まぐろラーメンにまぐろ舵取り丼!?マグロの町・いちき串木野で必食のご当地マグログルメ3選
東シナ海に面する鹿児島県いちき串木野市。ここはマグロの町として有名で、GWには「まぐろフェスティバル」も行われます。また、マグロを使ったご当地グルメも人気で、なんと「まぐろラーメン」や「まぐろ舵取り丼」と名付けられたメニューまでバリエーションも様々。今回は、いちき串木野市の絶品マグログルメから3つご紹介します。

古くからマグロの遠洋漁業が盛んで、かつてはいちき串木野の漁港ではたくさんのマグロが水揚げされていました。いちき串木野での水揚げが減った現在も、市町村別遠洋マグロ漁船隻数は日本一(出典:鹿児島県漁業協同組合連合会)を誇り、マグロはいちき串木野を代表する特産品であり、マグロのご当地グルメは観光客を惹きつけてやみません。
というわけで、そんなご当地マグログルメの数々をご紹介するため、いちき串木野市を訪れました。
いちき串木野のマグログルメの代表格「まぐろラーメン」を実食!

まぐろラーメンは、いちき串木野市を代表するご当地グルメ。マグロを使ったラーメンとは、一体どんなラーメンなのでしょうか。さっそく注文してみましょう。

運ばれてきてビックリ!何とチャーシューの代わりにマグロの漬けがのっています。スープは透明な琥珀色で、見るからにヘルシーなイメージです。生のマグロのインパクトに圧倒されつつ、恐る恐るマグロの漬けをパクリ。


麺はスープが絡みやすい中太の縮れ麺で、つるっとしていて喉越し抜群!それもそのはず。この麺は、まぐろラーメンのために開発された特製の麺なんです。まぐろラーメンを提供している市内の飲食店7店舗で、同じ麺が使われています。
まぐろラーメンは、鹿児島県のご当地グルメの先駆け的存在で、2002(平成14)年にみその食堂の二代目店主(現会長)の勘場明(かんばあきら)さんを中心としたいちき串木野の飲食業組合が開発しました。
まぐろラーメンの定義は、「スープにマグロの頭を使うこと」と「加盟店共通の麺を使うこと」の2つだけ。みその食堂はマグロの漬けをトッピングしていますが、マグロのステーキや竜田揚げをトッピングしているところもあり、各店舗でまったく違う味わいを楽しめます。

みその食堂のまぐろラーメンは、琥珀色の透明なスープにこだわって開発されました。マグロの頭はそのまま煮ると魚臭さが気になるため、試行錯誤の末、一度焼いてから煮込むことで問題を解消したそう。鰹節や昆布、野菜類とともにじっくりと煮込むと、淡麗で上品な味わいのスープが出来上がります。
このスープはそのままでももちろんおいしいのですが、途中で別皿についてくるワサビを投入すると、おいしさが倍増します。あっさりとしたスープにワサビの風味がピリリと効いた大人味のスープは、飲み干してしまいたい衝動に駆られますが、そこをぐっと堪えてスープは残しておきます。なぜなら、このあとみその食堂おすすめのお楽しみが待っているからなんです。




勘場さんは、元マグロ漁師。みその食堂のまぐろラーメンは、船上で食べていた「漬け茶漬け」をヒントに開発したという経緯があるため、ごはんとの相性も抜群というわけです。
「ラーメンもごはんも食べたらカロリーが心配」という方もご安心あれ。みその食堂のまぐろラーメンは、スープの材料も含め魚と野菜しか使用していないので、ローカロリーでとてもヘルシー。おいしいだけでなく、体にもやさしいラーメンなんですよ。

昔ながらのラーメン屋 みその食堂
鹿児島県いちき串木野市別府4285
[営業時間]11:00~15:00(L.O.14:30)、17:00~22:00(L.O.21:30)、土・日曜・祝日11:00~22:00(L.O.21:30)
[定休日]不定休
0996-33-6321
ボリュームたっぷり、希少部位を楽しめる「まぐろ舵取り丼」


運ばれてきたのは、マグロの赤身と唐揚げがのった丼。唐揚げには甘辛い香りを放つ餡がかかっていて、見るからにおいしそうです。ではさっそくいただきまーす!

この唐揚げこそ、舵取り丼の主役なんです。使用しているのはマグロの尻尾の少し手前の「尾身(おのみ)」と呼ばれる部分で、マグロは泳ぐ際にここを動かして舵を取ることから、舵取り丼の名がつけられました。

尾身は処理に手間がかかる上に身も少量しか取れないため、通常は捨ててしまう部位なのだそう。でも、世界的にマグロの需要が高まりをみせる今、獲ったマグロを余すことなく使い切るというのはとても大切なことですよね。
尾身は生では食べられないため、加熱調理がマスト。ぎおんでは丁寧に削り取った尾身をたれに漬け、唐揚げにしてオリジナルの餡を絡めていますが、そぼろにしている店舗もあるそうですよ。まぐろ舵取り丼には、「尾身を使った丼」というシンプルな定義しかないので、店舗によってまったく違う料理を楽しめます。


特製餡のレシピは残念ながら「企業秘密」とのことですが、他の加盟店とは違う味を追求して作ったそうで、焼き肉のたれのような甘辛い味わいです。さらに「自分自身がマグロの刺身が好きだし、ひと目でマグロの丼だとわかるように漬けもトッピングしました」と河原さんは話します。

常連さんの名前がついた定食があることからも、いかにぎおんがこの町で愛されているのかが伝わってきます。そんな「町の定食屋」を目がけて訪れる遠方からのお客さんも少なくありません。その理由の一つが「舵取り丼」なのです。
ぎおんの舵取り丼は、まさに後を引くおいしさ。ボリュームたっぷりで男性も大満足間違いなしですよ!
味処 ぎおん
鹿児島県いちき串木野市湊町1-150
[営業時間]11:00~14:00、17:00~23:00(L.O.22:30)
[定休日]日曜、祝日、第4水曜
0996-36-3319
超ビッグな希少部位を豪快にいただく「まぐろ大かま焼き定食」

ここではマグロの海鮮丼やお刺身定食など、さまざまなマグログルメを楽しめますが、観光客にひときわ人気のメニューがあるんです。

それがこちらの「まぐろ大かま焼き定食」です。主役は何といってもマグロ1匹から2つしか取れな大かまの塩焼き。写真ではサイズ感が伝わりづらいかもしれませんが、この大かまの長さは20cmほど。大かまがのっているお皿が、通常は3~4人前のお刺身盛りに使うようなサイズのお皿なんです。
運ばれて来た時点で辺りに香ばしい匂いが立ち込め、食欲中枢を刺激される筆者。マグロは生で食べることが多いので、塩焼きというのも新鮮です。ではレモンを絞って、さっそくいただきましょう。


それだけでなく、部位によって微妙に食感や味わいが違うのも驚きです。表側はさっぱりしていましたが、骨の間にある身はツルンとしていてジューシーな味わい。かなりのボリュームですが、最後まで飽きずに食べられますよ。

マグロのお刺身ももちろんついてきます。こちらはマグロの中でもさっぱりとした味わいのキハダマグロのお刺身。透き通った赤い身がとても美しく、上品な味わいです。

希少部位ゆえに、1日限定30食しか提供できないという「まぐろ大かま焼き定食」。確実に食べたいなら、事前予約をおすすめします。
まぐろ料理専門店 松榮丸
鹿児島県いちき串木野市八房3141-1
[営業時間]11:00~15:00(L.O.14:30)、17:00~20:00(L.O.19:30)
[定休日]年末年始
0996-29-5517
格安でトロも希少部位もゲットできる物産館

そもそも、マグロにはどんな種類があるのか、皆さんはご存知ですか?
マグロは「クロマグロ(ホンマグロ)」「ミナミマグロ」「キハダマグロ」「ビンナガ(ビンチョウ)マグロ」「メバチマグロ」の5種類しかいません。そして、種類によって大きさや色、味わいが異なります。
一般的にはクロマグロのような大きいマグロほど脂がのっていて、キハダマグロやメバチマグロなど小ぶりなマグロはさっぱりとした味わいです。

同じ個体でも部位によっても色や味わいが違うのはご承知の通り。これが大型の魚の魅力でもありますよね。


こちらは何とマグロの心臓。実は近年、マグロの血合いに含まれるアミノ酸「セレノネイン」はDHAに続く健康成分として研究が進んでおり、心臓や血合いがお店でも人気なんです。心臓は解凍して塩コショウを振り、醤油につけてレバ刺しのようにして食べたり、ソテーしたりするとおいしいそうです。
それにしても、まぐろの館はなぜ希少部位を格安で提供できるのでしょうか。

松榮丸とまぐろの館は「新洋水産」という企業が経営していますが、その大元はマグロ延縄(はえなわ)漁船4隻を有する「島平第一漁業生産組合」で、社長の松元さんも1983(昭和58)年までケープタウン沖やオーストラリア沖で延縄漁を行っていた元マグロ漁師。自社で水揚げ、加工生産、販売までできるから貴重なマグロを格安で提供できるんですね。

ちなみに、レストランの名前でもある松榮丸は、島平第一漁業生産組合の歴代のマグロ漁船の名前なんだそう。
元マグロ漁師・松元さんならではのこだわりが感じられる商品をまぐろの館で見つけました。

皮付きのミナミマグロのトロです。ミナミマグロは皮が薄いので、皮だけカットして湯引きし、熱湯で浮いてきた鱗を取って千切りにするとおいしくいただけるのだそう。「皮を食べられるのは、ミナミマグロだけなんです。常連さんは皮のおいしさをわかってるから、皮付きを選びますよ」と松元さん。
マグロへの愛情を感じられるものは他にもあります。松元さんは、物産館とレストランを建てる際、驚くべき設計をオーダーしたのだそう。

物産館とレストランがある建物は、正面から見るとわかりませんが、後ろ側に回ると、漁船の形をしてます。実はこの建物、実際にマグロ漁を行っている400t級の漁船を実寸大で再現しているんです。下半分の黒い部分は、魚を貯蔵する魚倉にあたる部分で、海面より下になります。こうやって見ると、本物の船みたいですよね。
誰もが経験するアノ悩みを解消する方法とは?


松元さんが教えてくれた方法は、40~42度のぬるま湯に1Lにつき大さじ2杯の塩を入れ、袋から取り出した冷凍マグロを2~3分浸けた後、キッチンペーパーで水気を拭き取るというもの。ぬるま湯につけた時点で半解凍になるので、全解凍したければペーパーに包んで冷蔵庫のチルド室に入れれば良いのですが、半解凍の状態でカットすると家庭用の包丁でもきれいに切れるそうです。「切って盛り付けている間に全解凍されますよ」と松元さんは言います。

まぐろの館では、毎月27日にマグロの解体ショーを開催しています(団体客などの要望があれば、27日以外でも対応可能)。解体したらその場で購入し(価格はマグロの種類や部位により異なる)、食べることもできますよ。大迫力のパフォーマンスをぜひ目の前で楽しんでください。
薩摩串木野 まぐろの館
鹿児島県いちき串木野市八房3141-1
[営業時間]10月1日~3月31日10:00~18:00、4月1日~9月30日10:00~18:30
[定休日]年末年始
0996-29-5515
マグログルメが集結する「まぐろフェスティバル」も要チェック!

いちき串木野市は、鹿児島でいち早くご当地グルメの開発に着手し、食の町としての魅力を全国に発信し続けています。日本を飛び越えて、世界中から愛される魚の王様・マグロの魅力をこの町で存分に味わってみてはいかがでしょうか。
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