長崎のご当地グルメは「ちゃんぽん」だけじゃなかたい!せっかく行くなら絶対食べるべき10品

2019.04.13 更新

江戸時代、200年以上にもわたって鎖国状態にあった日本ですが、唯一外国との貿易が許されていたのが長崎・出島です。出島から様々な異文化が入ってきた長崎県には、現在に至るまで独自の食文化が根強く残っています。明治時代に舶来港として栄えた長崎や、軍都・佐世保などで生まれた海外をルーツとするグルメも多数。今回はそんな長崎県に行ったら食べるべきご当地グルメの数々をご紹介します。

▲長崎グルメといえば何を思い浮かべる?

1.全国に知れ渡る「ちゃんぽん」を、発祥の地・長崎で食す!

今や全国で愛される麺料理となった「ちゃんぽん」。その名を聞いたことがない人はいないはず。長崎といえば、そんなちゃんぽん発祥の地としても有名ですよね。

しかしこのちゃんぽん、どうやって生まれたのか、その起源についてはあまり知られていません。
▲ちゃんぽん発祥の店、老舗中華料理店「四海樓(しかいろう)」のちゃんぽん

「ちゃんぽん」が生まれたのは、明治時代後期のこと。遠く中国大陸から長崎に渡ってきた中華料理店「四海樓」の初代店主が、同郷の華僑や留学生の食生活を助けるために作った「支那饂飩(しなうどん)」という料理が原型だといわれています。もともとは福建料理の「湯肉絲麺(とんにいしいめん)」を日本風にアレンジしたものでした。
▲創業当時の「四海樓」。看板には「清国料理四海樓饂飩元祖」の文字が

ボリュームもあり、野菜たっぷりで栄養満点の「支那饂飩」は、たちまち評判になり、店で提供を始めると長崎の中華街で広まっていきました。
▲現在の「四海樓」。まるでホテルのような佇まい

その後「支那饂飩」は「ちゃんぽん」という名称に変わります。

当時、華僑や留学生が親しい人に出会った時、こんにちはと同じくらいの感覚で「吃飯(シャポン ※ご飯は食べたか?の意味)」と聞いていたのだそうです。これを聞いた日本人の「シャポン」の発音が次第に「ちゃんぽん」となり、料理名としても定着していきました。
▲ちゃんぽんの調理の様子。四海樓では休日に約1,000名分(キャベツ200kg!)のちゃんぽんが作られる

そんな元祖のちゃんぽんですが、四海樓では今も当時と変わらぬ味を守り続けています。
その味わいは、思ったより “こってり”ではなく、それでいて“あっさり”でもない。鶏から丁寧にとった、上品で雑味のないスープです。そこにキャベツの甘み、エビやイカの海鮮の出汁、豚肉の脂の甘み……、そのいずれもが味わえ、余計な調味料が入っていないことをダイレクトに感じることができます。

なお、長崎県内には長崎市内で食べられる「長崎ちゃんぽん」だけでなく、島原半島で食べられる「雲仙ちゃんぽん」や「小浜ちゃんぽん」など、地域によって特徴のあるちゃんぽんを楽しむことができます。ちゃんぽんの本場長崎県を訪れたなら、ぜひ色々な地域のちゃんぽんを食べ比べてみてください。

2.これはマスト!多種多様の「長崎カステラ」を食べ歩く

▲カステラといえば、このスタンダードなフォルム

16世紀半ば、ポルトガルから長崎へもたらされた「カステラ」。もともと、スペイン誕生の元になったカスティーリャ王国で生まれたお菓子です。日本に渡来したポルトガル人が、このお菓子のことを「ボロ・デ・カステラ(=これはカスティーリャ王国のお菓子だ)」と言ったことから「カステラ」という名前で伝わったとされています。
▲寛永元(1624)年創業の老舗「福砂屋」のカステラ

長崎市に伝わった「カステラ」はその後、各和菓子店が作るようになり、今なお愛されるお菓子「長崎カステラ」として独自に発展・進化しています。

現在では、「カステラ本家」として商標登録を有する老舗「福砂屋」をはじめ、県内では百数十店舗がカステラを製造しています。卵、小麦粉、砂糖……と原料はいたってシンプルですが、素材や製法の違いにより老舗毎に味わいも異なります。
▲長崎と福岡でしか食べることができない「松翁軒(しょうおうけん)」のカステラ
▲新進気鋭の名店「和泉屋」の創作カステラ

通常の「長崎カステラ」はもちろん、カステラにチョコレートをコーティングした「長崎しよこらあと」や、カステラをラスクにし、4種類のチョコレートをかけた「恋するラスク」などを手がける革新派の「和泉屋」など名店揃いの長崎で、ぜひ本場・長崎カステラの食べ比べを楽しんでみてください。

3.大人のお子様ランチ「トルコライス」は食べなきゃ損!

▲長崎市の洋食店「ニッキー・アースティン」の「ポークカツがメインのトルコライス」

ピラフとスパゲッティ、トンカツがひと皿に盛られた長崎っ子なら知らぬものはないご当地グルメ「トルコライス」。長崎市内の洋食店や喫茶店でおなじみの一皿です。
▲週末のランチタイムは行列ができることもあるニッキー・アースティン。トルコライスの代名詞的存在のお店

トルコライスという名前ですが、トルコ料理ではありません。一説によると中華のピラフ、和食のトンカツ、洋食のスパゲッティという3つの食文化のミックス感が、東西の文化が交わるトルコに通じるということでこの名前が付いたそう。
※3つの色を意味する「トリコロール」がなまって「トルコ」になったという説も有り
▲ニッキー・アースティンの「白いご飯にカレー、ドライカレースパゲッティにチキンカツがメインのトルコライス」。トルコライスの原点とも言えるメニュー

“ピラフ、ナポリタンスパゲッティ、デミグラスソースがけのトンカツ”がトルコライスの基本形ですが、ニッキー・アースティンではカレーライスやハヤシライス、カレー味のスパゲッティ、チキンカツやコロッケなど変化球トッピングも豊富。なんと180以上ものトルコライスメニューが揃うというから驚き!

“大人のお子様ランチ”として今や旅行者にも根強い人気を誇るトルコライス。ぜひ一度食べてみてください。

4.地元ではちゃんぽん以上に愛されている!?麺料理「皿うどん」

▲ちゃんぽんを考案した「四海樓」の初代店主が考案したメニュー「皿うどん」

長崎で人気を博したちゃんぽんですが、出前する際、どうしてもスープがこぼれてしまうといった問題がありました。その解決策としてできたのが、麺にスープを吸わせる皿うどんだといわれています。ちゃんぽん同等、もしかしたらそれ以上に長崎で愛されている麺料理です。
▲長崎新地中華街を代表する名店「中国菜館 江山楼(こうざんろう)」の皿うどん

ちゃんぽんと同じ材料をスープと絡め、トロトロに煮詰めた餡が特徴の皿うどん。皿うどんといえば、パリパリに揚げた細麺やもっちりとした太麺にこのアツアツの餡をたっぷりかけていただくのが王道のスタイルです。
▲江山楼では味変にソースではなく、皿うどん用のお酢「ソー酢」を入れる

提供された状態のまま食べ進んでも充分美味しいですが、長崎では皿うどんにウスターソースをかける方も多いそうです。最初にかける人もいれば、途中で加え、味変を楽しむ方も。

お店によって盛られる具が違ったり、餡があったりなかったりと、様々な味がある長崎の皿うどん。ぜひ食べ歩いて違いを楽しんでみてください。

5.和・洋・中のテイストが融合した郷土料理「卓袱料理」

▲「史跡料亭 花月」の卓袱(しっぽく)料理フルコース

鎖国が敷かれた江戸時代、長崎だけはオランダやポルトガル、中国などと貿易が許されていました。様々な文化が入ってくる中で誕生したのが、和・洋・中のテイストが融合した「卓袱(しっぽく)料理」。当時は日本の「和」、中国の「華」、オランダの「蘭」が交わってできたことから「和華蘭(わからん)料理」とも呼ばれていました。

卓袱料理は「御鰭(おひれ)」という鯛の胸鰭(むなびれ)が入ったお吸い物から始まります。これには「お客一人に対して鯛一尾を使ってもてなす」という意味が込められています。
▲卓袱料理では必ずいただく「バスティー」

また料理の途中でいただく「バスティー」という食べ物も独特。語源はポルトガル語の「PASTA(パスタ)」といわれています。スープを器に入れて、編み目状に生地をのせて焼いた料理のことで、生地を崩してスープに浸しながらいただきます。
卓袱料理のフルコースは、御鰭で始まり、お造りや湯引き、三品盛(前菜)、大鉢など約15品。最後は、梅椀(お汁粉)で終わるのが一般的です。シュガーロードの起点だった長崎では、当時貴重だった砂糖をふんだんに使うことこそ、最上級のおもてなしだったんですね。

鎖国の時代に思いを馳せながら、贅の限りを尽くした卓袱料理。現在では料亭「花月」など、郷土料理として出しているお店もあるので、グループで食べにいくと良いでしょう。

6.甘党なら必食すべし!「食べるミルクセーキ」

▲長崎の和菓子屋 「和風喫茶 志らみず」のミルクセーキ

牛乳に甘味料などを加えて作るミルクセーキですが、長崎のミルクセーキは、似ているようで全く非なるもの。長崎のそれはまるで“アイスクリーム”?といえるほど、冷た~い“食べ物”なんです。

お店によって味は様々ですが、アイスクリームと比べると、同じ卵や乳製品を使っているわりに後味がスッキリしているのが特徴です。
▲食べるミルクセーキ発祥の店「ツル茶ん」の「元祖長崎風食べるミルクセーキ」

もともと「ミルクセーキ」はイギリスの「エッグノッグ」という卵と牛乳を使ったカクテルから考案されたと言われています。

日本に伝わったのは幕末の頃。“飲み物”としてやってきました。しかし、坂道の多い長崎の市街地を、毎日上り下りして大汗をかいている長崎人のために、「ツル茶ん」の店主が氷を加え、アイスクリームのようにアレンジしたのがきっかけと言われています。
▲九州初の喫茶店として開店した「ツル茶ん」は、トルコライスも絶品

路面電車が行き交う長崎の街、東へ西へ、坂道・階段を上って下りて……と観光スポットを巡ったら、ぜひ長崎流の食べるミルクセーキで喉の渇きを潤してみてください。暑~い夏場なんてもう、最高ですよ!

7.約60年変わらぬ味!「ちりんちりんあいす」を食べながら眼鏡橋周辺をお散歩

長崎タウンのシンボルのひとつであり、東京の「日本橋」、山口の「錦帯橋」と並んで日本三名橋に挙げられる「眼鏡橋」。長崎に初めて行くなら無条件でおすすめしたい人気の観光名所です。

そんな眼鏡橋近くで小さな青い屋台をみかけたら、ぜひ立ち寄ってください。長崎名物「ちりんちりんあいす」を購入することができますよ。
▲バラの形をしている「ちりんちりんあいす」は写真映え抜群!(混雑状況や売り子さんによっては作れない場合もあり)

「ちりんちりんあいす」とは、昭和35(1960)年に移動販売を開始した「前田冷菓」のオリジナルアイスのこと。創業当初は、紙芝居や豆腐、野菜などの行商屋台と同じく、ちりんちりん♪と鐘を鳴らしながら売り歩いていたため、その名が付いたといいます。

いまでこそ鐘は鳴らしていませんが、材料も作り方も、味わいも昔のまま。後味さっぱりの氷菓です。
▲屋台に掲げる通り、1個わずか37kcal!人口甘味料不使用の身体にやさしいアイス

シャーベットのようで口どけ感はまるでアイスクリーム。ちりんちりんあいすの醍醐味とも言うべき、企業秘密の独自製法から生まれるなめらか食感をぜひ味わってみてください。

8.日本を代表するご当地バーガーの聖地!佐世保で「佐世保バーガー」にかぶりつく!

▲長崎和牛100%の分厚いパテが食欲をそそる「バーガーショップ あいかわ」の「AIKAWAスペシャルバーガー」

長崎県第二の都市で、佐賀県にもほど近い佐世保市。「ハウステンボス」や「九十九島(くじゅうくしま)」の大絶景など、数々の観光スポットに溢れ、多くの観光客が訪れています。この佐世保を旅する上で忘れてならないのが、ご当地グルメの先駆け的存在と言われる「佐世保バーガー」。
▲某有名チェーン店のバーガー(左)に比べると1.5倍もある「ハンバーガーショップ ヒカリ」の「ジャンボチキンバーガー」(右)

昭和25(1950)年頃、佐世保に駐留した米海軍関係者が、アメリカのソウルフードであるバーガーのレシピを伝えたことから、佐世保市は「ハンバーガー伝来の地」になったともいわれています。

今やバーガーは佐世保市民のソウルフードですが、どこのお店でもだいたい、甘めのマヨネーズ“甘マヨ”をぬっているのが特徴です。
▲「ハンバーガーショップ ヒカリ」の「特製ヒレカツバーガー」

「佐世保観光情報センター」によると、佐世保バーガーの定義は
1.作り置きでなく注文を受けてから作り、お客様に出来立てを提供すること
2.できるだけ地元の食材を使うこと
だそう。

2の内容からも読み取れる通り、具の種類に関しては特に制限がないので、チキンやヒレカツ、和牛を使ったバーガーなど、あらゆるスタイルが存在します。当然ながら味も食感も様々なので、ぜひ市内に30ほどあるいろんなお店の味を食べ比べてみてください。
▲イオン佐世保白岳店の通りを挟んだ迎えにある「Stamina本舗 Kaya(伽倻)本店」は行列ができる佐世保バーガーの人気店

なお、米海軍佐世保基地の数百m前にある「ハンバーガーショップ ヒカリ」や、隣の建物の2階にあるバーガー店「ログキット本店」など週末になると行列が絶えないお店ばかりですので、人気のお店に行く場合は、ある程度時間に余裕をもって行動した方が良いでしょう。

9.レモンが効いた照り焼きソースが癖になる!「レモンステーキ」

▲「下町の洋食 時代屋」の「レモンステーキセット」

佐世保のご当地グルメを語る上で外せないのが、熱々の鉄板の上で、ジュージュー音をたてながらテーブルへと運ばれてくる「レモンステーキ」。

佐世保市の飲食店がメニューの人気度を競う「させぼご当地グルメ総選挙2013」のフリーエントリー部門で最多投票数を獲得し、金賞を受賞した人気メニューです。
▲お肉を1枚取りライスを巻いて食べるのが“時代屋”流

レモンステーキが誕生したのは昭和30年代後半。外国人客が多く通っていたお店で醤油ベースの照り焼きステーキが評判となり、そのソースにレモンを絞ってみたらさっぱりするのでは?というアイデアから生まれたそう。
▲余ったソースにご飯を投入して食べると最高においしい!

「日本のすき焼き」「韓国の焼肉」「アメリカのステーキ」が三位一体となったようなハイカラな一皿。古き良き昭和の時代に思いを馳せながら食べてみてください。

10.湧水に磨かれた清らかな甘味「かんざらし」を味わう

▲島原市内には約50カ所の湧水ポイントがあり、その湧水量は1日22万トン

長崎市から東におよそ40km。島原半島にある島原市は、古くから湧水に恵まれ「水の都」と呼ばれてきました。生活のすぐそばに豊富な水がある風情ある街並みや島原城を目当てに、多くの観光客が訪れています。
▲市内に湧き出る水の透明度は驚くほど高い
▲地元で愛される「しまばら水屋敷」の「かんざらし」

そんな湧き水のまち島原で味わうべきご当地グルメこそ、家庭でも作られていたという名物甘味「かんざらし」です。

「かんざらし」とは、もち米が原料の寒ざらし粉で小さな団子を作り、熱湯でゆでたものを湧水で冷やして、蜜をかけたもの。冷水にさらす時間は2~3時間程度。大量の冷たい流水が必要なことから、湧水が豊富な島原の名物となりました。
▲「しまばら水屋敷」には、湧水で点てた抹茶も一緒にいただける「かんざらしお抹茶セット」も

初めてかんざらしを食べる人におすすめしたいのが、島原市の中心地にある一番街アーケード内「しまばら水屋敷」。こちらのかんざらしは、甘さ控えめで粒が小さいのが特徴です。また、市内には「かんざらし」を提供するお店がいくつかあり、味つけや団子の大きさはそれぞれ異なります。
▲明治時代の木造建築を茶屋として再生させた「しまばら水屋敷」の外観

柔らかくて素朴な甘みがするかんざらし。冷たい湧き水に浮かぶ姿は涼やかで、市内を歩き回った後にさっぱりといただきたい一皿です。
せっかく行くなら食べるべき長崎のご当地グルメ10選、いかがでしたか?ちゃんぽんやカステラなど「あ、これは知ってる」というものや、「全然聞いたことなかった!」というものもあると思います。名前を知っていてもやはり本場の味は違うもの。これまで食べたことがあるものはもちろん、長崎らしいご当地グルメも、ぜひ現地で味わってみてください!
ぐるたび編集部

ぐるたび編集部

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