佐賀のご当地グルメ・シシリアンライスはアツアツ、ひんやり?シャキシャキ、ジューシー?不思議な食感と味

2019.02.19 更新

佐賀県佐賀市に何とも不思議な食感のご当地グルメがあります。その名は「シシリアンライス」。一見するとサラダのようだけれど……?地元の有名店を訪ね、佐賀市で昔から親しまれているお手軽絶品グルメを実食してきました。

まずは食べてみました。いざ、レトロな人気喫茶店へ

「シシリアンライス」は、佐賀市内の飲食店約40店舗で提供されているメニュー。今回は、「シシリアンライスを通じて佐賀市を元気にしたい!」と活動する市民団体の「佐賀市はシシリアンライスdeどっとこむ」代表の中島丈晴(たけはる)さんと一緒に、1990年代からシシリアンライスを提供している「喫茶アリユメ」に伺いました。1974(昭和49)年に開店して以来、佐賀市民の憩いの場となっている歴史ある喫茶店です。
▲佐賀市中心街にある「喫茶アリユメ」。ビル地下への入り口をお見落としなく
▲昔ながらの喫茶店といった趣き。素敵!
▲「佐賀市はシシリアンライスdeどっとこむ」のオリジナルポロシャツで来てくださった中島さん

役者は揃いました!さぁ「シシリアンライス」を食べに行きましょう~!

シシリアンライスとご対面!

「喫茶アリユメ」は、外観もさることながら店内もレトロでカッコいい!アンティークなテーブルや椅子などの家具に、骨とう品、絵画が飾られていて、さながら美術館のよう。この絵画は季節ごとに替えられるそうですよ。
▲店舗前にはギャラリーも!こちらも「喫茶アリユメ」のスペース
▲店内はノスタルジックな雰囲気が漂います

喫茶と名付けられていますが、食事メニューも豊富。カレーやハンバーグなどの洋食が揃いますが、やっぱり一番人気は「シシリアンライス」(スープ付、800円)!今では訪れる方の半数以上は注文されるそう。すごい!

早速注文し、ほどなくして到着した「シシリアンライス」がこちら。
▲野菜たっぷり!まるでサラダみたい

お皿の中央にこんもりと盛られた、たっぷり野菜とお肉。一見するとサラダのようです……。が、これが正真正銘「シシリアン“ライス”」。

野菜の山をかき分けると……。
ちゃんとライスがありました!

そう、「シシリアンライス」とは、ご飯の上に野菜、お肉、マヨネーズをのせたヘルシーメニューのこと。野菜とご飯とお肉が一緒になったワンディッシュ料理、一体どんな味なんでしょう。

あったかくて冷たくて、シャキシャキでジューシー……?

「シシリアンライス」の定義とは、あたたかいご飯+生野菜+味付けした肉+マヨネーズという、4つの食材から成るもの。その他の細かいルールがないため、店舗によってバラエティ豊かな「シシリアンライス」が味わえます。

「喫茶アリユメ」のものは、その基本形ともいえるTHE・「シシリアンライス」。さぁ、食べよう!とスプーンを手に取りますが、はて?どのように食べるのが正解でしょう……。山を崩さずに裾野から食べ進む?一度全部混ぜてしまう?
▲山の頂上から食べ進む?

ルールも広範ですが、食べ方もしかり。……正解は「好きなようにどうぞ」!
中島さん曰く「混ぜて食べると、シャキシャキの野菜の食感が損なわれてしまうので、ご飯・野菜・肉を一口ずつ一緒に食べるのがおすすめ」だそうです。
▲お肉の照りが……美味しそう~!

食べればびっくり。色んな味わいと食感が口の中で大渋滞!
冷たい野菜のシャキシャキ感、甘辛く味付けられた牛肉の柔らかさ、ほかほかのご飯に肉汁とマヨネーズが染みたしっとり感……。そして、それらがすべて絶妙にマッチ!
▲シシリアンライスはスープ付。大盛りはプラス100円

結論からすれば一言。
「美味し~い!!!」

甘辛いタレとマヨネーズで、野菜もご飯もお肉もどんどんイケちゃいます。野菜たっぷりなのでヘルシーメニューとして女性にも、また野菜がマヨネーズで食べやすくなっているので野菜嫌いのお子さんにも人気だそう。うん、納得!

「喫茶アリユメ」において、シシリアンライスが長年にわたり人気を保ってきた秘密の一因は、佐賀県産を中心とした新鮮食材を使用していることによるもの。日替わりですが常時8種類以上の野菜をふんだんに使用しています。
▲取材日は、レタスやトマトなどなじみのある野菜から、水菜・春菊・トレビス・赤大根なども入っていました

そして、ご飯は佐賀県産のお米「さがびより」を使用!メイド・イン・佐賀を、この一皿でたっぷり味わえるのも魅力です。「喫茶アリユメ」では、その日使用している野菜を黒板に掲示していましたよ。
▲一年を通じて野菜が多く収穫できる佐賀県。取材日も佐賀県産がズラリ

店舗によって味や食材は異なるので一概には言えませんが、いずれの店舗でも基本的には佐賀県産の食材を使用しているようです。喫茶アリユメでは、さすが老舗の喫茶店!と感じさせられる淹れたての「コーヒー」(400円)や「ベイクドチーズケーキ」(単品500円、コーヒーとセットで800円)を一緒に味わうのがお勧めです。濃厚なのに軽い食感のベイクドチーズケーキは、女子必食の美味しさですよ!
▲ベイクドチーズケーキはブルーベリーソースをかけてどうぞ
このほか、佐賀市内では色んな「シシリアンライス」を提供しています。その店ごとに特徴があるので、食べ比べてみるのも楽しいですよ!約40店舗からそのいくつかをご紹介します。

国産牛のローストビーフを使った高級感ある「シシリアンライス」が味わえるのは、旧古賀銀行内にある「浪漫座」。
▲浪漫座の「シシリアンライス」(870円)。デミグラスソースの深い味わいも〇
おしゃれなカフェ「cafe TRES(カフェトレス)」では、無農薬野菜と佐賀のブランド豚のさくらポークを使用したシシリアンライスを提供しています。
▲cafe TRESの「シシリアンライス」(820円)。県立博物館の1Fにあります
「みつせ茶処やまぼうし」の「みつせ鶏とブルーベリーソースのシシリアンライス」(850円)は、照り焼き風みつせ鶏にブルーベリーソースをトッピングした斬新な逸品!
▲甘酸っぱいソースがアクセントに!
その他まだまだたくさん!もっと見たい!って方は「佐賀市はシシリアンライスdeどっとこむ」のホームページをぜひチェックしてみてくださいね。

「シシリアンライス」の誕生はお店の賄いから?

ヘルシーで美味しい「シシリアンライス」、一体どうやって誕生したのでしょう?取材に同伴いただいた「佐賀市はシシリアンライスdeどっとこむ」の中島さんに由来を聞きました。

「もともと、ある料理店の賄いとして1975(昭和50)年頃に誕生したんです。諸説はありますが、この料理を誕生した料理店で働いていた喫茶店店主が『店で出したい』としたことから、佐賀市の喫茶店で提供され始めたと聞いています。残り物の野菜や肉を美味しく手軽に作った賄い料理が『シシリアンライス』の始まりというわけです。」
聞けば料理名も、賄い飯として誕生させた料理店の方が、当時流行っていた映画『ゴットファーザー』の舞台シシリー島から取って名付けたのだとか。

1980年代頃に誕生したグルメが脚光を浴びだしたのは2009年。「第1回九州B-1グランプリ」で佐賀市のご当地グルメとして出場した「シシリアンライス」がシルバーグランプリを受賞したのです。
▲「佐賀市はシシリアンライスdeどっとこむ」の皆さんはボランティア。写真は「第10回B-1グランプリ」(2015年十和田)出場時※写真提供:「佐賀市はシシリアンライスdeどっとこむ」

その後、大会出場チームの思いは「シシリアンライス」を通じて佐賀市を支援する団体に引き継がれ、「佐賀市はシシリアンライスdeどっとこむ」が2011年に誕生。2012年4月4日には佐賀市長を王とした「佐賀シシリアン王国」を建国し、さらに佐賀市のご当地グルメとして「シシリアンライス」をB-1グランプリに何度もエントリーしています。
▲佐賀市が元気になってほしい!と話す中島さん

そのおかげで、佐賀市民のなかでも認知度の低かったという「シシリアンライス」は、今や立派な佐賀市のご当地グルメに昇華したのです。「シシ」の語呂合わせで佐賀観光協会が定めた4月4日の「シシリアンライスの日」も市民に認知されるようになっています。
▲2012年4月4日、佐賀シシリアンライス王国建国!佐賀市長が王に就任されました。※写真提供:「佐賀市はシシリアンライスdeどっとこむ」

「シシリアンライス」を通じて、佐賀市を元気にしたいと言う中島さん。今後もきっとワクワクするような企画が実施されるハズ。佐賀市で「シシリアンライス」を食べればそんな元気が伝わってくるかもしれませんね。

※記事内の価格はすべて税込です
桑野智恵

桑野智恵

フリーの雑誌ディレクター/ライター。福岡生まれ、福岡育ちの博多女。3つの出版社を渡り歩き、雑誌編集歴20年弱。食育アドバイザー、フルーツ&ベジタブルアドバイザー。

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