「大洗磯前神社」 岩礁に立つ鳥居が神々しすぎる絶景パワースポットで初詣

2018.12.20 更新

茨城県東茨城郡大洗町にある「大洗磯前(おおあらいいそさき)神社」は、太平洋に面した丘の上に鎮座する歴史ある神社。実はここ、“神々しすぎる絶景パワースポット”として話題なんです!大洗海岸の岩礁に立つ「神磯(かみいそ)の鳥居」越しに拝む日の出は、息をのむほどの美しさだというのですが……。年末年始にこそ訪れたい大洗磯前神社の見所をご紹介します!

▲サンビーチ通りにそびえる「一の鳥居」

神が降り立った聖地に立つ「神磯の鳥居」

鹿島臨海鉄道大洗鹿島線の大洗駅から循環バス「海遊号」(大人100円、子ども50円 ※ともに税込)に揺られること約15分、「大洗磯前神社下」バス停で下車して参道を少し歩くと、「二の鳥居」が見えてきました。
▲JR常磐線・水戸駅からも茨城交通バスでアクセス可能。「二の鳥居」目の前のバス停に着く

「大洗磯前神社」の社殿や本殿は、この鳥居の奥に見える丘の上にあるのですが、その前に、まずは神社の発祥にかかわる大切な場所へ行ってみます。その場所は、「二の鳥居」から道を挟んだ対面に伸びる、狭い小道の先にありました。
「二の鳥居」を背に小道を進むと、波の音が聞こえてきます。
うわーーー!!海の中に鳥居が!これが「大洗磯前神社」の発祥にかかわる聖地、「神磯の鳥居」です!
ゴツゴツした岩礁に砕け散る白波と、静かに佇む白い鳥居。なんとダイナミックな光景!

それだけじゃありません。ザザーン、ザザーン、さらさらさら……。岩に当たって砕ける荒々しい波音と、砂を洗う引き波のやさしい音が交互に押し寄せる独特の音風景も耳に心地よく、時間を忘れて呆然と佇んでしまいます。
実はここ、856(斉衡3)年12月29日、大己貴命(おおなむちのみこと)と少彦名命(すくなひこなのみこと)という2柱の神様が降り立ったという聖地。

朝廷の文書『日本文徳天皇実録』によると、その日突如として海が光り輝いたかと思うと、大小2つの怪石が現れ、「我は大奈母知(大己貴命)・少比古奈命(少名彦命)なり。昔、この国を造って常世の国(海の彼方の世界)へ去ったが、人々の難儀を救うために再びこの地に帰れり」と告げられたのだそう。

時は平安時代、天然痘などの疫病が大流行していた時代です。大己貴命・少彦名命は共に国造りと医薬の祖神であることから、薬師菩薩の力とあわせて難病を救う神仏習合の「大洗磯前薬師菩薩神社」として祀られるようになります。
その後江戸時代には「大洗磯前大明神」となり、明治に入ってからは「大洗磯前神社」と名前を変えたのでした。
▲「神磯の鳥居」前の海岸には「神が降り立ったと言われる神聖な場所」との表示が

創建から1160年余りという歴史の長さもさることながら、その発祥が朝廷の文書に記載されているという由緒の正しさに、思わず背筋が伸びます。
▲もともと海の中だったというこの場所に鳥居が立てられたのは、1963(昭和38)年のこと

江戸時代には、水戸黄門こと水戸三代藩主の徳川光圀(みつくに)が「あらいその岩に砕けて散る月を一つなしてかへる月かな」とその景観をたたえたと言われていますが、それもそのはず、あの水戸黄門もこの神社と深~いつながりがあるのです!

大洗はかつて交通の要所だった

神社のさらなる魅力を探るべく、境内へ向かいました。来た道を戻り、「二の鳥居」をくぐります。
現れたのは、ちょっとひるんでしまいそうな長くて急な階段。マニアの間では、人気のアニメ作品で戦車が駆け下りた「聖地」でもあるそうですよ!
▲91段の階段を上った先には、もう一つ鳥居が。その奥に見えるのは隋神門(ずいしんもん)

隋神門の手前には、手水舎が。
こちらのご神水は湧き水で、病気に効くからと、くみに来る方も多いのだとか。さすがは1000年前から薬師菩薩として祀られてきたお社ですね。
▲悪いものが入ってこないよう、門の左右の格子窓の中には随身が控えている

立派な隋神門の両脇には、狛犬が鎮座しています。……あら、茶色い?
実はこの狛犬、石ではなく陶器でできているんです!
海と川に囲まれた大洗はその昔、関東の交通の要所でした。この狛犬は、岡山県の備前焼でできており、海運で西から物資を運んだ人々が、大洗に立ち寄った印に奉納されたと考えられています。なんとも歴史を感じるエピソードです。

水戸黄門ゆかりの建物たち

隋神門をくぐると、拝殿が見えてきました。
1100年以上の歴史を誇る大洗磯前神社ですが、戦国時代に戦に巻き込まれ、すべてが焼かれてしまったため、江戸中期までは小さな祠があるだけだったといいます。

そんな神社を再建したのが、元禄時代を生きた水戸藩主、徳川光圀でした。「歴史ある大洗さまがそのような状態では申し訳ない」と、建物と森の造営を命じたことから、現在のような立派な神社ができたのです。
つまり、これらの建物はすべて元禄時代のもの。白木造りの簡素な建物の中に、ところどころ鮮やかな色彩の彫刻が施されています。
あれ、この彫刻、どこかで見たような……。 
実はこちらの拝殿は、ちょうど「日光東照宮」の建設時期と同じ時期に造営されているため、装飾の造りがとても似ているのです。仏教嫌いだった光圀公ゆえ華やかさは抑えてありますが、鮮やかな彫刻は日光東照宮を彷彿とさせますよね。
▲参拝者が無事帰れるようにと奉納された石造りのガマガエルたち

拝殿の後ろにある御本殿は、美しい茅葺です。
▲本殿の中には御神体である2つの石が納められている

2011年の東日本大震災をきっかけに拝殿の銅板屋根の張り替えや修復が行われ、本殿の茅葺屋根も葺き替えられたとのこと。ぜひ近くに寄って、神様を感じてみてくださいね。

拝殿の脇の石垣の上には、参拝者たちが持ち寄っただいこく様の置物がずらり。人々に愛されている神社なんだなとほっこりします。

だいこく様ゆかりの絵馬や御守りを

参拝後に必ず授かりたいのが御守りと絵馬です。
▲開運福守(800円)

大己貴命は別名「だいこく様」。福徳を授ける神様として仰がれているだけに、この御守りは一番人気!黄色い袋と打ち出の小づちの絵柄が可愛らしくて女性にも人気です。

また、「だいこく様」といえば、遠く出雲に伝わる因幡の白兎の伝説が有名です。そうした所縁から、こちらではウサギの絵馬も人気のアイテムなんですよ!
▲絵馬は二福守、大国、うさぎの3種類(各500円)

御朱印を集めている方には、こちらの御朱印帳がオススメです!
▲「神磯の鳥居」と大洗の海の青い刺繍が美しい御朱印帳(1,000円)
▲御朱印(500円)は社務所でいただくことができる

港町・大洗の歴史と海の生物を知る「大洗海洋博物館」

境内にはもう一つ、意外な見所があります。それが、「大洗海洋博物館」です。
大洗といえば、海のまち。こちらの神社の御神体も海にご縁が深いことから、地域の子どもたちに港町・大洗の産業と海への理解を深める目的で、1959(昭和34)年に設立されました。
海具や漁網といった水産業に関する資料や、クジラをはじめとする近海の貴重な生物の標本などが展示されています。特に、クジラの生殖器の標本は他では見られない珍しいもの。一見の価値ありです!

初日の出のご来光と神秘の鳥居

さて、神社を去る前にもう一度、印象的だった神磯に下りてみたいと思います。
▲境内の階段の上からも海が見える

境内はどこを歩いても景色が清々しいので、最高に気持ちがいいです。
その昔は、この二の鳥居をくぐった道路のあたりがすぐ海だったのだそうです。
うん!やっぱり何度見ても絶景!

この鳥居、季節や時間によってまた違った表情を見せるのですが、特におすすめは日の出の時間です。
▲写真提供:大洗磯前神社

毎年元旦には、0時より勇壮な太鼓が奉納され、無料の甘酒がふるまわれるほか、6:45頃には神職が神磯に降りて初日の出の奉拝式が執り行われます。厳かな雰囲気の中で見るご来光は格別ですよ!
▲水戸黄門も愛した月光に輝く「神磯の鳥居」(写真提供:大洗磯前神社)

開運招福、厄除け、家内安全などの御利益があるという大洗磯前神社。元旦、月光に照らされた神秘的な姿から、初日の出とともにだんだんと赤く染まっていく「神磯の鳥居」は本当に神々しく、感動モノの美しさです!
年の初めから忘れられない特別な体験ができること請け合い。ぜひ来年の初詣に訪れてみてはいかがでしょうか?
▲写真提供:大洗磯前神社
髙松夕佳

髙松夕佳

編集者、ライター。茨城県つくば市のひとり出版社「夕(せき)書房」代表。『家をせおって歩いた』(村上慧著)、『山熊田 YAMAKUMATA』(亀山亮著)、『宮澤賢治 愛のうた』(澤口たまみ著)、『失われたモノを求めて 不確かさの時代と芸術』(池田剛介著)が好評発売中。ふるさと、茨城の魅力を再発見する日々。

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