東伊豆・北川温泉の「望水」でムーンロードを満喫!露天風呂から眺める絶景は必見!

2019.01.24 更新

月光が海面に道を描き出す自然現象「ムーンロード」。静岡県・東伊豆の北川(ほっかわ)温泉にある老舗旅館「望水(ぼうすい)」では、オーシャンビューの貸切風呂に浸かりながらこのムーンロードを眺めることができます。今回は、2018年8月にリニューアルオープンした客室「ムーンロードスイート」に泊まらせてもらい、ムーンロードを堪能してきました!

ムーンロードが美しい、海を望む絶景の宿

熱海駅でJR伊東線に乗り換え、およそ1時間で到着する伊豆熱川駅。事前に連絡しておけば電車の到着時刻に無料の送迎バスが迎えにきてくれます。バスに揺られること約6分で、今回ご紹介するお宿「望水」に到着です。
老舗旅館「望水」の正面玄関は、伊豆半島の東海岸を走る国道135号線沿いにあります。形の良い松の木や赤い絨毯が出迎え、格式の高さを感じます。
エントランスをくぐり中へ入ると、早速、窓の向こうに広がる大きな海が!のっけから絶景に目を奪われます。
▲正面に見える島は伊豆大島

国道と同じ高さにある玄関フロアが1階だと思いきや、実は建物の8階になっており、高台から相模灘を見下ろすオーシャンビューを楽しむ造りになっています。
▲横から眺めると、ロビーが最も高い階にあるのがわかる(写真は黄昏時の風景)
海を眺めながら、まずはウェルカムドリンクをいただきます。
ふたを開けると、中にはめかぶ茶が注がれていました。昆布の旨味と塩気が心地よく、ほっとします。取材に訪れたのは12月。冬はめかぶ茶ですが、夏の時季は冷たいゆずみつに代わるそう。
テーブルの上には、ムーンロードが美しい宿オリジナルのカレンダーが置かれていました。よく見ると、毎月3日間だけ黄色い印がついています。
海を照らす月の光りが、まるで道のように見えることから名付けられた「ムーンロード」。見ることができるのは、1カ月のうち満月の日とその前後1日の3日間だけ。カレンダーの黄色い印がある日が該当します。晴れた日の日没以降でなければ見ることができません。

「望水」では、2018年8月、6階のフロアを全面リニューアル。6室ある客室のうち特に広い2室が「ムーンロードスイート」と名付けられ、特に人気の客室となっています。「ムーンロードスイート」は、4名まで宿泊可(1泊2食付1室2名1人税別48,000円~。サービス料込み。別途入湯税150円が必要)。
今回は、2つあるうちの1室「天城」に宿泊させてもらいました。
玄関ホールの壁に青い光が。ドアの先に目を向けると、海が見えます。ガラス張りのドアの向こうはリビングルームになっています。
大きなカウチソファのほか1人掛けのソファが置かれており、海を眺めながらリラックスできる造りになっています。
ムーンロード日和には、夜になると、海面に月の光が道のように伸びる美しい景色が見られます。
その右隣はベッドルーム。ツインベッドも、海を眺められるように配置されていました。ベッドルームの奥に見える掛け軸のある部屋は、10畳の和室。
「望水」では、朝も夕も食事は部屋食。落ち着いた雰囲気の和室で、ゆったりといただくことができます。
▲モザイクタイルが美しい洗面台

2室ある「ムーンロードスイート」のいずれの部屋にも、あるのはシャワールームのみ。バスタブはありません。
内湯がないのには理由があります。
「望水」には、「プライベートガゼボ」と「プレミアムガゼボ」の2種類の貸切露天風呂があり、どの客室に宿泊してもプライベートガゼボを50分間、必ず利用することができます。そして90分間利用できるプレミアムガゼボは、有料(税別12,000円)となります。
ところが、「ムーンロードスイート」の宿泊者のみ、プライベートガゼボの50分間とプレミアムガゼボの90分間の両方を、無料で利用することができるのです!
ならば早速、プライベートガゼボからチェックしてみましょう!

1泊2日の間に必ず1回利用できる貸切露天風呂

プライベートガゼボは4階にあります。エレベーターを降りると、行灯の光が優しく照らすムーディーな廊下が。この廊下に沿って並ぶ「ときの凪」と名付けられたプライベートガゼボは、それぞれ「日のなごり」「波まくら」「浮舟」「さゞ波」と名付けられています。

まずは「日のなごり」からチェックしてみましょう。
暖簾をくぐると、シックな空間が広がります。その先に見えるのが、露天風呂。
高台に位置し、海にせりだすようなロケーションの露天風呂からは、相模灘を眺めることができます。楕円形のお風呂は4~5人で入ってもゆったりくつろげるほど広々。
石の風合いが、和の雰囲気を醸し出しています。実はこの日の夜、筆者が入ったのはこのお風呂。
日中、取材のために写真を撮りながら、湯船の縁の海側にライトがあるのはどうしてだろう?と疑問に思っていました。夜、湯船に浸かっていてハッと気づいたんです。水面に映し出されたライトの光が温泉の水面を一直線に照らし、まるでムーンロードのようだったのです~!
筆者が入浴したのはムーンロードを見られる時間帯よりもずっと遅い時間でしたが、神秘的な気持ちを味わうことができました。
さて、湯船の脇にサカナの形をしたビンが氷水で冷やされていることに気づきました。ビンを開けてみると、中身はミネラルウォーターと黒豆茶。貸切入浴の間、お風呂に浸かりながら水分補給ができるようにという配慮に、この宿のホスピタリティの高さがうかがえます。
露天風呂には、バスタオルとバスローブが用意されているので、部屋からはフェイスタオルさえ持っていけばOK。
もちろん洗い場もあるので、しっかり体を洗うこともできますよ。

お次は、「波まくら」を見せてもらいました。
こちらはモダンなイメージの空間が広がります。
湯船は長方形。お湯は、宿の敷地内にある専用源泉から掛け流し。ナトリウム・カルシウム−塩化物泉は、疲労回復、健康増進、神経痛、関節痛に効果があるそう。

また、「浮舟」はヒノキの露天風呂とドライサウナ、「さゞ波」はジャグジーバスとミストサウナを楽しめます。

プライベートガゼボの予約ができるのは、チェックイン時のみ。フロントで、写真を見ながら、空いている時間から選んで予約します。湯に浸かりながらムーンロードを眺めたいなら、早めのチェックインをおすすめします!

より広い空間で、海の景色を堪能しよう

同じく4階には、「月いづる」と「青のいざない」と、2つのプレミアムガゼボがあります。こちらは宿泊予約時にどちらかを選んで予約することが必要です。
こちらは「月いづる」。月をモチーフにした空間には、大きなソファとベッドが2台あり、ゆったり広々としています。
ベッドの側には、ドリンクブーケが。シャンパンや地ビールなどが氷で冷やしてあり、置いてあるものは自由に飲むことができます。真ん中にあるミカンの形をした器を開けてみると……。
ニューサマーオレンジのピールが入っていました。これは「望水」のオリジナルスパスイーツ。しっとりとした食感と、柑橘特有の甘みと苦味を楽しめます。
▲「月いづる」の露天風呂
もう1つのプレミアムガゼボ「青のいざない」は、禅をモチーフにした空間です。

2つのプレミアムガゼボがあるのは、海に一番近い場所。プライベートガゼボよりも海がずっと近くに感じられます。
ちなみに、「月いづる」から眺められる「ムーンロード」がこちら!
海からまっすぐ自分へと伸びる月の光に、思わずうっとりしてしまうことでしょう。いつまでも眺めていたくなるほど神秘的な景色を、温泉に浸かりながらのんびり眺めるという至福の時間を過ごせます。

浴衣や歯ブラシの用意から感じる、おもてなしの心

6階には「ムーンロードスイート」以外の客室が4室あり、どの部屋にも伊豆の山の名前が名付けられています。今回、特別に「万三郎」(1泊2食付1室2名1人税別30,000円~。サービス料込み。別途入湯税150円が必要)という名前の部屋を見せてもらいました。「万三郎」とは、伊豆・天城にある日本百名山の一つです。
10畳和室に広縁、洗面室と内風呂があるスタンダードな造りとなっています。6階は廊下も含めてすべて禁煙なので、清々しく過ごせます。
「望水」の客室はすべてオーシャンビュー。「万三郎」からも、相模灘と伊豆大島を眺めることができました。聞けば、「望水」ではどの客室からも「ムーンロード」を眺めることができるのだそう!
ここで、お着き菓子をご紹介しましょう。
箱の中には栗が入った和風カステラ「望水選菓 浮島」と、三杯酢で漬けたわさびの茎が入っていました。甘みと渋みが心地よい抹茶と、上品な甘さのカステラがよく合います。
浴衣や丹前、帯、足袋の形をした靴下のほか、小さな巾着袋がありました。中をのぞいてみると、フェイスタオルと歯ブラシが。
巾着袋に刺繍された「望水」のロゴマークと、歯ブラシの色が同じ色。聞けば、写真の緑のほか、オレンジ、紫、青、黄色の5色の用意があるそうで、5人以内の利用なら、色が被らないように支度をしているとのこと。

ちなみに、浴衣は150~200cmまで9サイズあり、宿泊する人の身長に合ったものを用意しているそう。子供用に100~150サイズの浴衣や甚平の用意もあるそうですよ。

また、入浴から戻ると、新しい浴衣が用意されていました。湯上りの汗をかいたあとに着ていた浴衣を、気持ちよく眠れるように着替えて、という配慮。隅々まで行き届いたおもてなしの心に感激しました。
洗面台に置かれたアメニティは、館内にある「ヘブンリースパ GECCA」で使われているオーガニックスキンケアブランド「SUNDARI(スンダリ)」のアイテム。
アーユルヴェーダの理論と天然材料を融合して作られており、甘い香りが心と体に染み入ります。今度はスパへ行ってみることにしましょう。

オーシャンビューのルームで全身をトリートメント

3階にある「ヘブンリースパ GECCA」での施術は、すべてを手で行うオールハンド。その気持ち良さに、リピーターが続出しているそう。
まずはバランシングエリアでカウンセリングを受けてから、トリートメントルームへ。
▲トリートメントルームからも正面に海が見える

トリートメントルームはシングルルームが2室、ダブルルームが1室あります。トリートメントの料金は税別16,000円~。
実は、こちらで施術を受ける人の2~3割が男性なのだそう。カップルや夫婦で一緒に受けるのはもちろん、1人で受ける人も多いそうですよ。

活アワビを石焼で豪快に味わう「磯懐石」を堪能

▲この日の前菜は巻海老旨煮、豆サザエガーリックバター焼きなど

目の前に海が広がる「望水」では、伊豆の山海の幸を味わえる夕食も自慢の一つ。今回は、懐石料理を磯料理風にアレンジし、先付、前菜から始まり、デザートまで全8皿を味わえるスタンダードなコース「磯懐石」を味わいました。
この日のお刺身には、サザエやキンメダイ、ホウサンというカツオの仲間やカンパチが並びます。北川温泉の山海の幸を思う存分味わうことができます。
注目すべきは、やっぱり石焼。この日は、なんとアワビの蒸し焼き料理!まだ生きているエゾアワビが、器の中でうごめいています。
それをおよそ400度に熱してある石の上にのせて……。
8~10分ほど蒸し焼きに。アワビから上がる蒸気で、ガラスの蓋があっという間に曇ります。
仲居さんが、焼きあがったアワビを貝殻から上手に外してくれました。
添えてあるバターとレモンでいただくのが、望水流なんだとか。ナイフでサクッと切れる適度な弾力と、アワビ独特の磯の風味がたまらない一品でした。
鍋物は「茸と和牛すき焼き」。鍋の中には、マイタケ、シメジ、長ネギのほか、フルーツトマトが入っていました。火が通ってくったりとしたトマトの酸味と甘みが割り下の絶妙なアクセントとなって、和牛の味を引き立てます。火を通した牛肉で巻いて食べても美味しいですよ。

ちなみに料金は異なりますが、活アワビを網焼きで味わう「海の詩」、公式ホームページからのみ予約できる「霜降り和牛の石焼きステーキ」が味わえるプランなど、複数の料理プランがあります。こちらもぜひチェックしてみてくださいね。

早起きしたくなる、ボリューム満点の朝ごはん

翌朝、朝食の支度に来た仲居さんが差し出してくれたのは、おめざのヨーグルト。地元特産の花柚で作った自家製ジャムが入っており、さわやかな味と香りに体がシャキッと目覚めます。
そして、大きなカゴの中に入ったたくさんのおかずにびっくり!
この日のメニューは、写真左上のふたがしてある大根の煮付のほか、柿なます、アサリと葉ネギのぬた、三つ葉入り玉子焼き、とろろそば、サラダなど。これだけでおなかいっぱいになりそうなボリュームですが……。
この他に、香り豊かな地のり、自家製のくみ上げ豆腐や、直火焼きの干物も並びます。
▲ツヤツヤの白米に腹の虫も黙っていてくれない

ご飯は炊きたてのコシヒカリ。朝食の時間に合わせ、鉄釜で1部屋分ずつ炊いているので、熱々が届きます。
たくさんの料理が並びますが、朝ごはんの一番のごちうそうは、地元の漁師飯として古くから食べられている浜っ子汁!
曲げわっぱの中には、ぶつ切りのワタリガニと鯖の味噌汁が入っています。具が大きくて豪快なところが、いかにも漁師飯といった雰囲気。
そこに熱々の石を投入。
一気に沸騰させ、熱々をよそってくれるのです。
ボリューム満点の朝ごはんでお腹を満たしたら、今度は予約していたプレミアムガゼボで朝風呂を楽しみましょう。
予約していたのは「月いづる」。目の前に広がる海の景色と穏やかな波音にすっかり癒され、朝から気持ちが落ち着く穏やかな時間を過ごすことができました。
無色透明の温泉は、肌あたりが柔らかく、体の芯から温まります。

もう1つのプレミアムガゼボ「青のいざない」では、朝の7:30~30分間、望水オリジナルのメディテーションプログラム「朝閑坐(あさかんざ)」が行われていました。
早朝の澄んだ空気に包まれながら、潮騒に耳を傾け静かに坐る。ただそれだけなのに豊かな時間を過ごせると人気のプログラムです。定員は7名。宿泊していれば無料で参加できます(荒天の場合は中止)。宿泊予約と同時の予約が必要なので、気になったら忘れずにチェックを。

美しく神秘的なムーンロードを眺められる北川温泉の宿「望水」。宿泊予約は3カ月前から可能なので、ムーンロードを見られる日を狙うなら、早めの予約がおすすめです。
チェックアウトの際に教えてもらったのですが、新月の晴れた夜の星空もまた大層美しいのだそう。さざなみをBGMに、満天の星を見られるそうですよ。「望水」は満月も新月の夜も風情を感じられるお宿。ムーンロードカレンダーを眺めつつ、どっちの夜に泊まろうか、悩むのもまた旅の楽しみです。
最後にもう1つ、宿から徒歩5分ほどのところにある「黒根岩風呂」も要チェック。こちらは海抜0mに位置する北川温泉の野天風呂。「望水」に宿泊すれば、無料で入ることができます。午前の部(6:30~9:30)と13:00~17:45は手前の岩風呂2つが男性用、奥の丸い湯船が女性用ですが、18:00以降は男女が入れ替わります。

潮風を浴び、波しぶきを感じながら入れる温泉は、全国からファンが訪れるのだとか。北川温泉の源泉掛け流しの野趣あふれる温泉も、ぜひ堪能したいですね!
永井理恵子

永井理恵子

日大芸術学部写真学科卒のフリーライター。食いしん坊(飲んべえでもある)。東京の荒波に15年揉まれて気づいたのは、生まれ育った静岡県と御殿場市が思いのほか素敵な場所だったってこと!地元のいいところを発信すべく鋭意活動中。

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