クリームボックスって何ぞ?郡山市民が愛してやまないご当地スイーツを食べ比べ!

2019.04.06 更新

福島県郡山市で親しまれている「クリームボックス」。厚切りの食パンに真っ白なミルク風味のクリームをたっぷり塗った菓子パンで、郡山市民で知らない者はいないソウルフードです。市内のパン屋さんには必ずと言っていいほど置いてある定番商品ですが、県外で見かけることはほとんどありません。今回は、郡山に行ったら必ずチェックしてほしいご当地グルメ、クリームボックスの名店をご紹介します!

▲定番から変わり種まで、クリームボックスはお店によって味も形も個性豊か

郡山のソウルフード、クリームボックス

福島県の中央部に位置する郡山市は、東北で3番目に人口の多い大きな都市。東京から東北・山形新幹線を使えば1時間30分で行けるアクセスの良さが魅力の穴場観光スポットです。
▲新幹線も停まるターミナル・JR郡山駅

郡山ならではのご当地グルメで全国でも知名度急上昇中なのが、厚切りパンにクリームをたっぷりのせた「クリームボックス」です。高校の売店で売られているほど地元の人たちにはおなじみの菓子パンですが、郡山市以外では見かけることがほとんどないため、郡山を出るまでクリームボックスが市民グルメと気づかない人も多いのだとか。

市内のパン屋さんならどこでも見つけることができますが、それぞれ生地やクリームに独自の工夫を凝らしているので、食べ比べにぴったりなんです!

元祖!クリームボックス発祥の店「ベーカリー ロミオ 」

まず最初にご紹介するのは、クリームボックスを初めて販売した元祖のお店「ベーカリー ロミオ」です。1974(昭和49)年、地域に愛されるパン屋さんを目指して郡山駅前にオープンしました。その後、現在のイトーヨーカドー郡山店内に移転。
▲「イトーヨーカドー郡山店」1階の店舗にはクリームボックスがずらり

クリームボックスが誕生したのは、1976(昭和51)年のこと。当時の従業員たちが新商品のアイデアを練っていた際、お客さんにおいしいと喜んでもらえるパンを作ろうと思ったのがきっかけです。試食したところ、あまりのおいしさにこれを商品化すると若い女性の間で評判となり、その後市内のパン屋さんにも広がって、子どもから大人までみんなに愛される市民グルメに成長したのだそう。

訪れたのは平日のお昼どき。驚いたのはその混雑ぶりです。レジ前には、山もりのパンがのるトレイを手にしたお客さんの列が。どのトレイにももれなくクリームボックスがのっています。さすがは元祖!地元の人に愛されているお店なんだなと実感します。
▲クリームボックス(130円)

そんな「ベーカリーロミオ 」の元祖クリームボックスが、こちら。

一辺が15cm、3cmほども厚みのある厚切りの食パンの上に、たっぷりのミルククリーム!これぞ定番といった風格を感じます。低温熟成させた生地はミルク風味でもっちりふわっふわ。上に乗ったクリームもミルク風味が濃厚で、トロッとコクがありながら後味はあっさりして甘ったるさがありません。うーん、どんどんイケちゃいますね、これは!

あー、お土産に持って帰りたい!そんな方のために、こんなキュートな箱入りのクリームボックスもありますよ。
▲三万石ショップで販売されている「クリームボッくん」(200円)

こちらはJR郡山駅構内にある「郡山おみやげ館」の三万石ショップで購入できる超人気商品。1日数量限定で、お昼過ぎには売り切れることが多いので、ぜひ早めにチェックしてみてくださいね。

2014(平成26 )年10月にご当地グルメの祭典「B1グランプリ」が郡山市で開催されると、見た目のかわいらしさとおいしさでクリームボックスの注目度は急上昇!今では県外から元祖を求め、「ベーカリー ロミオ」を訪れる人も多いのだとか。

郡山で出会うすべてのクリームボックスのベースとなる味なので、ぜひ味わってみてください。

まるでケーキ!写真映え必至の「石窯パン工房 パンテラス郡山店」

次にご紹介するのは、国道49号日出山交差点近くにある「石窯パン工房 パンテラス郡山店」。2017年にオープンした、自然素材にこだわった人気のベーカリーです。
▲2階には自然素材の家具を扱うインテリアショップが併設されている
北欧風のすっきりとした店内には、さまざまな種類のパンが並んでいます。
えーと、クリームボックスは……。
ありました!窓際の棚のほぼ一面がクリームボックスコーナーになっています。
こちらのクリームボックスはとにかく種類が豊富。定番のプレーンやチョコに加え、季節に合わせた商品など最大12種類、常時7~8種類を揃えているんです。
▲訪れた2月半ばには、季節商品としてモンブラン(160円)やゆず(140円)が並んでいた

そして、こちらが季節問わず人気となっている3品です。
▲左から、ミルクティ(140円)、プレーン(110円)、カベルネ(160円)

見た目がかわいくて、食べるのがもったいないくらいですね!
「ええ、見た目にはこだわっています」と言うのは、副店長の壁谷沢祐太(かべやざわゆうた)さん。
「クリームボックスはお客様からの人気が高く、オープン当初から看板商品です。ケーキに比べて安価でかわいらしいので、サラリーマンの男性がお土産に買っていくことも多いんですよ」と壁谷沢さん。

ミルクティはアールグレイ紅茶風味のクリームの上にレモンピールがのっているし、カベルネはワイン品種のぶどうジャムにブルーベリーとラズベリーをトッピングしてミルククリームで囲むという、凝ったつくり。男性からお土産にもらったら歓声をあげてしまいそう……。

ではさっそく、プレーンをいただいてみます。こちらも大きさは約15cm角。厚みも3cmほどと食べ応えがありそう。
!!すごくパンがモチモチしています!
クリームはミルクの味が濃厚で、本当にケーキを食べているみたい。この食パンはクリームボックス専用で、小麦粉をお湯でこねる湯種製法で作っているため、モチモチした食感でしっかりとした味わいです。
▲広々としたイートインスペース

売り場の奥には広いイートインスペースがあるので、買ったパンと淹れたてコーヒーをその場で味わうことができます。モーニングタイム(7:00~10:00)にはパン2つとコーヒーのセットが300円で、ティータイム(14:00~16:30)にはパン1つとコーヒーのセットが200円で楽しめます。

週末は朝から満席になるほどの人気ぶり。春には桜やイチゴ風味のクリームボックスも登場予定ということで、足を運ぶたびに違うテイストが楽しめそうですね。クリームボックスはどれも売り切れ必至なので、早めの来店がおすすめですよ!

丸いやわらかパンにたっぷりクリームが人気!「フォンデュ」

最後にご紹介するのは、国道4号郡山インター線沿いにある「フォンデュ」のクリームボックスです。
2009(平成21)年にオープンした「フォンデュ」では、当初クリームボックスはあえて扱っていませんでしたが、お客様からの要望が多かったため、ラインナップに加えたのだそう。郡山市民のクリームボックス愛の深さがうかがえます。
▲売り場のすぐ横がパン工房のため、焼きたてが最短距離で店頭に並ぶ

こちらのクリームボックスの特徴は、食パンではなく生クリームがたっぷり練りこまれたやわらかい丸太ブレッドを使っていること。丸いクリームボックスというのは珍しいですよね。
▲左上から時計回りに抹茶ボックス(129円)、チョコボックス(129円)、桃のクリームボックス(140円)、クリームボックス(129 円)

種類はプレーン、チョコ、抹茶、桃の4種類。
「いろいろ試しましたが、この4種類に落ち着きました」と、店長の渡部(わたなべ)哲也さん。
▲職人歴20年以上の渡部店長は、全国でパン作りの指導員もやっていた達人

特に桃は福島の特産品ということもあって、人気の商品。ピンク色のクリームの上にはカットした桃がのっていて、見た目がとってもキュートです!
▲カットした丸太ブレッドの上に桃のクリームをたっぷりのせ、そのまま一度オーブンで焼いてからカットピーチをトッピング

食べ比べもこちらで3店目、今回も焼きたてのプレーンをいただいてみます!
▲直径は12cmくらい、厚みはやはり3cmほど

パンの外側がカリッと香ばしくて、上にたっぷりのったクリームがプルプルしています!生クリームを使ったミルククリームはコクがありつつ、甘さひかえめなので口当たりがまろやかです。

3日間は日持ちするので、お土産にまとめ買いする方も多いのだとか。丸くてかわいいクリームボックスは誰にでも喜ばれそう。冷やして食べてもおいしいですよ!
▲「酪王いちごオレ」と、コクの深い生乳を50%使用した「酪王カフェオレ」

いかがでしたか?郡山市民のソウルフードともいえるクリームボックス。やさしいミルククリームとふかふかのパンの組み合わせは他にはないおいしさです。ボリュームたっぷりなので、おやつはもちろん朝食にも良さそう。同じく40年以上の歴史を誇る福島県民なら誰もが知るロングセラー「酪王カフェオレ」と一緒に、ぜひ食べ歩いてみてください。

※記事内の価格はすべて税込です
髙松夕佳

髙松夕佳

編集者、ライター。茨城県つくば市のひとり出版社「夕(せき)書房」代表。『家をせおって歩いた』(村上慧著)、『山熊田 YAMAKUMATA』(亀山亮著)、『宮澤賢治 愛のうた』(澤口たまみ著)、『失われたモノを求めて 不確かさの時代と芸術』(池田剛介著)が好評発売中。ふるさと、茨城の魅力を再発見する日々。

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