「エアーパーク」は親子で1日中無料で遊べるすごい場所!戦闘機や防空システムを見て、触れて、学ぶ!

2019.03.02 更新

航空自衛隊が運営する、日本で唯一の広報館「エアーパーク航空自衛隊 浜松広報館」(以下、エアーパーク)。ここは、実際に使われていた本物の戦闘機や輸送機などの展示だけでなく、大迫力の全天周シアターやフライトシミュレーターなどを楽しめる体験型の施設。しかも、これだけ揃って無料で遊べるというのが驚き!その魅力を体感するためにさっそく行ってきました。

大型輸送機がお出迎え、入館前から大興奮!

東名高速道路・浜松西ICを下りて、「航空自衛隊浜松基地」を横目に見ながら基地の外周を走れば、10分ほどで「エアーパーク」に到着です。駐車場は150台ほどあり、料金も無料。平日はゆっくり滞在できるのがうれしいですね。休日は人気で満車になることもあるので、早めの来館がおすすめです。
航空自衛隊浜松基地といえば、航空機ファンの聖地のひとつ。毎年10月頃には基地航空祭「エアフェスタ浜松」が開催され、アクロバティックな航空ショーが人気です。
▲太陽の光に輝くスペーシーな外観。左部分が展示資料館で、右の円筒状の建物が全天周シアター
エアーパークは、航空自衛隊のさまざまな活動を伝える3つの施設で構成されています。航空自衛隊について学べる「展示資料館」、ドームスクリーンに映し出される迫力の映像を体感する「全天周シアター」、歴代の戦闘機や零戦(ぜろせん)などを展示した「展示格納庫」があります。
▲航空自衛隊で創設期に導入された「C-46輸送機」。物資輸送、空挺隊訓練、人員輸送など幅広く活躍した。全長23.28m、全幅32.34m

「でかっ!」と思わず叫んでしまったのは、駐車場とエアーパークの間にある輸送機やミサイルの屋外展示。テレビで見るよりも圧倒的な大きさに自然とテンションが上がり、「あの機体、コックピットが透けてる!」とか、「タイヤ、太いわぁ」なんていいながら、前から横から、後ろから機体を観察してしまいます。機体の前で記念写真を撮っているお客さんも多いです。
▲くの字になった形が“空飛ぶバナナ”と呼ばれた「H-21B救難ヘリコプター」。1960(昭和35)年〜1967(昭和42)年まで人員輸送や救難用として使用された
駐車場の東側、展示格納庫の前にあるのが「F-86F(ブルーインパルス仕様)」。1960(昭和35)年、第1航空団に「空中機動研究班」として発足したブルーインパルスは、東京オリンピックの開会式で大空に五輪のマークを描いたり、大阪万博の開会式で展示飛行をしたことで知られています。失敗できないミッションを果たした歴史的な機体と同じものが目の前にあることに興奮しつつ、まずは受付に向かいます。

実物を見て、戦闘機の仕組みを学ぶ

明るく開放的なエントランス。入館料は無料なので、受付でパンフレットをもらい、さっそく展示スペースへ。ゆっくり見るなら、午後よりも、比較的空いている午前がおすすめ。1階では航空自衛隊の「任務と活動・研究開発・航空機のメカニズム」を実機やパネルで紹介しています。
まず目に飛び込んできたのは戦闘機「F-2」(実物大模型)。多くの国で主力機として採用されているアメリカ製F-16戦闘機をベースに、日米で開発を進めたそう。洋上の敵艦隊や領空内に侵入した敵機を攻撃する役割があります。
「F-2」を題材に、戦闘機の研究開発の歴史、試作機の目的などを初心者にも分かりやすくパネルや映像で紹介しています。プロジェクトXのような開発者による数々のドラマがあったんだろうなと妄想がふくらみます。
▲機体の空気抵抗などを観察する実験用に作成された模型。細かな部分まで丁寧に作られている

隣には、航空自衛隊の任務や活動を紹介するコーナーがありました。日本の空を守るため、24時間365日、休むことなく警戒を続けている航空自衛隊。大地震や水害といった自然災害が発生した際の救援活動や、国連平和維持活動などにも参加し、日本だけでなく、世界でも活躍していることが紹介されています。
▲ホログラムを使い、領空侵犯された場合の対処や有事の対応を映像で紹介する「バーチャル防空管制指令室」
▲全国にある航空自衛隊基地のマップ。北は稚内(わっかない)から南は宮古島まで73カ所の基地がある
奥に進むと見えてきたのは、最初に展示されていたF-2の1世代前に活躍していた「F-1戦闘機」。航空自衛隊ができてから日本初の国産機で、実際に使用していたものを展示。機体の一部が外され、戦闘機のメカニズムを間近に見ることができます。解説パネルや映像で学んだ後に実物があるので、小さな子どもでも分かりやすいです。
▲階段が用意され、コックピットの中をじっくり見学できる
▲エンジンもむき出し!現代航空機の主流であるターボファンエンジンを搭載している
▲尾翼に描かれている侍をモチーフにしたイラストがカッコイイ!

戦闘機のコックピットやエンジンなんて、初めて見ました!計器やスイッチが並んでいるだけなのに、こんなにもワクワクしてしまうのは筆者が男だからでしょうか。心地よい幸福感に包まれて2階へ向かいます!

模型やシアターで、魅力を全方位から紹介

2階に上がり最初に展示されていたのが、航空自衛隊が保有している全ての航空機の精巧な模型。戦闘機や輸送機、航空自衛隊が直轄する政府専用機などがずらりと並んでいます。大きさは全て32分の1スケールなので、機体の大きさを比較しやすいです。
▲一番手前にあるのが「F-15J戦闘機」。愛称は“イーグル”
▲尾翼にナンバリングされているのが、3代目ブルーインパルス「T-4」。手前にあるのは、輸送機・救難機等基本操縦練習機「T-400」
模型展示の反対側でひときわ目立っているのが、基地防空の最終段階で使われる2つの対空機関砲。写真はドイツ製の「ラインメタル対空20ミリ2連砲」。1分間に1,000発発射し、2,000m先にいる機体にまで届きます。飾りっ気のない武骨なデザインから、本物の武器であることが伝わってきます。
▲シート側に回ってみるとジョイスティック型のコントローラーとスコープが見える
その向かいにあるのが、基地防空の最後の砦「対空機関砲VADS(Vulcan Air Defense System)」で、低空で侵入する亜音速機を6つの砲身で追撃します。有効射程距離は1,200m、高速時には1分間に3,000発を発射(1秒間に50発!)。レーダーやコンピューターなどを搭載しているので半自動で捕捉、追尾し、射撃することで、高い確率で命中させることができるそう。6つの砲身が1つになって、いかにも強そう。
他にも、パイロットの装備品や救難時の装備品、地上武器、航空機搭載ミサイルなどが展示されています。興味津々にいろいろ見ていると、全天周シアターが始まるとの館内放送に促され、2階フロアの南側へ。
2階にある全天周シアターを見るためには、1階受付で入場整理券をもらう必要があります。ここでは、ブルーインパルスのダイナミックな飛行シーンが見られる「創造への挑戦」。訓練で敵部隊を担当するアグレッサー(仮想敵)部隊の葛藤をドラマ仕立てで紹介する「アグレッサー」。海上や雪山で行う航空救難隊の厳しい訓練の様子を収めた「最後の砦」の3つを上映しています。
▲階段状になった観客席は、映像を見やすい上段の席がおすすめ。シートはリクライニングできる
ドームスクリーンの直径はなんと15m!今回見たのは、ブルーインパルスが活躍する「創造への挑戦」。視界いっぱいに広がる映像に足下から頭の先まで包まれたかのような感覚に!ぐるぐると旋回する映像に引き込まれ、気分はまるでブルーインパルスに乗っているかのようでした。
全天周シアターの出口を進んだ先にあるのがブルーインパルスをデザインした「簡易シミュレーター」。第1航空団で訓練しているパイロット学生と同じ飛行コースを体験できます。音声で操作を案内してくれるので、子どもでも簡単に体験できます。
コースは「練習機」、「戦闘機」、「輸送機」の3コースがあり、一番簡単な「練習機」をチョイス。音声案内に従い、画面にある計器を見ながら操縦桿を操作して離陸します。最初は水平を保つのが難しかったけれど、しばらく操作するうちに感覚をつかみ、機体を自由に操ることができました。ちなみに3回墜落するとゲームオーバー。
▲練習機コースの様子

画面には浜松市の街並みが映し出され、上空をゆっくりと旋回。しばらくすると基地に戻る指示が出るので、画面の指示に従いスピードを落とし、着陸します。ちなみに筆者は1回も落ちることなく、無事に帰還。時間にして5分ほどの飛行でしょうか。このシミュレーターは行列ができるほどの人気で、時間があれば他のコースも体験してみたかったです。
2階の連絡通路に戻り、お待ちかねの「展示格納庫」へ向かいます。

歴代の航空機がずらりと並ぶ!

連絡通路を渡ると、展示格納庫の2階部分に到着!こちらではブルーインパルスをはじめ、実際に使われた歴代の戦闘機やヘリコプターなど、19機が展示されていました。吹き抜けになった大空間に陽光が差し込み、機体がキラキラと輝いているように見えます!
▲目の前のプロペラ機が零戦

1963(昭和38)年にアメリカのグアム島で発見され、修理された「零式艦上戦闘機『五十二型』43-188号機」。通称、零戦。かつて太平洋戦争時に1万400機あまり生産されましたが、その多くは終戦とともに焼かれ、国内に現存するのはわずかに8機。その1機がここにあるんです!かつて敵機と戦闘を繰り返した名機は、今、青空のような天井に映え、気持ち良く遊覧飛行しているように見えました。
あのジブリ映画に登場する飛行機のモデルになったといわれる「SVA-9」。1920(大正9)年、イタリアから東京への長距離飛行に初めて成功した2機のうちの1機のレプリカで、1970(昭和45)年に開催された日本万国博覧会(大阪万博)のイタリア館にて展示されていたものです。
ここでなんと、展示格納庫の一角にパイロットスーツとヘルメットを発見!聞けば、衣裳や靴の無料貸出を行っているとのこと(貸出時間は15分間)。サイズは身長100cm用から大人用の3Lまで用意されています。青いパイロットスーツは子ども限定のブルーインパルス仕様です。
▲さまざまなデザインがある飛行隊ワッペン
親子でおそろいのパイロットスーツに着替えれば、気分は航空自衛隊のエースパイロット!映画『トップガン』のテーマ曲が聞こえてきそうです。航空機の前やコックピットに乗って、素敵な写真をたくさん残してください。
▲「F-86F戦闘機」

展示している航空機のいくつかは、実際にコックピットに乗り込むことができるというのも、飛行機ファンにはたまりません。日時によって着座できる航空機は異なり、休日には行列ができるほどの人気。
上写真の「F-86F戦闘機」はブルーインパルスとして活躍した機体。1964(昭和39)年の東京オリンピック開会式で上空に五輪を描いたり、1970(昭和45)年の大阪万博で曲芸飛行をした名機と同じ機体。
元整備員のスタッフに話を聞くと、東京オリンピックで描いた輪の直径は一つあたり約1,800m。パイロットは手動で機体を操作しなければならず、輪が大きかったり、いびつだったりと、練習ではいつも失敗。実は、開会式当日の本番で初めて成功したそうです。
▲アナログな計器がびっしり付いた「F-86F戦闘機」のコックピット。大人にはちょっと狭いかも
▲本来は戦闘機なので、機体横には弾丸の発射口がある
「F-86F戦闘機」の向かいにあるのは、2代目ブルーインパルスとして活躍した「T-2高等練習機」。最大速度はマッハ1.6で、すなわち時速1,960km/時。東京~大阪間が約400kmなので、約12分で到着する計算。めちゃめちゃ早い!
▲ブルーインパルスのパイロットの任期は3年。個人機として使うので、側面には名前が印字されている
▲「F-86F戦闘機」よりもすっきりと洗練した印象のコックピット。靴を履いたままシートを踏んで、乗り込む
展示資料館で見た「F-1戦闘機」にも搭乗できます。操縦桿を握ったり、レバーを動かしたり、足下のラダーペダルを踏んだり。機体周りのデザインもかっこいいですね。
戦闘機だけでなく、ヘリコプターや多用途機なども展示しています。写真は黄色のカラーリングがかわいらしい救難ヘリコプター「V107救難ヘリコプター」。
▲「V107救難ヘリコプター」の中はたくさんの人が搭乗できるようになっている
本物の航空機を改造した「動揺型フライトシミュレーター」は、2019年2月現在機材トラブルにつき休止中とのこと……。それでも、コクピットに乗って記念撮影することはできます。直るのが待ち遠しいなぁ。
展示格納庫の1階北側には、航空自衛隊の滑走路を眺められる休憩スペースがあります。この日はタイミング良く、離発着の練習を繰り返す航空機を見ることができました。日によっては他の航空自衛隊機も見られるそうです。
あっという間に離陸し、遠ざかっていく姿をいつまでも眺めてしまいます。展示格納庫をたっぷり満喫して、ふたたび展示資料館に戻ります。
展示資料館3階にある喫茶スペース「喫茶スカイラウンジ Fuji」では、自衛隊のオリジナル「撃カレー」600円(税込)や「海軍カレー」700円(税込)を味わえます。窓の外には航空自衛隊の滑走路があるので、広い景色を眺めながら休憩することができますよ。
一日中遊んで、心地よい満足感とともに、受付前にあるミュージアムショップ「TSUBASA(ツバサ)」に行くと、広報館オリジナルの商品や航空機の模型、Tシャツなどがずらり。お店のスタッフにおすすめの商品を教えてもらいました。
▲銀座コロンバンの「フールセック」9個入り540円(税込)

厳選バターを使った3種類の味がセットになった焼き菓子は、エアーパークだけのオリジナル商品。テレビでも紹介された人気の一品です。
ブルーインパルスや萌えキャラが描かれた「ふわふわパンの缶づめ」各540円(税込)。真ん中は黒豆入り、両端がキャラメルチョコ味。航空ファンからアニメファンにまで幅広い層に人気。
静岡県が誇るプラモデルメーカーのタミヤをはじめ、ハセガワ、童友社による、32分の1~72分の1スケールの航空自衛隊機のプラモデルが充実しているのもこちらの魅力。実物大展示を見てすっかりファンになってしまった筆者は、「T4 ブルーインパルス」のプラモを購入しました!
いやぁ、見学を終えた頃には、航空自衛隊が少し身近な存在になっていました。パイロットスーツに着替えて戦闘機に乗り込めたり、シミュレーション体験もできて無料なのだから、行かない手はないですよね。航空機ファンのロマンにあふれ、大人も子どもも世代を問わず楽しめるのが「エアーパーク」の魅力。ぜひ、家族で遊びに出かけてみてください!
大杉晃弘

大杉晃弘

大阪にて結婚・住宅情報誌の制作ディレクターとして、企業の販促活動に従事。その後、地元浜松へUターン。編集、文章、写真の仕事をしつつ、活版印刷工としても修行中。

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