関東平野を見下ろす筑波山のパワースポット&絶景スポットめぐり!
茨城県つくば市にある、「西の富士、東の筑波」と称される「筑波山」。朝夕に山肌の色を変えることから「紫峰(しほう)」とも呼ばれる美しい山です。そしてここは、古くから信仰の山として栄えてきただけあって、パワースポットの宝庫なんです!都心からわずか1時間半で行ける筑波山の魅力を探りに、行ってきました!

旅のスタートは「筑波山神社」から

山頂へのルートはいくつかありますが、おすすめは山麓の「筑波山神社」を起点にケーブルカーで男体山頂へ向かい、女体山頂までハイキングしてロープウェイで下山するコース。ケーブルカーとロープウェイの両方がある山というのも、珍しいですよね。
つくばエクスプレス・つくば駅から直行筑波山シャトルバスに乗ること約40分、「筑波山神社入口」バス停で下車すると、神社はすぐそこです。

「筑波山神社」は筑波山登山に欠かせない大切な場所です。その信仰の対象としての歴史はなんと約3000年といわれています。さらに驚くのが、境内の広さ。この拝殿から山頂までの370ヘクタール、東京ドーム約80個分に及びます。それもそのはず、御神体はズバリ筑波山そのもの。本殿は筑波男大神(イザナギノミコト)を祀る男体山と筑波女大神(イザナミノミコト)を祀る女体山、それぞれの山頂にあるのです。
まずはこの神社で旅の安全を祈願して、聖なる山に入るのが旅人の習わしです。

この拝殿付近にもご利益いっぱいのパワースポットがあります。
それが、こちら。

さて、筑波山に登る前にぜひ試していただきたいのが「願い石」のおまじない。拝殿横の授与所でご祈祷された「願い石」に願い事を書き、男体山頂近くの「大石重ね」に置くと、願いが叶うとされているんです!

箱の中から好きな形の石を選び、マジックで願い事を書いたら、山頂まで持って上がります。

筑波山神社
茨城県つくば市筑波1
参拝自由
029-866-0502
乗り物好きにはたまらない「筑波山ケーブルカー」で山頂へ

拝殿西側にある石段を上がると、ケーブルカーの「宮脇駅」が見えてきますよ。


「筑波山ケーブルカー」の創業は大正14(1925)年。関東では2番目、国内でも5番目に造られた、古い歴史を持つケーブルカーです。全長1634m、495mの高低差を8分ほどで一気に上ります。

そしてこの辺りは紅葉シーズン(例年11月上旬~12月上旬)になるとこんな鮮やかな風景に。

ケーブルカーの車窓から紅葉狩りが楽しめるなんて、テンション上がりますよね!
なお、紅葉シーズンは「筑波山もみじまつり」を開催しています。宮脇駅周辺に植えられた約100本のもみじの木や、ケーブルカー沿線がライトアップされるとともに、夜間運行も行われます。闇夜を紅く染めるもみじは実に幻想的。紅葉シーズンに訪れる人は、ぜひチェックしてみてくださいね!

筑波山ケーブルカー
茨城県つくば市筑波1
[営業時間]平日9:00~16:40、土・日曜・祝日8:40~17:00
[料金]大人往復1,050円、小児往復530円(ともに税込)、6歳未満無料
[定休日] なし ※悪天候時の運転休止、定期検査による休業あり
○もみじライトアップ×夜間運行
[実施日時]11月3日~12月2日の 土・日曜・ 祝日及び11月17~25日の17:00~20:00 ※荒天中止
[料金] 大人往復税込1,000円、小学生以下無料
029-866-0611(9:00~17:00)





男体山頂を目指してプチハイキング



この岩は「立身石(りっしんせき)」と呼ばれる巨石。江戸時代の探検家、間宮林蔵(まみやりんぞう)が少年時代に心願成就を祈願した場所といわれており、筑波山の中でもとくに霊力が高いとされるパワースポットなのですって!金運・出世を願う方は迷わずお参りすべし!筆者も売れっ子ライターになれますようにと、ひそかに願ってみたのでした……。

金運パワーをいただいて、さらに山頂へと歩を進めます。
道中はハイキングコースが整備されていますが、ところどころゴツゴツした岩道が目立ちます。そういえば、筑波山のパワースポットは多くが巨石です。なぜなのでしょう?




人々の願いが積み上げられた「大石重ね」


森の中に突如、小さな丘のような塊が現れました。これが「大石重ね」です。

この石の山は、人々の願いの集積所でもあるんですね……!
そうだ、私も。


パノラマビューを眺めながらご当地グルメを

ここでぜひ食べていただきたいのが、筑波山周辺でしか食べられない名物「つくばうどん」です!
純植物性で育てた茨城の地鶏、つくば茜鶏を使ったつくねの「つ」、地元産の椎茸やゴボウなど黒野菜を意味する「く」、茨城の県花・バラにちなんで名付けられた銘柄豚、ローズポークのバラ肉の「ば」、それぞれの頭文字をとって「つくば」を表現しているご当地うどんなんです。麺には地産の小麦と茨城県名産のレンコンパウダーを使っていますよ。

さらに一番人気、つくば茜鶏を使った「つくば鶏親子丼」もおすすめ!

お腹がいっぱいになったら、3階の展望台へ上がってみては。遮るものがない360度パノラマビューが楽しめますよ。

コマ展望台 レストラン
茨城県つくば市筑波1
[営業時間]ケーブルカー運行時間と同じ
[定休日]なし
029-866-1574
女体山への道はパワースポットの宝庫!

推定樹齢800年!近くで見るとものすごい迫力です。苔むした幹に歴史を感じ、思わず時間を忘れて眺めてしまいます……。
女体山頂まではこの紫峰杉から15分ほどの道のりです。



口の割れ目に石が乗るように投げ入れると、金運がアップするのだとか……。足元の小石を、ぜひ投げ入れてみてください!
まるで神話の世界!女体山頂の絶景を見逃すな

はやる気持ちを抑えつつ、岩の階段を上ります。

左奥に見えるのは、「天野浮橋(あめのうきはし)」です。「古事記」ではその昔、イザナギ、イザナミの二柱の神様がここに立って天沼矛(アメノヌボコ)を持ち、日本の国土を作ったといわれている場所。神様の世界と現世を結ぶありがたい橋なのです。

ここからさらに、本殿の奥が山頂だというのですが……またもや岩ですか!

絶景が見られると聞いていたのは、岩の先端なのですが……。


眺めを堪能したら、そろそろ下山。



ロープウェイ乗り場からは、さっき登った男体山の姿がきれいに見えますよ。


特にこの時期おすすめなのが、「スターダストクルージング~夜の筑波山空中散歩~」です。ロープウェイは通常16:40までの運行ですが、2018~2019年は2月24日までの土・日・祝日に限り(12月25日~28日は平日も、12月31日~1月1日は日中のみ)、17:00~21:00(1~2月は17:00~20:00)までの夜間運行と女体山駅でのイルミネーションの点灯を行っていますよ!(大人往復税込1,000円、小学生以下無料、荒天中止)

ロープウェイでの空中散歩で見えるのは、こんな夜景!

まるで地上に宝石をちりばめたような美しさは、この時季だけのお楽しみ。この夜景を見るためだけに筑波山を訪れる人も多いのだそう。
一年を通して、筑波山は見どころがいっぱいですが、とくに秋から冬にかけての昼間は紅葉狩りとパワースポットめぐりを楽しみ、夜はロープウェイで夜景に酔いしれることができます。週末はお手軽山歩き体験に出かけてみてはいかがでしょうか?

なお、筑波山へ行くなら、おさえておきたいのが「筑波山きっぷ」(大人税込2,620円~4,300円、小人税込1320円~2180円。※出発駅によって変動)。つくばエクスプレス、つくバス(市内コミュニティバス)、直行筑波山シャトルバス、ケーブルカー、ロープウェイの5つの乗り物がセットになった、2日間有効のおトクな乗車券ですので、つくばエクスプレスの最寄駅でぜひチェックしてくださいね!
筑波山ロープウェイ
茨城県つくば市筑波1
[営業時間]平日9:20~16:40、土・日曜・祝日8:40~17:00
[定休日]なし ※悪天候時の運転休止、定期検査による休業あり
[料金]大人往復1,100円、小児往復550円(ともに税込)
029-861-0611(9:00~17:00)

髙松夕佳
編集者、ライター。茨城県つくば市のひとり出版社「夕(せき)書房」代表。『家をせおって歩いた』(村上慧著)、『山熊田 YAMAKUMATA』(亀山亮著)、『宮澤賢治 愛のうた』(澤口たまみ著)、『失われたモノを求めて 不確かさの時代と芸術』(池田剛介著)が好評発売中。ふるさと、茨城の魅力を再発見する日々。
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