三津浜が大変貌!古民家カフェや雑貨店など思わず散歩したくなるレトロスポットの宝庫!

2019.01.30 更新

愛媛県松山市西部に位置する三津浜(みつはま)は、藩政時代には海運の要所として栄えた町。町には江戸時代から続く古い町並みや明治のモダンな洋風建築など時代を超えた建物が混在しています。近年では若者たちが町のあちこちで古民家をリノベーションしたショップやアトリエをオープンさせています。時代をミックスさせた三津浜は、カメラをお供にふらっと女子旅がしたくなるエリアです。

三津駅から三津浜散歩に出発

松山市の中心部から西へ約7kmの場所に位置する三津浜エリア。松山市駅から伊予鉄道高浜線(以下、伊予鉄)に乗車し、三津駅まで14分で到着します。
乗車した松山-三津間は明治21(1888)年に日本初の軽便鉄道が開通した路線で、夏目漱石の小説『坊っちゃん』の中にも登場する路線です。
開通当初は小説の中で「マッチ箱のようだ」と表現されていた小さな客車も、今は、ミカンカラーのオレンジの車体が眩しい2両(もしくは3両)編成の電車となっています。
ちなみに、JR予讃線に類似する駅名の「三津浜」があるのでご注意を。こちらの駅は三津浜エリアの外れにあるので、伊予鉄を利用するのがおすすめです。
▲平成21(2009)年に改修された三津駅。昭和初期に立てられた駅舎を模している

駅を出ると正面に三津浜商店街があります。早速、散策に出発です。
石畳が続く商店街は、以前はアーケードのあるなんとも昭和的な商店街でしたが、現在は少し様変わりしています。

現在営業している店舗の多くは、Iターンで三津浜に来た人や活気あふれる三津浜商店街で幼少期を過ごした若い人達が、店舗をリノベーションし開業させたもの。各店のオーナーがこだわりを持って制作した、ちょっとプレミア感のあるプロダクトが並びます。
▲コンクリート造りの店舗が軒を連ねる三津浜商店街

まずは、県内外の10名の陶芸家の作品を展示販売するギャラリー「みつうつわ」へ。三津駅から徒歩1分程度、商店街の入口付近にあります。
平成25(2013)年オープンのこのお店は、商店街の高齢化にともない閉めてしまったシャッターを、地元三津浜で育ったオーナーが、一つでも開けられたらとオープンしたお店です。
▲以前はお米やさんだった店舗を改装

普段使いできる器から、特別な日に使いたい少し高価なものまで幅広くそろいます。有名な焼き物の名が冠につく作品ではなく、個人で特色ある作品を焼き上げる作家さんが多いので、愛媛県内ではここでしか扱っていないという作品もあるそう。
▲北川チカさんの作品。器のどこかにハートマークが隠れているので探してみて。写真奥から時計回りに、ティーカップ4,320円、ソーサー5,940円、皿5,940円、皿4,320円(すべて税込)
▲「陶房kibi」の子供食器シリーズ。自分用に購入する大人も多いそう。蕎麦猪口各1,800円(税込)

三津浜商店街の人気店で休憩

次に、三津浜商店街で外せないスポット「N‘s Kitchen & labo(エヌズキッチンアンドラボ)」へ。創業当初から、オープン前に行列ができるほどの人気のお店です。
県内各地で開催されるイベントに出店する手づくりパン専門店で、実店舗を構えていない期間が長かったそうですが、平成23(2011)年、金物店だった建物を偶然譲りうけたのをきっかけに、若返りつつある商店街の中でいち早くオープンしたお店です。
▲フォトジェニックな外観。記念撮影する人も多い。みつうつわの8軒隣

店内は、お店の看板商品である手づくりパンの販売スペースと、カフェ、雑貨店がぎゅっと詰まったワクワクする店内です。
▲気構えずふらっと寄れる雰囲気がいい

11時のオープンと同時に手づくりパンを求めて多くの人が訪れるので、ゆっくりカフェとして利用したいなら、正午以降に訪れるのがベター。その時間を狙って訪れたこともあって、お散歩の序盤ながらひと休憩しました。
▲「シナモンロール」237円、「大人のカフェラテice」486円(ともに税込)

一番人気の「シナモンロール」と、メニュー名に惹かれてオーダーした「大人のカフェラテice」が到着。大人のカフェラテiceは、一滴一滴抽出した濃いコーヒーを濃厚なミルクに注いでいただく一杯。砂糖を入れなくても甘いミルクと苦味のあるコーヒーが混ざって、飲むたびに味が変化する楽しいカフェラテでした。
▲大人のカフェラテのコーヒーはテーブルで注いでくれる

カフェラテのお供のシナモンロールは、コーヒー系のドリンクにぴったり。シナモンシュガーの香りの中に、コーヒー入りのアイシングがアクセントになっているだけでなく、中には大粒のクルミが入っていて、なんとも贅沢な気分にさせてくれる一品です。

店内にある「しましま雑貨店」は、見ていてワクワクできる雑貨をジャンル問わず集めたお店です。
▲しましま雑貨店の一角。古道具のアレンジの参考にもなるディスプレイ

店内は家具一つひとつにまでレトロ感があっておしゃれ!ほとんどのものが古道具として販売されているものなんだそう。古道具を自分流にアレンジするのはとっても難しいと感じている筆者も、ディスプレイを見ているだけでとても勉強になりました。

三津浜のNEWスポット「旧濱田医院」へ

N‘s Kitchen & laboから徒歩約3分、三津浜商店街の1本南の通りには、大正時代に建てられ産婦人科として営業していた「旧濱田医院」があります。10年あまり空き家で放置された結果、近隣からはお化け屋敷と呼ばれていた建物ですが、有志を募り平成28(2016)年にリノベーションしました。
各部屋にテナントが入り、三津浜の新たなスポットとして週末を中心にオープンしています。
▲三津浜商店街の中程に看板を設置しているので、これを見つけたら左折
▲旧濱田医院の外観。リノベーションには、約1年半の歳月と多くの人材を要した
▲1階の様子。床や壁、ドアなどは以前のものをそのまま使用しており、どれも時代を感じさせるレトロな雰囲気

オシャレなショップが並ぶ中で、ガラスと雑貨のお店「あかねいろ社」にお邪魔してみました。病院の受付として使用されていたスペースを使った店舗です。
▲出迎えてくれたオーナーの渡部さん。店内にはご自身が制作したガラス製品が並ぶ

以前、ガラス制作の仕事に携わっていた渡部さん。その経験を活かしてご本人が作るオリジナルのガラス製品やアクセサリー、レトロアクセサリーなどを集めたお店です。
▲ピアスをはじめとした渡部さん制作のオリジナルアクセサリー。各1,600円(税込)~

透き通るようなガラスのアクセサリーは完成度が高くて、「キレイ!」という言葉が自然にでてくる出来栄えです。
▲ワークショップは好きな形、色をセレクトして体験できる

こちらでは、ガラスアクセサリーのワークショップも随時開催しています。マンツーマンで指導してくれるので初心者でも安心。ドロップ型や円形、おはじきのような平らな形などいろんな形のガラスアクセサリーづくりに挑戦できるそうですが、一番簡単にできると勧めてもらった小さなドロップ型のガラス玉に挑戦してみました。
▲溶かしたガラスがポトッと下に落ちないように、反転させながら丸くしていく。まばたきを忘れてしまうほど緊張

ストローみたいな棒状の色付きガラスをバーナーで炙って溶かし、ワイヤーに巻きつけていきます。巻き付けたガラスは熱いうちに好みの形にしていきますが、回したり傾けたりと時間との勝負。ある程度の思い切りがないと失敗することもあるので、大胆にいくのがコツだそう。渡部さんがつきっきりで教えてくれるので、どんどん質問しながら作りました。

体験時間はおよそ30分。短い時間なので、散策の途中でも手軽に体験できます。ただし事前に予約が必要なので、興味のある方はインスタグラムの公式アカウントにご連絡を。
▲熱を取ったらガラス玉の完成

筆者が作ったドロップ型のガラス玉。このあとピアスかイヤリングに加工して完成です。加工は渡部さんがやってくれました。

国の登録有形文化財指定の建物で、少し遅めのランチ

女子旅には、やはりおいしい食べ物が外せない!そろそろお腹も空いてきたので旧濱田医院を出て北へ徒歩6分ほどの場所にある「鯛メシ専門・鯛や」(以下、鯛や)に向かって歩を進めました。
▲通りごとに木製の案内板が設置されている

お店までの道のりには、三津浜の古い町並みが今も残ります。江戸時代から続く古民家の町並みや史跡など、歴史にふれられる散策を楽しみながらお店に向かうことができます。
▲「河野家」。文政11(1828)年建築の建物といわれている

三津浜エリアの北西部、潮の香りがする海辺の近くにある「鯛や」では、瀬戸内海で育った天然の鯛を使った「鯛メシ膳」をいただけます。なんとメニューはこの1点のみ。
▲よろず問屋を営んでいた森家の建物を店舗として使用。昭和4(1929)年に建て替えられている

鯛メシというのは、鯛を1匹丸ごと焼いてから炊飯器で炊くものだと思っていた筆者ですが、鯛やの鯛メシは、鯛を焼かずに生のまま炊くと聞いてびっくり。天然の鯛は臭みもないので、生が常識なんですって!
▲「鯛メシ膳」2,160円(税込)

一人1合の炊き込み鯛メシ、刺身、あら汁に季節の小鉢がついた「鯛メシ膳」。鯛メシ、あら汁ともに、味付けはシンプルながら、鯛の味がしっかりと口に残るものです。鯛の身は、ふわっと口の中でほどけるほどの柔らかさ!刺身はぷりぷりとした程よい歯ごたえで、ほんのりと甘みも感じることができました。

「海の市道」を通って伊予鉄・港山駅へ

港町三津浜には、港町ならではの交通手段があります。「三津の渡し」は、愛媛県内でも非常に珍しい市営の渡船です。応仁元(1476)年、三津浜側にあった市場と対岸にあった港山(みなとやま)城との食料などの運搬のため、船で結んだことが始まりといわれています。
▲潮風に吹かれるオープンな造り。三津と対岸の港山を結ぶ地元の人の足として親しまれている

両岸を結ぶ約80mの渡船は、正式には「松山市道高浜2号線」という名称で、海上でありながら市道の指定を受けています。
市道であるため、もちろん年中無休、運航時間は7:00~19:00で、料金はなんと無料!せっかくなので乗船してみました。一隻の船で運航しているので、船が対岸にいる場合は声をかけたり、手を振れば迎えに来てくれます。気付いてもらえない時は、呼び出しスイッチもあるので安心してくださいね。
▲なんともシンプルな渡船呼び出しボタン

わずか3分の乗船で対岸に渡ると、神社や港山城跡があります。
時間があれば、歩いてきた三津浜の町並みが一望できる港山城跡の小山に登ってみるのもおすすめですよ。潮風に吹かれながら、約5分の登山で瀬戸内海の穏やかな海が見られる山頂に到着します。一部悪路があるため、サンダルやヒールでの登山はおすすめできません。
▲山頂へ向かう途中の景色。三津の渡しや三津浜の町並みが見られる

「三津の渡し」で対岸に渡ると伊予鉄・港山駅までは徒歩2分程度。港山駅から松山市駅までの乗車時間は17分。行きも帰りものんびりとしたローカル電車の旅が楽しめます。
松山城とともに発展し、松山藩の海の拠点として栄えた三津浜エリア。新旧の建物が混在するレトロ感が満載で、フォトジェニックな場所が点在していました。オシャレ女子にも、史跡巡りにロマンを感じる女子にも魅力的な場所がある三津浜に、友達を誘ってふらっと出かけてみませんか。
長山 歩

長山 歩

純粋愛媛っ子のフリーライター。4人の子ども達が騒ぐ中、一人別世界にトリップし原稿を書き上げる能力に長ける。取材で知った美味しいお店、楽しいスポットに一緒に出かけ、子ども達に尊敬してもらうのがこの上なく嬉しい。

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