「シャボン玉石けん」の工場見学で知る無添加の定義!“本当”の無添加石けんのヒミツとは
みなさん、石けんって何を使っていますか?健康志向の昨今、「無添加」のものを選んでいる方も多いのではないでしょうか。その無添加石けん、もしかしたら“自分が思う無添加”じゃないかもしれません。レトロなCMとキャラクターが可愛い「シャボン玉石けん」の工場見学で、本当の無添加の定義と、無添加石けんのヒミツを探ってきましたよ!


石けんと合成洗剤の違い、石けんの作り方……意外と知らなかった石けんのアレコレ

会議室で、まずはシャボン玉石けんの紹介ビデオを5分ほど視聴、また石けんと合成洗剤の違いなどの説明を聞きます。これが本当に「へぇ~!」の連続!内容は工場見学の様子と合わせてご紹介します!目からウロコのヒミツがたくさんですよ。

石けんって“あの香り”じゃない?石けん本来の香りを実感!

石けんの製法は主にケン化法・中和法の2通り。石けんの原料である脂肪酸に苛性ソーダ・苛性カリウムを加えていく中和法が一般的で、完成までの所要時間は4~5時間ほどです。

一方ここ「シャボン玉石けん」では、ケン化法で製造。これ、何が違うかというと、まず最初の原料から。天然のグリセリンが取り除かれていない、牛脂・パーム油・米ぬか油などの天然油脂を使用しているんです。だからケン化法では完成までに約1週間~10日間かかるそう!!
天然のグリセリン(=保湿成分)が残る製法だから、洗った後にツッパリ感のない、肌にやさしい石けんが出来上がるんですね!

そこでわかりました!工場で最初に感じた香りの正体、天然油脂です!石けん本来は、こんな香りなんだ!と新発見。

工場見学では、原料を1週間炊き続ける「ケン化釜」を見ることができます。11あるこれらの釜を管理するのが、4名の職人の方々。
管理ってただ釜で炊いているだけでしょって?いやいや!驚くなかれ。石けん作りのキモというべきこの工程、湿気などのその時々の状況に応じてかすかな変化が表れる繊細な部分。職人さんは目、音、香り、触感、味(!)の五感でチェックして、微調整しているんです。
最後の仕上げには食塩を入れるのですが、これは職人さんによる手作業。前述したように、チェックする方法の一つとして、「味見」があるのも驚き!舌でピリッとした刺激がないか確認するのだそう。「釜炊き十年」と言われるほど、釜炊きには技術が必要なんですって。口に入れても大丈夫な石けん、というだけでも安心な気がしますよね。


さて次は工場2階に移動。こちらでは、できた「石けんチップ」を機械で押し出し、金型で成型、包装する様子までを見学できます。今回は特別に工場内で撮影させてもらいましたよ!


まずは先ほどの釜に入っていた「石けんのもと」を真空乾燥させて練りこみ、小さくカット。そして小さくカットしたチップをバーの形に押し出します。まるで大きなところてんのよう?
バー状の石けんは、まだ温かく固まっていないため、この通り!ぐにゃりとねじれちゃいます!

柔らかい石けんのバーは、冷やした金型で型打ちされ、見覚えのある石けんの形に……。


石けんは3個ずつ成型されていきます。石けんの完成ですね!と思いきや、まだまだ……。これからはチェック工程を3回続けます。最初こそ機械で傷をチェックするのですが、あとの2回は人の目や感覚によるもの!

機械でチェックしたあと、まず人の目で小さな傷などがないかチェックします。そして包装されたあとと3個入りの箱に詰められたあと、それぞれ無作為に選んだ石けんを開封し、傷がないかチェックしていきます。

無添加石けんのパイオニアとなるまで


石けんの原料は、牛脂・パーム油・米ぬか油などの天然油脂だけであるのに比べ、合成洗剤はそれに石油が加わります。また、石けんの成分は、「脂肪酸ナトリウム」「脂肪酸カリウム」の2種類のみ。それ以外の成分が含まれているものは合成洗剤になる、というワケです(家庭用品品質表示法に基づく表示)。

そして、箱の「無添加」の表示。最近の洗浄剤には無添加の表示があるものも多いですが、香りが強いものもあると思いませんか?
実は、数ある添加物のうち、添加物が1種類でも入っていないものがあれば「無添加」って謳えるんですって!だから無添加と書かれた商品の中には、酸化防止剤は入っているけれど香料だけが無添加、逆に香料は入っているけれど酸化防止剤だけは無添加、というモノもある、ということです。ショーゲキ!
まずは工場見学で石けんを知って、使っている洗浄剤を見直してみよう
筆者と同様、洗浄剤を「無添加」だからと選んでいるなら、まず裏面を見てみてください。蛍光増白剤や防腐剤、安定化剤……。何かの成分が無添加なだけで、他には色んな成分が入っているかもしれません。


「シャボン玉石けん」は石けん成分のみ。台所用石けん、手洗い石けん(泡タイプ)、洗濯用石けん(粉・液体とも)など、合計100以上もの商品がありますが、石けん成分のみ、正真正銘の無添加。だから、手洗い石けんで洗顔しても、ボディソープで髪の毛を洗うこともできるそう!

商品は用途や目的に応じて、原料の油脂を使い分け。例えば、浴用石けんには洗浄力が強く肌へのなじみが良い牛脂を、敏感肌の方やベビーソープ用には、低刺激で保湿性に優れたアボカドオイルやシアバターを……という感じ。他にも泡立ちが良いパーム油、肌へのなじみの良いオリーブオイルなども使われています。原料油脂と配合比率、品質を変えて作っているんですね。

工場見学の最後には、工場内のショップにて「シャボン玉石けん」の商品を購入することもできます。



実は合成洗剤を作っていた?「シャボン玉石けん」の歴史
転換したのは、二代目森田光德(みつのり)社長の時。社長自身が肌が弱く、赤い発疹に悩まされていたのだとか。温泉など様々な治療を試みるも一向に良くならない……。ちょうどそのころ、国鉄(現JR)より「合成洗剤で機関車を洗浄するとサビが出るため天然油脂で作った純度の高い石けんが欲しい」という注文が入ります。そこで、純度の高い完全無添加石けんを試作、自宅で体を洗ってみると赤い発疹が収まったのだそう。

それでも「健康な体ときれいな水を守る」という企業理念のもと、無添加石けんにこだわり続け、現在では無添加石けんのパイオニアに。国内だけにとどまらず、海外にもファンが多いというのも納得です。

普段の生活や食事の中に、健康志向が定着して十年ほど経ったでしょうか。今、世の中には自然派が謳われた商品で溢れています。でも、それって本当に体にやさしいの?余計な成分が入っていないの?そんな疑問を持ってみてください。難しいことは考えず、ちょっと遊びに来る感覚で工場見学へ訪れてはいかがですか。昔ながらの石けん作りを目の前で見れば、きっと自分の生活や体を見直すきっかけになるハズですよ。
※工場見学のコースは、予約状況によりルートや順番が変わる場合があります。
※工場内の一部は入場禁止です。取材時は、特別に工場内を撮影させていただいています。
※紹介した商品は全ての方にアレルギーや刺激が起こらないということではありません。
※紹介した商品の金額はすべて税込です。
シャボン玉石けん
福岡県北九州市若松区南二島2-23-1
[営業時間]月~金曜8:00~19:00、土曜 8:30~17:30
[定休日]日曜、祝日(土曜は要問合せ)
[工場見学時間] 9:30~10:40 、10:30~11:40、13:30~14:40 ※土曜日は10:30~11:40の1回のみ
[工場見学料金]無料
※小学3年生以上、完全予約制(2週間前までに予約)
093-588-5489(工場見学受付専用)
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。
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