温泉と海がある街・伊東の魅力を丸ごと楽しむ!おすすめのてくてく散歩コース

2018.12.04 更新

ノスタルジックな温泉情緒を感じさせる静岡県伊東市は、東伊豆を旅する玄関口。今回は、伊東駅前から伸びる商店街を抜け、「道の駅伊東マリンタウン」まで、お散歩を楽しんできました。温泉や観光名所、そしてグルメなど、伊東の魅力をご紹介します。

▲伊東市の代表的な観光名所「東海館」

温泉湧出量は静岡県トップレベル!全国有数の伊東温泉

東京駅から熱海駅までJR東海道線でおよそ2時間。そこからJR伊東線・伊豆急下田駅行きに乗り換えおよそ25分で伊東駅に到着します。
▲開湯は平安時代とも言われる歴史ある温泉街・伊東

伊東温泉の温泉湧出量は静岡県内トップレベルで、全国でも有数の湯量を誇ります。温泉湧出口は713口もあり、市内には昔ながらの温泉共同浴場が9カ所あります。泉質は主に単純泉・弱食塩泉。無色透明で無臭のお湯は、慢性リウマチ、神経痛、婦人病、胃腸病、疲労回復などに効能があると言われている名湯です。

今回は伊東駅を拠点に、観光名所の「東海館」と、海沿いにある「道の駅伊東マリンタウン」を巡るコースを散歩してきました。
駅を背にして右手に交番が見えます。その先に、早速今回の旅の最初の目的地「東海館」への案内板がありました。
矢印の方へ曲がると…
「伊東温泉 湯の花通り」という商店街が広がります。両脇に所狭しとお店が並んでいて、なんだかワクワクしてきます。
▲大漁祈願と航海安全の神・恵比寿様

たくさんのお店をキョロキョロ眺めながら歩いていると、七福神の像がありました。この商店街では「お湯かけ七福神巡り」なるものを楽しめます。七福神の像の横にはスタンプ台とスタンプが設置されており、一緒に置かれている台紙にスタンプを押しながら七福神を巡るというもの。スタンプを全部集めてスタンプを設置しているお店に申し出ると、ステッカーを頂けます。
恵比寿様の石像のすぐ前の道に目を向ければ、恵比寿様のイラストが。ポップな姿に思わずニンマリしてしまいます。商店街のお店を眺めつつ、七福神を探しながらのんびりお散歩すること約20分。あっという間に「東海館」へ到着しました!

昭和初期に建てられた温泉旅館「東海館」

▲松川沿いから「東海館」の建物を眺める

1928(昭和3)年に創業し、かつては温泉旅館として人気を誇った「東海館」。現在は、伊東市の文化財に指定され、観光施設として多くの旅人を迎えています。
路地へ一歩入ると、まるで昭和にタイムスリップしたかのような光景が広がります。ほとんどの旅行客がここで記念撮影をするんですって!
▲玄関に向かって右脇には手湯が。扇印の小さな湯船に手を入れれば、伊東の温泉を気軽に楽しめる(土・日曜・祝日のみ)

筆者も玄関先で写真を一枚。と、今回はせっかくなので、中を見学させていただくことにしました。昭和初期の温泉情緒が漂う唐破風(からはふ)の玄関から中へ入ります。上部の彫刻は、伊東出身の彫師・森田東光(とうこう)氏の作品です。
正面にはガラス戸があり、その奥に大きな石が見えます。
扉を開くと、そこは中庭になっていました。各地から集められた石が配置されています。ひときわ大きな石の左側に尻尾、右側に頭…と聞いて思い浮かぶのは、亀。大きな石を亀の甲羅に見立てているんですね。
吹き抜けになっている中庭を見上げると、2階が見えました。1~3階には、かつて客室として使われていた部屋があります。
▲1階の客室を廊下から眺める

1928(昭和3)年、伊東の地で材木店を営んでいた稲葉安太郎が創業した旅館「東海館」。1階、2階、3階の各階を、評判の良かった棟梁3人が分担して手がけているため、階によって趣が異なっています。その一例が、床の間の書院建具。
▲1階を手がけたのは、田中棟梁

1階にある「葵の間」の欄間には、鳳凰が描かれていました。
▲森田棟梁が手がけた2階の建具

写真は2階の「牡丹の間」。こちらは投網と麻の葉がモチーフになっています。
▲3階の「孔雀の間」。山本棟梁が手がけた

3階の「孔雀の間」は繊細な組子細工が美しく、思わず見とれてしまいます。

それぞれが腕とセンスを競い合いながら作り上げているので、デザインが大幅に異なります。多くの湯治客が訪れ、異なる趣と雰囲気を楽しんだことが想像できますよね。

さて、3階には、かつて120畳敷きだった大広間もあります。
▲大広間のあまりの広さに圧倒される。左の人形は、当時の芸者さんたちを模したもの

一般公開に際し耐震工事を実施したため現在は104畳とのことですが、それでも十分広い!
神代杉を使った天井は、格式の高い格天井(ごうてんじょう)。床の間の床柱には銘木として珍重される槐(えんじゅ)が使われています。照明は創業当時のまま。クラシカルで素敵です。
床の間の反対側は舞台になっていました。ツアーなど団体で来館される方はこちらで記念撮影をするそうですよ。
舞台の両脇を飾る孔雀の彫刻が見事。こちらも玄関同様、森田東光氏の作品です。

大広間を出た廊下の先にある階段の上には、望楼があります。
狭くて急な階段を上ると…
伊東の家々の向こうに初島が見えました!望楼が完成した当時、東海館の周囲には今のように背の高い建物は皆無。海はもちろん、伊東市のシンボル「大室山」も眺めることができる絶景スポットだったのだそう。
また、1階には大浴場もあります。床も壁もタイル張り。黒錆色の湯口も森田東光氏の作品です。

土・日曜・祝日には、実際に入浴することもできます。入浴できる時間は、11:00~19:00で時間による男女入れ替え制(男性は11:00~12:45、15:00~16:45。女性は13:00~14:45、17:00~19:00に大浴場に入浴可能)。入浴料は大人500円、中学生以下300円(ともに税込・入館料込)です。

昭和レトロな東海館を堪能したら、今度は「道の駅伊東マリンタウン」へ向かいましょう!

海鮮グルメにお土産。伊東の味覚を堪能!

東海館から国道135号を経て海沿いを歩くこと約20分。
海風を感じながら気持ちよく歩いていると、正面にカラフルな建物が見えてきました。
その建物こそが、伊東マリンタウンです。開業は2001(平成13)年。来場者は年間240万人を誇ります。
伊東マリンタウンは、3つの建物で構成されています。
駐車場から建物に向かって一番左が「オーシャンバザール棟」。お土産がずらりと並び、海鮮グルメをはじめとしたレストランがあります。
オーシャンバザール棟の隣、ピンクと黄色の建物が「スパ棟」。日帰り温泉施設「シーサイドスパ」があり、スイーツや食事のほか、伊東の温泉を楽しめます。
こちらは「ポートセンター棟」。遊覧船の乗船受付を行なっています。

まずは、スパ棟の前にある足湯「あったまり~な」で、これまで歩いてきた足の疲れを癒すことに(足湯は9:00~16:00に利用可 ※季節により変動あり ※雨天時は休業)。
足湯は、無料で利用することができ、タオルを持っていなくてもご安心あれ!
すぐ隣に自販機があり、オリジナルタオルを1枚100円(税込)で購入することができるんです。
▲足湯の全長はなんと43m!

長~い湯船は真ん中の湯温が一番高く、両端に近づくにつれ下がっていきます。
真ん中には温度計があり、観察してみたら40度前後をキープしていました。
浸かってみると、いい湯加減!太陽の光に揺らめくお湯は、肌触りがやさしく気持ちよくて、じんわり伝わる温もりにほっこり。心地よさに身も心もぼーっとしながら正面に広がる海を眺めていたら、魚の形をしたかわいい船が目に入りました。
▲遊覧船「はるひら丸イルカ号」は9:40から15:40まで毎時40分に出航する(繁忙期は16:40発の臨時便あり)

足湯の目の前に、遊覧船乗り場がありました。かわいい船を見たら乗ってみたくなりますよね!そこで早速ポートセンター棟へ。料金を支払い、次に出航する遊覧船に乗り込みます。
▲筆者が乗った「ゆーみんフック号」

伊東マリンタウンから出航する遊覧船は「はるひら丸イルカ号」のほかに、「ゆーみんフック号」があります。「ゆーみんフック号」は、9:10から15:10まで毎時10分(繁忙期は16:10発の臨時便あり)に出航します。

どちらの船も、出航10分前から乗船することができ、席はすべて自由席です。
乗り込むと「海中展望室はこちら」という案内が。実はどちらの船も、半潜水式水中展望船になっていて、客室の階下に海底室があり、そこから海の中の様子を眺めることができるのです。
▲ゆーみんフック号の海底室

まるでテレビモニターのように青く輝くのは、小さな窓。全部で16ある窓の外には、美しい伊東の海の中が見えています。出港前から港を出るまでの浅瀬をゆっくりと移動している間、海の中の景色を楽しむことができるんです。
出発して間もなく、たくさんの魚たちがひらひらとやってきました。伊東の港では、メジナやスズメダイ、イシダイなど17種類の魚を中心に、さまざまな海の生き物に出会うことができます。

浅瀬を出ると「デッキへどうぞ」というアナウンスが入りました。今度は、鳥への餌やりができるとのこと!
エサはえびせん。1袋100円(税込)で購入し、海へ投げ入れます。
白い鳥はユリカモメ。黒っぽいのはウミネコです。
餌が海面に落ちると、くちばしでサッと掴んで飛び立っていきます。こんなに間近に鳥を見られるなんて!迫力満点で、ドキドキ!
鳥の姿に圧倒されていると、遠くの方に「初島」が見えました。
船が港へ戻るため旋回を始めると、今度は左手に「大室山」が見えます。もう少しで海の旅はおしまい。1周45分の楽しい船旅でした。

伊東の地魚に舌鼓!

歩いたり、船に乗ったりして伊東を満喫していたら、そろそろおなかが空いてきました。伊東は、伊豆半島最大の港がある街。せっかくなら地魚を味わいたい!
と、オーシャンバザール棟に戻ると、外の看板に「伊東の地魚」の文字を発見。地元で人気の「伊豆太郎」でお昼ごはんをいただくことに。
▲オーシャンバザール棟の1階にある「伊豆太郎」
店内は広々。テーブル席のほか、カウンター席もあります。
窓際の席からは、マリーナを一望できます。テラス席では愛犬と一緒に食事を楽しむこともできます。

「伊豆太郎」は、伊東漁市場でセリ権と入札権を持つ仲買業者が営む食事処。川奈や富戸(ふど)、網代(あじろ)や稲取、下田など、伊豆半島の各地にある漁港の定置網から、朝獲れの地魚を買い付けています。ここで絶対に味わいたいのが「伊豆の地魚海鮮丼(税込2,280円)」。
朝、定置網にかかった魚を使用するので、内容は日替わり。この日のネタは、カマス、アジ、イサキ、生シラス、生桜エビ、釜揚げシラス、イクラ。丼からこぼれ落ちんとばかりに盛られています。とにかく新鮮で、ぷりっぷりの食感と味わいに大感激でした。

伊東マリンタウンには、オーシャンバザール棟の2階を中心に「伊豆高原ビール海の前のカフェレストラン」や「伊豆中ばんばん食堂」など、全部で6つのレストランがあります。ランチ時に行って、好みのお店を見つけるのも楽しいですよ!

伊豆マリンタウンで厳選。おすすめのお土産

ここで、伊東マリンタウンにある12のショップから、おすすめのお土産を厳選してご紹介します。
まずは、スパ棟1階「海を見ながら食べると幸せになるアイスクリーム」の隣にある「伊豆高原プリン」。こちらは2018年7月に新たにオープンしたお店です。
店頭には、季節限定のメニューを含め、10種類前後のプリンが並びます。ぜひ味わって欲しいのが、定番で一番人気の「伊豆高原プリン ベイシック(税込380円)」。
とろんとした食感のプリンの中には、バニラビーンズがたくさん入っており、程よい甘さで風味豊か。カラメルは入っておらず、プリンそのものの美味しさをとことん楽しめます。

次は和のお土産から3つ。
オーシャンバザール棟の1階にある「創作菓子いっしん」には、全国から厳選した上質な素材を使った手作りの和菓子が並びます。
おすすめは、左から「モカ坊」「ぐり坊」「うり坊」と名付けられたお菓子。
モカ坊はコーヒーを生地に練りこんだ一品。ぐり坊は、茶葉がぐりぐりと丸い形をした旨味たっぷりの茶葉・ぐり茶の抹茶を生地に練り込んでいます。うり坊には5色のチョコとメレンゲのふんわりとした口どけが楽しいあんが入っています。どれも1個(税込150円)から購入でき、この三兄弟をセットで買う人がとても多いとか。
創作菓子いっしんのお向かいにある「磯丸」には、瓶詰めがずらり。海の幸を使用して作る珍味が並びます。
こちらの一番人気は「磯キムチ(税込780円)」。オリジナルのキムチダレとアカニシ貝を和えてあります。
辛さはマイルド。シコシコとした歯ざわりのアカニシ貝の磯の香りと、コクのあるキムチダレのハーモニーがたまりません。ご飯のお供にはもちろん、酒の肴にもピッタリの一品です。
最後にもう1つ、伊豆太郎の目の前にある「ドルフィン伊豆」で購入できる「桜えびせんべい(税込540円)もおすすめ。
素材には、静岡県の駿河湾産桜エビを使用しています。パリッとした食感と、桜エビの香ばしさがマッチして、後を引く美味しさ。
箱入りも袋入りも価格は同じですが、箱入りだと12枚入り、袋入りだと14枚入り。自分へのお土産なら、迷わず袋入りをチョイスしたくなりますね!

温泉でサッパリ。海を眺めながら入浴を楽しむ

旅の最後を締めくくるのは、シーサイドスパ。地下1,000mから湧き出る湯量豊富な温泉を、海を一望できる大浴場で堪能できます。泉質は、カルシウム・ナトリウム塩化物温泉。効能は、神経痛や筋肉痛、冷え性や疲労回復など。2階に大浴場、3階に貸切ジャグジーやマッサージルームがあります。
▲女湯の大浴場

大浴場の内湯は、上段と下段に分かれています。上段から下段へ移動してみると、下段のほうが温度がぬるいのがわかります。まずは上段で体を温めてから、下段でゆるゆるとお湯に浸かり景色を楽しんだら、また上段で温め直して、と、浴槽を行ったり来たり、温泉を堪能。柔らかい温泉は、肌触りがさっぱりしていました。
▲女湯の露天風呂

大浴場には露天風呂も。潮風を感じながら海を見渡せる温泉に感激です。
こちらが3階にある貸切ジャグジー。入浴料とは別に1時間2,160円(税込)で利用することができます。定員は5名まで。事前に電話での予約が必要ですが、当日、空きがあれば利用することが可能です。
▲露天風呂から眺める日の出の様子

実はシーサイドスパは、朝5時から営業しており、水平線から昇る朝日を眺めながらの入浴を楽しめるんです!この景色を楽しめるなら、次はぜひ早朝に訪れたいと思いました!
今日は徒歩で伊東を巡りましたが、実はバスを利用すれば、「伊豆シャボテン動物公園」や「城ヶ崎海岸」など、東伊豆の観光スポットへも足を伸ばすことができます。その際には、東海バスの指定区間内路線バス乗り放題の「伊東観光フリーパス(大人1,300円、小学生以下650円。ともに税込)」がおすすめ。東海バスの伊東駅構内案内所で購入することができます。もちろん、バスは、伊東駅や伊東マリンタウンにも発着しますよ。

東京からのアクセスがいい上、駅から散歩しながら満喫できる温泉街・伊東。伊豆を観光するのに車は必須と考えがちでしたが、駅から歩いてのんびり観光できて、温泉もグルメも堪能できる伊東にすっかり魅了された1日でした。
永井理恵子

永井理恵子

日大芸術学部写真学科卒のフリーライター。食いしん坊(飲んべえでもある)。東京の荒波に15年揉まれて気づいたのは、生まれ育った静岡県と御殿場市が思いのほか素敵な場所だったってこと!地元のいいところを発信すべく鋭意活動中。

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