日本酒の新時代を拓く「大嶺酒造」。また山口県の日本酒が世界を酔わす!

2019.04.14 更新

世界規模の人気を誇る山口県の日本酒。「獺祭」「東洋美人」といった人気銘柄が名を連ねる中で、今、美祢(みね)市にある「大嶺(おおみね)酒造」が醸す「Ohmine」が話題急騰中です。その理由は、美味しさはもちろん、日本酒の様々な概念を打ち破る“斬新さ”!新たな観光スポットとしてもSNS上を賑わせている酒蔵を訪れ、そのオリジナリティに迫ります。

パワーみなぎる神水が仕込み水!日本酒の概念を打ち破って生まれた「Ohmine」

AGAINST SAKE WORLD――。「日本酒の世界に逆らう」と堂々宣言する、山口県美祢市の「大嶺酒造」。同蔵で醸される「Ohmine」は、2018(平成30)年4月に新築された酒蔵とともに、若年層や女性を中心に注目を集めています。

新蔵の場所は、絶景で知られる同市の人気観光スポット「秋吉台」から車で約10分。さらに山口県内でも屈指のパワースポット、青く澄んだ水を湛える「別府弁天池」からわずか5分ほどの場所にあり、新たな観光スポットとしても人気上昇中です。
▲日本最大のカルスト台地として知られる「秋吉台」。絶景スポットとしても人気
▲青く澄んだ湧水を湛える「別府弁天池」。山口県でも屈指のパワースポット

大嶺酒造の歴史は1822(文政5)年に始まり、1955(昭和30)年に、一旦その幕が下ろされます。その後、同じ美祢市出身で、故郷での酒造りを志した秋山剛志さんによって醸造が再開され、2010(平成23)年、約半世紀ぶりに復活を果たしたのです。
▲真っ白な外壁が印象的な、大嶺酒造の新酒蔵

「Ohmine」は蔵の再スタートにあたって、秋山さんの手によって生み出された新たな銘柄。伝統を尊重しつつ、固定概念にとらわれないという発想で醸された酒は、フルーティーな美味しさとともにあらゆる面で斬新といえる個性を発揮し、現在、口コミで評判が広がっている真っ最中にあります。
▲「Ohmine」の酒瓶も斬新かつ個性的。日本酒の原料である米粒がデザインされており、3粒は純米酒、2粒は純米吟醸、そして1粒は純米大吟醸を表している(写真提供:大嶺酒造)

山口県では、日本酒の出荷が2006(平成18)年度から11年連続で増加中。これまでにない大きな盛り上がりを見せています。「獺祭」「東洋美人」など、名だたる銘柄が並ぶ中にあって、「Ohmine」も着実にその存在感を増していると言えるでしょう。

2019年4月時点で、既に、台湾、香港、シンガポール、ストックホルム、ニューヨークに流通。国内でも全国約60の酒販店を起点に、多くの飲食店で扱われるまでになっているそうです。
▲「Ohimne」は国内外で人気上昇中。都内でも飲食店などでお目にかかれるケースも増えている(写真提供:大嶺酒造)

直売所・カフェも併設!大嶺酒造を訪れ、新時代の酒造りを肌で感じる!

そんな大嶺酒造に、ぜひ足を運んでみましょう。中国自動車道・美祢ICより車で20分ほど、県道31号沿いの酒蔵には直売所(営業10:00~16:00、不定休)も併設されています。

2018(平成30)年に新築された酒蔵はお米を思わせるような純白の外壁。田園風景の中に佇むお洒落な外観は遠くからでも目立ちます。
▲建物の壁にも米粒がデザインされている。入口の暖簾には「ゆきおんな」の文字とイラストが…
▲入口正面に設置されているネオン管

真っ白な建物の中へと足を踏み入れると、まずネオン管で、「1822 BORN」「1955 DEAD」「2009 REBORN」「2018 AGAINST SAKE WORLD」と表示されています。「AGAINST SAKE WORLD=日本酒の世界に逆らう」という意志とは果たしてどんなものなのか、いっそう興味がそそられます!
▲コンクリート打ちっぱなしの直売所カウンターがまたお洒落!オリジナルTシャツ(税込2,916円)や「ゆきおんな」コラボTシャツ(税込3,456円、限定品)も販売中
▲カウンター横の冷蔵庫。季節限定品もあるので要チェック。わわ、オンラインストアでは売り切れている「ゆきおんな」もある~!(2019年3月1日時点)
▲入口の暖簾にも文字がデザインされていた「ゆきおんな」(720ml税込2,592円)は、2018年12月15日より冬季限定発売されたにごり酒。人気イラストレーター・たなかみさきさんとのコラボ商品
▲ストアのガラス戸は開け放たれており、自然の心地よい風を感じながらくつろげる

さらに蔵内を探検してみましょう。ん?直売所と醸造スペースを区切る金網の一部が開放され、「お気軽にご見学ください」と掲示が…醸造スペースの側まで行けるようです!
▲蔵内の開放されているスペースはいずれも撮影OK
▲醸造タンクのデザインは白地に黒い米粒。蔵内はSNS映えする被写体の宝庫! ちなみに、タンク番号には“遊び”で「He」や「H」など元素記号が使われている

醸造スペース内部への立ち入りはできませんが、窓から酒造りの工程や、ずらりと並ぶ醸造タンクを見学できるようになっています。醸造作業は午前が中心とのことで、見学は直売所のオープン後なるべく早い時間帯がおすすめです。
▲見学スペースの窓から醸造作業の様子を見ることができる
▲窓から眺めた「原料処理室」の様子。精米、洗米、米の蒸し上げなどが行われる
▲仕込み作業の様子。従業員さんの作業着にも米粒のデザインが!(写真提供:大嶺酒造)
▲見学スペース内では商品紹介も。ぜひ買物や試飲の参考に

土・日曜は試飲も可能なカフェとして営業。フルーティーな口あたりにうっとり!

直売所は、土・日曜と祝日はカフェとしても営業しており、「Ohmine」の試飲が可能です(有料)。

料金は「Ohmine Junmai Daiginjo 1grain 大嶺純米大吟醸1粒」税込700円、「Ohmine Junmai Ginjo 2grain大嶺純米吟醸2粒」税込600円、「Ohmine Junmai 3grain大嶺純米3粒」税込500円。
▲試飲にはイラストレーター・山田全自動さんとコラボしたぐい呑み(非売品)を使う(写真提供:大嶺酒造)

最初は、精米歩合58%の純米酒「3grain」をいただきます。まず、ひと口…、んん~、柔らかな口あたりに鮮烈な味わい!評判通り、いえ、思い描いていた以上にフルーティー!この甘酸っぱさは…そう、マスカットのよう、美味しい~!ちなみに、「ゆきおんな」は、「3grain・原酒生酒」のにごり酒バージョンなのだそう。

続いては、精米歩合38%の純米大吟醸「1grain」。瑞々しさが印象的な「3grain」に比べ、口あたりの上品さがさらに増し、いっそうまろやか!そして、先ほどとはまた異なるフルーティーな味わい…、これは、まるで白桃のよう!五臓六腑に染みわたるとはまさにこのこと…、感動的な美味しさです!
▲純米大吟醸の容器のデザインはお米一粒。なんだか御神酒のようでプレミアム感半端ない!(写真提供:大嶺酒造)

仕込み水も試飲でき(無料)、「和らぎ水」代わりにこちらもぜひ味わっておきたいところです。さらに、その水でドリップするコーヒー(ホット・アイス各税込540円)もまた格別の味わいと評判。要チェックです!
▲仕込み水で入れたコーヒー。カフェメニューは飲み物のみだが、今後、酒粕を使ったスイーツなどを提供する計画もあるそう(写真提供:大嶺酒造)

そして直売所内には、見逃せないお楽しみがてんこ盛り!お猪口や徳利、Tシャツなどの限定アイテムも並びます。

これらの品々は、前述した「ゆきおんな」など、オンラインストアや全国の特約店で売り切れていても、なんと、直売所分の在庫は別に用意されているんです!運が良ければ入手できる可能性があるそう!
▲新蔵開設記念のお猪口(2個・税込2,700円)。非売品のぐい呑みと同じデザインで、取材時点(2019年3月1日)では在庫あり
▲限定酒「ゆきおんな」の徳利とお猪口のセット(税込4,860円)。ほかにTシャツ(税込3,456円)もある

「Ohmine」の美味しさの秘密とは?日本酒の概念にとらわれないその個性に迫る!

酒造りの固定概念にとらわれないという点において、その筆頭とも言えるのがアルコール度数です。オーソドックスな日本酒の度数は15度以上というのがほとんどなのに対し、「Ohmine」は14度台とあえて低めです。

解析データを活用し、品質を均一化させると同時に発酵をコントロール。お米の甘味や酸味、そして旨味の究極バランスを追求することで14度台に導いているそうです。
▲酒米は「山田錦」を使用。山口県内の契約農家に栽培を依頼している(写真提供:大嶺酒造)

そして、仕込み水には…、なんと!不老長寿のご利益ありと霊験あらたかな「別府弁天池」の湧水が使われているんです!酒造りに適した軟水であるとともに、「秋吉台」特有の地質・石灰岩で濾過されているためカルシウムを豊富に含んでいるのが特徴です。
▲別府弁天池の湧水は、コーヒーにこだわった喫茶店の店主やプロの料理人も水くみに訪れるほどの名水として知られる

カルシウムはアルコール発酵を促進させる作用があるそう。美味しい水として、また、神の力が宿る水として、「Ohmine」の味わいとプレミアムさを際立たせているのですね。
▲仕込み水としてタンクに移された別府弁天池の湧水(写真提供:大嶺酒造)

大嶺酒造の酒蔵探訪、いかがでしたか?「Ohmine」は、万人においては未だ“知る人ぞ知る”存在。しかしながら、日本酒の新時代を担うカリスマ的なお酒として着実に流通量を増やしています。その味わい、デザイン、アイデンティティーに触れたならば、きっとあなたもまた、その発信者の一人となるはずですよ!

そして、太古の地球が造りあげた絶景スポット「秋吉台」と、その大地によって濾過され、長寿の御利益があるという神水で満たされるパワースポット「別府弁天池」は、「Ohmine」を知る上でルーツともいえる場所。ぜひ併せて足を運んでおきましょう!
兼行太一朗

兼行太一朗

フリーライター・カメラマンとして、山口県を拠点に活動中。 主に旅行、グルメ、歴史、地方創生などについての書籍やウェブサイトを中心に取材・執筆を行っている。拠点とする山口市では、歴史資源を生かした地域活性化に取り組むNPO法人「大路小路まち・ひとづくりネットワーク」にも所属し、守護大名大内氏や幕末に関する史跡、ゆかりの場所や人物についての取材を担う。(編集/株式会社くらしさ)

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