上賀茂神社 京都最古級にして世界遺産の神社で、神聖な空気に包まれよう

2019.04.18 更新

京都で最も古い神社のひとつといわれている「上賀茂神社(かみがもじんじゃ)」。世界遺産にも登録された由緒正しい神社の魅力とともに、京都三大祭りのひとつで、上賀茂神社で行われる「葵祭(あおいまつり)」の魅力もあわせてお伝えします。

川のせせらぎを聞きながら、澄んだ空気の中を参拝

京都市北区にある上賀茂神社は、神話の時代から続く京都で最も古い神社のひとつです。正式名称は「賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ)」といい、平成6(1994)年には「古都京都の文化財」の17ある構成資産のひとつとして、世界文化遺産に登録されています。
上賀茂神社は下鴨神社(しもがもじんじゃ)と共に「賀茂氏」の氏神を祀る神社。ご祭神は、神武天皇の御代に賀茂山のふもとに降臨したといわれている賀茂別雷大神(かもわけいかづちのおおかみ)です。
また、賀茂別雷大神の母である「玉依日売(たまよりひめ)」とその父の「賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)」は下鴨神社に祀られています。この二つの神社はとても縁が深く、例年5月15日に行われる葵祭は上賀茂神社と下鴨神社の両社で執り行われているのです。

上賀茂神社は、京都の町の中心を流れる鴨川から歩いてスグ。最寄りの停留所である京都市バス「上賀茂神社前」から徒歩約5分の場所にあります。

それではさっそく上賀茂神社に参拝しましょう!
鴨川にかかる「御薗橋(みそのばし)」を渡り境内へ向かうと一の鳥居が見えてきます。まずはこちらで一礼をしましょう。
上賀茂神社の境内はとっても広いです。一の鳥居から二の鳥居までは、このように長い参詣道と芝生の馬場が広がっています。緑に包まれた下鴨神社の「糺の森(ただすのもり)」とは異なり、とても開放的な参詣道です。
馬場にはしだれ桜の木が植えられていて、春には見事な花を咲かせます。例年の見頃は3月下旬から4月上旬頃。この時季は多くの花見客で賑わいます。
一の鳥居から2分ほど参詣道を歩くと、二の鳥居が見えてきます。ここでも一礼をして、中に入って行きましょう。
この鳥居をくぐると、広い砂場の先に目に入ってくるのが「細殿(ほそどの)」と、その前に盛られた2つの砂山です。
こちらの砂山は「立砂(たてずな)」と呼ばれ、賀茂別雷大神が降臨したと伝えられる、本殿の背後に位置する「神山(こうやま)」を模したものです。頂上部分には2本(向かって右)と3本の松葉(向かって左)が立てられています。
こちらの立砂ですが、現在でも行われている鬼門や裏鬼門に砂をまき清める習慣の起源になったといわれています。写真だと分かりにくいかもしれませんが、意外に大きく存在感があり、神聖なパワーを感じる場所でした。
▲立砂の横に置かれていた「清めのお砂」(一包500円)。お清めのパワーを自宅に持ち帰ることができる
▲2つの川の流れが合わさった「ならの小川」

境内には「御物忌川(おものいがわ)」、「御手洗川(みたらいがわ)」という2つの川と、それらが合流した「ならの小川」が流れています。ならの小川は、葵祭の禊(みそぎ)の儀式を行う神聖な場所としても知られています。澄んだ空気が漂う川の周辺を散策すれば、心が洗われるようです。
また、手水舎の水は、賀茂別雷大神降臨の地である神山の水を汲みあげたものが使われています。
▲楼門の前にかかる「玉橋」。こちらも国の重要文化財

手水舎から橋を渡って進むと「楼門(ろうもん)」が見えてきます。この楼門と東西に伸びる回廊は寛永5(1628)年に建て替えられたもので、国の重要文化財に指定されています。
楼門の奥には、国宝である本殿や式年遷宮の際に仮の本殿となる権殿(ごんでん)がありますが、通常は非公開なので見ることができません。
本殿の手前にある「中門」の前で、二礼二拍一礼のお参りを。神様へのご挨拶が済んだら、もう少し境内の見どころを散策してみましょう。
▲岩上(がんじょう)は川を挟んで楼門の向かい側にある

岩の前にしめ縄で囲われた「岩上」と呼ばれるスポット。葵祭では、この岩の上で行事が執り行われる神聖な場所です。先述の神山とともに賀茂信仰の原点であり、古代の祭祀の姿を今に伝える場所で、境内の中でも特に「気」が集中するパワースポットといわれているのです。
岩上のすぐ脇には「須波神社(すわじんじゃ)」があります。こちらは居住地を守る神様が祀られている摂社で、国の重要文化財に指定されています。
階段を上った高台にあるので、お参りした後振り返ると楼門を見下ろす角度で写真を撮ることができますよ。
続いては、玉橋のたもとにある「片岡社(かたおかのやしろ)。」上賀茂神社ご祭神の母神である「玉依日売」が祀られている摂社です。
「片岡社」は縁結び、恋愛成就の御利益があることでも知られています。かの紫式部も、何度もここに参拝して恋の願いをかけたのだとか。社にはハート型の絵馬がたくさんかけられていました。

上賀茂神社で見つけた、かわいらしいお守りをご紹介。境内にオープンした休憩所も必見!

境内を散策したら、参拝の記念に授与所でおみくじやお守りを探してみるのもいいでしょう。いろいろとお守りがありましたが、筆者が特に気に入ったものはこちらです。
一つ目は「八咫烏(やたがらす)みくじ」(500円)。神武東征の神話で、神武天皇御一行を導いた八咫烏をかたどったおみくじです。将来を良い方向に導く指針がおみくじに書かれています。

八咫烏は三本足の不思議な鳥で、サッカー日本代表のシンボルマークとしても有名ですね。立ってこちらを向いている八咫烏の顔がユーモラスでなんともかわいらしいです。
続いてはこちらの「航空御守(800円)」。空の安全を祈願する珍しいお守で、パイロットやCAさんがこぞって買っていくそう。もし、海外旅行などに行く人が身近にいれば、お土産に渡してあげると喜ばれるでしょう。
▲干支をかたどった竹細工には、たくさんのおみくじが結ばれていた
また、2019年4月10日には境内にお休み処「神山湧水珈琲 煎(こうやまゆうすいこーひー せん)」がオープンしました。

境内を流れる「神山湧水」を使って入れた世界で唯一のコーヒーは、上賀茂神社と味の素AGF株式会社が共同で作ったもの。
豆選びからブレンド、焙煎に至るまで、泉水を活かすよう試行錯誤をくりかえし完成したそうです。
▲神山湧水珈琲 煎(ホット、アイス)400円(税込)

開設場所は憩いの庭および社務所横で、提供時間は10:00~16:00。参拝の後に立ち寄って、美味しい癒しのひとときを味わってください。
いかがでしたか?川のせせらぎが聞こえ、明るく開放的な上賀茂神社。清々しい空気が満ちる境内を散策して、神聖なエネルギーを体中で感じてみてください。

京都三大祭りのひとつ「葵祭」の見どころをご紹介

▲写真提供:上賀茂神社

平安時代より続く日本最古級の祭祀である「葵祭」。古くは「賀茂祭(かもさい)」と呼ばれ、かつての王朝文化や風俗、伝統を今に伝えるお祭です。

なんと言っても、全行程で約8kmにもおよぶ行程を、色とりどりの平安装束を身にまとった人々の行列が練り歩く「路頭の儀(ろとうのぎ)」が見どころです。勅使や検非違使(けびいし)、斎王代(さいおうだい)など、平安貴族の衣装を着た人々が歩く様は、古都の雅を感じさせてくれます。
▲写真提供:上賀茂神社

写真は、葵祭のヒロインである斎王代。斎王とは当時の内親王(お姫様)のことで、五衣裳唐衣(いつつぎぬものからぎぬ)をまとい、腰輿(おようよ)という輿に乗って現れるその姿は、祭りの見どころのひとつです。
行列は京都御所からスタートし、下鴨神社を経由、最後にここ上賀茂神社に到着します。
▲写真提供:上賀茂神社

10:30にスタートした行列が上賀茂神社に到着するのは、だいたい5時間後の15:30頃。各所沿道で観覧可能ですが、当日はかなり混雑が予想されるので、時間に余裕をもって出かけるのがよいでしょう。
いにしえの都の風情を感じることができる葵祭。京都・上賀茂神社に足を運ぶ際は、ぜひ新緑も美しい葵祭の時季に訪れてみてください。
妙加谷 修久

妙加谷 修久

京都市在住の旅行系ライター兼ディレクター。全国各地に足を運び、旨いモノを食べ、温泉に浸かる日々。ここ京都を中心に、知っているようで知らない「日本のイイトコロ」を紹介します。日本酒好きが高じて利き酒師の資格を取得しました。

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