温浴効果がメキメキ上がる!?指宿・砂むし温泉で心も体もリフレッシュ

2015.11.10 更新

温泉王国・鹿児島の中でも特に観光客に人気のスポットといえば、指宿温泉です。指宿の魅力は何といっても世界的にも珍しい「砂むし温泉」があること。今回はそんな「砂むし温泉」のパワーを実際に体験してきました。

今回お邪魔した砂むし会館「砂楽(さらく)」は、海岸の砂むし温泉に加え、館内には大浴場やサウナも完備する温泉施設です。

「砂むし温泉」とは、海岸に湧く温泉を利用して温かい砂の中に体を埋めて入浴する、いわば蒸し風呂のこと。「砂むし温泉」に入ることを「砂浴(さよく)」というそうです。
「砂楽」には波打ち際と海岸に2つの砂むし場があります。海岸の砂むし場は全天候型で雨天時も入れるため、観光客はもちろん、地元住民にも大人気のスポットなんです。その人気ぶりは、毎日通っているおじいちゃん、おばあちゃんもいるほど。期待値がグングン上がったところで、筆者もいざ、砂むし体験へ!

開放感抜群の波打ち際での砂浴体験はレア

▲ボードウォークを歩いて砂むし場へ

砂浴に必要なものは、浴衣と砂よけ用のフェイスタオルです。浴衣はレンタルできますが、フェイスタオルは持参するか記念タオル(税込120円)を購入しましょう。受付の際に浴衣を受け取り、脱衣所で着替えてからタオルだけ持って砂むし場に行けばOK!
前述の通り「砂楽」には2つの砂むし場がありますが、波打ち際の方は大潮の干潮時で、砂の状態が良いときしか入ることができません。天候にもよりますが、これに該当するのは10~15日間に1回ほど、それも1日1~2時間程度で、日によって入れる時間も異なります。

運良く筆者は波打ち際の砂むし場に入ることができましたが、希望者は事前に問い合わせたほうが確実です。ちなみに、波打ち際の砂むし場ですが、暑い時期には日除けの屋根がつくので日焼けの心配はしなくても大丈夫!

「砂かけさん」の職人技に感動!

▲体にフィットするように砂をならす砂かけさん

砂むし場では、「砂かけさん」と呼ばれる係の方が砂を掘って準備してくれています。砂かけさんは、お客さんの頭、肩、腰、お尻にフィットするように砂を掘っているのだそう。実際に寝転んでみるとあまりのフィット感に感動しました。まさしく職人技ですね。
ここでベテランの砂かけさんに来ていただきました。寝転ぶ際にタオルを頭に巻くので、髪や顔が砂にまみれることはありません。そしていよいよ、砂をかけていただくことに。
砂をかけられると、普通の温泉に浸かるのと同じようにじんわりと体の芯から温まるのを実感できます。

一旦砂を固めてしばらくすると、砂かけさんに「どこか痛むところはないですか?」と尋ねられました。筆者が肩こり持ちであることを伝えると、肩の部分に更に砂をかけ始めます。
聞けば、「膝や腰、肩など痛む場所に重点的に砂をかけると、痛みが和らぐ」と言われているのだそう。

砂の重さがもたらすうれしい相乗効果とは?

波の音をBGMに、しばし砂のお布団に身を沈めていると、次第に足の先まで血液がドクドクと循環するのを感じるようになってきました。マッサージチェアで手足をギューっと圧迫されているときと似た感覚です。

普通の温泉では感じないこのドクドク感は、砂の圧力によるものなのだそう。砂かけさんによると、かける砂の量はおよそ20~30kg。砂の圧力と温泉熱というW効果を寝た状態で受けるので、血流アップが期待できるというわけです。砂浴は心拍出量の増加や深部体温の上昇など、数々の有効性が判明していて、血流アップによるデトックスなどの効果が普通の温泉の4倍もあると言われているそうです。体験すると納得です!
▲終わった後は爽快な気分

また、気になる砂の温度は通常だと背中が50度、かける砂が55度になるように調節しているそうです。そう聞くと熱そうですが、浴衣を着用しているためこれぐらいがちょうどいいんです。

砂むし温泉は深く掘るごとに高温になります。「熱め」「ぬるめ」などの要望に応じて砂かけさんが温度を調節してくれるので、無理せず適温で楽しんでくださいね。

砂かけさんも砂むし温泉でセルフケア

▲砂かけ歴18年のベテラン・有村タミエさん

ベテランの砂かけさんになると、足裏で温度を計ることができるのだそう。でも、その技術を身につけるまでが大変!毎日毎日砂を掘り続けても、正確な砂の温度を体が覚えるまでには数年を要するそうです。しかも砂かけ中はずっと中腰。いかにも腰を痛めそうですよね。

「腰は痛くなりますね。だから私もよく砂むしに入るんです。練習にもなって身体のケアもできるから一石二鳥ですよ」と砂かけ歴18年の有村タミエさんは笑います。また、お客さんに砂浴の時間を心地良く感じてもらえるように、砂をなるべくなめらかにかけることも大切なポイントなのだとか。
さて、砂浴を楽しんだあとは浴衣を脱ぎ、シャワーで砂を落としてから温泉に入ります。館内の温泉は、サウナやジャグジー風呂など設備も充実していて快適!砂浴せずに、この温泉だけに入るのももちろんOKです。

砂むし温泉が貴重なワケとは?

▲波打ち際には湯けむりが立ち上る

「砂楽」近くの摺ヶ浜海岸には、もうもうと湯けむりが立ち上っています。砂むし温泉は、地熱ではなく、温泉が山手にある源泉から地下を通って海側へ流れ出しているからだそう。ここも50cm掘ると温泉が湧き出てくるんですって!

ちなみに、砂が粗いほうがべたつきにくく、砂浴に向いているそう。このような条件をすべて満たす海岸は全国でもほとんどなく、ここはとても貴重な場所なんです。
砂むし温泉の歴史は古く、300年以上前に付近の住民たちが始めたのが発祥と言われています。明治から昭和初期にかけてその評判が広がり、農閑期には全国から湯治客が訪れるようになったそうです。

現在「砂楽」では若者や親子連れ、外国人観光客などの利用客が増えています。デトックスやアトピー改善、美肌などさまざまな効果が期待できるだけでなく、アトラクション感覚で楽しめることも幅広い世代に支持されている理由です。心身の疲れを癒やしてリフレッシュできる砂むし温泉。筆者も翌日の体の軽さに驚きました。みなさんもぜひ一度お試しあれ!
さわだ悠伊

さわだ悠伊

鹿児島市出身・在住のフリーライター。グルメ、旅、コラム等ジャンルや媒体を問わず活動中。鹿児島県内の離島取材も豊富。

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