関東平野を見下ろす筑波山のパワースポット&絶景スポットめぐり!

2018.11.20 更新

茨城県つくば市にある、「西の富士、東の筑波」と称される「筑波山」。朝夕に山肌の色を変えることから「紫峰(しほう)」とも呼ばれる美しい山です。そしてここは、古くから信仰の山として栄えてきただけあって、パワースポットの宝庫なんです!都心からわずか1時間半で行ける筑波山の魅力を探りに、行ってきました!

▲写真提供:筑波観光鉄道

旅のスタートは「筑波山神社」から

日本百名山の一つ、筑波山は、東の女体山(にょたいさん/標高877m)と西の男体山(なんたいさん/標高871m)の2つの峰からなる山です。古くから神域として大切にされており、「万葉集」には筑波山を詠んだ歌が25首も収録されているほど。江戸城から見て北東にあたる鬼門に位置することから、徳川家康は「鬼門の護り」として筑波山を崇めたといいます。
▲「筑波山神社」への道は「つくば道」として、徳川家光によって整備された

山頂へのルートはいくつかありますが、おすすめは山麓の「筑波山神社」を起点にケーブルカーで男体山頂へ向かい、女体山頂までハイキングしてロープウェイで下山するコース。ケーブルカーとロープウェイの両方がある山というのも、珍しいですよね。

つくばエクスプレス・つくば駅から直行筑波山シャトルバスに乗ること約40分、「筑波山神社入口」バス停で下車すると、神社はすぐそこです。
▲急な石段を上った先に拝殿がある

「筑波山神社」は筑波山登山に欠かせない大切な場所です。その信仰の対象としての歴史はなんと約3000年といわれています。さらに驚くのが、境内の広さ。この拝殿から山頂までの370ヘクタール、東京ドーム約80個分に及びます。それもそのはず、御神体はズバリ筑波山そのもの。本殿は筑波男大神(イザナギノミコト)を祀る男体山と筑波女大神(イザナミノミコト)を祀る女体山、それぞれの山頂にあるのです。

まずはこの神社で旅の安全を祈願して、聖なる山に入るのが旅人の習わしです。
▲巨大な大鈴がシンボルの拝殿で、まずはお参りを

この拝殿付近にもご利益いっぱいのパワースポットがあります。
それが、こちら。
高さ32m、幹まわり9.8mの大杉です!樹齢約800年のこの巨木は、もちろん御神木。眺めるだけで感じる圧倒的なパワー。山登りへの意欲もみなぎってきます!

さて、筑波山に登る前にぜひ試していただきたいのが「願い石」のおまじない。拝殿横の授与所でご祈祷された「願い石」に願い事を書き、男体山頂近くの「大石重ね」に置くと、願いが叶うとされているんです!
▲願い石(初穂料300円)

箱の中から好きな形の石を選び、マジックで願い事を書いたら、山頂まで持って上がります。
縁結び、夫婦和合、家内安全、子授けなど「筑波山神社」には数多くの御神徳があると聞いて、ペンを持つ手にも自然と力が入っちゃいました。

乗り物好きにはたまらない「筑波山ケーブルカー」で山頂へ

「願い石」をカバンに入れたら、ケーブルカーで男体山頂を目指します。
拝殿西側にある石段を上がると、ケーブルカーの「宮脇駅」が見えてきますよ。
▲筑波山ケーブルカー(料金:大人往復1,050円、片道580円、小児往復530円、片道290円※すべて税込)
▲約20分間隔で運行。緑の「わかば号」と赤い「もみじ号」の2機がある

「筑波山ケーブルカー」の創業は大正14(1925)年。関東では2番目、国内でも5番目に造られた、古い歴史を持つケーブルカーです。全長1634m、495mの高低差を8分ほどで一気に上ります。
座席に座って窓からのんびり植物を眺めるもよし、筆者のように車両の一番前に立って、こんなふうに急な斜面をぐんぐん登っていく様子を体感するもよし。

そしてこの辺りは紅葉シーズン(例年11月上旬~12月上旬)になるとこんな鮮やかな風景に。
▲写真提供:筑波観光鉄道

ケーブルカーの車窓から紅葉狩りが楽しめるなんて、テンション上がりますよね!

なお、紅葉シーズンは「筑波山もみじまつり」を開催しています。宮脇駅周辺に植えられた約100本のもみじの木や、ケーブルカー沿線がライトアップされるとともに、夜間運行も行われます。闇夜を紅く染めるもみじは実に幻想的。紅葉シーズンに訪れる人は、ぜひチェックしてみてくださいね!
▲筑波山ケーブルカーともみじのライトアップ(写真提供:つくば観光コンベンション協会)
あっ、「もみじ号」!下り列車とすれ違う瞬間を見逃さないで。
トンネルもあり、わずか8分の乗車時間ですが小旅行気分を味わえます。
そうこうしているうちに「筑波山頂駅」に到着。
駅を出ると、そこに広がっているのは「御幸ヶ原(みゆきがはら)」。食堂や売店のほか、お手洗いもあるので、用のある方は山歩きの前にここで済ませるといいでしょう。
▲食堂、売店が連なる「御幸ヶ原」は休憩スポット

男体山頂を目指してプチハイキング

「御幸ヶ原」が山頂と思ったら、大間違い。ここからまずは男体山の山頂まで、約15分の道のりを歩きます。
ひんやりと爽やかな空気の中、山道を歩くのは気持ちいい!少し行くと、大きな岩が見えてきました。
左端に小さな階段がついていますね。上ってみましょう。
うわー!岩に登ると、下には絶景が広がっていました!天気の良い日には西に富士山、東京、秩父方面が一望できるのだとか。

この岩は「立身石(りっしんせき)」と呼ばれる巨石。江戸時代の探検家、間宮林蔵(まみやりんぞう)が少年時代に心願成就を祈願した場所といわれており、筑波山の中でもとくに霊力が高いとされるパワースポットなのですって!金運・出世を願う方は迷わずお参りすべし!筆者も売れっ子ライターになれますようにと、ひそかに願ってみたのでした……。
▲先ほど登ったのは裏側。表側から見る「立身石」はカメラに収まらないほどの大きさ!

金運パワーをいただいて、さらに山頂へと歩を進めます。
道中はハイキングコースが整備されていますが、ところどころゴツゴツした岩道が目立ちます。そういえば、筑波山のパワースポットは多くが巨石です。なぜなのでしょう?
その理由は、筑波山の成り立ちにありました。筑波山は地下でマグマが冷え固まってできた岩石が隆起してできた地質的に珍しい山で、火山ではありません。山頂付近に多く見られるのは約7500万年前に固まった、硬い斑れい岩なのです。
岩場の多い山道は少しきつかったですが、プチハイキング気分を味わえて良い気分。さあ、ようやく男体山頂が見えてきました!
標高871mの山頂にあるのは、筑波山神社の2つある本殿の1つです。ここには男の神様、筑波男大神(イザナギノミコト)が祀られています。山頂から眺める景色も美しく、なんだか清らかな気持ちに。
▲平日は近隣の子どもたちも遠足で訪れる

人々の願いが積み上げられた「大石重ね」

一息ついたら、再び出発です。いよいよここから15分ほど歩いたところにある「大石重ね」に向かいますよ。
実は筑波山は、関東では珍しくブナの木の多い山です。標高700m以上にはブナを中心とする落葉広葉樹の森が広がっています。ブナは、氷河期の生き残りともいわれる歴史の生き証人のような植物。温暖化が進むと生育できないため、筑波山では全てのブナの木をモニタリング調査しているのだそうです。
▲「自然研究路」と名づけられた散策路のため、道中このような看板がいくつかあり、付近の植生や自然環境について学ぶことができる

森の中に突如、小さな丘のような塊が現れました。これが「大石重ね」です。
筑波山では小石を持って登山すれば疲れることがなく、罪や過ちも消すことができると信じられてきました。古くは一般の人が男体山頂まで参拝することは許されておらず、人々はここで石を置き、参拝の証としたのです。

この石の山は、人々の願いの集積所でもあるんですね……!
そうだ、私も。
麓の筑波山神社で願い事を書いた「願い石」を、石の山に重ねます。深い森の中でひっそりと確かに生き続けている人々の願いに加わったかと思うと、なんだかロマンチック!
ハイキングでお腹が空いてきました。ブナの森を抜けて、「御幸ヶ原」へ戻って何かいただくとしましょう。

パノラマビューを眺めながらご当地グルメを

「御幸ヶ原」にはいくつかの売店があり、どこも軽食を提供しています。今回入ったのは、「筑波山頂コマ展望台」。1階が売店、2階が展望食堂、3階が屋上展望台になっています。
▲ガラス窓に覆われた2階の食堂では、景色を楽しみながら食事ができる

ここでぜひ食べていただきたいのが、筑波山周辺でしか食べられない名物「つくばうどん」です!
純植物性で育てた茨城の地鶏、つくば茜鶏を使ったつくねの「つ」、地元産の椎茸やゴボウなど黒野菜を意味する「く」、茨城の県花・バラにちなんで名付けられた銘柄豚、ローズポークのバラ肉の「ば」、それぞれの頭文字をとって「つくば」を表現しているご当地うどんなんです。麺には地産の小麦と茨城県名産のレンコンパウダーを使っていますよ。
▲つくばうどん(税込1,000円)は、太めの麺に鶏つくねやバラ肉、たっぷりの野菜が入ってボリューム満点!

さらに一番人気、つくば茜鶏を使った「つくば鶏親子丼」もおすすめ!
▲「つくば鶏親子丼」(税込960円)は味噌汁付き。ふわふわ卵と地鶏、タレのしみたご飯がペコペコのお腹にしみわたる

お腹がいっぱいになったら、3階の展望台へ上がってみては。遮るものがない360度パノラマビューが楽しめますよ。
▲展望台への入場は無料

女体山への道はパワースポットの宝庫!

一休みして元気が出てきたら、もう1つの峰、女体山を目指しましょう。その前に、「御幸ヶ原」近くのパワースポット「紫峰杉(しほうすぎ)」をチェック。
▲高さ約40m、幹まわり約7mの杉の木。隣には男女川(みなのがわ)の源流も流れている

推定樹齢800年!近くで見るとものすごい迫力です。苔むした幹に歴史を感じ、思わず時間を忘れて眺めてしまいます……。

女体山頂まではこの紫峰杉から15分ほどの道のりです。
ところどころ、こんな岩場を抜けていきます。やっぱり筑波山は岩が多い!それゆえ岩のパワースポットがあちこちに。
▲「セキレイ石」。鶺鴒(せきれい)という鳥が止まり、男女の恋の道を教えたという言い伝えがある、縁結びのパワースポット
筑波山で最も有名なパワースポットの一つ、「ガマ石」もこの道すがらにあります。その昔、永井兵助という油売りが「ガマの油売り口上」を考え出した場所といわれることからこの名がついたそう。ガマガエルにそっくりな形をしていますよね。
口の割れ目に石が乗るように投げ入れると、金運がアップするのだとか……。足元の小石を、ぜひ投げ入れてみてください!

まるで神話の世界!女体山頂の絶景を見逃すな

「ガマ石」を過ぎてしばらく行くと、少し開けたところに出ました。この岩場の先が女体山頂ですよ!
▲右手にはロープウェイの「女体山駅」がある

はやる気持ちを抑えつつ、岩の階段を上ります。
着きました!こちらが筑波山神社女体山頂の御本殿!筑波女大神(イザナミノミコト)が祀られています。
左奥に見えるのは、「天野浮橋(あめのうきはし)」です。「古事記」ではその昔、イザナギ、イザナミの二柱の神様がここに立って天沼矛(アメノヌボコ)を持ち、日本の国土を作ったといわれている場所。神様の世界と現世を結ぶありがたい橋なのです。
▲2009年に現在のものに架け替えられた

ここからさらに、本殿の奥が山頂だというのですが……またもや岩ですか!
▲大きな岩だらけの場所が山頂

絶景が見られると聞いていたのは、岩の先端なのですが……。
わーーーーー!本当だ!!これはすごい眺めです!岩の下にはどこまでも平らな関東平野が広がっています。晴れて空気の澄んだ日には、西に富士山はもちろんスカイツリーも見えるというから、まさに絶景。来てよかった!
▲高所恐怖症でなければ、こんなふうに岩場に腰掛けても気持ち良い

眺めを堪能したら、そろそろ下山。
女体山側からはロープウェイを利用するのがおすすめです。女体山駅はすぐそこ。
▲ケーブルカーと同じく20分間隔で運行している
▲筑波山ロープウェイ女体山駅

ロープウェイ乗り場からは、さっき登った男体山の姿がきれいに見えますよ。
▲紅葉シーズンにはこの斜面が赤や黄色に染まる
こちらが「筑波山ロープウェイ」。女体山駅からふもとの「つつじヶ丘駅」まで約6分で高低差約300mを一気に下る空の旅は大迫力!

特にこの時期おすすめなのが、「スターダストクルージング~夜の筑波山空中散歩~」です。ロープウェイは通常16:40までの運行ですが、2018~2019年は2月24日までの土・日・祝日に限り(12月25日~28日は平日も、12月31日~1月1日は日中のみ)、17:00~21:00(1~2月は17:00~20:00)までの夜間運行と女体山駅でのイルミネーションの点灯を行っていますよ!(大人往復税込1,000円、小学生以下無料、荒天中止)
▲女体山頂駅からは関東平野の夜景とイルミネーションが楽しめる(写真提供:筑波観光鉄道)

ロープウェイでの空中散歩で見えるのは、こんな夜景!
▲写真提供:筑波観光鉄道

まるで地上に宝石をちりばめたような美しさは、この時季だけのお楽しみ。この夜景を見るためだけに筑波山を訪れる人も多いのだそう。

一年を通して、筑波山は見どころがいっぱいですが、とくに秋から冬にかけての昼間は紅葉狩りとパワースポットめぐりを楽しみ、夜はロープウェイで夜景に酔いしれることができます。週末はお手軽山歩き体験に出かけてみてはいかがでしょうか?
▲ケーブルカーの宮脇駅付近で行われている「もみじライトアップ」(写真提供:筑波観光鉄道)

なお、筑波山へ行くなら、おさえておきたいのが「筑波山きっぷ」(大人税込2,620円~4,300円、小人税込1320円~2180円。※出発駅によって変動)。つくばエクスプレス、つくバス(市内コミュニティバス)、直行筑波山シャトルバス、ケーブルカー、ロープウェイの5つの乗り物がセットになった、2日間有効のおトクな乗車券ですので、つくばエクスプレスの最寄駅でぜひチェックしてくださいね!
髙松夕佳

髙松夕佳

編集者、ライター。茨城県つくば市のひとり出版社「夕(せき)書房」代表。『家をせおって歩いた』(村上慧著)、『山熊田 YAMAKUMATA』(亀山亮著)、『宮澤賢治 愛のうた』(澤口たまみ著)が好評発売中。ふるさと、茨城の魅力を再発見する日々。

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