テレビで話題の「モマ笛」。福岡県福津市津屋崎の超絶かわいい民芸品を作ってみた!

2019.02.26 更新

ころんと丸いフォルムに、くりくりの目……。この何とも可愛いフクロウの人形は福岡県福津市津屋崎(つやざき)の民芸郷土玩具「モマ笛」。江戸時代中期に始まったとされる同県特産民芸品「津屋崎人形」の一種なんです。人気テレビ番組を発端にSNSでも話題となっているこのモマ笛。どこで買えるの?作れるの?気になっている人も多いはず!このキュートなモマ笛の絵付け体験をできると聞き、行ってきました津屋崎へ!モマ笛の可愛さ、ぜひご覧あれ。

歩くだけでも楽しい津屋崎の街並み

モマ笛の絵付け体験ができるのは、福岡市内中心地から車で1時間弱の海沿いの街、福津市津屋崎。福津市まちおこしセンター「津屋崎千軒(せんけん)なごみ」にて「津屋崎人形モマ笛(中)絵付け体験」(1体1,000円・税込)を1名より受け付けています。
▲「津屋崎千軒なごみ」は、古民家風の造り
「津屋崎千軒なごみ」がある地域は、「津屋崎千軒」と呼ばれており、“家が千軒もひしめくように賑わっていた”様子から名付けられています。
▲津屋崎千軒と呼ばれる古い町並み

海に面した津屋崎は、江戸時代から昭和初期にかけて塩の積出港として栄え、大いににぎわっていた地。残念ながら、江戸時代からの度重なる大火により数軒以外は焼失。往時の建物はほぼ現存していません。しかし、「津屋崎千軒なごみ」のように、「津屋崎千軒」の景観に馴染むような建物が複数建築され、街の趣きを今に残しています。ギャラリーや古い商店など、街並み散策も楽しいですよ。

厄除け「フクロウ(=モマ)」の笛、歴史は江戸時代から

▲カラフルなモマ笛たち

前述した通り、「津屋崎人形」は津屋崎地区に江戸時代から伝わる民芸郷土玩具。博多人形の流れを汲んでいて、40~50年前は6軒ほどあった工房は現在では2軒を残すのみ。

「津屋崎千軒なごみ」の絵付け体験でも、そのうちの一つである「筑前(ちくぜん)津屋崎人形巧房(こうぼう)」からモマ笛を仕入れています。
▲津屋崎人形はこんなに色鮮やか!
この地域の言葉で「モマ」と呼ぶフクロウは、「不苦労」「福来る」など語呂合わせもあり、幸福を運ぶとされることが多い生き物。ここ津屋崎でも先を見通す能力を持つ生き物とされていて、モマ笛は厄除けの意味を持つ玩具として昔から親しまれています。

オリジナル絵付けもOK。レッツ、モマ笛絵付け!

そんなモマ笛の絵付け体験ができるのは、2019年2月現在ここ「津屋崎千軒なごみ」だけ。ここからは実際に体験した様子をリポートします!
▲広々としたロビー。地域の方たちが制作した作品の展示スペースも兼ねています

モマ笛の絵付け体験は、梁をめぐらせた開放的なロビーにて。10名以上などの大人数であれば和室などを使用する場合もあるそうです。

素焼きの人形、絵付け用の絵の具、筆などはすべて用意されているので、事前準備は必要ありません。スタッフさんに教えていただきながら、絵付け体験を進めていきます。
▲絵筆は細かいところと広いところ用の2本
こちらが見本のモマ笛。茶色の子がベーシックな配色のモマですが、グリーンや青の鮮やかなモマも!色は自分の好きなように付けてよいので、まずはどんなモマにするのか考えてみましょう。

素焼きの人形、これだけでも可愛い!高さ4.5cmほどの、通常販売されているモマ笛の中サイズになります(実勢価格1体1,400円・税込)。
▲箱入りの素焼き人形

まずは目に命を吹き込む作業。人形師さんは、中央から丸を描くように大きくしていくのだそうですが、先に縁取りをして中を塗っていく方法でもOKです。
▲最初の筆入れは緊張!!

個人的には目は大きい方が可愛いと思います。どんどん大きくしていきました。
▲少し慣れてきました~

次にクチバシをオレンジ色で(もちろん、他の色でも良いですよ)。ちょっと慣れて、楽しくなってきたぞ!余裕が出てきたので、黄色で影をつけたりなんかして。
次に頭の部分。ここを基本色である茶色以外の、好きな色にしてもOK。せっかくだから、私は真っ赤で!
▲スタッフさんが「大丈夫、上手ですよ!」褒めてくださるのでちょっと安心

スタッフの田坂さん曰く、面積が大きい頭は色ムラができる部分なので思いっきりべったりと塗ったほうが良いそうです。

スタッフの方は、工房で直接職人さんに指導を受けたそう。体験ではスタッフさんが常に1人以上はいて丁寧に教えてくれますよ
そして、緑で縁取りを……。何だかわかりますか?
じゃーん!春らしくイチゴのモマ笛です!
最後にモマの足を描きます!スタッフさんが口々に「ここが一番難しいのよ~」とおっしゃる最後にして最大の難関!

下から上にシュッとひと筆で!ちょうどよい太さ、長さにするのが難しい~。下に敷いた紙で練習……。
▲見本を見ながら紙に練習しますが、なかなかうまく描けません

もう仕方ない!描きますっ!
▲えいっ!うまくいった?
▲何とか完成~!!

所要時間は、乾くまでの時間も含め1時間ほど。細かい作業もあり、集中できるので1時間もあっという間です。とは言え、作業は簡単なので幼稚園くらいの子どもも楽しく体験できますよ。むしろ、子どもの方が難しく考えずに色を付けるので、大人が思いつかない面白い作品が出来上がることも。
▲見てくださいMYモマ笛。なかなかキュートでしょ?

モマ笛をはじめ、津屋崎人形の人気が再燃!

モマ笛が誕生したのは、1777(安政6)年。光の道のCMで話題になった同じ福津市にある「宮地嶽(みやじだけ)神社」で縁起物として授与されていたそう。モマ笛のしっぽ部分は笛穴になっていて、吹けば「ホーホーホー」と素朴な土笛の音がします。
民芸郷土玩具という一面だけでなく、その昔お年寄りが食事の際に食べ物をのどにつまらせないため、モマ笛を吹いてから気道を広げて食べていたというのも驚き!

地元を中心に親しまれ続けていたモマ笛ですが、ここ数年は津屋崎人形全般として、郷土玩具離れや海外からのオモチャの流入により人気が低迷。それが昨今人気が再燃!現在は県外からの注文も多く、品切れ状態が続いています。
▲前述した「筑前津屋崎人形巧房」のモマ笛は(大)1,560円、(小)1,166円(各税込)

そのきっかけは、福岡市のデザイナーさんと組んで制作した「津屋崎ピンズ」(各1,500円・税込)。古来から続く伝統と高いデザイン性を兼ね備えたピンズで評判となり、津屋崎人形は九州のみならず、全国からの注目を集めるように。
▲津屋崎ピンズは色んな柄が揃うのも魅力
▲左から「菊」や「蜻蛉(とんぼ)」、「福助の水玉」など古典模様が素敵です
▲キモ可愛い!と、こちらも品切れ状態。津屋崎人形の「ごん太」(大)4,200円(中)3,000円(各税込)。この表情たまりません!色んな洋服を着ているんですよ!面白い

モマ笛やごん太、津屋崎ピンズは、津屋崎にある「筑前津屋崎巧房」のほか、東京や大阪、名古屋など全国に取り扱い店舗も多数。ただし品切れの場合があるので、各店舗にて問合せください。
世界でたった一つのオリジナルモマ笛が作れる「津屋崎千軒なごみ」でのモマ笛絵付け体験も、もちろん素焼き人形の仕入れがない場合もあります。事前に電話で問合せ・予約の上、体験を楽しんでくださいね。
※絵付け体験の内容は2019年3月までの情報です。2019年4月以降は営業時間、定休日が変更になります。事前に問合せください。
桑野智恵

桑野智恵

フリーの雑誌ディレクター/ライター。福岡生まれ、福岡育ちの博多女。3つの出版社を渡り歩き、雑誌編集歴20年弱。食育アドバイザー、フルーツ&ベジタブルアドバイザー。

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