花の名所「ときわ公園」の四季を満喫!植物めぐりで世界旅行も疑似体験

2019.03.31 更新

世界かんがい施設遺産に登録されている「常盤(ときわ)湖」。そのほとりに広がる「ときわ公園」は、自然、野外彫刻、動物園、さらには遊園地など魅力満載!山口県民はもちろん、近隣県民のファミリー層などにも休日の定番おでかけスポットとして親しまれています。今回は、四季を通じて園内を彩る花々を中心に園内の見どころをご紹介。なんと、植物をめぐりながらの世界旅行も疑似体験できるんです!

常盤湖畔に広がる「ときわ公園」は、県内屈指のサクラの名所

山口県宇部市の南東部に広がる「ときわ公園」は、山口宇部空港より約1.5km。山口県内最大の湖・常盤(ときわ)湖を中心に、約189ヘクタール(東京ドーム約40個分!)もの広大な敷地を有しています。
▲公園全景。ぐるりと湖畔のほぼ全体が公園として整備されている。広い~!(写真提供:ときわ公園)

公園は大正14(1925)年に誕生し、昭和30年代には遊園地や動物園が園内に相次いで誕生するなど、総合公園として整備が進められました。現在に至るまで、家族そろってのおでかけや学校の遠足など、宇部市民はもちろん、山口県民の誰もがたくさんの思い出を刻む人気スポットなのです。
▲広大な園内を満喫するならマップは必須。主要な施設は、湖の南側に集中している(画像提供:ときわ公園)

ときわ公園への入場は無料(一部有料施設あり)。散策やジョギングを楽しむ人の姿が多く見られるだけでなく、魅力的なイベントも開催されるなどして人気はさらに上昇中。平成29(2018)年度の来場者数は、過去最多に迫る年間約70万人超を記録しました。

中でも、園内を鮮やかに彩る花々はときわ公園の魅力の一つ。その美しい景観は「21世紀に残したい日本の風景・総合公園第1位」(2001年、NHK)などにも選定されています。特にサクラの名所としては「さくら名所100選」にも選出されるほどで、山口県内でも5指に入ります。ソメイヨシノを中心に約3,500本ものサクラが咲き誇る様子は壮観です!
▲園内中央付近にある「花いっぱい運動記念ガーデン」(写真提供:ときわ公園)

園内でも、東駐車場横に広がる桜山、公園中央部の上記ガーデンと噴水池付近にはソメイヨシノが密集。周遊園路もまた、多くの場所がサクラ並木の様相となります。
▲園の南端部にある「石炭記念館」の展望台(詳しくは後述)からは、サクラが咲き誇る園内を一望できる(写真提供:ときわ公園)
▲開花期間前後は、一部で夜桜のライトアップも行われる。2019年は3月16日(土)~4月7日(日)18:30~22:00(写真提供:ときわ公園)

写真撮影も、湖を背景にしたり、観覧車を配してみたりと、たくさんのシチュエーションが楽しめます。シーズン中、SNS上では、人それぞれに演出されたときわ公園のサクラの投稿を見ることができますよ。

ときわ公園はいつでも花盛り!季節ごとの花々をご案内!

ときわ公園で見られるのは、サクラだけではありません。早春から晩秋にかけて次々と見頃を迎え、季節ごとに園内を彩る花々をご紹介します。

早春はなんといってもウメ。公園東入口付近の梅園には、4品種・約100本の木々が競うように美しい花を咲かせます。
▲ウメは、例年1月下旬より開花が始まり、見頃は2月中旬~3月上旬。花の香りがたまらない~。花蜜を吸うメジロの姿も頻繁に見られる(写真提供:ときわ公園)

そして、ウメとサクラに続いて、ボタンがシーズンを迎えます。無料休憩所として利用されている古民家「憩いの家」を中心とする「ぼたん苑」は平成29(2017)年にリニューアルされたばかりで、ボタン約100品種・約250株、シャクヤク(ボタン科)約30品種・約170株が植栽されています。
▲「昔ながら」がぼたん苑のテーマ。最盛期は4月中旬~5月初旬。期間中は和傘が立てられるなど「和」の風情が演出される(写真提供:ときわ公園)

ボタンと入れ替わりに、4月下旬ごろから見頃を迎えるのは、園内全体に約10,000株が植えられているヒラドツツジ。特に、常盤湖南端付近に密集して植えられており、一斉に咲き誇る様子はサクラにも負けず劣らぬ見応えがあります。
▲ツツジに彩られた園内。紅白に塗装された石炭記念館の櫓(やぐら)を目指して歩けば、湖の南端にたどり着ける(写真提供:ときわ公園)

濃いピンクと白のコントラストが美しいツツジの盛りは5月中旬頃まで。中でも、ツツジを楽しめるおすすめスポットが、公園の南端にある石炭記念館の展望台なのです!

この櫓は、かつて市内の炭鉱で使われていた「竪坑櫓(たてこうやぐら)」を移設したもので、現在は地上37mの展望台として使用されています(9:00~17:00、入場無料)。内部は「石炭記念館」となっており、宇部の発展を支えた炭鉱採掘の歴史が紹介されています。さっそくエレベーターで展望台へと登ってみましょう!
▲エレベーターの扉が開くとこの光景!湖の畔のツツジがキレイ~!(写真提供:ときわ公園)

展望台からは常盤湖と公園を一望~!…わわわ、それだけではありません!南側は山口宇部空港と周防灘、西側は宇部の街並みとその向こうに工場群、市街地全体を見渡す360度の大パノラマが~!備付双眼鏡も無料なので、ぜひのぞいてみましょう。
▲展望台西側には手前から動物園と遊園地。さらにその向こうに市街地や工場群が見える

そして、GWあたりからフジが見頃となり、5月中旬にアジサイ、6月に入るとショウブなどが続きます。特に、公園西口近く、「白鳥大橋」付近ではアジサイやショウブに加えてスイレンが楽しめるので、それらすべての開花が重なるタイミング(6月上旬頃)は要チェックです。
▲常盤湖の「ペリカン島」横には約1,300平方メートルの藤棚があり、100mのフジのトンネルくぐりが楽しめる。見頃は4月下旬~5月下旬(写真提供:ときわ公園)
▲「しょうぶ苑」では約8万本・約150品種のハナショウブが咲く。奥に見えるのが白鳥大橋。見頃は5月下旬~6月下旬(写真提供:ときわ公園)
▲「あじさい苑」では1,500株のアジサイが花を咲かせる。見頃は5月下旬~6月下旬(写真提供:ときわ公園)

季節を追って園内の見どころを紹介しましたが、あちこちにある花壇は年間を通じて植え替えが行われています。ポピーやパンジー、サルビア、ネモフィラなど、多彩な花々に出合え、3月下旬~4月上旬はサクラとの競演も見事ですよ。
▲日時計のある花壇(写真提供:ときわ公園)
▲東入口方面に向かう常盤橋付近にある「出会いの広場」(写真提供:ときわ公園)
▲「バラと宿根草(しゅっこんそう)のガーデン」(写真提供:ときわ公園)

土・日曜と祝日は、園内を巡回する電気バス(エコカー)がほぼ30分間隔で運行されています。5カ所あるバス停で自由に乗り降りできるので、広い園内での花めぐりも楽になりますよ。
▲電気バスはオープンスタイルで、風が心地よい~。運行は10時半~15時台(11~2月は11時~)で1回乗車ごとに一人税込100円(3歳以下無料) (写真提供:ときわ公園)

世界旅行を満喫!?「ときわミュージアム 世界を旅する植物館」で珍しい植物や花々に感動の連続!

公園内には、「UBEビエンナーレ彫刻の丘」「アートギャラリー」など4施設含めて「ときわミュージアム」と呼ばれる一角があります。その中でも、「世界を旅する植物館」は要チェック!プラントハンター・西畠清順(にしはたせいじゅん)さん監修によって、平成29(2017)年に誕生した新スポットです。
▲常盤湖を見下ろす小高い丘にある「世界を旅する植物館」。監修者の西畠清順さんは、世界各地の植物を収集していることで知られる

館内は「熱帯アジア」「熱帯アメリカ」「アフリカ」など全8ゾーンに分けられており、それぞれ原産地の植生を意識した演出がされています。珍しい植物や花々を目の当たりにしつつ、まるで世界を旅するかのような気分に浸れます。
▲イラストで描かれた館内マップ(画像提供:ときわ公園)

最初は熱帯アジアゾーン。扉が開くと、一瞬にして暖かく湿った空気に体が包まれます。香りも独特、まるで、本当に東南アジアのジャングルを歩いているかのような雰囲気を味わえます。
▲大人の身長ほどもあろうかという様々な植物がうっそうと生い茂る
▲頭上には実をつけたオウゴンココヤシが!その向こうに、温室の透明な屋根…なんだか不思議な空間

順路のあちこちにある、花や木々を紹介する案内プレートは要チェックです。中には、日本ではとっても珍しい植物もあるそうで、見逃せませんよ!
さあ、次はトンネルをくぐって熱帯アメリカゾーンへ行ってみましょう。
▲トンネル出口は滝の裏!左奥に見える巨大なとっくりのような植物は熱帯アメリカゾーンのシンボルツリー、パラボラッチョ

ん?足もとに「花が咲いています」のプレートが…花はどこに???わわ、花と言うよりも、まるで映画「スター・ウォーズ」の「ダース・ベイダー」の顔のようなものが見られます。これはアリストロキア・サルバドレンシスという中米原産の植物だそう。
▲しっかり根が張ると花はさらに増えるそう。つまり、地面にダース・ベイダーがたくさん出没!?み、見たい~(脳内ではあのテーマが再生中)
▲ボリビア、ペルー、ブラジルが原産国のオオベニゴウカン。花は赤と白があり、別名パウダーパフという

続いて、扉の先はアフリカゾーン。入口正面には、アフリカのセネガルからやってきた国内最大級のバオバブが同ゾーンのシンボルとして植えられています。
▲バオバブの木。訪れた1月末は落葉していたタイミング。これから次第に葉が茂り、夏の夜に純白の花を咲かせるそう

さらに、同じ空間内で南アメリカ・北中アメリカへとゾーンが変わります。大小様々、右を見ても左を見てもいろんな種類のサボテンだらけ!
▲北中アメリカのサボテンは大型のものが多く、たくさん並ぶ様子は壮観

荒涼としたイメージのあるサボテンですが、とってもかわいらしい花を咲かせます。しかも、5月または6月に、花畑のごとく一斉に花を咲かせるタイミングがあるそうで、植物館の様子を詳細に発信している「ときわミュージアムブログ」は要チェックですよ!
▲5月頃に一斉に花を咲かせたサボテンたち。翌日にはあっという間にしおれてしまうそうで、開花に出合えたなら超ラッキー!(写真提供:ときわ公園)
▲ヨーロッパ、オセアニア、中国・アジア各ゾーンは屋外。写真手前はヨーロッパゾーンのオリーブで、奥の槍のような背の高い木はイトスギ。剪定しなくてもこんな風に真っ直ぐ育つそう

「世界を旅する植物館」をさらに満喫するなら、コンシェルジュによるガイドツアー(11:30~・14:00~、所要時間約60分※団体の場合は予約必要)や、音声ガイド(35分)のレンタルがおすすめです(ともに無料)。世界の植物についてのトリビアいっぱい!館内めぐりが何倍も楽しくなりますよ!
▲「世界を旅し、感動する植物館」がコンセプト。コンシェルジュの佐々木麻貴子さん(左)とウィドーズ篤実さん

お食事や休憩は、湖を一望できる「ハワイアンリゾート レオラ」がおすすめ

広大な公園を存分に楽しむのであれば、グルメスポットもチェックしておきましょう!今回は、公園東口近くの「湖水ホール」内にある「Hawaiian Resort Cafe Leola(ハワイアン リゾート カフェ レオラ)」にご案内します。
▲テラス席からは公園を一望できる(写真提供:ハワイアン リゾート カフェ レオラ)

「ロコモコ」各種や「ロミロミサーモン」などハワイ料理が中心。しかも、「ハワイアンリゾート」というコンセプト通りのお洒落な店内、そして健康志向メニューというだけあって、地元女子の注目度がとても高いお店なのです!
▲左から時計回りに、ふわふわハンバーグのロコモコ 、ハワイアンカレー、スパイス仕立てのタコライス (全て税込1,296円)(写真提供:ハワイアン リゾート カフェ レオラ)

パンケーキ、マフィンやタルトなど、デザートも充実。ランチはもちろん、評判のスイーツを楽しみにファミリーやカップルで賑わいます。
▲「ヘーゼルナッツのハワイアンパンケーキ」(税込864円)。ココナッツミルクのソースがたまらない!(写真提供:ハワイアン リゾート カフェ レオラ)
▲「オレンジ香るチーズムースのホットチョコパンケーキ」(税込864円)(写真提供:ハワイアン リゾート カフェ レオラ)

丸1日いても時間が足りない!?動物園、遊園地、屋外彫刻など、お楽しみはてんこ盛り!

公園内には、まだまだホットスポットがあります。その一つが、平成28(2016)年にリニューアル・グランドオープンした動物園(9:30~17:00、火曜定休、一般500円、70歳以上250円、中学生以下200円 ※すべて税込)です。国内初の全園に野生動物の生息地を再現した「生息環境展示」が実施されており、木々や岩場を活きいきと動き回る動物たちの姿を間近で楽しむことができます。
▲動物は世界のサルや鳥たちがメーン。写真はマダガスカル島南部に生息するワオキツネザル(写真提供:ときわ公園)

そして、動物園に隣接する遊園地は、小規模ながらも小さな子どもを持つファミリーに人気です。冬季はイルミネーションイベント「TOKIWAファンタジア」の中心会場となり、毎年趣向を凝らした光の空間が演出されています。
▲2018年12月の様子。約150万球のLED電球が使用され、園内の様々な場所でライトアップも行われた(写真提供:ときわ公園)

もう一つ、ときわ公園で忘れてはならないのが、野外彫刻です。2年に一度、同園を舞台に「UBEビエンナーレ(現代日本彫刻展)」が開催されることから、その過去の入賞作品の一部が「UBEビエンナーレ彫刻の丘」など園内のいたる所、さらには宇部市内各地で常設展示されています。
▲園内には約90点、宇部市内を含めると約200点の入賞作品が常設展示されている。写真は、人気撮影スポットになっている「深夜バス」(第24回出展作品)(写真提供:ときわ公園)

なお、ビエンナーレ会期中には展示数がさらに増え、前回(2017年秋)の開催期間中は10万人に迫るほどの来場者があったそうです。2019年はちょうど開催年にあたり、第28回を数えます。(詳細については公式サイトをご参照ください)
▲第27回(2017年)の様子。作家のメッセージが込められた作品は、奇抜、ユニーク、シュールなものなど様々。それでも不思議と周囲の自然にしっかりなじむ(写真提供:ときわ公園)

開催期間(2019年9月29日~11月24日)が過ぎても、約1年間は全ての作品の展示が続けられます。2019年の秋以降に公園を訪れるなら、ぜひ「彫刻の丘」に足を運んでみましょう。

さて、今回は「花と緑」をテーマにときわ公園について紹介しましたが、いかがでしたか?一度きりの訪問では、その魅力の全てを知り得ることは到底不可能です。きっと何度も訪れるごとに、公園の奥の深さ、楽しみの多彩さに感動するはずですよ!
兼行太一朗

兼行太一朗

フリーライター・カメラマンとして、山口県を拠点に活動中。 主に旅行、グルメ、歴史、地方創生などについての書籍やウェブサイトを中心に取材・執筆を行っている。拠点とする山口市では、歴史資源を生かした地域活性化に取り組むNPO法人「大路小路まち・ひとづくりネットワーク」にも所属し、守護大名大内氏や幕末に関する史跡、ゆかりの場所や人物についての取材を担う。(編集/株式会社くらしさ)

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