亜熱帯ジャングルの島。西表島で「SUP」をおすすめしたい理由

2015.10.07

近年、注目を集めている「SUP(スタンドアップパドルサーフィン)」は、運動が苦手な人にもおすすめできるウォータースポーツ。日本最大級のマングローブ林をはじめ、雄大な自然が広がるジャングルの島・西表島でSUPに挑戦した。

▲西表島の雄大な自然に溶け込むにはSUPが一番!(写真:西表島ウォーターマン)

SUPで西表島の大自然に溶け込む

沖縄本島から南西に約500km。島の9割がジャングルで覆われる西表島は、八重山諸島最大の島。滝があり、川があり、海があり、天然記念物のイリオモテヤマネコなどの固有種も多く暮らす西表島を訪れるなら、この島にしかない自然を味わってみたい。
▲西表島は石垣島の離島ターミナルから船で約40分。
八重山諸島に属する西表島は、お隣の石垣島から約40kmの距離にある。石垣島よりも大きな島だが、人口は石垣島の約5万人に対してわずか約2,100人と、人間よりも大自然のインパクトが圧倒的である。
▲国内最大規模のマングローブが広がる
▲イリオモテヤマネコの注意看板
そんな西表島には、自然体験ツアーやアクティビティが多くあるが、筆者は近年注目を集めているSUP(サップ)に初挑戦することにした。

SUP(サップ)とは、スタンドアップパドルサーフィンの略。サーフボードに立った状態でパドルを漕ぐウォータースポーツなのだが、恥ずかしながら筆者はスポーツが大の苦手。サーフィンやダイビングは未知の世界で、軽いアクティビティでも二の足を踏んできた。しかし、ここは自然の宝庫。思い切ってSUP体験を予約した。
▲夜が明けきらない時間の早朝SUPに参加
早朝6時。集合場所に向かうと、数名の参加者が集まっていた。

この日、運動音痴の大冒険をアテンドしてくれたのは徳岡大之(とくおかもとゆき)さん。徳岡さんが代表を務める「西表島ウォーターマン」は、日本ではまだ SUPの存在が知られていなかった2006年に西表島にSUPを導入し、その魅力を広めた老舗。SUP、ダイビング、スノーケリングなどの体験サービスを提供している。

参加者は男女あわせて5人。簡単なストレッチをしながら自己紹介をし、心と体の緊張をほぐした後、オールの持ち方や漕ぎ方、ボードの説明、重心の取り方、足を置く位置など、いくつかのレクチャーを受けて、いざ波打ち際へ。
▲10~15分のレクチャーを受けて初挑戦
おそるおそる水に入り、ボードの上に正座をしてバランスを取ってみる。すぐにぐらぐらボチャン!を想像していたが、思いのほか安定感があって落ちない。少し慣れたところで立ち上がってみると、これまたクリア。

すごい!意外と簡単!と思ったところでボチャン!

パドルを杖がわりに、バランスをとることがコツのようだ。その後はすぐに慣れて、ほとんど落ちなくなった。
▲雄大な西表島を海から楽しめる(写真:西表島ウォーターマン)
朝夕は風が強くないため、初心者に優しい時間帯らしい。普段なら陸から眺めるだけの水面に立っていることだけでも驚きだが、そこを自由に動きまわることができる不思議な感覚。立っているのに疲れたら、ボードに座って休憩できるのも嬉しかった。
▲天気に恵まれれば美しい朝日にも出会える(写真:西表島ウォーターマン)
それから約1時間半、水面をうろちょろ移動しながら、徳岡さんや参加者とのんびり会話を楽しみ、水上散歩を楽しんだ。

水鳥の視点で水面をゆく。西表島SUP最大の魅力とは

体験の途中、西表島でのSUPを強くおすすめしたい理由をいくつか思いついた。

まずは、自分の力で大自然に溶け込んでいけること。西表島にはマングローブを楽しむ遊覧船もあるが、動力付きの船はエンジン音や船による波が自然の音をかき消してしまう。SUPなら自分の力で陸から離れ、水面を漂いながら、リュウキュウアカショウビンやカンムリイワシの鳴き声に、耳を傾けることができる。

次に、いろんな「視点」を楽しめること。水面に立った状態であたりを観察することはもちろん、ボードに寝そべれば水面ぎりぎりから自然を観察することができる。まるで水鳥の視点である。川の水と海水が交わる汽水域ではマングローブや亜熱帯植物を鑑賞し、海では足元に広がるテーブルサンゴを楽しむこともできる。
▲ジャングルに溶け込めるマングローブSUP(写真:西表島ウォーターマン)
そして、スポーツが苦手な人でも挑戦しやすいこと。SUPを見たとき、サーフボードに立つなんて!と思ったが、SUPのボードは専用に開発されているため浮力は抜群。筆者がクリアできたことを考えると、大抵の運動音痴はチャレンジできるはずだ。

おまけに、体幹トレーニングになること。ボードに安定感があるとはいえ、そこは水面。乗っている間はバランスをとり続けているため、体幹が鍛えられるのだ。島の大自然を鑑賞しながら身も心もキレイになっていく。なんと理にかなったスポーツだろうか。
▲ボードの下にひろがるサンゴ礁(写真:西表島ウォーターマン)
▲家族連れでも楽しむことができる(写真:西表島ウォーターマン)
▲水面から眺める朝日(写真:西表島ウォーターマン)

季節を問わず一年中楽しめるSUP

「SUPは10~15分のインストラクションで乗れて、慣れてきたら波乗りやヨガ、釣り、子どもを乗せて楽しむなど、いろんな遊び方ができます」と徳岡さん。

ウォータースポーツは夏場の印象が強いが、西表島では1年中SUPを楽しめるという。「季節によって見える景色は異なります。パドルを漕げば温かくなるので、冬でも遊べますし、慣れている人なら沖縄の北風を利用して波に乗るダウンウィンドという競技も楽しめます。」(徳岡さん)

ダウンウィンドでは、滑り台を乗り継いで行く感覚が味わえるらしい。筆者は運動神経と相談だが、いつか体験してみたいと欲がでた。
▲初夏には幻の花と呼ばれるサガリバナを鑑賞するツアーも開催(写真:西表島ウォーターマン)
「SUPはこの10年ほどで国内の認知度が高まってきました。SUPで楽しめる西表島の魅力はさまざまですが、この規模のマングローブは日本中を探してもここだけ。きれいな海はどこにでもあるけど、このジャングルは西表島だけ。早朝のマングローブSUPは、すべての景色が水面に映しだされます。」(徳岡さん)


東洋のアマゾンとも呼ばれる西表島を満喫するのに、SUPほど理にかなったアクティビティはないかもしれない。
山野かもめ

山野かもめ

文筆家。地域をめぐりながら紀行文を執筆。得意な分野はグルメや伝統芸能など。自然や健康好きだが運動音痴。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報は直接取材先へお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。

こちらもおすすめ

もっと見る
PAGE TOP