柿田川公園の青い井戸が美しすぎる!富士山の湧水が生む神秘的な光景にうっとり

2019.06.05 更新

高知県の四万十(しまんと)川、岐阜県の長良川と並び、日本を代表する三大清流として知られる柿田川。川沿いは「柿田川公園」として整備され、湧水の湧き口をあちこちで見ることができます。中には、湧水が流れ出る青く美しい井戸があると聞き、どんなものか気になって、さっそく見に行ってきました!

日本一短い一級河川のスタート地点へ

東名高速道路・沼津ICから南へ車で約15分。国道1号線沿いにある「柿田川公園」に到着します。
国道1号線沿いに突然現れる「柿田川公園」。向かいには巨大なショッピングモールがあって、車通りも人通りも多く賑やか。こんなところに美しい水が湧く公園があるとは思えないロケーションに驚かされます。
「柿田川公園」の東側には「町営駐車場」があり、そこから公園の入り口までは、食事処やおみやげ屋さんが並ぶ「湧水の道」を経由し、歩いて数分で行くことができます。

さっそく公園の中へ入ってみると、噴水がお出迎え。
その先には芝生の広場が広がります。木々の下にはベンチや東屋があって、のんびりくつろげる雰囲気があります。
入ってすぐの場所にある案内板を見てみると、「柿田川公園」には、噴水とせせらぎがある「芝生広場」「第一展望台」「第二展望台」「湧水広場」「木製八つ橋」と、5つのスポットがあることがわかります。

まずは第一展望台へと向かうことに。
木立の中へと伸びる道をのんびり歩くこと数分。第一展望台へと続く階段がありました。
この階段を下りて行くと……
四角い展望台が見えました!一体、どんな景色が待っているのでしょう。
展望台の先端に立つと、眼下を透明な湧水がキラキラ輝きながら流れていきます。時折、国道を走るトラックの音が聞こえてきて、日常のすぐそばにこんな綺麗な景色が広がっていることに驚かされます。

第一展望台がある場所は柿田川の最上流部に位置します。その源は、国道の下から忽然と湧き出る清らかな水。富士山周辺に降った雨や雪解け水が地下にある三島溶岩流を通り抜け、26~28年後に柿田川へ湧き出るそう。
こんなにも長い時間をかけて磨かれてきた富士山の湧水がここから川となって、全長約1.2kmという日本一短い一級河川・柿田川の流れになるのですって!
展望台の右側に目を向けると、ひょうたんの形をした場所がありました。ひょうたん形の丸みの中央あたりをよく見ると、砂がふわふわと動いています。これが、水が湧き出る「湧き間」と呼ばれる場所。第一展望台の周辺には、写真の場所のように大きな湧き間から小さな湧き間まで、数十カ所の湧き間があるとのこと。

次は、第二展望台へ行ってみましょう。

青い水を湛える神秘的な湧水スポット

案内板に従って第一展望台から歩くこと数分。第二展望台の入り口に到着します。
再び階段を下りて、第二展望台へ。
木に囲まれている第二展望台。その先端に、四角く飛び出ている箇所がありました。「どうしてここだけ…?」と吸い寄せられるように、飛び出した場所から下を覗いてみると……
青く輝く湧き間が見えました!
▲丸く囲われた湧き間の中央をよ~く見ると、美しいブルーの水の中に黒っぽい砂が踊っているのが見える

第一展望台で見た湧き間は透明だったのに、第二展望台の湧き間は美しく幻想的なブルーです。
▲飛び出た部分の左側からの眺め

そして、どうして第二展望台の真下にある湧き間は、丸く囲われているのでしょう?
▲飛び出た部分の右側からの眺め

実はこれ、かつてこの地にあった紡績工場が使用していた井戸の跡。井戸の底に沈む砂の色と太陽の光が、美しく幻想的なブルーを作り出しているのです。この湧き間の水位は年間通じてほぼ変わらないため、天気のいい日にはたいていこの美しい青色を眺めることができるんですって!

深い青色に吸い寄せられ、視線は釘付け。湧き続ける清らかな水に踊る砂の動きや、井戸の縁から溢れ出し次々と変化する水面の文様は、飽きることなくずっと見ていられます。

縁結びの神様にお参り

「第二展望台」をあとにして少し歩いていると、木々の間に鳥居が見えました。近づいてみると「貴船神社」の文字が。「京都に同じ名前の神社があるような…?」と思いながら、そばへ近寄ります。
それもそのはず、こちらは「京都貴船神社本宮」の分社。貴船神社といえば水の神様ですが、恋を祈る神社としても知られていますよね。
境内には、上部にハートが描かれた石碑が。その上には紅白の“おむすび”と呼ばれる丸石がのっています。この石に触れると、恋愛運がアップすると言われているんですって!
この石碑の向かいには、おみくじらしきものが結び付けられていました。でも、近くにおみくじを引けそうな場所は見当たりません。
「水みくじ」と呼ばれるおみくじは、「ギャラリー柿田川」で購入できます(1回税込200円)。「ギャラリー柿田川」は、神社から「町営駐車場」へ向かう途中、歩いて5分ほどの場所にあります。
▲太陽の光に透かしても何も書かれていない

さっそく購入して神社へ戻り、みくじ掛けの隣に置かれている御神水に浸してみると……
▲水に浸すと文字が浮き出てくる

なんと…凶…(涙)。
まさかの結果に意気消沈。でも、これより悪くなることはないのだ!と気を取り直し、おみくじをしっかりと結わえてから、神社で再びお参りして気持ちを一新。次の目的地である「湧水広場」を目指すことにしました。

水と植物の楽園。「湧水広場」と「木製八つ橋」へ

神社を出て道なりに歩いて行くと、「湧水広場」が見えてきました。この広場の脇道から橋を渡って「木製八つ橋」へと進むこともできますが、せっかくなので、飛び石のある水場へ下りてみることに。
夏になると、水遊びを楽しむ親子連れで賑わうというこの場所。取材に訪れたのは4月中旬で気温が20度近くまで上がっていましたが、水に触れるとヒンヤリ。湧水は年間通じて水温が一定ということで、夏は涼しいだろうな~と思いながら、飛び石を順に踏んで向こう岸へと渡ります。
渡りきると、「ぽこぽこ湧き間」の看板が。矢印が指し示すところには……
水を湛えた四角い池のようなものがありました。中をよく見ると、ぽこぽこと水が湧いています。

この「ぽこぽこ湧き間」は、湧き間の水流や水圧、砂の吹き上げを、実際に触れて体験するために作られたのだそう。手を入れてみると、湧いてくる水の水圧が思ったよりも高いこと、手の中で動く砂の動きの心地よさにビックリしました。

この先は「木製八つ橋」。どんな景色が待っているのでしょう?

木の橋を渡りながら、柿田川の雄大な眺めを楽しむ

公園内の散策路になっている「木製八つ橋」は、柿田川の中流に位置します。
▲この湧き間も紡績工場の井戸の跡

道中にある湧き間からも、次から次へと水が湧き出ています。
透明度が高い湧き間は、鏡のように周囲の植物を映し出します。
せせらぎを体中で感じ自然の美しい景色を味わうように歩いて行くと、木々の切れ間から今までとは違った風景が見えました。近くへ行ってみると……
川幅およそ100mもある柿田川の流れがとても優雅。この光景から、1日に100トンもの水が湧き出すという柿田川の湧水量の多さを実感できました。

水のせせらぎ、流れにたゆたう水草、そして鳥の鳴き声。頬を撫でる風とせせらぎの音が心地よく、思わず伸びをしたくなるほどの清々しさに、時が経つのを忘れて佇んでしまいました。

「湧水の道」で“湧水グルメ”を堪能

「木製八つ橋」などがある湧水ゾーンの終点から「町営駐車場」へ向かいます。
すると、「町営駐車場」の向こうにお店がいくつかあるのが見えました。
ここは、食事処やおみやげ屋さんが立ち並ぶエリアで、その名も「湧水の道」。
▲湧水で淹れたコーヒーを味わえる茶房「蔵」

「湧水の道」には、軽食を味わえる「キッチンかわせみ」や茶房「蔵」、豆腐アイスクリームを味わえるアイスクリームスタンドのほか、水みくじを買える「ギャラリー柿田川」など、8つの施設が並びます。
たくさん歩いておなかが空いたので、そろそろ食事がしたい…。そんなことを考えながら「湧水の道」を歩いていると、あらかじめ予約しておいた「かわせみ本館」というお店が見えてきました。

風格のある建物。敷居の高さをちょっぴり感じながら店内へ。
赤い絨毯が敷かれた廊下を通って、和室に案内されました。
▲10畳の和室が4部屋あり、風情ある庭を眺めながら食事ができる
玄関の提灯にあるように、こちらでは、柿田川の湧水とミヤギシロメという品種の大豆で作られる豆腐を使った松花堂(しょうかどう)弁当が味わえます。
メニューは、「松花堂弁当 松」(税抜1,500円)と「松花堂弁当 竹」(税抜1,200円)のみ。松には豆乳と豆腐のアイスクリームがついてくるのが違いです。せっかくだから全部味わいたい!というわけで、迷わず松を注文しました。
豆腐は、湯豆腐か冷奴を選ぶことができます。取材した日は少し暑かったので冷奴をチョイス。絹ごしどうふの滑らかな舌触りと大豆の香りがたまりません。一丁まるごとでしたが、ペロリと完食。豆乳もコクがあって、美味しくいただきました。

そして締めに味わったのは、豆腐のアイスクリーム。「アイスと豆腐、果たして合うのかな?」と思いながら口にすると、アイスの甘みの中にほんのり大豆が香って後味さっぱり。食後のデザートにぴったりの一品でした。

「かわせみ本館」は日によって貸切になることも多いそう。こちらでランチを堪能したいなら、予約してから出かけるのがおすすめです。
「かわせみ本館」で豆腐の美味しさにすっかり魅せられ、せっかくだからほかの豆腐料理も味わいたくなってしまいました。
そこで寄ったのが「キッチンかわせみ」。こちらでは、「湯豆腐」(400円)や「冷奴」(400円)はもちろんのこと、「とうふステーキ」(600円)や「麻婆豆腐」(600円)などの豆腐料理も味わえます。
食事をしっかりとった後だったので、「とうふ味噌田楽」(1皿500円)をオーダーすることに。(すべて税抜)
蔵を思わせる瓦屋根の建物の中は、なかなかレトロな雰囲気。
▲左から「ゆず味噌」「八丁味噌」「かつお味噌」

たっぷりのゆずが香る「ゆず味噌」、八丁味噌と田舎味噌を合わせた「八丁味噌」、本枯のかつお節でとった出汁で練り上げた「かつお味噌」、どれも美味しくて、ふわふわの豆腐と相性抜群でした。「味噌田楽」は、好きな味噌を選んで1本だけ購入することもできますよ(1本税抜200円)。
ちなみに「かわせみ本館」の隣にある「とうふアイスクリームコーナー」(営業時間9:00~17:00)では、「とうふアイスクリーム」(税込300円)を味わえますよ。定番は、プレーン、抹茶、イチゴの3種類。このほか、春にはサクラ、夏にはニューサマーオレンジ、秋にはきな粉や栗など、季節限定のフレーバーもお目見えします。
定番の「プレーン」は豆腐の風味がしっかりしていて、サッパリとしながらもミルキーな味わい。老若男女問わず人気があります。
柿田川の水の美味しさが活きた豆腐は、おみやげにもピッタリ。写真左の「柿田川豆腐館」では、「かわせみ本館」や「キッチンかわせみ」で味わった豆腐「柿田川百年水豆腐」を購入することができます。
「柿田川百年水豆腐」には、絹ごしと木綿(各税抜250円)があります。どちらにしようか散々悩んで、今回は絹ごしをチョイスしました。豆腐はもちろん要冷蔵。購入すると保冷剤を一緒に包んでくれるんですが…その保冷剤がなんと!
▲カチコチに凍らせたおからが保冷剤代わり

「柿田川百年水豆腐」を作るときに出る、ミヤギシロメのおからを凍らせたものなんです!嬉しいプレゼントにびっくり。家に着く頃にはほどよく解凍されており、干し椎茸や人参と炊いて、残さずしっかりいただきました。
▲柿田川の湧水が流れ続ける水汲み場

ちなみに「柿田川豆腐館」の隣には水汲み場がありますよ。
店頭では水汲み用のペットボトル(税抜56円)の販売も。帰り道、柿田川の美味しい湧水で喉を潤しながら帰ることができます。

日本三大清流のほか、「21世紀に残したい日本の自然百選」「日本の名水百選」「国指定天然記念物」「伊豆半島ユネスコ世界ジオパーク」などに選定されている「柿田川湧水」は、静岡県東部地域の生活用水の源でもあります。その水と、水が育む豊かな自然を、見て、触れて、味わえる「柿田川公園」と「湧水の道」。自然の素晴らしさを感じると同時に、自然を守ることの大切さを学べる場所へ、ぜひ行ってみてください。
永井理恵子

永井理恵子

日大芸術学部写真学科卒のフリーライター。食いしん坊(飲んべえでもある)。東京の荒波に15年揉まれて気づいたのは、生まれ育った静岡県と御殿場市が思いのほか素敵な場所だったってこと!地元のいいところを発信すべく鋭意活動中。

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