東京であんみつを食べるならココ!甘味好きならはずせない都内の名店3選

2019.05.11 更新

老若男女に愛される甘味の王様「あんみつ」。その発祥の地である東京は、人気店がひしめく「あんみつ激戦区」でもあります。今回は、甘いものが大好きな筆者が、その中から銀座のあんみつ発祥店、160余年続く浅草の名店、1日50食限定の向島の人気店の3軒をご紹介します。これを食べずに、あんみつは語れません!

「元祖あんみつ」が愛され続ける老舗「銀座 若松」

最初にご紹介するのは、あんみつ発祥の店として名高い「銀座 若松」です。
東京メトロ各線の銀座駅から徒歩2分ほど、銀座の一等地にあるファッションビル「銀座コア」の1階にあるこのお店は、実はこのビルができる前の1894(明治27)年から、同じ場所に店を構えていました。
▲ビルができても、店の場所は変わらず。120年以上の歴史を感じさせる落ち着いた雰囲気

若松は銀座に初めてできた汁粉屋で、創業当時から変わらないというこだわりのあんこには、吟味した十勝産の小豆を使用しています。短時間でさっと炊き上げることで素材のよさが引き立ち、砂糖を多めに使ったぜいたくな甘さにもかかわらず、のど越しはさらりと食べやすくなるのだとか。

「甘いものが苦手な方でも、若松のあんこは好き、という方もいらっしゃいます」という店員さんの言葉に、期待が高まります!
▲店内はゆったりとしており、席数は40席ほど。しっとりとした和の空気が漂う

あんみつの誕生は昭和5(1930)年、「もっと甘いものが食べたい」という常連客の要望に応えて、2代目店主の森半次郎が考案しました。当時すでにあった「みつ豆」に、汁粉屋自慢のこしあんを乗せ、さらに黒蜜をかけたところ、これが大ヒット。東京発祥の甘味として、今に至るまで親しまれています。

そうと聞いては、元祖の味を食べずにはいられません。さっそく「元祖あんみつ」(950円)をオーダーしました。
▲若松の名にちなんだ松形の羊羹(ようかん)があんこの上に飾られている。伝統を感じさせる品のよさと、遊び心が光る盛りつけ

現れた「元祖あんみつ」は、思わず笑顔がこぼれてしまうような、レトロでかわいらしい見た目でした。緑とピンク色の求肥(ぎゅうひ)が、なんとも懐かしい色合いです。庶民の甘味として長く愛されてきたあんみつですが、見た目のよさも老若男女に好かれる理由のひとつかもしれません。
▲黒蜜はかなり濃厚。かけるだけで、ふんわりといい匂いがしてくる

早速いただいてみると、創業当時から変わらないあんこは、しっかりと甘く、濃厚でどっしりとした味わい。ただ、口に残るような甘さはなく、後味はすっきりしています。
奄美大島の黒糖を使用した黒蜜も、コクのある濃い味わい。口に入れた途端、黒糖の風味が口の中にふんわりと広がりました。伊豆三宅産のテングサを使った寒天は、硬すぎず柔らかすぎず、涼やかな風味でのどごしもさわやか。
▲富良野産の赤エンドウ豆はふっくらと大ぶりで、寒天に負けない存在感

赤エンドウ豆は豆の風味がはっきりしており、強めの甘さに負けることなく、あんみつ全体の味を引き締めています。
ひとつひとつの素材が上質で、それぞれの特徴をしっかり主張しているのですが、全体では絶妙にバランスがとれている。これは、ものすごくおいしい……!

合間に、甘酸っぱいフルーツで口の中をさっぱりさせつつ、一気に器を空にしてしまいました。「甘さひかえめ」がスイーツの売り文句になって久しい昨今ですが、「とにかく甘いものが食べたい!」という気分のとき、特におすすめしたい一品です。

お得な「あんみつ三点セット」や、季節の限定メニューもおすすめ

追加で、一番人気という「あんみつ三点セット」(1,350円)も注文しました。このメニューは、ところ天、くず餅、小倉白玉、栗小倉、小倉アイス、みたらし団子、わらび餅の中からお好みで2品選び、ミニあんみつといっしょにいただけるというお得なセット。少しずついろいろな味を楽しみたい人にうってつけのメニューです。
▲あんみつ3点セット。今回はみたらし団子とくず餅をチョイス

あんみつ3点セットのミニあんみつは、ミニといいつつ、トッピングの品数はほぼそのまま。くず餅は、もっちりとした歯ごたえと、しっとりとなめらかな舌ざわりが心地よい。たっぷりとかけられたきな粉は香ばしく、きめ細かで、濃厚な黒蜜にマッチしています。艶やかな見た目がまぶしいみたらし団子は、むっちりと食べごたえのあるタイプ。みたらしあんは塩気も甘みもはっきりした味つけですが、後味はさっぱりしていて上品な味わいでした。
▲かき氷とあんみつが一度に楽しめる「氷あんみつ」(1,250円)

暑い時季には、かき氷にあんみつの具材をトッピングした「氷あんみつ」もおすすめです。華やかな見た目どおりボリューム抜群ですが、かき氷なので食べやすく、さらりといただけます。しかも、あんこや黒蜜は、夏に不足しがちなミネラルが豊富。暑さに負けない元気をチャージできる一品です。
▲若松の原点ともいえる「お汁粉」(1,100円)

冬のおすすめは、なんといっても「お汁粉」です。汁粉屋から始まった若松自慢のあんこを、心ゆくまで堪能できます。大きめのお餅が2つも入っているのも嬉しい。シンプルでほっとする甘さが、体を優しくあたためてくれます。
▲あんみつをはじめ、ほとんどのメニューがテイクアウトも可能。店内に比べて少し手ごろな価格になっているので、手土産としても、自分へのご褒美としてもおすすめ

創業から変わらない伝統の味は、どこか懐かしく、ほっとするおいしさでした。都心の雑踏から少し離れて、ひと休みするもよし。昔の銀座をしのびつつ、ノスタルジックな気分を味わうもよし。銀座散策の際に、ぜひおすすめしたい名店です。

浅草で160年余続く老舗「梅園」の人気あんみつ2種

次にご紹介するのは、浅草を代表する甘味処「梅園(うめぞの) 浅草本店」。多くの甘味処がひしめく浅草にあって、創業安政元(1854)年、160年以上もの歴史を守り続ける老舗中の老舗です。地下鉄・私鉄各線の浅草駅から徒歩5分ほど、浅草寺の参道近くと、浅草観光の際のティータイムにぴったりな立地です。
▲華やかな雰囲気の入口。浅草らしい活気を感じられる

店内は広く、和を感じさせる落ち着いた内装ですが、きびきびと立ち働く店員さんや和やかに話すお客さんの声には、どこか下町らしい活気が溢れています。大学生や家族連れ、女性の2人組、おひとりの男性など、客層も実にゆたか。老舗といえど気取ったところのない、親しみやすい雰囲気です。
▲席数は80席ほどあるが、15時前後は平日でもしばしば満席に

梅園は、実は「あわぜんざい」発祥の店。とはいえ、使用しているのは粟(あわ)ではなく黍(きび)。半搗(つ)きした餅きびとこしあんを椀であわせたこの甘味は、あんみつに並ぶ人気メニューです。
餅きびは常にあつあつのものを提供できるよう、厨房で常時炊き続けているのだとか。あんこには北海道産の小豆を使用しており、甘さを控えてじっくりと炊き上げることで、小豆の風味を生かした濃厚な味わいを引き出しています。
▲あわぜんざい(777円)。口直しに添えられた紫蘇(しそ)の実が嬉しい

まずは人気のあんみつメニューのひとつ、「クリーム白玉あんみつ」(821円)をオーダー。
▲紅白の白玉が愛らしいクリーム白玉あんみつ。求肥のピンクもかわいい

ただでさえ、寒天、赤エンドウ豆、あんこ、求肥が入って豪華なあんみつですが、白玉とフルーツ、アイスクリームまでトッピングされてしまっては……まさに和洋折衷、甘味の王様ともいうべき威厳すら感じられます。
▲黒蜜をまんべんなく回しかけて……

ひと口食べて、自慢のあんこのなめらかさにびっくり。舌にまったりと絡むほど濃いのにしつこくなく、あんこのおいしさをぎゅっと濃縮したような味わいです。黒蜜はとろりと風味豊かで、寒天に絡めても薄まらず、しっかりと味を主張してくれます。
▲あんこは艶のあるなめらかなこしあん。赤エンドウ豆、寒天といっしょに頬張ります

さらに筆者が感動したのは、白玉と求肥の柔らかさ。どちらも、甘めのあんこをしっとり包んでくれるような優しい食感。特につるんとしてほんのり甘い白玉は、何個でも食べられそうなくらいおいしい! 

そしてクリームあんみつの醍醐味、アイスクリームとあんこのコラボレーション。濃厚な味わいのあんこに、さっぱりしたミルクのコクが重なって、いっそうおいしくいただけます。アイスクリームが溶けて黒蜜と混ざり、味わいが変化していくのもまた格別。たくさんのトッピングの下にたっぷりの寒天が隠れているので、ボリュームもなかなかのものですが、ついついぺろりと完食してしまいました。
▲抹茶アイスだけでなく、蜜にも抹茶蜜を使用

もうひとつの人気メニュー「抹茶あんみつ」(756円)もオーダーしてみました。こちらはつぶあんがトッピングされています。
ほのかな苦みとさわやかな抹茶の風味は、柔らかく炊き上げたつぶあんと相性抜群。鮮やかな黄色が目をひく栗の甘露煮は予想以上に大振りで、口に運ぶとほろりと柔らかく崩れ、栗の香りがいっぱいに広がります。上品でしつこくない甘さに、老舗のこだわりを感じました。

最初から最後まで、抹茶の風味をあますことなく味わえる一品。抹茶好きな方にとくにおすすめです。
▲テイクアウトであんみつや和菓子も販売している。食べ歩き用にどら焼きを単品で購入する人も多いそう

浅草らしい、伝統と彩りをあわせ持った2種のあんみつに、舌もお腹も大満足でした。浅草観光には欠かせない有名グルメスポットなので、ぜひ訪れてみてください。

向島の新名店「あんみつの深緑堂」の1日限定50食の自家製あんみつ

最後にご紹介するのは、スカイツリーのお膝元にひっそりとたたずむ「あんみつの深緑堂(しんりょくどう)」。その抜群の味わい深さから、2014年のオープン以来、客足が途絶えることのない新進気鋭の「あんみつ専門店」です。
▲レトロな雰囲気を漂わせる外観

最寄り駅は、東武鉄道伊勢崎線とうきょうスカイツリー駅と、JR押上駅の2つ。どちらからも、徒歩10分前後で到着します。住宅地の中にふと現れる深緑の暖簾(のれん)が目印ですが、知らずにいると通り過ぎてしまいそうな、奥ゆかしい風情のお店です。
▲入口の近くに、手書きの立て看板を発見!かわいらしいイラストに店主の人柄がにじむ

店内に入ると、ふんわりと甘く懐かしいような香りに包まれました。ちょうど、明日の分のあんこの仕込みを終えて、冷ましているタイミングでした。うっとりするほどおいしそうな香りに、あんみつへの期待が高まります。
▲明るく、アットホームな内装の店内

店内はこぢんまりとした印象。親しみやすい雰囲気で、ひとりでも入りやすそうです。ご主人と奥さんの2人だけで切り盛りしていることもあり、席数は控えめ。2人用のテーブル席が2組、カウンターが6席ほど、計10席の小さなお店です

さっそく、あんみつ(700円)をオーダーしました。
▲澄んだ寒天の上に、形よく盛りつけられたあんこと白玉、干しあんずが美しい

テーブルに置かれたあんみつを見て、まずその盛りつけの美しさに感動しました。澄み切った色の寒天とふっくらした赤エンドウ豆の上に、バランスよく配置されたあんこ、白玉、干しあんず。そしてあんこの上にかわいらしく飾られたくるみとすぐり。緑の葉はチャービルと呼ばれるハーブです。
和の色合いに、すぐりの鮮やかな赤とチャービルの緑が加わって、ぐっと洗練された印象になっています。
▲さっそく、黒蜜をたっぷりかけていただきます

口に入れた瞬間、黒蜜の香り高さに驚きました。味はこっくりと濃いめですが、後味はすっきりしていて、くどさはまったくありません。理想の味を引き出すため、波照間産と西表島産、2種類の黒砂糖をブレンドしているのだそう。

中央のこしあんはまったりとコクのある味わいで、ふっくらした赤エンドウ豆の塩気と相性抜群です。つるりとかわいらしい茹でたての白玉は、舌に心地よいなめらかさ!飲み込むのがもったいないくらいです。
▲寒天もクセがなく、軽く歯を立てただけでほろっと割れる絶妙な硬さ。テングサは3つの産地のものをブレンドして使う

長野県産のジューシーな干しあんずとすぐりの甘酸っぱさで舌をリセットしつつ、炒ったくるみの香ばしさもアクセントに加わり、最後まで飽きずにおいしくいただくことができました。

あんこ、寒天、黒蜜、白玉など、あんみつの主要な具材は、すべて手間を惜しまず店内で手作りされています。干しあんずやくるみにもより味をよくするひと工夫が施されていて、1杯にかかる手間は計りしれません。それらをすべてご夫婦ふたりで行っているため、提供できるのは1日に50食程度が限界とのこと。味への徹底的なこだわりに、頭が下がります……!
▲ふっくらと香ばしく焼かれたお餅が、何ともおいしそうな「抹茶ぜんざい」

また、あんみつ以外だと「抹茶ぜんざい」(900円)が特に人気の一品とのこと。何それ、おいしそう!ということで、そちらも追加でオーダーしました。ひんやりしたあんみつと、あたたかいぜんざいで、食べ合わせもばっちりです。
▲ご主人が手ずから立てたお抹茶を、あんこたっぷりのぜんざいにかけていただく

抹茶は、京都にある日本茶の名店「一保堂(いっぽどう)」のものを使用。一見かなりボリューミーですが、抹茶の上品な苦みと奥深い旨みが、あんこの甘さやコクを優しく包み込み、さらさらと食べ進めることができます。
ていねいに焼かれたお餅も香ばしくておいしい!さまざまな味と香りが絶妙なバランスでまとまって、単なる甘味以上の滋味深い一品に仕上がっています。甘いものが苦手な方でも、おいしくいただけること請け合いです。

常連さんは「テイクアウト」で。こだわりの求肥も楽しめる

実は、近隣の常連さんからはテイクアウトの注文も多いのだとか。先に電話で注文しておけば、店先で待たずに受け取ることができます。
▲テイクアウト用の容器に盛りつけられるあんみつ(530円)。手土産にもぴったりのかわいらしさ

ちなみに、テイクアウト用のあんみつには白玉の代わりに求肥が添えられています。求肥は多くの糖分を含むため、糖の保水性によって時間が経っても乾燥しづらく、柔らかさが長持ちするためです。

求肥の製法は本来とても手間がかかり、小規模の店舗で提供するのは難しい素材なのですが、テイクアウトでも最高のおいしさを味わってもらうため、ご主人が試行錯誤を重ねて独自製法を開発しました。この独自製法なら、よりおいしい求肥をひとりで作ることができるんだそう。
▲深緑の暖簾(のれん)が店の目印

浅草観光の際におすすめしたい名店ですが、平日でも14時~15時頃には売り切れていることが多いため、訪れる際は事前にお店のツイッターアカウント(@shinryokudo)をチェックしておくのがおすすめです。
「銀座若松」「梅園 浅草本店」「あんみつの深緑堂」、いずれおとらぬ名店を巡ってみて、あんみつという甘味のバリエーションにおどろきました。どのお店もそれぞれ個性があり、あんこや寒天など、素材ひとつひとつの味わいも異なります。3店を食べ比べしてみると、自分の意外な好みが分かるかも……。東京散策の折には、ぜひ足を向けてみてくださいね。

※記事内の料金・価格はすべて税込です

撮影:舛元 清香
高橋星羽

高橋星羽

編集者、ライター。出版・編集プロダクションデコ所属。書籍、雑誌、Webの編集やライティングを担当。医療健康マガジン『からころ』や『日本鉄道事始め』(NHK出版)などの編集を手掛ける。

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