小樽運河に佇む「小樽倉庫No.1」で、醸造所見学と至極の小樽ビールを堪能

2019.05.08 更新

小樽へ観光に行ったなら「小樽ビール」で乾杯を!小樽運河沿いの重厚感ある倉庫を活かした「小樽倉庫No.1」では、ドイツビールの伝統的な製法で醸造した小樽ビールをベストマッチな料理とともに楽しめます。マイクロブルワリーパブ(ビアパブを併設した醸造所)なので、館内にあるビールの仕込み窯で醸造の様子を見学することも可能。ビール党もそうでない人も、ここで生まれた美味しい地ビールとロケーションに酔いしれること間違いなし!

▲ビールとともに、ピッタリな食事も楽しめます

小樽運河の風景に溶け込む醸造所

ビアパブを併設した醸造所「小樽倉庫No.1」がある場所は、観光地として名高い小樽運河沿いに並ぶ倉庫群の中。
▲北海道小樽市の代表的な観光名所、「浅草橋」から眺めた小樽運河。小樽倉庫No.1は倉庫手前側から数えて4棟目
▲小樽運河沿いの散策路から運河越しにお店が見えます

JR小樽駅からは徒歩約12分。小樽運河の定番撮影スポット「浅草橋」や観光船「小樽運河クルーズ」の乗船場所からは、ともに歩いて2~3分で行くことができます。
▲お店の入り口は、運河と反対側の道路沿いにあります

外壁は石造りの重厚な建物。1924(大正13)年に建築されてから長年倉庫として使用、その後、1995(平成7)年に小樽ビールの施設となった際内装などを改装して現在の姿に。中は木骨造りで天井が高く、かなり広々。フロア中央には仕込み釜が金色に輝いています。
▲釜の周囲にカウンター席があるほか、グループでも利用しやすい大きなテーブル席もあります

小樽市内には小樽ビールの醸造所が2か所あります。小樽倉庫No.1では施設内のビアホールで消費されるビールの製造を、小樽市郊外にある銭函(ぜにばこ)醸造所では店頭販売される瓶ビールや業務用ビールを製造しています。
▲客席のすぐ目の前にある仕込み釜。ここで製造されたビールを飲めるんです!
▲中央が吹き抜けになっているため、2階席から見下ろすこともできます
日中でも店内はやや薄暗くいかにもビアパブという印象ですが、窓際付近は日差しが差し込み明るい雰囲気。11時から開店しているので、ランチビールも楽しめます。
▲窓の外には小樽運河が見えます。暖かい時季にはガラス戸の外、運河沿いに出ることもできます

どこを見ても趣があり絵になる館内。飲む前から見ているだけでうっとり酔いしれそうです。

ドイツ古来の製法にこだわる、激ウマ、激レアな地ビール

小樽ビールは、1995(平成7年)年に醸造を開始した小樽市の地ビール。250年以上前にドイツの小さな村で始まったビールの醸造方法と醸造精神を受け継ごうと、この製法が誕生した当時のブラウマイスター(醸造責任者)の子孫を小樽市へ呼び寄せ、昔とほぼ同じ製法で醸造しています。
▲店内に展示されている約150年前のラガータンク。現在はステンレス製のタンクで製造していますが、原材料や手順は昔とほぼ一緒です

小樽ビールがドイツの伝統的な製法にこだわる理由は、現代の製造技術で大量生産されるビールよりも、品質の高いビールを生産することができるから。

原材料は麦芽、ホップ、酵母、小樽の清らかな水の4つのみ。無添加オーガニックビールです。
一般的にビールメーカーでは製造過程の最後に酵母を取り除くそうですが、小樽ビールでは取り除きません。酵母が残っているとビール内に栄養素が増殖してコクが増すうえ、炭酸が抜けにくくなるため、栄養価が高くてコクがあり、気が抜けにくいビールになるそうです。
▲小樽ビール各種。ボトリングされてから一度も常温保存されることなく常に冷蔵状態をキープしています

ただ、酵母はビール温度が約24度を超えると死滅してしまうため、ボトルや樽に詰められた後の保管は要冷蔵。かつ、酵母は輸送中の揺れにも弱いため、小樽ビールの流通範囲は醸造所から半径100km圏内に限られるそうです。だからこそ、激ウマ、激レアなビールなんです。

まずは見学をぜひ楽しんで!

小樽倉庫No.1は飲食を楽しめるだけではなく、醸造所見学も楽しめるのがポイント。毎日11:10から17:40までの間、30分ごとに無料見学ツアー(予約不要、所要約20分)を開催しています。係員の案内のもと、小樽ビールの歴史や原材料、製造過程などを見て回ることができます。
▲入口付近にある売店内でビールの種類や製法について解説
▲売店の一角には数種類の麦芽や酵母などが展示されていて、手にしたり香りをかいだりすることもできます

実際の製造現場へも足を踏み入れることができます。こんなに目の前で見ていいの?と驚きの連続!
▲館内の一角にある発酵室で、発酵中のタンクの中をこんなに間近で見ることができるんです!
▲発酵している様子がバッチリ見えます。観光見学用に作っているものではなく、実際の製品として製造しているものなんですよ

発酵室の隣には室温0度に設定されたラガールームがあり、低温熟成されているタンクを見学できるうえ、発酵前の麦汁の試飲もできます。
▲発酵前の麦汁。ほんのりカラメルのような味わいがしつつ、とっても甘いです!この時点ではアルコールが入っていないので、ドライバーさんも試飲OK!

そして、いよいよ館内中央で金色に輝く仕込み釜へ。麦芽を粉砕したり煮だしたりするための施設です。
釜付近にある扉を開けてもらい、釜の真横に手が触れられるほどの至近距離へ。
▲真下から見上げる釜、輝きが美しい!
▲一段高い場所にある釜越しに店内を見下ろす風景も素敵です
▲訪れた日はちょうど作業を終えた後で中はカラでした

ビールの製造現場をこんな間近で眺める機会なんて、そうそうありません。楽しくて美味しい、臨場感あふれる大人の社会科見学です。見学をして知識が増えると、これから飲むビールがより美味しく感じられるはずです。飲む前に見学!ぜひ、おすすめです。

メインのビールラインナップは3種類

小樽ビールのメイン銘柄は、「ピルスナー」「ドンケル」「ヴァイス」の3種類。店頭や小売店で販売されるボトルタイプ(330ml・各294円)と、飲食店で提供されている生タイプがあります。
▲左から、ピルスナー、ドンケル、ヴァイス。店内では3本セットでの販売もあります(3本セット1,000円)
▲左から、生タイプのピルスナー、ヴァイス、ドンケル。各、Sサイズ(300ml)470円、Mサイズ(500ml)610円、Lサイズ(1,000ml)1,200円があります。写真はすべてSサイズ

黄金色に輝くピルスナーの味わいは、のどごしが軽くて爽やかながら、しっかりとした味わい。ピルスナー用のグラスは爽やかさをスッキリ楽しめるよう飲み口が薄くなっていて、ホップの香りが鼻に直接スーッと入りやすいよう真ん中が少し膨らんだ形をしています。
ピルスナーはクセがない分、肉料理やチーズ料理などさまざまな料理に合わせやすいです。小樽倉庫No.1の食事メニューで特に合わせやすいおすすめは、「シュバイネブラーテン」(1,280円)。小樽市のお隣・赤井川村産の豚肉を使ったローストポークです。
▲シュバイネブラーテン。肉のジューシーさを感じ、思いのほかボリューミー!付け合わせはクヌーデルという小麦粉などを練って茹でたドイツの伝統料理で、もちっとした食感

少し白濁したように見えるヴァイスの味わいは、バナナのようなフルーティーな香りが特徴。炭酸ガスが多く泡が立ちやすいため、ヴァイス用のグラスは斜めに注ぐと泡がゆるやかに立つよう曲線的で細長い形をしています。
独特な風味があるヴァイスには、ユニークな形が特徴的なドイツパン「プレッツエル」(350円)をはじめ、滑らかな口あたりのソーセージ「ヴァイスブルスト」など、素材の味わいや個性がそれほど強くない料理がピッタリ。
▲粗塩がかかったプレッツエル。モチモチっとした食感でかなり弾力あります。塩を軽く舐めつつ食べるとより美味しい!

褐色のドンケルの味わいは、黒ビールのごとくクリーミーな泡とカラメルの風味が印象的で、ややどっしりとしたコクがあります。ドンケル用のグラスは、コクのある麦芽の風味を引き立たせながらじっくりと飲めるように、グラスの飲み口が分厚くなっています。
どっしり感のあるドンケルには、ソーセージやテリーヌなどの前菜や肉料理が特に合います。料理をつまみのように食べながら、じわりじわりとグラスを傾けましょう。おすすめは、赤井川村産豚肉で作った「自家製ソーセージプレート」(880円)。
▲自家製ソーセージプレート。一番下がノーマルのソーセージ、上が薬草入り、真ん中の太いものが皮をむいて食べるドイツ・ミュンヘンの代表的なソーセージ、ヴァイスブルスト

料理はこのほかにもサラダやポテト料理、パスタやパエリア、ピザなどがあります。飲んで軽くつまむもよし、飲みつつガッツリ食事をするもよし。好みのビールとともに、食事を楽しみましょう!

フルーツやハーブのライトビール、アップルサイダーもおすすめ!

カクテルが好きな人やアルコールが苦手な人向けに、オリジナルのライトビールや小樽ビール製のアップルサイダー(300ml、350円)もあります。

数種類あるライトビールのなかでおすすめは、ヴァイスに木いちごシロップを加えた「ヒムベーアビール」(300ml、470円)と、ヴァイスにリラックス効果の高い香草のシロップを加えた「ヴァルトマイスター」(300ml、470円)。ともにドイツでは500年以上前から愛飲されているビヤカクテルです。
▲左から、アップルサイダー、ヒムベーアビール、ヴァルトマイスター

ヒムベーアビールは木いちごのフルーティーで華やかな香りを楽しめ、ヴァルトマイスターは心地よい苦みと爽やかさを楽しめます。
アップルサイダーは、炭酸が軽めでひと口飲むとシュワッと軽やかに弾けます。甘さが控え目なのでリンゴの酸味が心地よく感じる大人な味です。

このほかにもウーロン茶(300円)やコーヒー(350円)、ドライバーさん向けにアルコールフリーの「ノンアルコールビール 0.00%」「ノンアルコールビール ブラック 0.00%」(各300ml、380円)もあります。
▲ノンアルコールビールはボトルタイプ(330ml・194円)も販売しています

小樽運河沿いの倉庫内にあるというロケーション。製造工程を一から見学できる仕組み。ビールに合う料理とともに、この地で製造されたビールを楽しめるという環境。そのどれもが素晴らしいです。小樽へ訪れるのであれば、ここは絶対立ち寄りたい!さあ、小樽ビールで乾杯しましょう。
▲ここで生まれた新鮮なビールをこの場で飲めるなんて、最高!
▲ピルスナー、ヴァイス、ドンケル、あなたならどれがお好みですか?

※本記事に記載している料金はすべて税別です。
川島信広

川島信広

トラベルライター・温泉ソムリエ・イベントオーガナイザー/横浜市出身、札幌市在住。北海道内の全市町村を趣味で訪ね歩くうちに北海道の魔力に惹かれ、都内での雑誌の企画営業と執筆業務を経て北海道へ移住し独立。紙媒体やweb媒体などで主に観光や旅行、地域活性をテーマにした取材執筆と企画・編集を手がける。スイーツ好きの乗り鉄、日光湿疹と闘う露天風呂好き。

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