初めての五島列島!福江島を満喫する1泊2日おすすめ観光ドライブコース

2019.06.19 更新

長崎県の西、東シナ海に浮かぶ大小140もの島々、五島列島。初めての五島旅なら、アクセスがよく島内の観光もしやすい列島最南端にして最大の島「福江島(ふくえじま)」がおすすめ。数々の絶景に歴史ある教会群、星降る夜空に新鮮魚介を活かした島グルメなど、五島の魅力やお楽しみを1泊2日でほぼ網羅した、五島列島初心者にぴったりのドライブコースを作ってみました。

▲映画『悪人』の舞台になった大瀬崎(おおせざき)灯台

今回おすすめする福江島1泊2日ドライブコースは、1日目に長崎港を11時台に出発→福江島に12時台に到着、2日目に福江島を16時台に出発→長崎港に18時台に到着する高速船利用の1泊2日旅行を想定して考案しました。

<1日目>
13時30分 福江港でレンタカーピックアップ
14時 「堂崎(どうざき)天主堂」
15時 「水ノ浦(みずのうら)教会」
16時 宿にチェックイン
20時 「鬼岳(おにだけ)天文台」で星空観賞

<2日目>
10時 宿をチェックアウト
11時 「大瀬崎灯台」
12時30分 「NEWパンドラ」でランチ
14時 「荒川温泉 足湯」
14時30分 「高浜海水浴場」
15時30分 福江港近くでレンタカー返却

福江島へは長崎港から船で上陸。長崎空港、福岡空港からのフライトもあり

ドライブスケジュールを紹介する前に、まずは福江島への行き方をご紹介しましょう。

長崎市の長崎港~福江島の福江港間をジェットフォイルが1日4往復(所要時間約85分)、フェリーが1日3往復(約3時間10分)運航。さらに福江島の五島つばき空港まで長崎空港から1日3往復(約30分)、福岡空港から1日4往復(約40分)のフライトもあります。
▲福江島への玄関口・長崎港
今回、筆者が利用したのは九州商船のジェットフォイル「ぺがさす」。乗船料は片道5,610円(税込)。長崎港を出港し、大きな女神大橋の下をくぐってしばらく進むと、左舷に「軍艦島」こと端島(はしま)の姿も見えましたよ。約85分の船旅の後、福江島の東側にある福江港に到着。
▲福江港

ちなみに、長崎港前の長崎港ターミナルビル駐車場を利用する方は、その駐車券もご持参を。福江港ターミナル内の認証機にその駐車券を入れると、24時間ごとの駐車料の上限額2,880円(税込)が半額になりますよ。
さて、福江港周辺でレンタカーをピックアップしたら、さっそく福江島を代表する2つの教会を訪ねましょう。

五島キリシタンの歴史を物語る、入江にたたずむ赤レンガ教会

長崎県には150近い数の教会があり、そのうち五島列島には約50、福江島には13の教会があります。長いキリシタンの歴史と文化により2018年7月、世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」に登録されました。福江島の北に浮かぶ久賀(ひさか)島、奈留(なる)島にある2つの集落が構成資産になっています。時間がある方はそちらもぜひ訪れてほしいですが、まずは五島キリシタンのすべてを語る「堂崎天主堂」へ。
福江港から県道162号を北上。市街地を過ぎ、穏やかなの奥浦湾沿いを走ること約20分。
奥浦湾の先端に立つ赤レンガの教会「堂崎天主堂」に到着。駐車場は教会の数十メートル前にあります。永禄9(1566)年、五島で初めての教会が、ここ堂崎に建てられました。
現在の教会は明治41(1908)年のもの。ペルー神父の設計の下、野原与吉棟梁と、その弟子でのちに九州各地の約50以上の教会を手掛ける上五島出身の鉄川与助氏らが建築。レンガ造りのゴシック様式の教会は五島初の洋風建築で、その後に建てられた五島内の教会のお手本になったそうです。
▲側面の窓に設けられたステンドグラスも110年以上前のまま

教会内部は撮影禁止のため、ここでお見せすることはできませんが、天井はすべて漆喰塗りの4分割リブ・ヴォールト天井、いわゆる“こうもり天井”になっています。
▲入口の天井にそれに近いものがありました。こんな感じです

明治41 (1908)年に建てられた姿のままで今も月に1回、ミサが行われています。また、昭和52(1977)年からは教会内部に五島キリシタンの歴史資料を展示する「堂崎天主堂キリシタン資料館」として一般に公開されています。さらに教会の周囲にはこのようなものもありました。
▲当時の領主・宇久純定(うく すみさだ)に五島で初めて宣教師がキリスト教の教えを説いたシーンを表した碑、アルメイダの宣教碑「出会いの日」
▲キリスト教弾圧の時代を物語る像、聖ヨハネ五島殉教像「受難のとき」

これらに関する詳しい解説も資料館内で紹介しています。
なお、これらの碑や銅像があるキリスト庭園をはじめ、教会の外部は見学自由。「堂崎天主堂キリシタン資料館」内へは駐車場側にある窓口で入館料を払い、正面入口から靴を脱いで入ります。

シスターが鳴らす平和の鐘が響き渡る、日本最大級の木造教会

さらにもう少し、五島キリシタンの世界に触れてみませんか?赤レンガの堂崎天主堂から車で約25分。
福江島北部に広がる水ノ浦湾を望む、小高い丘に立つ白亜の教会「水ノ浦教会」へ。
初めてこの地に教会が建てられたのは明治13(1880)年。現在の教会は堂崎天主堂の完成から30年後の昭和13(1938)年のもの。
設計、施工は堂崎天主堂の建築にも携わった鉄川与助氏。ロマネスク、ゴシックの教会様式に和風建築を融合した、まさに“鉄川教会”の集大成的存在。しかも木造教会としては日本最大級の面積を誇ります!
木造横板張り、重層屋根による瓦葺き屋根を配した白亜の教会。その内部も同じような純白の世界で、4分割のリブ・ヴォールド天井が荘厳、かつ伸びやかな空間を作り出しています。両サイドに3つずつ並ぶ大きなステンドグラスからの光も実に幻想的です。
また、朝昼夕には教会前に立つ「アンゼラスの鐘」が鳴ります。タイミングが合えば、厳かな鐘の音が聞けるだけでなく、シスターが紐を引いて鳴らす場面にも立ち会えるかもしれませんね。

もちろん、教会は信者の方々にとって大切な祈りの場ですので、教会でのマナーを守って、静かに見学しましょう。

月のクレーターもくっきり!宇宙を実感できる九州屈指の展望台

2つの教会を見学した後は、今夜の宿へチェックイン。そして島の幸満載の夕食はもちろん、夜の福江島のお楽しみといえば、澄んだ島の夜空に輝く星たち。それを満喫させてくれるスポットが「鬼岳天文台」です。
福江港から車で約15分。標高315m、芝生に覆われた火山・鬼岳に立つドーム型の天文台です。日中は福江市街地や五島の島々を望むビュースポットですが、夜は一転!
まさに満天、こぼれ落ちんばかりの星たち!鬼岳天文台ではこの星々を口径60cm、九州でも有数の大きさを誇るニュートン式反射望遠鏡で楽しませてくれます。
▲鬼岳天文台の2階にある観測ドームに収容される反射望遠鏡

「今夜はいい月が出てますよ!」と出迎えてくださったのは、小学生の頃から福江島の星空を観測してきた館長の田中さん。さっそく、月の方角に反射望遠鏡をセット。レンズを覗くと、おお!月面にぼこぼこ穴が開いたクレーターがくっきり!

「この月のクレーターのほか、木星や土星の姿に感動される方が多いですね。木星と土星の見頃は夏休み期間で、天の川と一緒に観測できますよ。また、土星は公転周期によって2020~2025年の間は、その特徴である輪っかが見えなくなります。輪っか込みの土星を見たい方は2019年のうちにぜひ!」と館長。
月が姿を消し、空の漆黒が増すにつれ、星たちが一層輝きだします。すると館長、夜空に向かって、レーザー照射!
「はい、これがわし座の1等星アルタイル、つまり彦星ですね。地球から約17光年離れています。1光年=1年間で光に進む距離なので、今、我々が見ているのは約17年前の光、ということになりますね~」と館長。◯◯星や◯◯座などと言われても素人にはピンときませんが、このようにレーザー付きで説明していただくとすごくよくわかります。館長の楽しく熱い解説も素晴らしい!星空よりもそっちが楽しくてリピートする方もいるとか。

完全予約制の星空観賞会は当日17時までの予約制。気象条件によっては星が見えないこともありますが、その際は、スクリーンを使い、館長の宇宙トークが冴えわたる星空解説会を開催してくれます。

往復1時間かけても行く価値大!名画の舞台にもなった絶景灯台

福江島の滞在2日目は、島の絶景スポットを巡るドライブへ。今回筆者は福江島周辺の宿に宿泊したので、チェックアウト後、福江島を横断する県道27号、164号を経由しながら西へ、西へと向かいます。
さらに深い入江を持つ玉之浦湾沿いを走る国道384号を南下。福江島市街地から車で約1時間、2日目最初の目的地である玉之浦半島の「大瀬崎灯台」に到着。ここは2010年に公開され、『2011年(第31回)日本アカデミー賞』の13部門を受賞した映画『悪人』の舞台にもなりました。しかし、断崖絶壁に立つ灯台なので、そう簡単には近づけません。
現地の地図がこちら。ところどころ展望台がありますが、車で行けるのは黄色のところまで。ちなみに“現在地”の文字の左下に位置する「大瀬崎展望台」からはこの眺め。
展望台の右手、断崖絶壁の岬の突端にぴょこんとでた灯台が「大瀬崎灯台」。
展望台の左手もかなりの断崖が続きます。
この大瀬崎展望台から50mほど進んだ先にはウッドデッキもありました。さらにここから300mほど先の駐車場に「展望所(祈りの女神近道)」と書かれた看板がありました。看板横の階段を上って左に進むと……。
太平洋戦争で命を失った兵士を弔う「祈りの女神像」、打ち鳴らせば願いが叶うといわれる「宿願成就の鐘」がありました。女神像が望む大瀬崎灯台はもちろん、女神像の背後に広がる玉之浦湾の大パノラマも圧巻です!
この展望所からさらに300mほど先にも駐車場があり、そこには「大瀬崎灯台1.2km」という看板も。そう、ここから灯台まで1.2kmの遊歩道が整備されています。
椿のトンネルと化した遊歩道を、黙々と歩くこと約15分。
視界が広がり、目の前に青い水平線、そして白い灯台! 一気にテンションが上がります。
この感じ、映画『悪人』にも登場したような気がします。さらに遊歩道を下って進むと……。
ゴール直前になかなかの勾配の階段。そして、ようやく大瀬崎灯台に到着!やはり20分くらいかかりましたね。
遣唐使船のためにのろし火、かがり火が焚かれるなど、いにしえよりこの岬は灯台の役割を担っていたそうです。明治12(1879)年にイギリス人技師R.H.ブラントンの設計で円形鉄製の灯台が設置され、昭和46(1971)年の改築で現在の姿に。

内部は一般公開されていないので、白亜の灯台とその前に広がる東シナ海の水平線をじっくり堪能したら、回れ右!
今、来た道を帰るとしましょう。今度はのぼりがメインですので、往路の倍の時間はかかるかも。大変ですけど、展望台からでは見られない景色、得られない感動が待ってます!行く価値大、頑張る価値大!ですよ。

午後に備えて海鮮たっぷりうどんや滋養強壮のうつぼ料理を

ちょっとハードだった大瀬崎灯台への散策。続いては午後のドライブに備え、たっぷり食べて疲労回復です!「大瀬崎灯台1.2km」の看板があった駐車場から車で約10分。
壁に大きく「名物うつぼ料理」と書かれたシーサイド食堂「NEWパンドラ」に到着。
▲店内からも紺碧の井持浦(いもちうら)湾を一望
「NEWパンドラ」は平成5(1993)年オープン以来、地元に愛され続けてきたお食事処。廃校になった地元中学校から譲り受けた黒板や校歌をつづった額などが置かれているところから、お店の地元愛もひしひし感じます。

多彩なランチメニューを用意する中、人気は名物の五島うどんを使ったこちら!
▲「海鮮五島うどん」1,050円(税込)

五島名物のきびなごにいか、えび、とこぶしにアジのすり身で作った練り物・五島巻き、さらに白菜、椎茸、えのきにネギなどの野菜もたっぷり。それらの旨みもたっぷり吸ったあごだしベースのつゆ。地元の海幸、山幸満載のなべ焼きうどんです。

さらにこちらもおすすめ!
▲「鯛茶漬け」510円(税込)

地元で獲れた新鮮真鯛をお刺身にして特製の醤油ダレに付け込み、ご飯の上に。お茶漬けにする前に、まずはそのまま漬け丼として味わったのち……。
アツアツの五島茶をかけて。ほんのり渋い五島茶が甘めの漬けダレ、さらに真鯛の旨みをぐっと引き立てます。

さらに「NEWパンドラ」の名物料理と言えばといえば、「うつぼ料理」。

うつぼ食文化がある四国や鹿児島、熊本県の天草の漁師さんがこの界隈の港によくきていたそうで、その影響でこのあたりもウツボを食べるようになったと聞いてます」と女将の片峰(かたみね)さん。

「昔は干物にして焼いたり、ぶつ切りにしてお味噌汁で食べたり。栄養満点な魚なので、この辺では『産後の母親に食べさせろ!』とも言うんです」(片峰さん)。
▲店内のいけすに泳いでいた海のギャング・うつぼ

実は良質のたんぱく質に鉄分、カルシウムが多く、天然のコラーゲンを含んだゼラチン質がたっぷりのうつぼ。まさに滋養強壮、アンチエイジングに期待大!そんなうつぼを「天ぷら」(700円)、「みそ汁」(600円)、「湯引き」(300円)、そして「唐揚げ」(6個入り900円)で楽しめます。※全て税込。
▲うつぼの「唐揚げ」はハーフサイズ(3個入り450円・税込)もあり

フグや鶏の唐揚げに似た弾力にうつぼの皮目にあるゼラチン質のプリっ!も加わった食感で、しかもクセや臭みもないさっぱり味。自家製の梅肉入りポン酢との相性もばっちりでしたよ。

日本一温かい、美脚にもなれる?バス停横の無料足湯

玉之浦半島の「NEWパンドラ」を出て、国道384号を北上すること約22分。

うつぼ料理のおかげか、大瀬崎灯台での疲労もやや回復、でも足のほうはまだパンパン。ああ、足湯でもあったらな~。
国道沿いにありました、「荒川温泉 足湯」。
なんと、バスが来て停まりました。現役のバス停「荒川」の待合所を兼ねた足湯になっているんですね。
バス待ちじゃなくても無料で利用できて、しかも湯は天然温泉。源泉60~70度の温泉を40度くらいに調節して注いでいるそうです。泉質はナトリウム・カルシウム・塩化物泉、いわゆる湯ざわりとろり系。足の疲れはもちろん、美脚にもしてくれる……かも。この美肌系の湯を全身で浴びたい方は、足湯から徒歩約1分の場所にある共同浴場「荒川温泉」へどうぞ(入浴料300円、中学生以下150円※ともに税込。幼児無料)

観音様と共に望む純白ビーチ&コバルトブルーの大海原!

「荒川温泉 足湯」でリフレッシュしたら、再び国道386号を北上すること約8分。
福江島1泊2日ドライブコースの最後を飾る絶景ビーチ「高浜海水浴場」に到着。筆者が訪れた時はかなり潮が引いていて、評判のコバルトブルーの世界がちょっとわかりにくかった。こんな時は観音様にお願い!ということでビーチから200mほど先にあるトンネル前の坂道をぐんぐん上り……。
「魚藍(ぎょらん)観音展望所」の看板前でストップ。車を降りて坂を上りましょう。
東シナ海の安全と大漁を願う魚籃観音様がいらっしゃる展望所に到着。ここから右手を見下ろすと、この絶景!
透き通ったコバルトブルーの海に純白のビーチ!これぞ、日本の渚百選、快水浴場百選にダブルで認定されている「高浜海水浴場」の真骨頂!岬を挟んだ先にある「頓泊(とんとまり)海水浴場」もみえますね。ちなみに高浜海水浴場はシャワーやロッカーなどが整備されているますが、7月中旬~8月いっぱいまでビーチハウスもオープン。眺めるだけでなくコバルトブルーの海にドボ~ン!したい方は、その時期にぜひ。
いかがでしたか?1泊2日で楽しむ福江島ドライブコース。
ちなみに最終スポットの高浜海水浴場から福江港までは国道384号を経由して約35分。レンタカーの返却なども考えると、16時台の船に乗るとしたら15時~15時半くらいまでには高浜海水浴場を出発したいですね。

見どころいっぱいで爽快な福江島ドライブですが、景色に見とれすぎず、スピードにも気を付けて安全運転でお楽しみください。
山田誠

山田誠

新潟県十日町市生まれ、現在は福岡県福岡市在住のフリー編集者・ライター。九州の宿や温泉、飲食、雑貨系のショップ、さらに漁村、農村、道の駅など、暮らしと休日に関わるスポットをほぼ毎月、年間150軒以上を取材。取材後は必ず近隣の直売所で地元食材を買って帰る。1児の父。

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