「富岩運河環水公園」をぐるっと散策。利用者から“世界一美しい”と評判のスターバックスは必見!

2019.07.03 更新

富山市民のオアシスといえば、水と緑のコラボレーションが美しい「富岩(ふがん)運河環水公園」。利用者から“世界一美しいスタバ”と称されるスターバックスのお店や公園を一望できる「天門橋」、全国でも希少な「水のエレベーター」を体験できる「富岩水上ライン」など、園内には水辺を楽しむ要素がたくさん!今回は、そんな公園内のおすすめスポットをご紹介します。

水辺を活かした空間が印象的な「富岩運河環水公園」

古くから富山に住む人にとって、川は米や薪、炭などの資源を運ぶ大切な流通手段でした。江戸時代には、神通川(じんづうがわ)から富山湾を経由し、東廻り航路で江戸まで飛騨の木材を船で運ぶ経済の要でした。
神通川の改修により生まれた「富岩運河環水公園」(以下、環水公園)は、水と緑が見事に調和する公園。富山駅北を再整備するタイミングで、富岩運河も整えることとなり、水辺が美しい環水公園として誕生しました。
そんな環水公園は、JR富山駅北口から北に約700m、徒歩でおよそ9分の場所にあります。富山市の中心部からもほど近く、水辺を囲むように公園が広がる空間は、憩いの場として市民に親しまれています。

それでは園内でぜひ立ち寄りたいポイントへ!まずは公園の入り口にある「泉と滝の広場」へと足を運びます。
▲「泉と滝の広場」。滝は20分ごとに作動(写真提供:富山県観光振興室)

流れ落ちる滝と、湧き水をイメージした水盤で水辺の美しさが表現されている「泉と滝の広場」。写真では滝は作動していませんが、奥の広場から滝越しに公園の水辺を眺めることも可能です。
▲ライトアップは日没~22:00まで実施(写真右に見えるイルミネーションツリーは冬期間のみ設置)

夜にはライトアップも行っているので、昼間とはまた違った印象に。水と光のハーモニーは幻想的で、時が経つことを忘れてしまいそうですね。

富山市中心街まで見える景色を求めて「天門橋」へ

次に訪れたのは、環水公園のシンボルである「天門橋」。泉と滝の広場から川下に向かって歩くこと約5分のところにあります。
▲空に向かって垂直に伸びるイメージから名付けられた天門橋

橋の両端にある塔の高さは地上から20.4m。エレベーターで最上階の3階に昇ると、環水公園全体を一望できます。
3階からは、こんなに開放的な景色が!まるで空を飛ぶ鳥になったかのようです。
天候条件さえ整えば、富山のシンボルである立山連峰まできれいに見えるそうですよ。

足下に目をやると公園内には散歩を楽しんでいる人の姿も。こんなにのんびりと過ごせる場所が近くにあったら、毎日でも通いたくなりますよね。
▲周辺には結婚式場&レストランの「キュイジーヌ フランセーズ・ラ シャンス」や「富山県美術館」も見える

そして最上階にはもうひとつ気になる仕掛けが……。
▲向こう側と透明のコップと糸で繋がれている

それは、糸電話です!
「赤い糸電話」と呼ばれ、天門橋の両展望塔間に58mもの長さで繋がっています。

子どもの頃に遊んだ糸電話。こんな風にもう一回楽しめるとは思いもよりませんでした。愛の告白に使う人もいるとかいないとかで、こんな景色の中で素敵な告白を聞いてみたいものですね。

「スターバックス コーヒー 富山環水公園店」で安らぎのひとときを

そして、忘れてはいけないのが利用者から“世界一美しいスタバ”と称される「スターバックス コーヒー 富山環水公園店」。天門橋から小さな橋を渡った先にあります。
▲「スターバックス コーヒー 富山環水公園店」と運河を運航する「富岩水上ライン」
▲洗練されたデザインがひときわ目を引く

この店舗は、地域の文化を世界に発信する「スターバックス リージョナル ランドマーク ストア」のひとつ。訪れる人がその地域の文化を再発見できるようにと願いを込めて設計されています。その中でも「スターバックス コーヒー 富山環水公園店」は、運河が流れる公園の美しい景色の中でコーヒーを楽しむ、ここだけの時間を楽しんでもらいたいといった想いから建てられました。
▲公園の景色を堪能できる大きな窓が印象的

店内は一般的な店舗と同じように見えますが、ひとつだけ異なる点が……。
なんと、ほとんどの席が窓側を向いているのです!

設計の際、「公園を見ながらコーヒーを楽しめるように」と考慮したそう。細部にまでさりげない心遣いをみせてくれる小粋な演出です!
天気の良い日はテイクアウトして、外でまったりとコーヒーを楽しむのもおすすめ。水辺の心地よい風が頬をなで、清々しい気持ちになりました。
コーヒー片手に公園内を歩いているだけでも楽しめる環水公園。まだまだゆっくりと園内を回りたいのですが、そろそろ運河を巡る水上ラインが出発する時間!名残惜しく思いながらも、天門橋近くにある乗り場へ急ぎます。

全国でも数少ない、水のエレベーターを体験!

環水公園からは運河クルーズを楽しめる「富岩水上ライン」に乗船することができます。今回は環水公園から「中島閘門(こうもん)」まで行き、環水公園へ戻ってくる乗船時間約1時間のコースを選びました。運河を水位で上下する高低差2.5mの水のエレベーターも体験できます。

「中島閘門」は昭和9(1934)年に建設され、輸送を支えた運河のシンボルとして富山市の発展に大きく寄与してきました。平成10(1998)年には、昭和の土木構造物として全国で初めて国の重要文化財に指定されています。
▲2つの水門で船を閉じ込め、水を抜いたり入れたりすることで水位を調整する閘門

まずは乗船場で税込1,200円(小学生半額・小学生未満無料)のチケットを購入。11:00に出発する船を待っていると、スタイリッシュな外観の「kansui」号が目の前にやってきました。
▲2019年3月に運航を開始した「kansui」号。船体には富山県名産のアルミやガラスを使用している

出発の10分前になると、係の人が誘導開始。さっそく乗船し、船の旅へと出かけましょう!
▲安全のため救命ベストを装着

出航すると、アテンダントが環水公園の見どころや富岩運河の歴史について説明してくれました。
アテンダントの話によると、富岩運河は昭和9(1934)年に運河として整備されましたが、トラック輸送が普及すると船の需要は減少。一時は富岩運河を埋め立てる話もありましたが、まちづくりに活用する方針に転換され、平成23(2011)年に水辺を楽しむ空間として公園を完成させたそうです。
▲両岸には木々が連なる。ここは子どもも遊べるアスレチック場

船からの景色を楽しんでいると、コースの目玉「中島閘門」が近づいてきました。
富岩運河の上流と下流の水位差は約2.5mで、通過できる運河の中では日本最大級の水位差です。

そのまま進んでいくと一つ目の水門が開き、中に入ります。この時二つ目の水門は閉じられています。
そして一つ目の水門の扉が閉まると、二つの水門に囲まれた運河の水が抜かれ、水位がどんどん減っていく仕組み。
▲水門が閉まり、水が抜かれる

規定の水位になるまでおよそ5分。船は揺れることなく、ゆっくりと水位が下がっていきます。
▲二つ目の水門が開く。両岸に残された水の跡で先ほどまでの水位が分かる

そして規定の水位になると前方の水門が開き、水位が低い下流の運河へ。まさに水で動くエレベーター!先ほどまでの水位から2.5mも低い水位にいると思うと、なんだか不思議な気分ですね。

そのあとは中島閘門の操作所と反対側の岸で下船し、閘門の開閉を操作する「中島閘門操作所」へと向かうことに。実は操作所を訪問できるのは、今回選んだ環水公園から中島閘門までを往復するコースでのみ。なかなか経験できない貴重な経験に胸が高鳴ります!
▲一度船から降りて、中島閘門を間近で見ることができる
▲運河の途中に立つ「中島閘門操作所」

この操作所は、中島閘門と同じく昭和9(1934)年に建設されました。しかし老朽化が激しかったことから復元工事を実施。現在の建物は平成22(2010)年に完成したものです。
▲閘門扉と水位を調整する通水扉を開閉する操作盤

閘門内を監視できるよう、大きなガラス窓が使われています。現在は奥の操作盤を使って開閉をしていますが、昭和30年代までは手前の大きな操作盤を使って操作していたのだとか。

昔、実際に使っていた操作盤がまだ残っているとは思いもよりませんでした。
ついつい当時の様子を想像してしまいますね。

さて、操作所を見学したあとは再び乗船し、環水公園へと戻ります。
▲復路では明治時代からの富岩運河の成り立ちを教えてくれた

説明を聞きながら船からの景色を楽しんでいると、あっという間に環水公園に到着。最初の乗船場に戻ってクルーズは終了。水の上からの景色はもちろん、水のエレベーターも体験できて大満足の船旅でした!
環水公園は富山県を代表する桜の名所としても知られています。毎年3月下旬~4月初旬には環水公園内、そしてクルーズで進む富岩運河の両岸にソメイヨシノや富山県で発見されたコシノヒガンザクラ等、数種類の桜並木が続きます。
▲泉と滝の広場からスターバックス コーヒー 富山環水公園店へと続く桜並木。春には多くの人で賑わう(写真提供:富山市観光協会)

そんな桜を満喫するため、富岩水上ラインは4月初旬にお花見運航やナイトクルーズを実施。日中は環水公園~中島閘門手前までの運航で大人800円、小学生400円、小学生未満無料、夜はお花見弁当付で大人・小学生同一料金の3,500円でお花見ナイトクルーズを楽しめます(すべて税込)。
▲ピンクのライトに浮かびあがる夜桜も美しい(写真提供:富山県観光振興室)

桜シーズンのクルーズは大変人気で、受付が始まると申し込みが殺到するのだとか。開花シーズンが近づくと受付情報が富岩水上ラインのホームページに公開されるので、ぜひそちらをご確認ください。
散策も水上ラインも楽しめる「富岩運河環水公園」。自然とたっぷり触れ合うことができ、フッと心が軽くなりました。春になったら夜桜も見に行きたいと思います。きっと水と緑のコラボレーションが極上の癒しとなってくれるはずですよ。
長谷川円香

長谷川円香

ライター。新潟をもっと楽しくするWEBマガジン「にいがたレポ」参加ライター。広告会社にて勤務後、フリーランスに転向。「暮らすような旅」をモットーに地域に住む人・日常も含めて伝えることを目標にしている。 編集:唐澤頼充

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報は直接取材先へお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。

こちらもおすすめ

もっと見る
PAGE TOP