リニューアルした「福岡市美術館」が魅力的すぎる!感じて楽しむアート空間へ
福岡県福岡市内の中心地、緑豊かな大濠(おおほり)公園の敷地内にある「福岡市美術館」。1979(昭和54)年に誕生し、魅力的な作品や様々な催事で楽しませてくれた美術館は2019(平成31)年3月に2年半の休館を経てリニューアルオープン。一体どこが新しくなったの?どこが見どころ?楽しむべきリニューアルのポイントをお教えします!

早速リニューアルしたばかりの福岡市美術館へ

それもそのはず、開放的なエントランスを新設したものの外観はほぼ以前と同じ姿。ここ福岡市美術館は、日本を代表する近代建築家、前川國男(まえかわくにお)氏が設計しており、前川氏独特の建築意匠が随所に施されています。この意匠をしっかり継承しつつ、機能面をアップデートしたリニューアルをしているのです。
ゆえに、赤茶色の磁器質タイルによる外壁や広々としたエスプラナード、1階ロビーから2階へと続く階段など、建築の意匠を可能な限り継承しています。以前の姿を知っている人にとっては、親しんだ以前の姿が残されているのはちょっと嬉しいですよね。

良いところは残しつつ、刷新された今回のリニューアル。実際に訪れて伝えたいポイントは5つです。
1.大濠公園側の入り口を新設
2.機能面の拡充とともに展示室の内装を区画ごとに変更し、雰囲気もチェンジ
3.ホテルメイドの味わい!レストラン&カフェ
4.センス抜群のミュージアムショップ
5.子どもが楽しめるキッズスペースも!
では、早速見に行ってみましょう。
新設された大濠公園側の入り口は、開放的なアプローチ広場を備えているので、公園利用客もふらりと立ち寄れる利便性も魅力。

電車を利用した場合のアクセスは、福岡空港から市営地下鉄で約15分、博多駅から約10分の大濠公園駅(福岡市美術館口)で下車。徒歩10分ほどの場所にあります。大濠公園も観光スポットになっているので、美術館巡りと併せて楽しむのもいいですね。

あの有名作品が目の前に!展示室の色や素材で空間に表情が

メッシュの黒い天井で空間に奥行きができたBは、新しい表現方法や斬新な現代美術作品を展示するのに適しているそう。
そして、真っ白の空間で宇宙的な広がりを感じさせるCは、大型の絵画や彫刻作品を最適な環境で鑑賞できます。

「美術鑑賞=なんだか小難しい」という懸念を一瞬で吹き飛ばすようなユニークな仕掛けもたくさん。そのうちの一つがこれ。

いくつかの所蔵品には、通常の作品紹介に加えて館長(!)や学芸員さんの似顔絵入り作品紹介が。これが本当に独自の視点で面白い!「こんな見方もあるんだ~」「へぇ!そうなの?」「わかるわかる!」など、どんな感想を持つかはアナタ次第。ぜひ注目してみてくださいね。

作品の中には、リアルに見ているからこそ感じる、写真では伝わらない迫力と感動に衝撃を受けたものが多々ありました。視点によって表情が変わる、生々しい質感、空間の広がり……、実際に行かないとわからない感覚。個人的にはこんな生きた作品たちが多数展示されているように感じました。

今回特別に写真撮影させていただいた作品は、すべて福岡市美術館の所蔵品。所蔵品の展示と言うと「いつ行っても同じ」と考えてしまいがちですが、実は数ヶ月に1度は展示替えをおこなっているそう。福岡市美術館には約16,000点もの所蔵品があるので、コレクション展でどんな作品が観賞できるかは当日のお楽しみにしてくださいね。
重要文化財も多数!ええ?撮影OKなんですか?

中に入れば、まるで寺院にいるかのようなピンと張りつめた空気に。その理由は……

こちらは、旧福岡藩主黒田家の菩提寺のひとつ、東光院(福岡市博多区吉塚)の所蔵作品であった重要文化財を含む仏像を展示した「東光院仏教美術室」。寺院の山門をイメージして設計されており、両側には金剛力士像が鎮座しています。


つまり、重要文化財の仏像群を360度から観賞できるということ。くどいようですがコレが撮影OK!(フラッシュ使用はNG)もうカシャカシャ撮影しましたよ、もちろん。SNSへの投稿もOKなので、自撮り写真も良いかもしれませんね。

「東光院仏教美術室」の隣には「企画展示室」「松永記念館室」があります。取材時の企画展示室には、ゆる~い脱力系の絵がいい味出してる仙厓義梵(せんがいぎぼん)和尚による作品が並んでいました。仙厓義梵の作品はオリジナル商品としてショップで販売もしていますよ。

鑑賞スペースだけじゃありません。2階のロビーには、「美術情報コーナー」も新設されています。約16,000点に及ぶ所蔵品を検索できるパソコンが設置されており、また美術全集、雑誌など約1,000冊の書籍を自由に読むことができます。

が、何といっても注目すべきはコレ!

このタッチパネルは同じく美術情報コーナーに新設された「みどころルーペ」という作品の細部や技法を観察するシステム。パネル上で作品をタッチすると、拡大され、その部分の説明や見どころが文字で表示されるという優れモノ!あまりに楽しくて、色々タッチしてしまいました。

ホテルメイドの味が美術館で!レストラン&カフェの料理が美味しい
ラテン語で桜を意味する2階のレストラン「プルヌス」では、オムライスやビーフカレーなどホテルニューオータニ博多特製の看板メニューがズラリ。





そのほか、取材時は「特別展メニュー」も提供されていました。リニューアルオープン記念展「これがわたしたちのコレクション+インカ・ショニバレCBE:Flower Power」(現在は終了)が開催中は、サルバトール・ダリの作品も展示されたことから「特別展メニュー」はダリの生まれ育ったスペインにちなんだコース料理でした。

レストラン プルヌス
福岡県福岡市中央区大濠公園1-6 福岡市美術館 2F
[営業時間] 11:00~20:30 (L.O. 19:30)※土、日、祝日は9:30~20:30(L.O. 19:30)
[定休日]美術館休館日に準ずる
092-983-8050

カフェでもホテルメイドの軽食やスイーツなどが揃います。美術鑑賞に来た人はもちろんですが、大濠公園の散歩やジョギング途中にふらりと立ち寄る方も多いそう。テイクアウトメニューが多いので、公園のベンチや芝生などでピクニック気分を味わうのもおすすめですよ。





カフェ アクアム
福岡県福岡市中央区大濠公園1-6 福岡市美術館 1F
[営業時間] 9:00~19:00 (L.O. 18:30)※7~10月の金・土曜は9:00~20:00(L.O. 19:30)
[定休日]美術館休館日に準ずる
092-983-8050
おしゃれな友人へのお土産にも最適。素敵デザイン&遊び心満載のショップに

どれもおすすめしたくなっちゃうところですが、福岡市美術館オリジナルの商品をいくつかピックアップしてご紹介。
一番人気の商品はこちら!


他にも、クスっと笑ってしまうようユニークなデコレーションテープや付箋、ボールペン、マグネットなども多数。日常で使用すると、ちょっと元気が出そうですよね。



館内の鑑賞だけにあらず!外にも作品が点在しています

屋外彫刻作品がエスプラナードや中庭など建物の外にもあるので、気軽に芸術に触れることができます。取材時には、お散歩に訪れた1~2歳くらいの子どもが、お母さんと《南瓜》で「いないいないばぁ」をして遊んでいました。こんなに日常に溶け込んだ芸術作品、ちょっと素敵だと思いませんか。

その他ギャラリーツアーやワークショップなどのイベントも多数企画。詳細は美術館の公式ホームページで告知・募集しているのでチェックしてみてください!

いかがでしたか?福岡市美術館の見どころを紹介してきましたが、作品鑑賞だけじゃない楽しみ方もたくさんあり、筆者自身も目からウロコでした。昔からの姿を知っている人には“懐かしさ”も、そして“新しさ”も感じられると思います。カップル、友達、小さな子ども連れファミリー、あらゆる人が美術を体感できる、色んな側面を持つ美術館に進化しています。ぜひお出かけして体感してみてくださいね。
福岡市美術館
福岡県福岡市中央区大濠公園1-6
[開館時間] 9:30~17:30(7~10月の金・土曜は9:30~20:00)※入館は閉館の30分前まで
[休館日]月曜(祝日の場合は開館。翌平日休み)、12月28日~1月4日
[観覧料金] コレクション展・企画展 一般200円、高大生150円、中学生以下無料※特別展は別料金
092-714-6051
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。
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