、糖尿病、痛風、肝臓病などに効果があるそうです。

2.有明海を望む多彩な露天風呂を持つアミューズメント温泉「ホテル南風楼」

続いては創業百有余年の歴史を持ちながら、常に進化し続ける温泉リゾート「ホテル南風楼」の大浴場。
▲有明海沿いに立つ眺望自慢の宿

宿のコンセプトは「退屈を感じさせない、楽しく自由な時間をお客様に」。大浴場もその言葉通り、実に多彩なお風呂が用意されています。宿泊客はもちろん、立ち寄り入浴も中学生以上は1,000円、3歳~小学生は600円で楽しめます。では、その大浴場の内部をご紹介。まずは大きな内湯。
▲「展望大浴場源泉かけ流し 黄金」

浴槽をヒノキで囲ったメイン風呂。写真は洗い場向きに撮っていますが、左手に設けられた大きなガラス窓から、有明海を一望できます。
内湯には総ヒノキ造りのサウナ、アロマの香り漂う低温のスチームサウナも設置され、大型のテレビのほか、ガラス窓越しに有明海を眺めながら、心地よい汗を流せます。

そして内湯の先に待ち構えているのが、さらに有明海の大パノラマを望みつつ、多彩なお風呂が楽しめる露天スペース。中でもイチオシがこちら!
▲「絶景露天風呂~源泉かけ流し 天空」

湯の浸かり方によっては有明海と一つになる「インフィニティ温泉」。立ち寄り湯は朝7時から利用できるので、冬場なら有明海からの日の出、もしくは朝焼けに染まる有明海が島原の湯と共に楽しめるかも。そして、この絶景露天風呂のお隣にあるこちらも人気。
▲「海に浮かぶ美泡風呂」

2018年に誕生した露天風呂。肌に優しい中性の島原温泉による泡風呂ですが、通常のジャグジーバスを上回るきめ細かな気泡を含ませることで、今まで味わったことのない優しいまろやかな湯が楽しめます。さらに女性風呂にはこの上を行く、ミクロの泡のシルキーバス!
▲女性専用の「シルキーバス」

心地良さはもちろん、ミクロの泡によるマッサージ効果、毛穴の奥深くまで入り込み、微細な汚れも洗浄する美肌効果などに期待大です。
「そんなやわな泡じゃ物足りん!」という殿方向けに、男性用露天には以下のお風呂も。
▲「ジャクジーバス」

心地よい刺激とぬるめの湯で疲労回復。夜には水中照明で、まるで幻想的な世界にいるような気分になれます。さらに有明海を望む男性限定のジャクジー系はこのほかにも2種類あります。
▲座って楽しむジェットバス「らくらく海見の座り湯」
▲ゴロンと寝ながら楽しむジェットバス「ゆったり海見のねころび湯」

脚を伸ばした状態で、背中、腕、脚を中心にジェット水流が全身をくまなくほぐします。他にもおひとり様用の陶器風呂「天空ひとり露天」や「海に浮かぶ ねころび湯」など露天スペースには個性的なお風呂が満載です。
さらに露天スペースの一角にコーヒーマシンも用意され、湯あみしながら挽立てのコーヒー&アイスコーヒーが味わえます。しかも海を見ながらコーヒーブレイクできるテラス席もありますよ。
脱衣所も広々。オットマン付きのリラックスチェアでしばしゆったりするのもいいですが、館内のパブリックスペースでくつろぐのもおすすめです。
ホテル南風楼は客室がある「本館」、露天風呂付客室がある「THE GRAND OCEAN’S」、そして大浴場がある「潮館」と大きく3つに分かれていますが、潮館の1階にはウッドデッキテラスでテーブル席のほか、オープンエアーのこたつやハンモックなどがあります。入浴後、ここでのんびりくつろげば、日々の疲れもより吹き飛びそうですね。

さらに「温泉も有明海も独り占めしたい!」という方向けにこんな湯もありますよ。
▲「海に浮かぶ貸切露天 海音~かのん~」

海と有明海、そして湯船が1つに溶け込むインフィニティ貸切露天!24時間利用できるので、日中の青い海と空に包まれる世界はもちろん、写真のような朝焼け、さらに満天の星や月光の湯もおすすめです。入浴料は1回50分5,400円、追加50分2,160円です。

3.あの“家元”も愛した、癒された。レトロで濃い湯が楽しめる「旅館海望荘」の湯

陸路のみならず福岡、熊本から船で上陸できる島原。その玄関口である島原外港を見下ろす高台の宿が「旅館海望荘(かいぼうそう)」。こちらも立ち寄り入浴が可能です(中学生以上600円、小学生以下300円)。
▲島原外港から徒歩約3分。2018年で創業60年の温泉宿
▲広いロビーからも島原外港と有明海を一望。立ち寄り入浴する人はこちらでゆっくりくつろいでいいそうですよ

島原の郷土料理である「ふぐの湯引き」や「鯛のかぶと蒸し」など、海鮮尽くしの料理に定評がある宿で、ここで楽しめる湯も島原随一の渋さと濃さで人気とか。しかも、昭和から平成にかけて大活躍したあの毒舌落語家も常連だったそうです。「この湯のおかげで病気もすっかり良くなっちまった」と、言ったとか言わなかったとか。では、“家元“が愛した湯が楽しめる、地下1階の大浴場へ。
赤い暖簾をくぐった先に脱衣所があります。少し年季が入っていますが、掃除が行き届いていて実に清々しい印象でした。壁に設置された黄色の脱衣かごを収納する昭和レトロな棚もいい味を出しています。この様子では、大浴場もいい雰囲気なはず!期待を胸に引き戸を開けると……。
おおー、予想を上まわる、情緒あふれる味わい深い浴室(男湯)ですね。開放感あふれ、陽光降り注ぐ大きな窓が2段あり、下段の窓からは有明海も一望できます。しかも給湯口からどんどん湯が注がれ、それが贅沢にも外にどんどんあふれています。でも、この湯船、ちょっと小さめな気も……。

「いや、この大きさがいいんです。この大きさでないとダメなんです」と旅館海望荘のご主人である松本有弘(くにひろ)さん。

「島原温泉は源泉から集めたお湯を各地に供給していますが、この湯船の大きさだと、源泉を加水も加温もせず、そのまま湯船に注いでも冷めることなく、ちょうどいい温度で入れるんです。この正真正銘の源泉かけ流しの湯が楽しめる温泉って、島原ではうちだけじゃないかなぁ」(松本さん)
浴槽の一角にある給湯口の変色、変形ぶりが温泉成分の濃厚さを物語っています。
「循環してないから、注ぎ口から出る温泉はそのまま飲んでも大丈夫ですよ」と松本さん。
女湯は男湯よりも若干、湯船が小さくなりますが、その分、常に新鮮で濃い湯が楽しめるはず。かの“家元”がほれ込んだのも納得。趣きに富んだ名湯ですね。

4.肌をびっしり包む細かな泡!島原温泉と高濃度炭酸泉の2湯が楽しめる「HOTEL シーサイド島原」

「水の都」島原でぜひ入りたい島原温泉の名湯4選、そのラストを飾るのは、温泉施設が2つ、さらに異なる泉質の2湯が楽しめる「HOTEL シーサイド島原」。こちらの立ち寄り入浴料は、小学生以下300円、中学生以上でも500円のワンコイン。
▲島原外港から徒歩約5分。有明海に面した広大な敷地に本館(写真奥)と新館(手前)の2棟が立つ
1つ目の施設は本館の左手奥にある「湯治処」。ここで2種類の湯が楽しめます。さっそく大浴場に入ってみましょう。
無色透明な湯が満ちる大きな浴槽。これまで紹介してきた優しい中性の島原温泉の湯ですね。この横にもう1つ湯船があります。
やや褐色の湯は敷地内の源泉から湧き出る高濃度炭酸泉、正式には含二酸化炭素(マグネシウム・カルシウム・ナトリウム)炭酸水素塩泉。
手を入れるとあっという間に細かな炭酸ガスが皮膚を覆います。それもそのはず、この湯の炭酸濃度は1,800~1,900ppmと国内トップクラスの炭酸含有量!

ちなみに日本では250ppmの炭酸濃度を持つものを炭酸泉と定義していますが、こちらの湯はその7倍以上。まさに高濃度!この細かな泡が血行を促進し、冷え性の緩和や疲労回復のほか、お肌や髪を引き締めるなど、美への効果もあると言われています。
露天スペースには2つの湯船があり、1つは島原温泉、もう1つでは源泉かけ流し100%加水加温なしの高濃度炭酸泉が楽しめます。円形で内湯の浴槽よりやや小さめですが、その分、遊離する炭酸ガスも少なめ。つまり、温泉成分も濃いまま、泡のシュワシュワをより実感できるんです!
その証拠がこの注ぎ口の変色具合。源泉26度の湯をそのまま注ぐため、最初はぬるく感じますが、しばらく入っていると炭酸ガスによって血流がよくなるためか、徐々にじんわり、温かくなっていきます。

さて、「湯治処」と並ぶもう1つの湯処は、本館正面に立つ新館に。
▲6階建ての新館。その最上階にある「展望大浴場」も立ち寄り利用が可能
こちらの大浴場も島原温泉と高濃度炭酸泉がダブルで楽しめますが、なんといってもこちらの魅力は、この開放的な眺め!
目の前に広がる有明海の青い水平線。快晴時には対岸に熊本の山々の姿も見えるそうです。
展望大浴場のある6階には立ち寄り入浴客も利用できる広い休憩室もありました。

源泉かけ流し100%の高濃度炭酸泉が楽しめる本館「湯治処」、有明海の大パノラマが望める新館の「展望大浴場」。時間がある方はぜひ、両方味わってみてはいかが?ただし、入浴料は各湯での支払いとなりますので、ご注意を。
4つの湯とも実に個性的でしたね。ほかにも島原市内には立ち寄り入浴ができる温泉スポットが満載ですので、風情溢れる島原の町歩きと合わせて、お楽しみください。

時間に余裕のある方は、島原半島の中央、雲仙普賢岳の麓に湧く白濁の硫黄泉「雲仙温泉」、さらに半島西側、夕焼けの海を望む潮湯「小浜温泉」にも足を延ばし、島原半島の3大温泉を制覇してみてはいかがですか?

※記事中の料金はすべて税込です。
山田誠

山田誠

新潟県十日町市生まれ、現在は福岡県福岡市在住のフリー編集者・ライター。九州の宿や温泉、飲食、雑貨系のショップ、さらに漁村、農村、道の駅など、暮らしと休日に関わるスポットをほぼ毎月、年間150軒以上を取材。取材後は必ず近隣の直売所で地元食材を買って帰る。1児の父。

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