湯河原で本格和食をリーズナブルに!「割烹しらこ」で漁港直送の新鮮な魚介と季節の味をいただく

2019.03.09 更新

東京から電車で約1時間半とアクセス抜群の温泉地、湯河原。ここに『ミシュランガイド横浜/川崎/湘南2015特別編』で一つ星と評価された「割烹しらこ」があります。なんとひとり5,000円から「おまかせコース」が食べられます!食材にとことんこだわったこのお店の料理は、わざわざ湯河原へ食べに行きたくなるほどおいしいと聞いて、訪れてきました。

「割烹しらこ」は、JR湯河原駅を出てすぐに左折し、徒歩3分ほどのところにあります。
▲入り口には「しらこ」の文字が書かれたシンプルなのれんが掛けられている

店内はテーブル席が4つと、カウンターが4席の計22席。上品で落ち着いた雰囲気です。
▲入り口側から店内を眺める

「割烹しらこ」は、白子勉シェフが2003年に開店しました。シェフ自ら直接仕入れた新鮮な魚介や野菜を使った、手の込んだ和食料理を食べられると評判です。
▲笑顔が素敵な白子シェフ。開店前は銀座や新宿、湯河原の旅館などで長年、和食料理の修業をしていたそう

春を堪能できる料理と10種類のお刺身

一品料理も「金目の兜煮」(2,000円)や「めばるの塩焼」(1,200円)などの魚料理、「むかごの塩煎り」(700円)や「セリのおひたし」(600円)などの野菜料理など豊富に揃っていますが、今回は「おまかせコース」を用意していただきました。「おまかせコース」はひとり税込5,000円から相談できます(事前予約が必要)。ミシュランガイド掲載店でこれは嬉しい!

今回は7,000円でお願いしました。コースは全部で7品。まず、「黒豆」と「数の子」の小鉢。そのあとに出てきたのは、「新玉ねぎのスープ」です。ひと口すすると、かつお出汁の旨みと新玉ねぎの甘みが口の中に広がります。新玉ねぎそのものの味を堪能できる、とてもシンプルな一品です。
▲「新玉ねぎのスープ」。おいしさがぎゅっと凝縮されている。新玉ねぎは兵庫県淡路島産

次は「お刺身」。大きな器に美しい盛り付けで出てきました。どれも切り身が厚く、切り口が美しい。そして新鮮でおいしい!10種類も食べられるので満足感たっぷりです。
▲写真は2人前。上から時計回りにホッキ貝(北海道厚岸産)、金目鯛(静岡県下田産)、しめ鯖(神奈川県真鶴産)、ブリ(青森県鰺ヶ沢[あじがさわ]産)、ヒラメ(神奈川県真鶴産)、太刀魚(愛媛県佐田岬産)、アオリイカ(神奈川県真鶴産)、アジ(神奈川県真鶴産)、甘鯛(青森県鰺ヶ沢産)、本マグロ(和歌山県産)

次に出てきたのは「太刀魚の西京焼き」。口に入れると、ビックリするほどのおいしさ!白子シェフが酒粕や白味噌などで作った自家製味噌が使われています。味噌の濃厚な甘みと太刀魚の脂が絶妙です。添えられたキンカンのコンポートを食べると酸味が加わり、豊かな味わいが楽しめます。
▲「太刀魚の西京焼き」。クセになる味わいでお酒とも相性抜群。太刀魚は愛媛県産、キンカンは宮崎県産

次に出てきたのは「京タケノコの若竹蒸し」。タケノコをすりおろして蒸したもの。中にはさらにタケノコがごろごろと入っていて、タケノコのコリコリとした食感と優しい味わいにほっとします。菜の花の苦みがアクセントになり、もう一口もう一口……と箸が進みます。
▲「京タケノコの若竹蒸し」。嬉しいことに、えびもごろっと入っていた!

次に出てきたのは「レンコンとえびのしんじょ揚げ」。衣に「ぶぶあられ」(お茶漬けなどに使われる細かい粒状のあられ)を使っているため、とても香ばしく、サクサクとした面白い食感がやみつきになります。そしてレンコンのしゃきしゃき感とえびの甘みも、感動もののおいしさです。
▲「レンコンとえびのしんじょ揚げ」。添えられた山椒をつければ、ピリリとした辛みも楽しめる。レンコンは茨城県産

炊き立ての土鍋ご飯と自家製からすみがたまらないおいしさ!

最後に出てきたのは、土鍋に入った炊き立ての「菜の花ごはん」です。菜の花は京ナバナで、やわらかく、ちょうどよいほろ苦さ。さっとゆでるのがコツだそう。あまりのおいしさにバクバク食べてしまいます。
▲菜の花をご飯と混ぜ合わせると、春の香りが広がった

土鍋ご飯には味噌汁のほか、なんと自家製のからすみも付いています。しかも、すりおろし、西京漬け、醤油漬けの3種類。このからすみが最高においしい!菜の花ご飯とも、とても合います。
▲からすみは、ぜいたくに3種類すべてのせていただきました。「菜の花ごはん」のやさしい味に、からすみの旨みも加わって味わい深くなりました

からすみは毎年11月末から12月にかけて仕込み、年明けに完成するそう。一品料理でも注文できます(「自家製からすみ」1,800円)。テイクアウトしたいというお客さんもいるほど人気の一品です。

土鍋ご飯は季節に応じて「芋、ゆり根、むかご」「甘鯛」「真蛸」「香箱蟹(こうばこがに)」などのメニューもあります。注文が入ってから土鍋でじっくりと時間をかけて炊いています。お米は福島県産の「大源流」を使用。寒暖差が激しい土地のため、甘みが強いのが特徴です。
▲この日のコース料理全品。写真は刺身のみ2人前。それでも計7,000円とリーズナブル!

今回いただいたのは、すべて春のメニューです。その日に獲れたいち押しの魚介によってもメニューは異なります。とくに菜の花ごはんや新玉ねぎ、自家製からすみは春先でなくなってしまうので、ご注意くださいね。

シェフこだわりの日本酒も欠かせない

日本酒、焼酎、ワインなどのお酒も充実しています。なかでも和食に合う日本酒に力を入れており、どれもシェフ厳選の、料理を引き立ててくれる日本酒です。シェフは地方に行く際は必ずその土地にある酒蔵を訪ねているんだそう。
▲白子シェフがとくにおすすめなのは福島県会津若松にある末廣酒造のもの。左から「嘉永蔵 吟(大吟醸)」(1合2,250円、4合7,875円)「嘉永蔵 山(山廃純米)」(1合1,250円、4合4,375円)「てまえ酒(純米)」(1合900円、4合3,150円)

また、湯河原観光の際に立ち寄るランチには、魚介がたっぷりのった海鮮丼がおすすめです。さざえの壺焼きと小鉢、味噌汁も付いています(2,300円)。週末は混むので、平日がねらい目ですよ。
▲切り身がズラリと並んだ美しい盛り付けの海鮮丼(写真提供:割烹しらこ)

北は青森、西は愛媛の漁港から、おいしい魚介をその日に仕入れる

こんなにも新鮮でおいしい魚介が提供できる秘密は、市場や魚屋を介さずにシェフ自ら漁港から直接仕入れているから。

契約している漁港は、北海道厚岸、青森県鰺ヶ沢、岩手県田野畑、愛媛県佐田岬、そして神奈川県真鶴と、全国各地にまたがっています。シェフが各地の漁港を巡り、ここぞという漁港に直接交渉してきました。朝、各地の漁港に電話で何が獲れたかを聞いて注文し、夜の営業までに送ってもらうよう手配しています。

たとえば、一本釣りで獲られる愛媛県佐田岬の「岬(はな)サバ」は、大分で有名な関サバと同じく、身がしっかり引き締まっていておいしい。湯河原の隣の真鶴では、アジやサバなどのとくに鮮度が重要な青魚が獲れるので、水揚げされてすぐの獲れたてが手に入ります。これらの魚介を料理によって使い分けて、いちばんおいしく食べられる形で提供しています。
▲奥からアンコウ、ヒラメ、甘鯛。すべて今朝、青森県の鰺ヶ沢で獲れたばかり

「食材の味を最大限に引き出すために、シンプルに料理しています。そのためには下処理が重要です」と話すシェフ。この日も青森県の鰺ヶ沢の漁港から魚が届き、丁寧に下処理をしていました。
▲あっという間に甘鯛がきれいな刺身になった。捌いた刺身はすべて昆布に挟み、昆布に水分を吸わせて魚の旨みだけを残す

下処理は、もちろん魚介だけではありません。野菜も、福島県大沼郡金山町にある奥様の実家をベースに、全国各地からこだわりの野菜を仕入れており、時間をかけて下準備をしています。
▲シェフ手作りの「黒豆」(1,800円)や「栗の渋皮煮」(2,000円)「青梅の蜜煮」(1,200円)などの瓶詰を購入できる。黒豆はほろりと口の中でとけるやわらかさ。作るのにかなりの手間がかかるそう

手をかけて作られた料理の数々は、話に聞いていたとおり、わざわざ湯河原を訪れたくなるおいしさでした。季節や日によって、仕入れが異なるので、実際にどのような食材を使ってどのような料理をいただけるかは、訪れてみてのお楽しみでもあります。一期一会の料理に出合うため、湯河原へ出かけてみてはいかがでしょうか?
※記事内の料金・価格はすべて税込です

撮影:舛元清香
桑沢香里

桑沢香里

編集者、ライター。出版・編集プロダクションのデコに所属。雑誌、書籍、小冊子、ウェブ媒体の編集・執筆などを手がける。編集を担当した本に『わたしらしさのメイク』『おとなのヘアケア読本』(ともに技術評論社)、『劇団四季ミュージカルCATSのすべて』(光文社)、『大相撲手帳』(東京書籍)、『大相撲語辞典』(誠文堂新光社)などがある。

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