お目当ては懐石仕立ての絶品水たき!京都で人気のパワースポット松尾大社とセットで楽しむ、嵐山まんぷく旅

2018.12.21 更新

京都観光で随一の人気を誇る嵐山。その中でも代表的なのが、上賀茂神社・下鴨神社と並んで日本最古といわれている「松尾大社(まつのおたいしゃ)」です。その松尾大社から徒歩約1分の地にある老舗料亭「京料理 とりよね」。今回は、鶏のことなら京都一!といっても過言ではない、若旦那による懐石仕立ての水たきが楽しめる、スペシャルなコースを体験してきました。

こちらのコースは、京都料理界を代表する若主人たちが設立した「京都料理芽生(めばえ)会」と、飲食店情報メディア「ぐるなび」による“本物の京都体験”をコンセプトとした共同プロジェクト「KYOTO365」の特別プラン。あらためて食文化を学ぶ&味わう機会を提供する、「KYOTO365」の持続的な取り組みのひとつです。

まずはお酒の神様に参拝。人気パワースポットの「松尾大社」へ行ってみよう!

せっかく嵐山まで足を延ばすなら、食事と観光はセットで楽しみたいところ。今回のプランの舞台となる「京料理 とりよね」(以下、とりよね)の魅力の一つは、なんといっても立地のよさと観光のしやすさです。
その理由の一つは、阪急嵐山線・松尾大社駅から徒歩約1分であること。二つ目は京都で最古の神社の一つである松尾大社に隣接していること。これらの三カ所が互いに徒歩1分という抜群の立地を誇っています。
▲写真は阪急嵐山線・松尾大社駅からの眺め。左が松尾大社の鳥居、右がとりよねと、どちらも目と鼻の先です

無類の鶏好きたちをも唸らせるというとりよねの前に、まずはお客さんのほぼ100%が参拝するという松尾大社についてご紹介します。
▲上賀茂神社・下鴨神社と同じ頃に建立されたといわれています

松尾大社は日本最古の神社の一つといわれており、大宝元(701)年に氏族の秦忌寸都理(はたのいみきとり)がこの地に社殿を建立したのが起こりと伝えられています。
本殿は側面から見ると屋根が前後同じ長さに流れている「松尾造り」と呼ばれる珍しい建築で天文11(1542)年に改築されました。
松尾大社には醸造の神が祭られており、「大神神社」(奈良)・「梅宮神社」(京都)と並んで「日本三大酒神神社」として全国的に名が知られています。
料理人や酒造関係者など、お酒に関わる人にとっては特に縁の深い神社。境内の一角には、灘や伏見をはじめ全国の酒蔵の菰樽(こもたる)がずらりと並んでいました。
実は、縁結びのご利益があることでも有名で、ぜひ参拝してほしいのが「相生の松」。樹齢350年の松が2本絡み合っているというのが、ロマンティックな縁結びの由縁です。
取材中にもかかわらず「この松のような良縁にめぐり合えますように」と本気で祈願してしまいました。

鶏のスペシャリストによる懐石仕立ての水たきは想像を絶するおいしさ

参拝で心が満たされたら、次はお腹を満たしたいところ。松尾大社の鳥居を出て数歩でとりよねに到着です。
▲本プランの開催時間は11~15時、17~20時のうち2時間。前後で嵐山散策を楽しんで

同店はかつてこのエリア一帯で、養鶏場を営んでいた歴史を持つ老舗の料亭。そのため鶏料理を得意とし、「ひねすき焼き」や「鶏懐石」、「名物活鶏水煮」(水たき)で多くの食通達を虜にしてきました。
料理に用いるお水は松尾大社境内の「亀井の水」と水脈を同じくする天然の井戸水。鶏料理はもちろん、四季折々の京野菜など厳選された食材を使用し、季節の滋味が感じられると評判のお店です。

今回のプランがスペシャルである理由は二つ。一つ目は従来のメニューに無い「懐石仕立ての水たき」がいただけること。二つ目は水たきを若旦那の田中良典(よしのり)さんが直接提供してくれるということ。
▲1982(昭和57)年生まれの田中さん。気さくな人柄&塩顔イケメンなのでお客さんにファンが多い

田中さんは金沢の「料亭 金城樓 本店」で修業を積み、金沢料理職人塾第一期生で展示会等に出展し、表彰も受けた実力の持ち主。養鶏所からスタートし、代々鶏と向き合い、鶏を研究してきたとりよね6代目の若旦那は、京都一の鶏のスペシャリストといっても過言ではありません。
▲玄関には代々お世話になっているという曹洞宗「大本山永平寺」(福井県)の前々館長に書いてもらった書画が

実は正式名称は「鳥米」であり、この名前の由来は明治中期より鶏料理屋を営んでいたことと、3代目の田中米次郎が鳥の卸販売の店を始めたことから名付けられたのだそう。
▲日本舞踊でも名取りの先代が東映太秦撮影所の俳優たちに指導していたことから、芸能関係のお客さんもすくなくない
▲店内にはあの世界的スター、マイケル・ジャクソンのサインと写真も!
▲このコースは、基本的には若旦那が在店している日に開催されますが、どうしても難しい場合は美人と評判の若女将が対応してくれます

それでは懐石仕立ての水たきコースを少しだけご紹介していきましょう。
▲左上から時計回りに柿和え、鯛の手まり寿司、子持ち鮎の甘露煮、厚焼き玉子、丹波栗の蜜煮、銀杏むかご、鶏の松風、平茸、車エビのからすみ和え、菊花かぶら

まずは一品目の先付八寸から。美しく盛り付けられた品々は「香りのもの、食感のもの、味のもの」を楽しんでもらえるよう工夫がされています。「旬のものを、テクスチャーを変えることで食べる行為を楽しんでほしいから」と田中さん。
続いては向付のお造り。11月~1月頃まで、産卵前の脂の乗り切った状態で漁獲される氷見の寒ブリや、宮崎の本マグロ、明石の鯛など、田中さんが一番おいしいと感じる素材だけを日本全国から仕入れています。
▲関西ではお造りを食べる際に使う豆皿のことを「のぞき」と呼びます

そして面白いのがお造りのいただき方。鯛は芥子醤油オイル、寒ブリは塩、まぐろは合わせ醤油がおすすめなのだそう。自分の好みの味を見つけることも、食の楽しみかたのひとつ。
▲コースターにはとりよね付近の観光マップが記載されています
お鍋がスタートすると田中さんの登場です。使用するのは40年以上使っている信楽焼の土鍋。「信楽焼は熱の伝導率が高く、鍋をおいしく仕上げてくれるんですよ。スープが煮立ってきたら、まずはねぎと豆腐を投入します」(田中さん)。
▲一口食べるだけでその口どけの良さに驚くこと必至!

豆腐は「嵯峨豆腐 森嘉」のもの。京都の豆腐は東と西の2系統に分かれており、安政年間(1854~1860)年に創業の同店は西の嵐山を代表する店のひとつ。「東は南禅寺豆腐、西は嵯峨豆腐と呼ばれており、京豆腐を知るには東西を食べ比べしていただくのがおすすめです」と田中さん。
▲崩さず持ち上げるのが困難なほどに、柔らかくプルプルな豆腐。ひと口食べたらファンになる人も少なくない

豆腐は中がまだほんのり冷たい状態でいただくのがとりよね流。「うれしいのは『森嘉』の現社長が『とりよねさんのところの食べ方が一番好きや』っていってくれたことなんですよ」と田中さん。
豆腐の香り、みずみずしさ、鶏のスープの旨みと油分が口の中に広がり、社長のお墨付きというのも納得です。
▲田中さんオリジナル調合のゆずぽん酢をかけて召し上がれ
▲とりよねの料理はただおいしいだけでなく、食感や香り、見た目など五感で“食を楽しむ”ための工夫がたくさん
次は、椀物の代わりに名物の鶏のスープをいただきます。少々の岩塩と七味と生姜汁が入った器にスープを注いで。コラーゲンたっぷりなうえに鶏の旨みをストレートに味わえて、とってもおいしい!
▲思わずおかわりをお願いしたくなるほどの味わい。後半もスープとしていただくことができるので、ご安心を
いよいよ鶏肉の投入です。まずはむねとももの2種類の部位を食べ比べ。「部位によって味が違うのはみなさんご存知だと思いますが、一切れずつ食べ比べることでそれぞれのおいしさを実感してもらえると思います」。
▲但馬産のもも肉は適度に脂肪分があり、舌の上で香り高くまろやかに。みずみずしさとジューシーさを兼ね備えた丹波産むね肉は、スープとの相性も抜群
続いては、野菜のソムリエ厳選の京野菜をはじめとした旬のお野菜をたっぷり投入。鶏肉はもちろん、一つ一つの食材について田中さんが説明してくれるのもうれしいポイント。
「大切に育ててくれた生産者の熱い想いを、直接お客様にお伝えすることができる機会なので私もうれしいです」(田中さん)。
▲しいたけになにやら飾り包丁があしらわれています。その答えは田中さんの口から直接聞いてみてください
▲鍋の後には「手羽先生姜幽庵焼」「季節の揚げ物」「雑炊・香物」「水物」が続きます

今回紹介したのは一部ですが、全9品のお料理がいただける男性も大満足のコースです。知識が豊富で話し上手な田中さんとの会話は、笑いの耐えないあっという間の2時間でした。
▲食時の前後に、とりよね自慢のお庭の散策もおすすめ。庭から松尾大社の鳥居がチラリ
▲春は桜、夏は美しい緑、秋は紅葉、冬は雪景色と四季によって表情をかえます。春と秋にはライトアップも

「先祖が養鶏業を営んでくれた過去があるからこそ、鶏への愛情が強く、そのおいしさへの理解がいまに生きているのだとおもいます。代々の店主ごとにそれぞれのこだわりがあって、私の代でも、鶏の脂肪分にもっと旨みを感じてもらうために作り方を変えました。修業先から戻ってきてから2018年で15年。ずっと手探りで模索していましたが、やっと自分のやりたいものが見えてきました。それがこの懐石仕立ての水たきです。自信を持っておすすめできるプランなので、ぜひ嵐山散策のお食事としてご利用ください」(田中さん)。

田中さんの料理に対する飽くなき探究心は、話を聞くにつれ、こちら側の気持ちまで熱くなりました。松尾大社とともに、嵐山に「京料理 とりよね」ありと、これからも多くのファンを作っていくに違いありません。

撮影:久保田狐庵
岡久加苗

岡久加苗

「KYOTO365」コンテンツ編集長。出版社で10年間編集者として勤務し、退職後はぐるなびのWEB媒体へ。現在は「KYOTO365」の編集長として京都の食と文化、ガイドブックには載っていないとっておきの場所や、地元の人でさえ知らなかった食体験など、京都の魅力に深く触れることのできる機会を企画・提案しています。

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