蔵王の湯治場「遠刈田温泉」日帰り散策。温泉と絶品料理に心も体も癒やされる

2019.01.10 更新

宮城の温泉街といえば「秋保温泉」や「鳴子温泉」が有名ですが、蔵王にある「遠刈田(とおがった)温泉」もおすすめです。標高約330mの高原にあり、昔は湯治場として栄えたことから、現在も共同浴場を中心に多くの旅館が並びます。大自然と伝統を感じながらゆったりとした時間を過ごせる遠刈田温泉。徒歩圏内に多くの観光スポットがあるので、レトロな温泉街を日帰りで散策してきました。

大自然に囲まれた懐かしい雰囲気漂う温泉街

遠刈田温泉は、宮城県と山形県の間にまたがる蔵王連峰の宮城側の山麓にある温泉地。JR仙台駅から高速バスで約1時間、新幹線を利用する場合はJR白石駅からもバスが出ており約40分でアクセスできます。日帰り入浴ができる共同浴場や旅館はもちろん、飲食店や各種体験施設などが徒歩圏内に集まっていて日帰り散策にもピッタリ。自然に囲まれたのどかな環境の中で、忙しさを忘れゆったりとした時間を過ごせます。
▲温泉街を囲む壮大な山と松川。都会の喧騒から離れて大自然に癒やされます

温泉街の中心にある遠刈田温泉のシンボル「神の湯」

散策のスタート地点は、遠刈田温泉街に2つある共同浴場のうちのひとつ「神の湯」。温泉街の中心にあり、目の前には観光案内所もあります。入り口の手前に9時から17時まで入れる無料の足湯があるので、ここでゆったりと1日のプランを立ててみるのもいいですね。足しか浸かっていなくても、5分ほどで体がぽかぽかしてきます。
▲神の湯と観光案内所の間にある足湯。休日には多くの地元民と観光客で賑わうことも

時間があったらぜひ内湯にも入ってみてください。大人330円、小学生以下110円(ともに税込)ととてもリーズナブル。泉質はナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉で神経痛や関節痛などに効能が期待できるとのこと。青森ヒバを使った木の香り漂う浴場は、ぬるい湯(41~42度)と熱めの湯(44~45度)を楽しめ、子どもからお年寄りまで安心して入浴することができますよ。
▲石鹸やシャンプーの常設はありませんが、使い切りサイズを番台で購入できます

「ベルツ」で味わえる本格的なドイツ料理にお腹も心も満たされる

足湯で軽く温まった後は、神の湯から徒歩5分ほどの場所にあるレストラン「ベルツ」で腹ごしらえ。こちらでは、ドイツ・フランクフルトの国際コンクールで金賞を獲得した自家製ソーセージをはじめ、ロースハムやベーコンなど本格的なドイツ料理を楽しめます。国産の豚肉を使い、敷地内で腸詰めやボイル、燻製なども行っています。一度食べるとクセになるその本格的な味に常連さんや県外から訪れるお客さんも多いとのこと。
▲雰囲気のあるログハウスが目印。このお店の地下でソーセージ作りを行っているそう

オシャレな店内と気さくな店員さんに迎えられ注文したのは、オススメメニューの「バイエルンプレート ランチ」。肉感があって奥深い味わいのソーセージやハムなどを一皿で楽しめるお得なプレートです。ベーコンソテーはかめばかむほどおいしさが押し寄せてきて、飲み込むのがもったいないくらい!脂がしつこくないのでぺろりと食べられました。
▲「バイエルンプレート ランチ」(1,570円・税抜)。平日ランチのみコーヒー付き

一番人気の「ブラートブルスト ランチ」(1,370円・税抜)は、ボイルをしない生のソーセージを焼いたもの。それだけに、普通のソーセージよりも肉感が強く、ハンバーグに近い感覚で味わえます。ドイツビールとともに楽しむのもいいですね。
▲ブラートブルストは完全無添加のため、お土産にはできません。ぜひお店で味わってみてください(写真はランチプレートではありません)

ちなみに、付け合わせのお野菜は蔵王で採れた新鮮なもの。一切冷凍は使わないというこだわり抜いた味と追求したおいしさは、疲れた心と体を満たしてくれます。
▲広い店内ですが、お昼時にはたくさんの人が訪れます。時間を少しずらしていくのがよさそう

様々な表情を持つこけし。文化と歴史を感じるのも旅の楽しみ

次に向かったのは「遠刈田大橋(通称、こけし橋)」。遠刈田を流れる松川にかかる橋で大きなこけしが迎えてくれます。
▲橋のたもとに大きなこけしが。橋の途中にも小さなこけしがいるので見つけてみてください

この橋を渡って少し歩くと見えてくるのが、「みやぎ蔵王こけし館」。昭和59(1984)年に開館し、伝統こけしと木地玩具を合わせて約5,500点という世界一の展示数を誇ります。遠刈田系こけしは、遠刈田温泉を中心として発達し、華麗な花模様と前頭に施された赤い放射線状の模様が特徴です。全国の伝統こけしと木地玩具を見ながら歴史を感じてみるのも良いですよね。同じ東北地方で作られたこけしでも、体の形や表情、模様の違いに奥深さを感じます。
▲展示エリアには全国の伝統こけしと木地玩具5,500点が系統別に展示されています

こけしは原木から、顔・胴の描彩、仕上げまでの全工程を一人のこけし工人が行いますが、こけし館にはその工人さんによる実演コーナーもあり、こけしを作る様子を間近に見学できます。さらに絵付け体験コーナーでは、自分だけのオリジナルこけしを作ることも。売店にはこけしだけではなく、こけしデザインの小物などさまざまな商品が置いてあります。時間を忘れて楽しめるので旅の思い出にぜひ立ち寄ってみてください。
▲さまざまな地方のこけしが置いてあります。小さい頃に見ていたこけしがどこの系統のものか探してみるのもいいですね

幻想的な空間で癒やされる「魔法のりんご風呂」

▲明治元(1868)年創業と、約150年の歴史を持つ「旬菜湯宿 大忠」

温泉街の中心部のほうに少し戻り、日帰り入浴もできる旅館「旬菜湯宿 大忠」へ。落ち着いた雰囲気で、大人の隠れ家として密かに人気のスポットです。旅館内には畳が敷いてあり、オシャレさと懐かしさが融合した温かな雰囲気。足を踏み入れた瞬間「すてき!」と思わず声が出てしまいました。客室数は9室と、宿泊する際ものんびりと過ごせそう。
▲旅館内はどこか懐かしさも。宿泊すれば手前のバーでお酒も楽しめます

日帰り入浴の利用時間は11~20時で、料金は大人800円、子供(0~9才)600円(ともに税込)。68度の源泉に一滴の水も加えることなく、お湯の量だけで適温の状態にお風呂を整えているとのことで、遠刈田温泉で唯一、加水・加温のない100%源泉掛け流しを楽しめるのも魅力です!
▲男性用の「檜の湯」。趣ある雰囲気に癒やされますよ

大忠で特に人気なのが、11~2月の冬季限定で楽しめる「魔法のりんご風呂」。鮮やかな見た目はもちろん、フルーティーな香りに癒やされること間違いなしです。湯船に入るとりんごの甘酸っぱい香りにつつまれ、自然と笑顔に。幻想的な雰囲気に日頃の疲れも吹き飛びますよ。
▲たくさんのりんごが浮かんだ湯船。日帰り入浴の場合は女性のみ入浴可
▲温泉は源泉100%掛け流し。温泉本来の効能が楽しめます(泉質はナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉)

日帰りでも予約をすれば貸切風呂を楽しむこともできます。こちらは11~14時の間の50分間、1回3,500円(税込)。自分だけの時間をゆっくりと楽しめるのがいいですね。もちろん友達や家族との利用もできるので、特別な時間を過ごすには最適です!空いていれば当日の10時までに予約をすれば利用できるとのこと。
▲貸切風呂「風みどりの湯」。誰にも邪魔されない時間をゆったりと過ごしてみるのもいいですよね
▲もう一つの貸切風呂「紺碧の湯」

陶芸作家のアトリエ「花*花」で絵付け体験にチャレンジ!

お風呂に入ってのんびり温まった後は、大忠から歩いてすぐのところにある「陶アトリエ花*花」へ。こちらでは本格的な陶器の販売と絵付け体験ができます。
▲小さな陶芸工房で、アトリエ兼販売店となっています(写真提供:陶アトリエ花*花)

絵付けできるアイテムは、アクセサリーや箸置きといった小さなものから皿や湯呑みまで様々。好きなものを選んで、世界にひとつだけのオリジナル作品を作ってみるのもいいですよね。
▲花*花特製・ネコ皿。写真は販売している作品ですが、この形のお皿に絵付けすることもできます(写真提供:陶アトリエ花*花)

アクセサリー、ぐい呑、小皿に関しては、絵付けした当日に焼成・持ち帰りができるので、お土産にもピッタリです!

冷泉水を使った濃厚な豆腐を楽しめる老舗豆腐店「はせがわ屋」

最後に向かうのは「はせがわ屋」という人気のお豆腐屋さん。100年以上続く老舗で、懐かしい雰囲気漂う小さな佇まいも魅力のひとつです。
▲販売がメーンの小さなお豆腐屋さんですが、お客さんが絶えないのは店主の気さくな人柄もあるのでしょう

冷泉水を使った地下水で作っているお豆腐は、濃厚で風味豊かな味わい(もめんとうふ大280円・税込)。また、トースターで焼くとさらにおいしい「三角揚げ」(150円・税込)や、「豆乳ソフト」(280円・税込)も人気商品です。三角揚げはお店でも販売している「七味にんにく」(550円・税別)としょうゆをつけるとさらに美味。ソフトクリームはたっぷりと豆乳を入れていることもあり、豆腐の風味をしっかり感じることができます。店内外に小さなベンチがあるためその場でいただけますが、お土産として持ち帰るのもオススメです。
▲「三角揚げ」。店内にトースターがあるので、その場で食べたい方はそちらで焼いてから食べてみてください
▲豆腐を食べた後では豆乳の風味があまり感じられないので、「豆乳ソフト」は一番最初に食べるのがオススメです!
寒くなるにつれて温泉が恋しくなってきますよね。遠刈田温泉街は宿泊でも日帰りでも楽しめます。自然と歴史を感じながら、温泉とおいしい食事で癒やされる。そんな時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
阿部ちはる

阿部ちはる

宮城県出身。東京の出版社で編集者として勤務。現在は仙台市在中のライターとして活動中。(編集/株式会社くらしさ)

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報は直接取材先へお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。

こちらもおすすめ

もっと見る
PAGE TOP