高知特産「土佐文旦」は、爽やかな香りと甘酸っぱさが魅力。1度食べたらやみつき!
グレープフルーツのような大きさと、爽やかな香りが特徴的な「文旦(ぶんたん)」は、高知県が日本一の生産量を誇る特産品です(2014年農林水産省統計)。高知では、秋に旬を迎える「水晶文旦」と、春先に旬を迎える「土佐文旦」を栽培しており、その季節が訪れると青果店や日曜市に文旦がズラリと並び、道路沿いには無人販売所も立ち並びます。そこで今回は、今が旬の土佐文旦や文旦スイーツを味わいに、「白木果樹園」と「マンジェ・ササ」へ行ってきました。

高知県民が愛して止まない「土佐文旦」の歴史

「土佐文旦」栽培のエキスパート「文旦屋・白木果樹園」へ!
ちなみに、「土佐文旦」と「水晶文旦」はそもそも品種が違い、水晶文旦は寒さに弱いため、ハウス栽培でないと実らないデリケートな果実なんだそう。文旦類の中でも糖度が高く、上品な味わいが魅力です。

土佐文旦の畑を見せていただきながら、三代目園主の白木浩一さんに、露地栽培とハウス栽培について教えていただきました。
「文旦は、同種の花粉では受粉しにくい特質があるため、当園では小夏の花粉を利用しています」と、白木さん。花が咲きはじめると、1本の樹に数百個と咲く花の雌しべに、一つひとつ手作業で受粉していくんだとか!

露地栽培の土佐文旦は、日当りと水はけのよい急斜面で2,000本ほどの樹が育てられています。同じ畑でも、場所によって出来具合が異なるため、全ての果実に陽があたるよう剪定(せんてい)したり、肥料をあげる量を変えたりと、1本1本の樹の状態を見極めながら育てているそうです。

12月に収穫した土佐文旦は、樹の近くに掘った穴に入れ、藁をかぶせて寝かせる“野囲い”という方法で追熟させるんだとか。「収穫したばかりの果実は、酸味と甘味が喧嘩しあっていますが、追熟させることでバランスのよい土佐文旦に仕上がるんですよ」と、白木さん。

ハウス栽培は、昭和56(1981)年の大雪で畑に被害が及んだことから、「寒波にも負けない文旦を作りたい」と、昭和58(1983)年に開始したそうです。この画期的な栽培方法は、その頃から高知県に広まったといわれています。
ハウス栽培では、水切りシステムを導入し、天候や気温、果実の状態を見ながら水分量をコントロールすることで、露地栽培のものより甘みの強い土佐文旦に仕上がるんだそう。

「白木果樹園」には、樹齢50年以上の樹が多く、若い樹から育つ土佐文旦よりも、皮が薄くてマイルドな味わいの果実が育ちます。
と、色々と教えてもらいましたが、もうガマンできません!今回は取材ということで、特別に露地栽培の土佐文旦を試食させていただきました♪
まずは、文旦の食べ方をレクチャーしてもらいます。用意するものは、高知の家庭の多くに備えられている、柑橘類の皮むき器“ムッキーちゃん”です。“ムッキーちゃん”が無い方は、果物ナイフや包丁でもOK!







ひと口たべると、爽やかな香りと共に、ジュワーっと瑞々しい果汁が溢れます。甘酸っぱい果肉は、文旦独自の酸味と甘みが絶妙なバランスで、一粒一粒がプチプチッと弾ける食感もたまりません!ひとつ食べると、もうひとつ、もうひとつと口に運んでしまうクセになる美味しさです。

露地栽培の土佐文旦は、2月は“はしり”、2月下旬から3月中旬は“さかり”、3月下旬は“なごり”といって、どんどん甘みが増していくそうなので、味わいの変化を楽しんでみてください。
ちなみに12~1月が旬のハウス栽培の土佐文旦は、酸味が少なく、シーズンを通して芳香な香りとコクのある甘さが楽しめます。ハウスものの土佐文旦もぜひ食べてみてください。

土佐文旦のシーズン中は、「白木果樹園」の店頭などで購入できるほか、文旦の加工品も販売しています。事前連絡で果樹園の見学も可能なので、ぜひ訪問してみてくださいね。

文旦屋・白木果樹園
高知県土佐市宮ノ内435
[農園見学時間]不定(電話で希望時間を応相談)
[定休日]日曜 ※臨時休業あり
088-855-1352(受付時間9:00~17:00)
高知の旬を味わえるスイーツ店「マンジェ・ササ」

ショーケースには、オーナーが生産者の元へ直接出向いて仕入れた高知の果物や、素材本来の美味しさを活かしたスイーツがズラリと並んでいます。
また、店内には購入したスイーツやドリンクバー(各税抜150円~)を楽しめるカフェペースもあります。


土佐文旦独特の甘酸っぱさに、程よい甘みを加えるカスタードクリーム。土佐文旦の爽やかな香り広がるジャムが、美味しいハーモニーを奏でています。

次は、見た目のインパクトも大きい「文旦グラタン」です。土佐文旦の果実を1個まるまる使用した「文旦グラタン」は、土佐文旦の果皮の中にスポンジ・カスタード・果実を何層にも重ねて、ブリュレしています。ひと口食べれば、ブリュレのほろ苦い甘みの後から、文旦の爽やかな酸味、カスタードのマイルドな甘みが追いかけてきます。
「文旦タルト」と「文旦グラタン」は、どちらも2月中旬から3月下旬まで期間限定で作っているとのこと。県外からもリピーターが訪れるほど人気の2品は、ぜひ現地で味わってみてくださいね。
マンジェ・ササ たかそね本店
高知県高知市高埇20-5
[営業時間] 9:30~19:30 ※カフェスペースは9:30~18:00(L.O.17:30)
[定休日] なし
088-861-8020

畔元志保
高知県生まれ、高知県育ち、高知県が大好きな高知県民。高知県のタウン誌「ほっとこうち」の編集部勤務を経て、フリーライターになり、横長の高知県を西へ東へ駆け巡っている。高知県の大自然と、可杯・箸拳・菊の花を愛するお酒好き!
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。
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