鹿児島の夏の風物詩「白熊」。生みの親「天文館むじゃき」で聞く誕生の秘密
2015.09.10 更新
9月に入っても残暑が厳しい鹿児島。こんな暑さを吹き飛ばしてくれるのが、鹿児島発祥のかき氷「白熊」です。今では全国各地のコンビニでも見かけるほど有名な「白熊」の生みの親「天文館むじゃき」でお話を伺いました。
繁忙期は1日4,000食を売り上げる人気ぶり

「白熊」の元祖、「天文館むじゃき 本店」は、鹿児島一の繁華街・天文館にあります。昭和21年(1946年)に食堂として営業を始めた老舗飲食店です。
「天文館むじゃき」は、連日大賑わい。特に夏は観光客や帰省客が押し寄せ、お店の前には開店直後から長蛇の列ができます。
最もお客さんが多いというお盆時期には、同ビル内にある食事処からのオーダーも含めると1日に入る注文数はなんと4,000食!人気ぶりがうかがえますね。
「天文館むじゃき」は、連日大賑わい。特に夏は観光客や帰省客が押し寄せ、お店の前には開店直後から長蛇の列ができます。
最もお客さんが多いというお盆時期には、同ビル内にある食事処からのオーダーも含めると1日に入る注文数はなんと4,000食!人気ぶりがうかがえますね。
「白熊」はとにかく具だくさん!

▲白熊(レギュラーサイズ) 720円(税込)
一般的に「白熊」は、削りたての氷に練乳をかけ、フルーツや豆類を盛りつけたかき氷のことを言います。
「天文館むじゃき」の「白熊」には、チェリー、レーズン、ミカン、パイン、白豆、小豆、メロン、スウィートロール(安納芋のお菓子)、赤寒天、青寒天と季節のフルーツがふんだんにトッピングされています。
寒天や小豆などももちろん手づくり。そして、「天文館むじゃき」では、トッピングを盛りつける位置もすべて決まっているそうです。細部までこだわりが感じられますね。
「天文館むじゃき」の「白熊」には、チェリー、レーズン、ミカン、パイン、白豆、小豆、メロン、スウィートロール(安納芋のお菓子)、赤寒天、青寒天と季節のフルーツがふんだんにトッピングされています。
寒天や小豆などももちろん手づくり。そして、「天文館むじゃき」では、トッピングを盛りつける位置もすべて決まっているそうです。細部までこだわりが感じられますね。
2年間の試行錯誤を経て「白熊」のベースが完成

▲お話を伺った常務取締役の前田真吾さん
このように現在の「白熊」はかなり具だくさんですが、創業当時はもっとシンプルだったそうです。
「創業者の久保武がつくった「白熊」は、白蜜と赤蜜をかけたみぞれのようなかき氷でした。イチゴにミルクをかけたらおいしかったことをヒントに氷に練乳をかけてみたものの、それでは甘すぎたので改良を重ね、独特のさっぱりとしたミルクに仕上げたんです。」と前田さんは言います。
また、彩りを加えるためにサイコロ型の果物や十六寸豆を入れ、外側にアンゼリカやチェリー、レーズンを盛りつけ、現在の「白熊」のベースが完成したのです。
そして、アンゼリカとチェリー、レーズンの配置が白熊の顔に似ていることから、このかき氷を「白熊」と名づけたのだそうです。
「創業者の久保武がつくった「白熊」は、白蜜と赤蜜をかけたみぞれのようなかき氷でした。イチゴにミルクをかけたらおいしかったことをヒントに氷に練乳をかけてみたものの、それでは甘すぎたので改良を重ね、独特のさっぱりとしたミルクに仕上げたんです。」と前田さんは言います。
また、彩りを加えるためにサイコロ型の果物や十六寸豆を入れ、外側にアンゼリカやチェリー、レーズンを盛りつけ、現在の「白熊」のベースが完成したのです。
そして、アンゼリカとチェリー、レーズンの配置が白熊の顔に似ていることから、このかき氷を「白熊」と名づけたのだそうです。

▲初期の白熊を再現した「なつかしろくま」720円(税込)を毎年6月1~30日の期間限定で販売
発売当時、「白熊」の価格は50円でした。一般的な蜜かけ氷が20円ほどだったそうなので、それと比べると「白熊」は高級品。「白熊」は子どもたちにとって憧れのかき氷だったんですね。
「当店では現在ベビーサイズもご用意しているのですが、ご高齢の方でもレギュラーサイズを召し上がります。ご高齢の方は、白熊といえばレギュラーサイズのイメージが強いでしょうし、大きな『白熊』を食べることへの憧れの気持ちを今でも持ち続けてくださっているんだと思います」と前田さん。
「当店では現在ベビーサイズもご用意しているのですが、ご高齢の方でもレギュラーサイズを召し上がります。ご高齢の方は、白熊といえばレギュラーサイズのイメージが強いでしょうし、大きな『白熊』を食べることへの憧れの気持ちを今でも持ち続けてくださっているんだと思います」と前田さん。
ミルクと蜜のレシピは門外不出


▲メニュー表は元スタッフが描いてくれたのだそう
「天文館むじゃき」の「白熊」は、すべて「塚本氷室」の氷を使用しています。時間をかけてじっくり凍らせた氷をふわっと口の中で溶けるよう細かく削り、そこにミルクと蜜をかけます。

ミルクは、コクがあるのに後味がすっきりしていて、まったくベタベタ感がありません。
このミルクと蜜は、社長以外は誰もレシピを知らないそう。まさに門外不出の配合でつくられているんですね!
このミルクと蜜は、社長以外は誰もレシピを知らないそう。まさに門外不出の配合でつくられているんですね!
変わりダネのかき氷も続々

▲桜島をイメージした「南海の黒熊」720円(税込)

▲「焼酎みぞれ」660円(税込)は芋焼酎を使ったシロップが大人味
味の決め手となるミルクも容量も、創業時から変えることなく受け継いできた「天文館むじゃき」ですが、「時代のニーズに合わせて常に進化していきたい」と前田さんは言います。
その言葉通り、「天文館むじゃき」には、黒糖からつくった黒蜜がミルクと絶妙にマッチする「南海の黒熊」や、芋焼酎のシロップとおつまみになる食材をトッピングした「焼酎みぞれ」など、個性あふれるメニューが並んでいます。
その言葉通り、「天文館むじゃき」には、黒糖からつくった黒蜜がミルクと絶妙にマッチする「南海の黒熊」や、芋焼酎のシロップとおつまみになる食材をトッピングした「焼酎みぞれ」など、個性あふれるメニューが並んでいます。

▲カップに入ったテイクアウト用の「ハンディ白熊」450円(税込)
また、ソフトクリームのコーンのような形をしたカップに入ったテイクアウト用の「ハンディ白熊」は、店舗のテイクアウトコーナーはもちろん、地元のお祭りに出店する際も大好評です。このオリジナルカップは、創業者・久保武氏の奥様が考案したのだそう。
伝統と革新を追求

▲大きな白熊のマスコット「むじゃきっこ」が目印
創業者が2年もの歳月をかけ、試行錯誤の末に辿り着いたミルクと蜜、それに愛らしいフォルムは、今も昔も変わらず、人々に愛されています。「白熊」のおいしさは普遍的なんですね。
変わらないことも変えていくことも追求し続ける「天文館むじゃき」の「白熊」。
鹿児島に来たらぜひお召し上がりください。
変わらないことも変えていくことも追求し続ける「天文館むじゃき」の「白熊」。
鹿児島に来たらぜひお召し上がりください。
天文館むじゃき本店
鹿児島県鹿児島市千日町5-8
[営業時間]11:00~22:00(L.O.21:30)※日曜、祝祭日、7~8月は10:00~
[定休日]無休
099-222-6904
※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報は直接取材先へお問い合わせください。
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