近鉄特急「しまかぜ」は女子旅にぴったり!古谷あつみの鉄道旅Vol.31

2018.12.08 更新

みなさん、こんにちは!古谷あつみです。これまで先輩鉄道ライターやプロの鉄道カメラマンと全国の鉄道を取材してきましたが、今回からは新しく、私1人がカメラを持ってめぐる「ひとり旅編」を始めちゃいます。これは、カメラを趣味にしている私が、これまでの経験やカメラマンさん達から学んだ知識を活かして、全国の魅力あふれる鉄道を、自分の目線で紹介しようというもの。鉄道で旅をしてみたいと思っている女性の皆さんにも、こういう面白い視点があるんだ!ということを伝えていきたいです!

今回のみどころ

1.豪華絢爛!近鉄特急「しまかぜ」のプレミアムシート
2.観光特急を大満喫!車内で存分に楽しむ食事とは?
3.これが特急列車の中?寛ぎの個室空間

1.豪華絢爛!近鉄特急「しまかぜ」のプレミアムシート

▲近畿日本鉄道が誇る豪華観光特急「しまかぜ」

ひとり旅の1回目は、いきなり大人気の観光特急から取材できることになりました!嬉しい!
その列車の出発地はここ…
近畿日本鉄道の京都駅です。東海道新幹線の出口の目の前に改札口があります。アクセスの良さはピカイチです。

「近鉄」の愛称で親しまれる、近畿日本鉄道は大阪府・京都府・奈良県・三重県・愛知県の2府3県に路線を持ち、JR以外の私鉄では営業距離日本一の鉄道会社です!関西にこんなに大きな鉄道会社があるのは、私、古谷あつみをはじめ、関西人の自慢だったりします(笑)。

今回はそんな近鉄のサービスのノウハウを存分に駆使してつくられた、観光特急を取材します。
▲「しまかぜ」の乗車券・特急券

きっぷの後ろにぼんやり写っているのは「せんとくん」。奈良県のご当地キャラクターが京都に…。営業範囲の広さが伺えます。

さて、お待ちかねの観光特急がホームに入線してきました。「しまかぜ」です!
▲準備万端で列車を出迎える

アテンダントさんも、お辞儀をして「しまかぜ」を出迎えます。後ろの黄色い箱には車内で提供される食材などが入っているそうです。これも楽しみ!
▲ホームに堂々入線してきた観光特急「しまかぜ」

「しまかぜ」は、2013年3月に登場して以来、関西のみならず日本を代表する観光特急として、変わらぬ人気を集めています。

「しまかぜ」の運転系統は3本。大阪難波~賢島(かしこじま)間、京都~賢島間、近鉄名古屋~賢島間と、いずれも大都市圏から伊勢志摩への観光路線です。
ホームに佇む姿も凛としていてカッコイイです。三重県を代表する観光地、伊勢志摩の晴れやかな空をイメージして塗装された、ブルーとホワイトを基調とした車両は一際目立ちます。
▲爽やかさを前面に押し出した「しまかぜ」のロゴ

まずは、伊勢志摩に吹く爽やかな風をイメージしてつくられたロゴと記念撮影です。ひとり旅では、恥ずかしがらずにどなたかにシャッターを頼んでみましょう。
▲列車の出入口に御影石が敷かれている!

早速乗り込んでみると…あれ?この床は、もしかして…?
そうです!天然の御影石が使われているのです!

通常、天然の石は重いので、車両に使われることはないのですが、近鉄の担当者さんいわく、「デッキは最初にお客様を迎える大切な場所ということで、高級感を出したかった」そうです。旅のスタートから非日常感にあふれていますね!
▲出入口の空調吹出口には芳香器がつけられている

車内へ入ってみると、あれ?なんだか良い香りがしますね。

入口付近に設けられた吹出口を下から覗くとわかるんですが、実はここに芳香器が取り付けられていて、爽やかな香りでお客さんを迎えているんです。こういうところまで、気配りされているんですね!

「しまかぜ」を設計する際には、女性客に多く利用してもらえるよう、女性社員やお客さんの意見をたくさん採用したそう。女性が喜ぶ要素がいっぱい詰まった車両、ということですね。
▲「しまかぜ」のプレミアムシートは、ゆったりとした3列シート

客室内は、黄色のような緑色のような不思議な感覚の色の座席が目立つ爽やかな内装で、落ち着いた雰囲気に包まれています。
この日も、たくさんのお客さんが乗っていました。
▲黄色っぽい座席と緑色の絨毯が爽やか

今回、私が利用したのは、人気のプレミアムシート。プレミアムといっても、この座席が「しまかぜ」では標準のシートです。
パッと見てお分かりいただけると思いますが、シート前後がとにかく広いんです!なんと1m25cmと、新幹線のグリーン車よりも広い間隔が確保されています。

入口の床は天然の御影石で超豪華でしたが、このシートの素材も、もしかして…本革!?ちょっと贅沢すぎやしませんか!?(笑)
▲電動で座席の調整ができる

ところで、座席に付いているこのボタンは何でしょうか?押してみると…おお!ふくらはぎを支える電動レッグレストと、腰部分のシートの硬さを調節できるランバーサポート機能のボタンでした!どこまで贅沢なんでしょうか。
▲座り心地は満点

座席にはリラクゼーション機能も付いているそう。さっそく座ってみると……え!?なにこれ。包み込まれているみたいに身体にフィットして、座り心地が抜群に良いです。気持ち良すぎて、取材中なのに寝ちゃいそう(笑)

めちゃくちゃお金がかかっていそうですね、この車両。近鉄の担当者さんへこっそり聞いてみたところ、「古谷さんが座っていたシートの値段は、だいたい新車の軽自動車1台分と同じですね」とのこと!
え!?この贅沢さには、ちょっと眩暈がしてきました…。
▲窓も広く、気持ちがいい

シートそのものも贅沢ですが、ひじ掛けの下まで広がった窓も開放的です。天井のライトにLEDを採用したこともあり、荷物棚の厚みが薄くなって、窓は天井に向かっても大きく広がりました。
▲緑豊かな山々の風景が、車窓に流れる

座席の豪華さに眩暈がしてしまった私ですが、車内の見どころは他にもあります。
まずは、このパウダールーム。大きな鏡と椅子が備え付けられており、観光前に化粧直しするのにもバッチリです!さすが、女性のことを考えてつくられているだけありますね。

また、多目的トイレには着替えが可能なチェンジングボードも備え付けられており、車内で着替えることも可能なんです。
デッキには鍵付き無料ロッカーや、大きなキャリーバッグの収納スペースも設けられており、観光地へ向かう乗客への配慮がなされています。鍵付きのロッカーは、嬉しい配慮ですね。気兼ねなく荷物を置いておけます。
ロッカーのあるデッキから天井を見上げると、こんなオシャレな照明が!デザインも凝っています。
▲先頭車両(展望車)は床が高く、階段で上がる

そこから少し階段を上がり、先頭車両へと向かいます。先頭車両は展望車となっていて、床面の高さが2階建て車両の2階席に近い高さになっています。高さがある分、眺望も抜群という訳です。入って見てみましょう。
運転台は展望仕様で、景色が抜けるように広がっています。天井の高さは他の車両よりも低いはずなのに開放的です。前方には賢島へと続く線路、両脇の窓には美しい車窓が流れます。個人的には、この展望車両がいちばんオススメです。

特に、運転台のすぐ後ろの座席からの景色は、ぜひ一度、体験していただきたいです!人気が高いのでなかなか予約が取れないそうですけれど、チャレンジしてみてくださいね。

なお、「しまかぜ」の特急券は1カ月前から発売。乗車日が決まったらすぐ予約しましょう。もちろん、全国からインターネット予約が可能なので、遠方から訪れる時でも便利です。シートマップを見ながらの座席指定もできます。

2.観光特急を大満喫!車内で存分に楽しむ食事とは?

さて、やっぱり「しまかぜ」といえば食事が楽しみ。食事や車内販売も豪華なんです。

「しまかぜ」には食事を楽しめるカフェ車両があります。1階席と2階席があって、どこにでも自由に座ることができ、それぞれ違った魅力があります。
▲カフェ車両の2階席。左下に見える通路とは完全に分けられていて、落ち着いて食事を楽しめる

2階席は通路部分と見比べればわかるように、かなり高い所から景色を見下ろせるのが魅力です。
▲カフェ車両の1階席

それに対し、1階席は景色が目の前に大きく広がります。どちらも人気があって、しばしば席が埋まります。
▲カフェ車両で出会った女性グループ

この時は女性グループが1階席で食事をされていました。こちらは個室のような雰囲気もあります。

女性グループ「あら、取材かなんか?」
古谷「はい!撮影しても大丈夫ですか?みなさんで観光でしょうか?」
女性「いいわよ~。そうなの、小学校の同窓会で旅行なのよ。みんなで泊まるのなんて何年ぶりかしら。」
古谷「なぜ『しまかぜ』に?」
女性「どこに行きたいって話し合ったら、全員『しまかぜ』に乗りたいってなったのよ!枕投げはもうできないけど(笑)、楽しんでくるわね!」

なんて楽しそうな旅行なんでしょう。しかも、満場一致で「しまかぜ」に乗りたいとは、鉄道好きな私としても嬉しいです。グループで乗れば、「しまかぜ」の魅力も高まりますものね!
▲カフェの2階からは、奈良大和路や伊勢志摩の風景を広く見渡せる

ひとり旅満喫中の私は、この2階席で沿線のお料理や、お酒を楽しむことにしました。
▲カフェで楽しめる「河内ワイン」(赤・白各180ml・720円)

まずは、食前酒…ということで、ワインです。一人でも飲みます!(笑)

こちらは、「河内ワイン」。大阪府で造られているワインです。すっきりとした味わいでバランスが良く、どんな料理にも合いそうです。白ワイン好きの私が、赤ワインをわざわざ注文したのには理由があります。
▲沿線の名物である松阪牛をふんだんに使った「松阪牛重」(1,400円)

じゃじゃ~ん!松坂牛100%の「松坂牛重」を注文したからです。そのお味は、さすが松坂牛としか言いようのない柔らかさとジューシーさ。関西らしい甘めの味付けで、とっても美味しく、ボリュームも満点です。
▲「海の幸ピラフ」(1,400円)には、エビなど海産物が盛りだくさん

その他、「海の幸ピラフ」も人気だそう。彩りも鮮やかで、見た目にも美しい一皿です。
お料理やお酒、ケーキなどはすべてアテンダントさんが盛り付け、席まで運んでくれるのが嬉しいところ。
▲スイーツも各種取りそろえている。焼き菓子、ドリンクとのセットで1,100円

甘いものが苦手な私ですが、ショーケースに並ぶスイーツは、どれも美味しそう。スイーツに目がない方は、ティータイムにどうぞ。
▲車内販売で買える「神都ビール」(330ml・570円)

アルコールやおつまみ、お弁当などは車内販売があるので、自分の座席でも楽しめます。プレミアムシートが豪華すぎて、席から離れたくないという方もいるそうですよ。
写真は、伊勢の地ビールである「神都ビール」です。明治時代に伊勢の河崎にあった「幻の麦酒」を再現したもので、上品な味わいです。

3.これが特急列車の中?寛ぎの個室空間

お腹もいっぱいになったところで、再び車内の紹介をしたいと思います。
▲「喫煙ルーム」からの眺めもいい

まずは少しビックリしたのが、在来線特急では珍しい「喫煙ルーム」。最近、めっきり見かけなくなりましたものね。私は非喫煙者ですが、素敵な景色を眺めながらの一服は、喫煙者には嬉しいのではないでしょうか?

しかも、なんだかものすごく窓も広くて素敵な空間です。ちょっとした個室?
▲グループや家族で利用したいサロン席

続いてこちらは、半個室になったサロン席。定員6人のグループ向け座席ですが、4人から利用できます。1人あたりの運賃・料金は、プレミアムシートと同じです。
▲2室だけ、個室がある

「しまかぜ」の旅でいちばん感動したのは、この座席です。実は「しまかぜ」には和風と洋風の2つの完全個室があるのです!
▲掘りごたつ風の和風個室

こちらは和風個室。掘りごたつでゆったり寛げる雰囲気です。しかも、とっても広いんです。
和室へは、靴を脱いであがります。靴箱が用意された玄関スペースがあるので、窮屈なヒールなどは脱ぎ捨ててしまいましょう。
▲個室は仲間うちで楽しみたい

ここで、友人や家族と飲むお酒は美味しそう。完全個室なので、ゆったりとできますね。

テーブルの上にあるのは呼び出しボタンです。各個室に設けられており、ボタンを押すとアテンダントさんがやってきて、車内販売されている品のデリバリーもしてくれるんです。サービス面もバッチリ!
▲明るいデザインの洋風個室

こちらは、洋風個室です。先ほどの和風個室とは雰囲気の違う、リビングルームのような雰囲気です。
▲4人で使ってもゆったりできる

座席は、かなりゆったりとした4人掛けです。仲の良い友人とわいわい乗りたい雰囲気です。
▲個室内には前面展望などが映し出されるモニターもある

和洋の各個室に備え付けられたモニター。テレビ放送を見ることもできますが、こうして運転台からの前面展望を見ることもできます。
▲空調も自由に調整できる

そして、和風個室、洋風個室ともにエアコンの調整ができることも嬉しいところ。子連れのファミリーや、冷え性の女性も安心ですね。

個室は本当に豪華ですが、人気があって予約も難しい状態です。今回、私もチャレンジしようかと思いましたが、和風、洋風とも利用は3人から。ひとり旅向けではないのであきらめました……。

ただ、会社員時代の同期とは、いつか必ず「しまかぜ」に乗ろうと約束しています。今回の旅では個室の魅力に圧倒されました。いつか必ず個室で旅行する!と心に誓いました。

なお、個室は3人または4人分の運賃・料金に、1室1,030円の個室料金をプラスすれば、利用することができます。
▲自分の席でくつろぐ

車内を探検しているうちに、あっという間に時間が経ち、賢島はもうすぐです。座席に戻ってゆっくりすることにします。
▲終点近くの車窓からは海ものぞめる

さて、近鉄特急「しまかぜ」の旅はいかがでしたか?

実際に乗ってみて感じたのは、その圧倒的なコスパの良さ。プレミアムシートでの旅の場合、乗車券、特急券、しまかぜ特別車両券、すべて込みで、京都~賢島間だと5,560円で乗れてしまうんです。
▲終点・賢島の周辺は、国内屈指の景勝地。英虞(あご)湾の風景や海産グルメを味わいに行こう

お料理も美味しいのに安い!関西の鉄道会社の底力を見た気がします。こんなに豪華な列車で旅ができて、この値段は人気があるとはいえ採算が合うのか不安になるほど(笑)。

みなさんもぜひ、「しまかぜ」の旅を体験してみてはいかがでしょうか?
※記事内の価格標記は全て税込です。
古谷あつみ(鉄道タレント・松竹芸能所属)

古谷あつみ(鉄道タレント・松竹芸能所属)

小学生の頃、社会見学で近くにある車両基地へ行き、特急電車の運転台に上げてもらったことがきっかけで、根っからの鉄道好きとなる。 学校卒業後は新幹線の車内販売員、JR西日本の駅員として働く。その経験から、きっぷのルールや窓口業務には精通している。 現在はタレント活動のほか、鉄道関係の専門学校や公立高校で講師をしている。2015年には、「東洋経済オンライン」でライター・デビューし、鉄道旅行雑誌「旅と鉄道」等で執筆活動中。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報は直接取材先へお問い合わせください。
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