肉の重量感がすごい!名古屋の肉屋「スギモト」が手がける幻のビーフカレー

2015.10.02 更新

今や世界中で愛されるカレー。しかし、一言でカレーといっても日本人に馴染み深い欧風カレーに始まり、スープカレーやキーマカレー、さらには独自の進化を遂げた個性派まで、カレーの世界というのは本当に奥深いもの。

この企画では、これまで7,000店舗以上のカレー店を制覇したカレーの第一人者・井上岳久先生(株式会社カレー総合研究所代表取締役)と、私、カレー初心者ライター・井上こんの“ダブル井上”で全国の名店カレーを食べ歩き、先生の解説とともに地域性や歴史背景も交えてさまざまなカレーを紹介していきます!前回は大阪から「甘辛カレー」をご紹介しました。さて、今回はどんなカレーが登場するのでしょうか?

【Contents】

1.肉の総合商社「スギモト」が手がけるレストラン
2.幻のカレー、その味やいかに!?
3.肉のプロが語る「どこに出しても恥ずかしくない肉を」
あなたは「限定」という言葉に弱いですか?弱いと思う方は手を挙げてください。……はい、下ろしてください。本日ご紹介するカレーは、「限定○名様限り!」と見るやほぼパブロフの犬状態で買ってしまう、そんな限定中毒のみなさまにもおすすめしたい一品です。
ということでやってきました!本日のカレー巡礼旅は愛知県名古屋市からお届けします。お邪魔したのは「スギモト本店」。

1.肉の総合商社「スギモト」が手がけるレストラン

こちらのお店を運営するのは創業110余年の杉本食肉産業株式会社。肉の生産から加工、販売までトータルで管理する食肉流通の老舗でいわば「肉の総合商社」です。全国の百貨店やレストランにも自社商品を卸しており、スギモト抜きに食肉は語れないレベル。
こちらのレストランでは、松坂牛をはじめとした最高級の血統和牛を使用したすき焼きやしゃぶしゃぶ、ステーキなどを提供。メニューをのぞいてみると、夜は10,000円前後のコース料理など、一瞬尻込みしてしまいますが、そこはご安心を。ランチ帯は1,000円前後で楽しめるメニューもあります。

こん「あれ? 先生、“カレー”の文字が見当たりませんよ」
井上「うん、実はカレーを表に出さない理由があるんですよ」
井上「今日いただくのはビーフカレーなんだけど、このカレー、言ってしまえば“幻”なんですよ」
こん「幻というと……匂いしか嗅がせてもらえないとか?」

井上「違います」

こん「料理長が寝坊しなかった日だけ出るとか?」
井上「違う違う!1日10食しか提供されないんです」

こん「じ、10食!?」
井上「少ないよね。つまり、そもそも人気があるのでわざわざ表のメニューに出す必要がないんです。でもいつも行列ができてあっという間に完売してしまう。ランチ帯は予約ができないので食べられずに悔しい思いをしている人も多いみたいですね。あったらラッキーという感じかな」

1日たったの10食。幻と呼ばれる「お肉屋さんのビーフカレー」(税込870円)の全貌とは!?

2.幻のカレー、その味やいかに!?

では、3、2、1……じゃん!
どうでしょう、この牛ヒレ肉の重量感!ド級の存在感です。……いや、待て。ただ大きいだけの肉なら世の中いくらでもある。一体どうやって喜ばせてくれるというんだ君は。

ということで……
「いっただきま~す」
(パクッ)
うわわ、ホッロホロォォォ!この柔らかさ、あっと言う間にほぐれます。口に入れた瞬間、旨みがジュワッと広がり、その後は噛まずともほぼオートマチックにとけていきます。
井上先生も……

(パクッ)
井上「うん、最高に柔らかいね!ルーに最高級の牛の旨みが溶け込んでいます。ルーもスパイシーさ控えめで老若男女が好みそうな仕上がり。ホテルなどで提供されるような正統派の欧風カレーです」
▲あぁ止まらない!

3.肉のプロが語る「どこに出しても恥ずかしくない肉を」

感動的な柔らかさを誇るこのお肉は、A4ランク以上の和牛ヒレ肉。1階にある同社の販売店から仕入れており、前日にステーキや網焼き用にカットした際に出る切れ端を翌日のカレーに使うのだそう。なるほど、それで10食限定なのか!
▲ほうほう、このお肉を使っているんですね
ここからは料理長にもお話をうかがいました。

料理長「ルーは特に変わったところはないと思います。甘口と辛口を独自にブレンドし、最後に醤油をくわえて味を締めているくらい。ただ、うちは肉屋なので、端材とはいえどこに出しても恥ずかしくないお肉を使っています」

井上「いやいや、カレーのレベルも相当なものですよ。とはいえさすがに作り方は社外秘でしょう(笑)肉は煮込むとどうしても固くなってしまいますが、これだけの柔らかさを保つコツなどは?」

料理長「フライパンで軽くソテーしてから鍋に入れ、あまり長時間煮込まないようにしていますね」
井上「主役の肉の旨みを封じ込める調理手法ですね。正直、都内なら2,000円でも売れるクオリティだよね」
こん「たしかに、870円というのが信じられません。これが食べられるならいくらでも並ぶし、もっと高くても食べたいくらい!」

料理長「100グラム1,500円の肉を使用しておりますので、本当はそれくらいいただかないと難しいのですが……(笑)夜にもご来店いただけるよう、宣伝のひとつとして提供させていただいております」
▲こちらの美女は従業員の松井香菜美さん
こん「毎日どのくらいの時間で完売するんですか?」

松井さん「そうですね、日によりますが今日はオープンから30分経たずに完売しました。何度も並んでいただいたり、遠方からいらっしゃる方も多いので心苦しい限りです」

こん「『並んでさえいればいつか食べられる』じゃないところがプレミア感ありますねぇ~!」

おっと、そろそろカレー格言のお時間です。
じゃん!

井上「カレーは“幻”を見つけ出すべし! 誰も知らないカレーの名品を見つけよ」

こん「もはや肉料理!」

やっぱり餅は餅屋、肉は肉屋ですね。料理長の「どこに出しても恥ずかしくない肉を」という言葉どおり、スギモト渾身のカレーは肉が主役の絶品料理でした。1日10食の高ハードルを乗り越える価値がそこにはありますよ!
ちなみにこちらはスギモトが販売するレトルト食品「松坂牛ビーフカレー」(税抜1,000円)。松坂牛のモモやスネをふんだんに使っており、なんと販売累計25万食を超える大人気商品だとか。今回ご紹介した「お肉屋さんのビーフカレー」とは使用部位が異なりますが、スギモトの味を気軽に味わうならこちらもおすすめ。
最後はみんな一緒に牛ポーズ。スギモト本店さん、ありがとうございました!

井上岳久(カレー大學学長/株式会社カレー総合研究所代表)

カレー業界を牽引する、業界の第一人者。横濱カレーミュージアム責任者を経て現職に至る。カレーの文化や歴史、栄養学、地域的特色、レトルトカレーなど、カレー全般に精通。レトルトカレーは全国から2,000種類を収集し試食している。著書に『一億人の大好物 カレーの作り方』『国民食カレーに学ぶもっともわかりやすいマーケティング入門』など多数。

井上こん

井上こん

1986年生まれのフリーライター。「Yahoo!スポーツナビDo」「SPA!」「nomooo」「ウートピ」などのWEBメディアや雑誌「散歩の達人」などで執筆。

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