「シャボン玉石けん」の工場見学で知る無添加の定義!“本当”の無添加石けんのヒミツとは

2019.03.26 更新

みなさん、石けんって何を使っていますか?健康志向の昨今、「無添加」のものを選んでいる方も多いのではないでしょうか。その無添加石けん、もしかしたら“自分が思う無添加”じゃないかもしれません。レトロなCMとキャラクターが可愛い「シャボン玉石けん」の工場見学で、本当の無添加の定義と、無添加石けんのヒミツを探ってきましたよ!

「シャボン玉石けん」の工場は、福岡県北九州市若松区にあります。電車で行く場合は、新幹線も停まる小倉(こくら)駅からタクシーで約30分、JR筑豊本線二島(ふたじま)駅から徒歩約15分。自家用車なら北九州都市高速の黒崎出入口ICから約20分です。
▲工場が集まる地域にある「シャボン玉石けん」。大型バスも収容できる駐車場がありますよ。キャラクターである「シャボンちゃん」が可愛い!

石けんと合成洗剤の違い、石けんの作り方……意外と知らなかった石けんのアレコレ

工場に沿って歩けば工場見学の待合場所があるので、そこで指定の番号に電話をかければシャボン玉石けんの方が来てくださいます。そこからまずは工場内3階の会議室へ。
▲会議室は60名ほど収容できるそう

会議室で、まずはシャボン玉石けんの紹介ビデオを5分ほど視聴、また石けんと合成洗剤の違いなどの説明を聞きます。これが本当に「へぇ~!」の連続!内容は工場見学の様子と合わせてご紹介します!目からウロコのヒミツがたくさんですよ。
▲昔懐かしCMも印象的な「シャボン玉石けん」

石けんって“あの香り”じゃない?石けん本来の香りを実感!

会議室で石けんについて学んだあとは、いよいよ工場で製造工程を見学。ここで何となく違和感が。工場はあの石けんの香りが充満しているのだろうと思っていたのですが、まったり甘い、想像したものとは違う香り……。これはなんの香りでしょう。
▲工場の3階にて、石けんを炊く工程を見学

石けんの製法は主にケン化法・中和法の2通り。石けんの原料である脂肪酸に苛性ソーダ・苛性カリウムを加えていく中和法が一般的で、完成までの所要時間は4~5時間ほどです。
▲工場でもパネルを使用してある程度の流れを説明してくれます

一方ここ「シャボン玉石けん」では、ケン化法で製造。これ、何が違うかというと、まず最初の原料から。天然のグリセリンが取り除かれていない、牛脂・パーム油・米ぬか油などの天然油脂を使用しているんです。だからケン化法では完成までに約1週間~10日間かかるそう!!

天然のグリセリン(=保湿成分)が残る製法だから、洗った後にツッパリ感のない、肌にやさしい石けんが出来上がるんですね!
▲石けんの見本が展示されています。もちろん触ってみてもOK

そこでわかりました!工場で最初に感じた香りの正体、天然油脂です!石けん本来は、こんな香りなんだ!と新発見。
▲取材日も、職人さんがチェックしていました

工場見学では、原料を1週間炊き続ける「ケン化釜」を見ることができます。11あるこれらの釜を管理するのが、4名の職人の方々。

管理ってただ釜で炊いているだけでしょって?いやいや!驚くなかれ。石けん作りのキモというべきこの工程、湿気などのその時々の状況に応じてかすかな変化が表れる繊細な部分。職人さんは目、音、香り、触感、味(!)の五感でチェックして、微調整しているんです。

最後の仕上げには食塩を入れるのですが、これは職人さんによる手作業。前述したように、チェックする方法の一つとして、「味見」があるのも驚き!舌でピリッとした刺激がないか確認するのだそう。「釜炊き十年」と言われるほど、釜炊きには技術が必要なんですって。口に入れても大丈夫な石けん、というだけでも安心な気がしますよね。
こちらは、まだ釜入れしたばかり。色は白く、気泡がぷつぷつ……。石けんが炊かれている様子がわかります。
そしてこれが石けんが完成した釜。釜入れしたばかりのものに比べて乳白色に。ドロッとした状態であるのがわかります。これが天然のグリセリンが入った「石けんのもと」なんですね。できた「石けんのもと」は乾燥させ、粒状の「石けんチップ」という状態にします。

さて次は工場2階に移動。こちらでは、できた「石けんチップ」を機械で押し出し、金型で成型、包装する様子までを見学できます。今回は特別に工場内で撮影させてもらいましたよ!
▲本来は工場外の通路から見学
▲「石けんチップ」をカット。丹念に練りこみ、押し出すことで空気が抜けて、きめ細かいひび割れにくい石けんに

まずは先ほどの釜に入っていた「石けんのもと」を真空乾燥させて練りこみ、小さくカット。そして小さくカットしたチップをバーの形に押し出します。まるで大きなところてんのよう?

バー状の石けんは、まだ温かく固まっていないため、この通り!ぐにゃりとねじれちゃいます!
▲手でねじれば簡単にぐにゃり。まだ温かいです

柔らかい石けんのバーは、冷やした金型で型打ちされ、見覚えのある石けんの形に……。
▲これが金型!シャボンちゃんがキュート!型打ちする際は石けんの表面に艶を出すため冷やした金型を使っているそう
▲型打ちではみ出た石けんは、再利用しまた練りこまれます

石けんは3個ずつ成型されていきます。石けんの完成ですね!と思いきや、まだまだ……。これからはチェック工程を3回続けます。最初こそ機械で傷をチェックするのですが、あとの2回は人の目や感覚によるもの!
▲チェックは素手で。ずっとこの工程に携わっている方も、無添加石けんなので手が荒れにくいそう

機械でチェックしたあと、まず人の目で小さな傷などがないかチェックします。そして包装されたあとと3個入りの箱に詰められたあと、それぞれ無作為に選んだ石けんを開封し、傷がないかチェックしていきます。

無添加石けんのパイオニアとなるまで

「無添加」として有名な「シャボン玉石けん」。この無添加という言葉を、食品以外で使用したのはこちらが初めて。
体や身の回りの物を洗う「洗浄剤」は「石けん」と「合成洗剤」の2つに分類されます。筆者は石けんが固形で合成洗剤が液体?くらいに考えていましたが、実は原料、製法、成分すべて違います。石けんの製法は前述した通り。ここでは原料と成分の違いについてちょっとだけご説明。
▲3個入りの箱に詰められた石けん

石けんの原料は、牛脂・パーム油・米ぬか油などの天然油脂だけであるのに比べ、合成洗剤はそれに石油が加わります。また、石けんの成分は、「脂肪酸ナトリウム」「脂肪酸カリウム」の2種類のみ。それ以外の成分が含まれているものは合成洗剤になる、というワケです(家庭用品品質表示法に基づく表示)。
▲最後のチェックの様子。開封した石けんも品質には支障ないため再度溶かして新しい石けんへ

そして、箱の「無添加」の表示。最近の洗浄剤には無添加の表示があるものも多いですが、香りが強いものもあると思いませんか?
実は、数ある添加物のうち、添加物が1種類でも入っていないものがあれば「無添加」って謳えるんですって!だから無添加と書かれた商品の中には、酸化防止剤は入っているけれど香料だけが無添加、逆に香料は入っているけれど酸化防止剤だけは無添加、というモノもある、ということです。ショーゲキ!

まずは工場見学で石けんを知って、使っている洗浄剤を見直してみよう

実は筆者の旦那さんと子どもはアトピー性皮膚炎なんです。ゆえに、こちらの「シャボン玉石けん」のヘビーユーザー。であっても「何がいいのか」「どんな成分なのか」ということは深く考えていませんでした……。「無添加」という言葉で、何となくいいんだろうなぁ、という感じで(すいません)。

筆者と同様、洗浄剤を「無添加」だからと選んでいるなら、まず裏面を見てみてください。蛍光増白剤や防腐剤、安定化剤……。何かの成分が無添加なだけで、他には色んな成分が入っているかもしれません。
▲工場見学は1名からでもOK!少人数でも他の団体と一緒に見学の対応可能なので、まずはお問合せを
▲工場見学では、「シャボン玉石けん」の商品をお試しできる手洗いスペースもあります

「シャボン玉石けん」は石けん成分のみ。台所用石けん、手洗い石けん(泡タイプ)、洗濯用石けん(粉・液体とも)など、合計100以上もの商品がありますが、石けん成分のみ、正真正銘の無添加。だから、手洗い石けんで洗顔しても、ボディソープで髪の毛を洗うこともできるそう!
▲天然油脂も写真で紹介。石けんづくりために原料を新たに伐採することはありません

商品は用途や目的に応じて、原料の油脂を使い分け。例えば、浴用石けんには洗浄力が強く肌へのなじみが良い牛脂を、敏感肌の方やベビーソープ用には、低刺激で保湿性に優れたアボカドオイルやシアバターを……という感じ。他にも泡立ちが良いパーム油、肌へのなじみの良いオリーブオイルなども使われています。原料油脂と配合比率、品質を変えて作っているんですね。
例えば、こちらの「オーガニックオリーブソープ」。オレイン酸を多く含むスペイン産のオリーブオイルでしっとり仕上げています。洗顔用オリーブソープ(60g 1,620円)やボディケア・ヘアケア・ハンドケア・クレンジングなど多用途に使えるオリーブオイル(30ml 2,484円)など

工場見学の最後には、工場内のショップにて「シャボン玉石けん」の商品を購入することもできます。
▲会議室内にある売店。すべての商品が揃います!
▲無添加のシャボン玉石けんを使用した「せっけんハミガキ」(140g 410円、40g 172円)は、刺激が少なくハミガキ後も味覚が変化することがないんです。歯肉炎や歯周炎を予防する「薬用せっけんハミガキ」(80g 518円)もおすすめ
工場見学後は嬉しいお土産も!固形石けん「シャボン玉浴用」1個と「シャボン玉せっけんハミガキ」1本(10g)が全員に。ちなみに固形石けん「シャボン玉浴用」は、言わずと知れた一番人気商品(100g 140円/3個入り421円)。

実は合成洗剤を作っていた?「シャボン玉石けん」の歴史

完全な無添加石けんを製造する「シャボン玉石けん」のこだわりを紹介してきましたが、意外や意外、1973(昭和48)年までは合成洗剤を販売していたんです。

転換したのは、二代目森田光德(みつのり)社長の時。社長自身が肌が弱く、赤い発疹に悩まされていたのだとか。温泉など様々な治療を試みるも一向に良くならない……。ちょうどそのころ、国鉄(現JR)より「合成洗剤で機関車を洗浄するとサビが出るため天然油脂で作った純度の高い石けんが欲しい」という注文が入ります。そこで、純度の高い完全無添加石けんを試作、自宅で体を洗ってみると赤い発疹が収まったのだそう。
無添加石けんの良さと重要性を、その名の通り肌で感じた森田社長は、業績の良かった合成洗剤の販売を止め、無添加石けんへの大幅転換を行いました。もちろん業績は悪化し、100名ほどいた社員も5名になりました。

それでも「健康な体ときれいな水を守る」という企業理念のもと、無添加石けんにこだわり続け、現在では無添加石けんのパイオニアに。国内だけにとどまらず、海外にもファンが多いというのも納得です。
▲会議室の前には、こんな顔出しパネルが!凹凸で、大きく見えるパネルと小さく見えるパネルがあり。女性は小さく見えるパネルをお勧めします……

普段の生活や食事の中に、健康志向が定着して十年ほど経ったでしょうか。今、世の中には自然派が謳われた商品で溢れています。でも、それって本当に体にやさしいの?余計な成分が入っていないの?そんな疑問を持ってみてください。難しいことは考えず、ちょっと遊びに来る感覚で工場見学へ訪れてはいかがですか。昔ながらの石けん作りを目の前で見れば、きっと自分の生活や体を見直すきっかけになるハズですよ。

※工場見学のコースは、予約状況によりルートや順番が変わる場合があります。
※工場内の一部は入場禁止です。取材時は、特別に工場内を撮影させていただいています。
※紹介した商品は全ての方にアレルギーや刺激が起こらないということではありません。
※紹介した商品の金額はすべて税込です。
桑野智恵

桑野智恵

フリーの雑誌ディレクター/ライター。福岡生まれ、福岡育ちの博多女。3つの出版社を渡り歩き、雑誌編集歴20年弱。食育アドバイザー、フルーツ&ベジタブルアドバイザー。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報は直接取材先へお問い合わせください。
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