【保存版】別府八湯の穴場温泉地・注目の4湯!入ったあなたは別府ツウ!

2019.04.04 更新

おんせん県おおいたを代表する別府は、市内に8つの温泉地が点在。それらを総じて「別府八湯(はっとう)」と呼びます。駅前付近の「別府温泉」、湯煙立ち上る「鉄輪(かんなわ)温泉」などが有名ですが、2度目以降の別府なら、八湯の中でもちょっと穴場な4つの温泉にチャレンジしてみませんか?イチオシの癒し系露天、地元に愛されるシブ系の市営共同浴場など、計4湯をご紹介します。

今回紹介する別府八湯の4つの温泉、イチオシの湯はこちら。

1.堀田(ほりた)温泉の「夢幻の里 春夏秋冬」
2.浜脇(はまわき)温泉の「浜脇温泉」
3.柴石(しばせき)温泉の「柴石温泉」
4.亀川(かめかわ)温泉の「浜田温泉」

1.豚骨ラーメンで言えばあっさり系の白濁湯。堀田温泉の癒し系露天風呂

別府八湯の中で、もっともアクセスが良いのが東九州自動車道・別府ICの近くにある「堀田温泉」。湯布院・日田へと通ずる街道筋にあることから、江戸時代以降に温泉地として栄えたそうです。市街地に下りる県道沿いに市営の共同浴場もありますが、そこを目印に、横の坂道をぐんぐん上って右折。
道なりに進んだ山間にあるのが、一つ目に紹介する立ち寄り温泉施設「夢幻の里 春夏秋冬」です。
▲受付はロッジ風の母屋で
母屋の中は、ジャズが流れるカフェのような雰囲気。湯上りにくつろげる広いロビーのほか、川沿いのテラスもあります。入浴料は中学生以上700円、3歳~小学生以下300円(各税込)。

壁にはここを訪れた著名人のサインがずらりと並ぶ中、平昌冬季五輪で金メダルを取った銀盤の王子のサイン入りポスターもありました。
母屋の裏を流れるのは朝見川の源流。川は別府市街地の南にある浜脇温泉の横を通って、別府湾へと注ぎます。心地よいせせらぎを聞きながら橋を渡ると……。
木立の中に温泉棟が2つ。手前が女湯でその奥が男湯。
入口の横にドンと温泉成分表がありました。泉質は「単純硫黄温泉」。動脈硬化症や高血糖、高血圧などいわゆる生活習慣病やメタボ、さらにお肌のシミ予防やシミ抜きなどの効果も期待できるそうですね。どんな湯なんでしょう、さっそく中に入ってチェック!
▲女湯の「夢幻の湯」

切り石の湯船を満たすミルキーブルーの湯!周囲の木々と苔の緑に囲まれ、とても幽玄な雰囲気です。そして野鳥のさえずりと朝見川のせせらぎ。すでに湯に入らずして、日々のストレスが半減してしまいます。
▲水面近くまでかなり白濁

別府の白濁の湯といえば「明礬(みょうばん)温泉」があります。しかし、あちらほど硫黄の香りを強く感じません。また明礬温泉はPH2前後の強酸性の硫黄泉ですが、堀田温泉は弱酸性。敏感肌の方から「明礬よりも堀田の湯のほうがややマイルド」との声もあるとか。

湯ざわりも明礬温泉はキュキュッとした感じですが、この露天の湯はそれより少し柔らかな印象。わかりやすく豚骨ラーメンで例えるならば、明礬はこってり系、堀田はあっさり系、という感じでしょうか?
▲男湯の「虹の湯」

ほぼ円形で切り石タイプの女湯の湯船に比べ、男湯は横長の岩造り。湯船の奥には石造りのベンチもあってちょっとワイルドな雰囲気ですね。
浴槽の大岩の上を太い配管が走っていますが、この中を通っているのは源泉からの湯ではなく、約110度の温泉蒸気。
その温泉蒸気が湯船の間近で山水と合わさり、程よい温度の温泉水となって湯船にドバドバ―ッと注ぎ、満たし、そのままかけ流しに。このように温泉蒸気に水を通して造られる湯は「噴気造成温泉」と呼ばれ、温泉法上、地中から湧く湯と同様の温泉に分類されます。

別府の他の地域のほか、箱根をはじめ、火山性ガスが噴出する火山地域には、このような温泉がよく見られます。しかも、こちらは湯船に入る直前で生まれる温泉が注がれるわけですから、温泉成分をたっぷり含むうえに劣化もしない、まさにできたてほやほや、超フレッシュな硫黄泉ということになります。かなり貴重ですよ。
温泉蒸気が上るところに温泉地獄の窯あり。はい、こちらの施設にも母屋の軒下にありましたよ。ということは、アレも味わえるはず!
▲「温泉蒸し卵」1個60円(税込)

やはり!しかも温泉蒸気で1日蒸すそうで、卵の殻はもちろん、殻の下の白身まで褐色に。その見た目通り、味わいも実にスモーキー。お塩なしでも十分味わえます。湯上りはもちろん、お土産にもぜひ、どうぞ。

2.早朝から深夜1時まで別府市民を温める別府八湯一の古湯「浜脇温泉」

続いては堀田温泉から車で約10分、別府市街地の東を流れる朝見川沿いの温泉地「浜脇温泉」へと向かいます。その昔、浜から温泉が湧き出たことからその名がついたと言われ、鉄輪温泉と並ぶ別府温泉発祥の地とも言われています。その浜脇温泉を代表する湯が「市営浜脇温泉」。
昭和初期から地元で愛されている湯ですが、平成3(1991)年の都市再開発により、高層マンションとスーパーなどが並ぶショッピングセンターの1階部分に組み込まれた形に。再開発以前は、洋風建築のレトロな雰囲気だったそうです。
当時の様子がショッピングセンター前の広場で紹介されていました。
昭和の頃はレンガのアーチが象徴的な建物だったんですね。ん?このアーチ、どっかで見ましたね~。
あ、広場の入口にありました。レプリカではなく本物のようです。このアーチがあるということは、この先が浴室だった?
そうなんです。この広場こそ、旧浜脇温泉、そして浜脇高等温泉の2つの温泉施設の跡地。
ショッピングモールの2階から見たほうがよくわかりますね。かつての浴室のレイアウトを原寸大で表しながら、往時の記憶を刻んでいるんですね。では、今の浜脇温泉はどうなっているんでしょうか。
一見、公民館の入口みたいですが、中に入ると番台風の受付があり、左手に進むと女湯、右手が男湯となっています。
▲男湯の脱衣所

脱衣所、広っ!浴場はここから階段を下りていきますが、脱衣所と浴場との間に壁やドアが一切なく、なかなか開放感あふれる空間です。JR別府駅前の「駅前高等温泉」や「竹瓦温泉」など、歴史のある共同浴場にはこのような“半地下構造”タイプが多いですね。

しかもそのような浴場の湯はたいてい名湯。別府八湯一古い浜脇温泉も、近代的な建物に収まりましたが、浴場のスタイルは往年のまま。女湯も同様の造りです。
浴場からの眺めはこんな感じ。高い天井に湯をかける“ザブーン”、洗面器の“カランコローン”という音が心地よく響き渡ります。
多彩な泉質に豊富な湯量、さらに源泉温度も熱い別府の湯。浜脇温泉の湯もご多分に漏れず、冬でも源泉温度は60度、それを加水せずに43度まで下げたものを湯船に入れています。

別府市民、特にご年配の方はこのあっちい湯が大好物。しかし、2018年の秋に湯船を二槽構造にリニューアル。窓側は43度のあつ湯のままですが、脱衣所側は40 ~42度のぬる湯になりました。ぬる湯といっても別府市以外の人間にとっては、まだまだあっちいですけどね。
では温泉分析表をチェック。泉質は単純温泉、無色透明無味無臭とあります。クセもなく、毎日入っても飽きないタイプですが、成分表をよく見ると天然の保湿成分メタケイ酸の量が159.0mgもあります。100mgを超えれば美肌の湯と称される中、その1.5倍以上!ということで、美肌効果にも期待大な湯でもあるんです。

そんな湯を朝6時30分から夜中の1時まで、新鮮なかけ流し状態で楽しめて、しかも入浴料は100円(税込)。実にうらやましい限り。
また、隣接する棟の2階には温浴施設「湯都(ゆと)ピア浜脇」もあります。こちらでは浜脇温泉の湯のほか、かぶり湯、気泡浴、打たせ湯、寝湯なども楽しめます(入浴料:大人は510円、子どもは250円※全て税込、営業時間10:00~22:00/最終受付21:00)。

3.血の池地獄の先に湧く傷治しの湯。鎌倉時代からの湯治場「柴石温泉」

続いては、湯煙立ち上る鉄輪温泉を北上すること車で約5分。真っ赤な湯を満たす観光名所「血の池地獄」からは車で1分ほど山間に入ったところにある「柴石温泉」。
県道218号沿いの白い標柱から川沿いの道をずんずん進むと、右手に白壁の建物が見えてきます。これが柴石温泉。手前が受付&休憩所、奥にある一段上の建物が温泉棟です。入浴料は中学生以上210円、小学生以上100円(各税込)。

寛平7(895)年に醍醐天皇、寛徳元(1044)年に後冷泉天皇が療養に来た、さらに鎌倉時代には傷治しの湯として湯治客が訪れたとの記録も残る、実に歴史ある温泉地。しかし現在、この湯が楽しめるのは市営の共同浴場「柴石温泉」だけ。
もともとここ一帯は「藤内(とうない)」という地名でしたが、江戸時代に柴の化石が見つかったことから「柴石」という名前になったそうです。
その柴の化石が共同浴場のロビーに展示されていました。
ロビーに柴石温泉の温泉分析表があったので、まずはそちらをチェック。泉質はナトリウム-塩化物・硫酸塩泉。殺菌効果のある塩化物泉、硫酸塩泉は傷の湯といわれますが、さらに硫黄塩泉は炭酸水素塩泉同様に美肌効果も期待できるそうです。入浴後は肌がしっとりしますが、硫酸塩泉には皮膚の脂分を洗い流す作用もあるそうなので、肌が乾燥しがちな方は、入浴後の保湿ケアもお忘れなく。

では、温泉分析表の前を通って扉を開けて、石段を上って温泉棟へ。左右に2つ棟があり、左が男湯、右が女湯。
内湯は高い天井とむき出しの梁、床と壁の下半分は石造りという、渋さと武骨さを合わせたような世界。洗い場と向き合うような長方形の湯船をやや褐色の湯が満たしています。ここも浜脇温泉同様に二槽に分かれています。窓際の浴槽は43度のあつ湯。
入口手前の浴槽はぬる湯。浜脇温泉のぬる湯よりもやさしい41度ですが当方、あつ湯に慣れている別府市民ではございません。入る際にはどうしても「う~ン、がぁ~ッ!」と唸ってしまいます。でも、しばらくすると熱さに慣れ、全身に心地よいじんわり感。湯ざわりは堀田温泉のそれに近い、柔らかキュキュッな感じですね。
内湯の外には蒸し湯もありました。扉を開けた瞬間、むあっと熱風、中は蒸気で真っ白。床に孟宗竹が敷き詰められていて、その下を約80度の源泉が流れ、室内に温泉ミストを充満させていました。
蒸し風呂の隣には、2~3人が入れるくらいのちょっと小さめな露天風呂もありました。こちらは温泉入浴よりも蒸し湯後のクールダウンを目的に作られたようで、源泉を加水した湯は内湯のぬる湯よりもさらにぬるめに設定。

また、柴石温泉には大浴場のほかに、家族風呂も1室用意されています。
▲最大4人までが利用できる家族風呂。1室60分1,620円(税込)。大浴場同様に床も湯船も壁も石造り
▲濃い温泉成分で湯船の中や床が茶褐色に

大浴場は常に地元の客でいっぱいですから、歴史ある湯をゆっくりと独占したい方は、ちょっと値が張りますが、こちらでどうぞ。しかもこの家族風呂、なかなか縁起のいい湯のようです。その証拠がこちら!
湯船の底にひょうたん、そして盃と、2つの縁起モノが。温泉効能だけでなく運気アップにも期待大ですね。

4.新館で入浴、旧館で歴史散策。亀川温泉のバリアフリー共同浴場「浜田温泉」

さて、最後は別府八湯の中で一番北側にある亀川温泉。JR別府駅から北に2駅先にある亀川駅がその玄関口です。駅前を中心に温泉宿や立ち寄り温泉施設が点在していますが、今回おすすめしたいのは、市営の共同浴場「浜田温泉」。
▲JR亀川駅から徒歩約2分。車いす用のスロープも付いたバリアフリー設計

明治30(1897)年頃、この界隈に温泉が発見され、大正9(1920)年には「浜田鉱泉」という名で浴場ができたそうで、さらに昭和10(1935)年の改築を機に市営温泉となり、現在に至ります。
▲正面玄関に唐破風(からはふ)を備えた宮造りの建物

もともと浜田温泉は道路を挟んだ反対側にありました。しかし、老朽化が進み、平成14(2002)年、昔ながらのデザインを踏襲しながらに現在の場所に移転。つまり、現在の浜田温泉は「新浜田温泉」なのです。

一方「旧浜田温泉」は「浜田温泉資料館」となって残っています。そちらについては後ほどご説明。まずは“新浜田温泉”の湯をチェックしましょう。入口右横にある受付で入浴料100円(税込)を払って、中に入ります。
入って左が女湯、右が男湯。おや?正面の掲示板に「浴槽適温=42度」の張り紙がありますね。一般的に体に負担をかけずにゆっくり入れる温度は40度といわれる中、42度って、なかなかのあつ湯。別府市民、ほんとに熱い湯が好き、そして熱い湯に強いんですね~。
▲男湯

のれんをくぐるとこの景色。この右手に脱衣スペースがあり、しかも浴場との段差もなし。湯船の奥には手すりも設置され、浴場内もしっかりバリアフリー対応。共同浴場にしては広めの湯船ですが、浜脇温泉や柴石温泉のようにあつ湯とぬる湯の二槽式にはなっていません。湯は緑がかっているように見えますが、これは湯船の底のタイルの色で、実際には無色透明です。
脱衣場に掲げられている温泉成分書によりますと、泉質はナトリウム―塩化物・硫酸塩泉。硫酸塩泉も美肌の湯といわれていますが、さらに調べてみると、浜田温泉の湯は天然の保湿成分であるメタケイ酸の含有量が224mg。先に美人の湯と紹介した浜脇温泉よりも多い、そう美肌効果への期待も一層上がります。
浴場の天井は吹き抜けになっていて、とても開放的。建物の外から見たときは2階建てかと思いましたが、平屋作りだったんですね。
そんな「新浜田温泉」の湯を楽しんだ後は、ぜひ真向かいに立つ旧浜田温泉こと「浜田温泉資料館」へ。入場無料で見学できます。
▲「浜田温泉資料館」。唐破風玄関の上に千鳥破風をのせた重厚な外観

実は新浜田温泉が建設された翌年の平成16(2004)年、旧浜田温泉は一度解体されたそうです。しかし、とある市民の多額な寄付により、平成17(2005)年、解体時の部材を再利用しながら昭和10(1935)年の建築当時の姿に見事復元!別府に現存する木造温泉建築としては一番古いそうで、国の登録有形文化財にも認定されています。
中に入ると浜田温泉をはじめ、別府八湯に関する資料を展示するコミュニティーフロアがありました。明治、大正、昭和の別府写真や観光パンフレットなど、多岐にわたって紹介されています。
フロアの左手には、別府八湯の湯処を示した大きな温泉マップもありました。その先が吹き抜けになっていますね。近づいて、下を見ると……。
遺跡!?いいえ、こちらは旧浜田温泉の男湯です。昭和10(1935)年~平成14(2002)年まで利用されていた半地下の浴室が大事に残されているんです。
浴場への階段も残っているので、浴室、湯船の中に入って見学もできます。ちなみに先ほどのコミュニティーフロアは女湯の上に増築されたもので、男湯のように女湯も当時の姿で残されているそうです。

ひょうたん型の湯船の奥に、入口のようなものが見えますよ。入ってみましょう。
パチンと電気をつけると、そこに6畳ほどの小部屋が。どうやらここは蒸し湯だったようですね。

浜田温泉資料館にはスタッフが常駐しています。中には旧浜田温泉を利用していた方も。希望者には浴室の解説もしてくださるそうですよ。
ということで別府八湯の中でも穴場的存在の「堀田温泉」「浜脇温泉」「柴石温泉」、そして「亀川温泉」を代表する4湯をご紹介しました。どれも泉質がよく、風情のある温泉で、利用する地元の方の思いと共に湯の温度も非常に熱かった!

ちなみに他の別府八湯はもう体験しましたか?まだの方は別府温泉なら「竹瓦温泉」、鉄輪温泉なら「ひょうたん温泉」、観海寺温泉なら「杉乃井ホテル」、そして「明礬温泉」なら「みょうばん湯の里」あたりを攻めてはいかがでしょうか?
山田誠

山田誠

新潟県十日町市生まれ、現在は福岡県福岡市在住のフリー編集者・ライター。九州の宿や温泉、飲食、雑貨系のショップ、さらに漁村、農村、道の駅など、暮らしと休日に関わるスポットをほぼ毎月、年間150軒以上を取材。取材後は必ず近隣の直売所で地元食材を買って帰る。1児の父。

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