京都の知られざる竹林と松花堂弁当ゆかりの地<もうひとつの京都をめぐる旅3・竹の里・乙訓とお茶の京都>
もうひとつの京都をめぐる旅の第3弾は、「竹」と「松花堂弁当」がテーマ。京都の竹林といえば嵐山が有名ですが、「竹の里・乙訓(おとくに)」には知る人ぞ知る穴場の竹林があります。また、竹の里・乙訓のお隣、八幡(やわた)市は「松花堂弁当」にゆかりの深い土地。京都駅から電車ですぐとは思えない、静かでゆったりとした時間が流れる竹の里とお茶の京都・八幡をご紹介します。【PR】

自分のペースでゆっくり見学できる、穴場の静かな竹林


全長約1.8kmの竹の径には、竹の枝を束ねた「竹穂垣」をはじめ、かぐや姫の十二単衣の襟元をイメージした「かぐや垣」や「古墳垣」など、全8種類の竹垣が連なっています。


この地域の筍がおいしい理由は、ずばり土のよさだと言います。敷き詰めたワラの上に、竹やぶから掘り出して盛った土は柔らかく、筍がよく育つのだそう。

悠久の歴史に思いを馳せ、美しい竹林の景観を楽しみながら、ゆっくり散策できる「竹の径」。ちょっと歩くのにちょうどいい距離で、つい撮影したくなるスポットもたくさん。筍料理を食べる前にお腹をすかせるのにぴったりかも!?
竹の径
京都府向日市寺戸町芝山~物集女町長野
散策自由
075-963-6504(向日市観光協会)
筍の香りと甘さ、食感を一年中楽しめる「京の味処 うお寿」

こちらのお店では、旬の季節に朝掘りしたものを厳選し、水煮にして保存しているため、春だけでなく、一年中おいしく筍を食べられます。
水煮の筍を丁寧に下ごしらえし、香りを残しつつえぐみを抜いたら、酒やみりん、追い鰹などでじっくり炊き込むこと一昼夜。中身を一つずつ手でくり抜き、特製のすし飯をつめたのが、看板メニューの「竹の子姿ずし」(1人前、税別・1,350円)です。

醤油を使わず白さを残して炊き上げられた筍は、甘みと爽やかな香りがふわりとして、柔らかいのにシャキシャキとした歯ごたえも楽しめます。
すし飯も、くり抜いた筍を刻んで甘鹹(から)く煮たものと木の芽や柚子が混ぜ込まれ、さっぱりとした味わい。酢の酸味もやわらかく、つい箸が進むおいしさです。



春には、新鮮な旬の筍をたっぷり使った筍づくしのコース料理なども登場します。フレッシュな香りと滋味深さは、採れたての筍ならでは。姿ずしと一緒に、ぜひ食べてみてください。
京の味処 うお寿
京都府長岡京市今里2-17-8
[営業時間]11:00~20:30L.O.
[定休日]月曜(月曜が祝日の場合は営業、翌日休み)、年末年始
075-951-0325
「松花堂」跡地がある、霊験あらたかな京都の守り神「石清水八幡宮」へ
その誕生のヒントとなったのは、江戸時代前期の芸術文化に大きく貢献した文化人・松花堂昭乗(しょうかどうしょうじょう)が、晩年にこの地で隠居所として構えた草庵「松花堂」です。

そんな「松花堂」の跡地が「石清水八幡宮」の境内にあるとのことなので、まずは八幡宮へ参拝に向かうことに。「京の味処 うお寿」からは車なら25分ほどです。


御祭神は御本殿中央に応神天皇(誉田別尊/ほんだわけのみこと)、西に比咩(ひめ)大神(多紀理毘賣命/たぎりびめのみこと・市寸島姫命/いちきしまひめのみこと・多岐津比賣命/たぎつひめのみこと)、東に神功皇后(息長帯比賣命/おきながたらしひめのみこと)です。この三座の神々の総称が、八幡三所大神となります。

現在の社殿は徳川家光の造替によるもので、現存する八幡造の本殿の中で最古かつ最大規模なんだそう。荘厳な社殿形式を保ちつつ、近世的な装飾を兼備した完成度の高い神社建築として、2016年に本社10棟、附棟札(つけたりむなふだ)3枚が国宝へと指定されました。

神仏習合の時代、石清水八幡宮の境内にあった僧坊(僧の住居)「瀧本坊」の住職だった昭乗は、弟子に坊を譲った後、別の僧坊「泉坊」に移って隠棲。寛永14(1637)年にその一角で草庵を結び「松花堂」と称したことから、松花堂昭乗と呼ばれるようになったのだとか。
なお、裏参道から下りる階段は台風被害による落石のため、2019年3月現在一部通行止めとなっています。見学の際は、表参道から階段を上がってくださいね。

ちなみに、エジソンと八幡の縁から、境内には大きな記念碑が建てられています。エジソンは、八幡の竹をフィラメントに使い、白熱電球の長時間点灯に成功しました。その後、八幡の竹はその質の高さから、「八幡バンブー」として海外に輸出されたのだそう。
神社に参詣した際は、こちらの記念碑もぜひ見学してみてください。
石清水八幡宮
京都府八幡市八幡高坊30
[開閉門時間] 1月20日~3月31日、11月1日~12月30日6:30~18:00、4月1日~9月30日5:30~18:30、10月1日~10月31日6:00~18:30、12月31日6:30~23:00、1月1日~1月19日不定期(1月1日は0:00~)
075-981-3001
庭園・美術館と老舗日本料理店で「松花堂弁当」の誕生秘話に迫る

その後は、草庵「松花堂」が石清水八幡宮より移築された庭園と、「松花堂弁当」の源になった箱の写しなどを所蔵している「松花堂庭園・美術館」へ向かいます。石清水八幡宮からは車で15分ほど、またはケーブルカーで八幡市駅まで戻り、そこからバスで約15分。バス停「大芝・松花堂前」からすぐです。


江戸時代初期、寛永文化の一翼を担った松花堂昭乗(1584~1639年)。美術館には、昭乗が晩年を過ごした草庵「松花堂」や「泉坊書院」の内装品や、自画像写などの作品が収蔵されています。
併設されている庭園は22,000平米と広大で、四季折々の美しい景観を楽しむことができます。庭園の内園と呼ばれるエリアには、草庵「松花堂」と「泉坊書院」が石清水八幡宮から移築されています。

なお、2018年の災害により、2019年3月現在、庭園は外園のみ開園され、草庵「松花堂」は見学不可となっています。
松花堂庭園・美術館
京都府八幡市八幡女郎花43-1
[開館時間]9:00~17:00(入園・入館は16:30まで)
[美術館観覧料 普通展示]大人400円、学生300円、子供(小・中学生・高校生)無料※内容により変動あり。要問合せ。
[庭園入園料]外園のみ開園のため、大人100円、学生(高校・大学生)80円、子供(小・中学生)50円
※すべて税込
[休館日]月曜(祝日の場合は開館、その翌平日休み)、12月27日~1月4日
075-981-0010
発祥の店「京都吉兆」で、季節感たっぷりの彩美しい「松花堂弁当」を食す


もちろん、お料理は旬の素材をふんだんに使い、季節感たっぷり。そして見事な手仕事が施された逸品ぞろいです。


料理長の大槻さんが「松花堂弁当」で一番のポイントと教えてくれたのは「お椀」。おいしい八幡の水と良質な昆布でとった、すっきりとしながらもしっかりと旨みを感じられる一番出汁に、旬の魚のしんじょうの優しい味が溶け合う、見事な一品でした。

「松花堂弁当」の器は、十字に仕切られているため、それぞれの料理の味や香りが混ざらない上に、冷たい料理と温かい料理を同時に提供できるという利点があります。
実際、お造里と温かい煮物が隣り合わせになっていても、それぞれ適温でおいしくいただくことができました。
繊細な味わいのお料理はどれも職人技が光り、素材の良さが最大限引き出され、これぞまさに日本料理の真骨頂。春にはもちろん地元の筍もふんだんに使われるとのことなので、早めの予約がオススメです。
京都吉兆 松花堂店
京都府八幡市八幡女郎花43−1
[営業時間]11:00~14:30L.O.(一部料理はL.O.14:00)、17:00~19:00L.O.、 15:00~17:00は喫茶のみ営業 ※2019年5月より、夜の営業のみ(要予約)となります
[定休日]月曜(祝日の場合は営業、翌日休み)、木曜午後、12月27日~1月6日
075-971-3311

~もうひとつの京都をめぐる旅~
<vol.1 海の京都>伊根・宮津・舞鶴・京丹後、京都の海は美食と絶景の宝庫
<vol.2 森の京都>京都で明智光秀も食べていた!?絶品ジビエや野菜を満喫
<vol.4 お茶の京都>雉や一休寺納豆も楽しめる京都の茶どころへ

京都府観光推進・ぐるたび編集部
「もうひとつの京都」の魅力を取材し発信します。
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