高知特産「土佐文旦」は、爽やかな香りと甘酸っぱさが魅力。1度食べたらやみつき!

2019.02.20 更新

グレープフルーツのような大きさと、爽やかな香りが特徴的な「文旦(ぶんたん)」は、高知県が日本一の生産量を誇る特産品です(2014年農林水産省統計)。高知では、秋に旬を迎える「水晶文旦」と、春先に旬を迎える「土佐文旦」を栽培しており、その季節が訪れると青果店や日曜市に文旦がズラリと並び、道路沿いには無人販売所も立ち並びます。そこで今回は、今が旬の土佐文旦や文旦スイーツを味わいに、「白木果樹園」と「マンジェ・ササ」へ行ってきました。

高知県民が愛して止まない「土佐文旦」の歴史

土佐文旦は、昭和初期に高知市内の「農事試験場朝倉試験地(現在の農業技術センター果樹試験場)」で作られていた苗木を、昭和18(1943)年に土佐市の農家・宮地文弥(みやぢふみや)氏が地元の宮ノ内地区に植えたのがはじまり。昭和21(1946)年より宮地正憲氏、和夫氏兄弟が受け継ぎ、栽培の基礎を築いたそうです。宮ノ内地区には、その偉業を讃えた“土佐文旦発祥の地”の碑が建てられています。
▲南国・土佐の太陽をいっぱい浴びて育つ土佐文旦

「土佐文旦」栽培のエキスパート「文旦屋・白木果樹園」へ!

宮ノ内地区にある「文旦屋・白木果樹園」(以下、白木果樹園)は、1890年頃に「小夏(柑橘の一種)」の樹を植えたことからスタートし、現在では土佐文旦や水晶文旦をはじめとする文旦約40種、その他の柑橘類約60種を栽培しています。こちらの土佐文旦には、2~4月が旬の露地栽培と12~1月が旬のハウス栽培のものがあり、露地栽培のものは、なんと“農林水産大臣賞”を2度も受賞(1983年、1986年)、ハウス栽培のものは色・形が美しいと評判で、贈答品としても人気です。

ちなみに、「土佐文旦」と「水晶文旦」はそもそも品種が違い、水晶文旦は寒さに弱いため、ハウス栽培でないと実らないデリケートな果実なんだそう。文旦類の中でも糖度が高く、上品な味わいが魅力です。
▲文旦畑を案内してくれた白木浩一さん

土佐文旦の畑を見せていただきながら、三代目園主の白木浩一さんに、露地栽培とハウス栽培について教えていただきました。
「文旦は、同種の花粉では受粉しにくい特質があるため、当園では小夏の花粉を利用しています」と、白木さん。花が咲きはじめると、1本の樹に数百個と咲く花の雌しべに、一つひとつ手作業で受粉していくんだとか!
▲文旦の花に受粉をしている様子(例年5月頃)

露地栽培の土佐文旦は、日当りと水はけのよい急斜面で2,000本ほどの樹が育てられています。同じ畑でも、場所によって出来具合が異なるため、全ての果実に陽があたるよう剪定(せんてい)したり、肥料をあげる量を変えたりと、1本1本の樹の状態を見極めながら育てているそうです。
▲収穫の様子(例年12月頃)

12月に収穫した土佐文旦は、樹の近くに掘った穴に入れ、藁をかぶせて寝かせる“野囲い”という方法で追熟させるんだとか。「収穫したばかりの果実は、酸味と甘味が喧嘩しあっていますが、追熟させることでバランスのよい土佐文旦に仕上がるんですよ」と、白木さん。
▲野囲いをしている様子

ハウス栽培は、昭和56(1981)年の大雪で畑に被害が及んだことから、「寒波にも負けない文旦を作りたい」と、昭和58(1983)年に開始したそうです。この画期的な栽培方法は、その頃から高知県に広まったといわれています。
ハウス栽培では、水切りシステムを導入し、天候や気温、果実の状態を見ながら水分量をコントロールすることで、露地栽培のものより甘みの強い土佐文旦に仕上がるんだそう。
▲ハウスの中で、すくすく育つ土佐文旦

「白木果樹園」には、樹齢50年以上の樹が多く、若い樹から育つ土佐文旦よりも、皮が薄くてマイルドな味わいの果実が育ちます。

と、色々と教えてもらいましたが、もうガマンできません!今回は取材ということで、特別に露地栽培の土佐文旦を試食させていただきました♪
まずは、文旦の食べ方をレクチャーしてもらいます。用意するものは、高知の家庭の多くに備えられている、柑橘類の皮むき器“ムッキーちゃん”です。“ムッキーちゃん”が無い方は、果物ナイフや包丁でもOK!
▲「白木果樹園」のロゴが入った“ムッキーちゃん”
▲1.まずは、“ムッキーちゃん”の白いふたにある尖った部分で、皮の真ん中にくるりと切れ目を入れていきます
▲2.果皮と果実の間にスプーンを入れて、果皮をキレイにとります。この果皮は盛りつけで使うので、とっておいてくださいね
▲3.果実のヘタがない方に指を入れて割ったら、一房ずつ小分けにします
▲4.房の種側の部分を“ムッキーちゃん”の刃がついている方にスライドさせて、閉じた薄皮を開きます
▲5. “ムッキーちゃん”で開いた薄皮を手でむいて、種をとります
▲6. むいた果実を果皮に盛りつけたら完成!

ひと口たべると、爽やかな香りと共に、ジュワーっと瑞々しい果汁が溢れます。甘酸っぱい果肉は、文旦独自の酸味と甘みが絶妙なバランスで、一粒一粒がプチプチッと弾ける食感もたまりません!ひとつ食べると、もうひとつ、もうひとつと口に運んでしまうクセになる美味しさです。
▲そのまま食べるのはもちろん、サラダやヨーグルトに入れて食べるのもオススメ!

露地栽培の土佐文旦は、2月は“はしり”、2月下旬から3月中旬は“さかり”、3月下旬は“なごり”といって、どんどん甘みが増していくそうなので、味わいの変化を楽しんでみてください。
ちなみに12~1月が旬のハウス栽培の土佐文旦は、酸味が少なく、シーズンを通して芳香な香りとコクのある甘さが楽しめます。ハウスものの土佐文旦もぜひ食べてみてください。
▲左が露地栽培、右がハウス栽培の土佐文旦。見た目の違いはあまりない

土佐文旦のシーズン中は、「白木果樹園」の店頭などで購入できるほか、文旦の加工品も販売しています。事前連絡で果樹園の見学も可能なので、ぜひ訪問してみてくださいね。
▲土佐文旦約10個をまるごと搾った贅沢な果汁「土佐文旦しぼり」(税抜3,000円)は、メディアにも取り上げられている人気商品

高知の旬を味わえるスイーツ店「マンジェ・ササ」

次にお伺いしたのは、「白木果樹園」の土佐文旦を使用したスイーツを味わえるカフェ&ケーキショップ「マンジェ・ササ たかそね本店」です。「マンジェ・ササ」は、高知市高埇(たかそね)にある本店と六泉寺(ろくせんじ)店の2店舗を構える人気店。
▲外観が印象的な「マンジェ・ササ」本店。高知駅からは、車で7分ほど

ショーケースには、オーナーが生産者の元へ直接出向いて仕入れた高知の果物や、素材本来の美味しさを活かしたスイーツがズラリと並んでいます。
また、店内には購入したスイーツやドリンクバー(各税抜150円~)を楽しめるカフェペースもあります。
購入した1つ目の品は、タルト生地に土佐文旦の果実をど~んと乗せた「文旦タルト」。果実の下には、土佐文旦の果皮を使ったジャムとカスタードクリームが入っています。
▲「文旦タルト」(税抜550円 ※仕入れにより価格に変動あり)

土佐文旦独特の甘酸っぱさに、程よい甘みを加えるカスタードクリーム。土佐文旦の爽やかな香り広がるジャムが、美味しいハーモニーを奏でています。
▲「文旦グラタン」(税抜700円 ※仕入れにより価格に変動あり)

次は、見た目のインパクトも大きい「文旦グラタン」です。土佐文旦の果実を1個まるまる使用した「文旦グラタン」は、土佐文旦の果皮の中にスポンジ・カスタード・果実を何層にも重ねて、ブリュレしています。ひと口食べれば、ブリュレのほろ苦い甘みの後から、文旦の爽やかな酸味、カスタードのマイルドな甘みが追いかけてきます。

「文旦タルト」と「文旦グラタン」は、どちらも2月中旬から3月下旬まで期間限定で作っているとのこと。県外からもリピーターが訪れるほど人気の2品は、ぜひ現地で味わってみてくださいね。
1度食べれば必ず虜になるという魅惑のフルーツ「土佐文旦」。高知県を訪れた際は、ぜひ食べてみてくださいね♪
畔元志保

畔元志保

高知県生まれ、高知県育ち、高知県が大好きな高知県民。高知県のタウン誌「ほっとこうち」の編集部勤務を経て、フリーライターになり、横長の高知県を西へ東へ駆け巡っている。高知県の大自然と、可杯・箸拳・菊の花を愛するお酒好き!

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