国内最大級の木床版吊橋!「星のブランコ」からの絶景と七夕伝説に触れる旅

2019.06.29 更新

人が渡れる木床版(もくしょうばん)吊橋としては日本最大級の規模を誇る「星のブランコ」。大阪と奈良の県境に広がる生駒山系の北部、「大阪府民の森 ほしだ園地」(以下、ほしだ園地)内にあります。秋の紅葉シーズンには多くの人が訪れるという「星のブランコ」ですが、そのロマンチックな名前は、この辺りに昔から残る七夕伝説に由来するものだそう。そこで「星のブランコ」から眺める絶景を、七夕伝説のゆかりのスポットとともにご紹介します。

▲「星のブランコ」という愛称で親しまれる吊橋

「ほしだ園地」で、緑と鳥のさえずりのシャワーを浴びる

「星のブランコ」がある「ほしだ園地」は、大阪府北東部に位置する交野(かたの)市にあります。大阪市内からのアクセスは、京阪電車の枚方(ひらかた)駅で交野線に乗り換え私市(きさいち)駅で下車。そこから徒歩で約30分です。駅から国道168号線に出てしばらく歩くと、国道と平行して流れる川が見えてきます。「天野川(あまのがわ)」です。ほしだ園地へ行くには、この天野川に沿って伸びる自然歩道を歩きます。
▲左を流れる川が天野川。平安時代の頃、この辺りは風光明媚な狩猟地だったそうで、『古今和歌集』や『伊勢物語』にもその名前が登場する
▲天野川沿いの、比較的平坦な道を進みます。ところどころに休憩用のベンチが

訪れたのは、木々の緑が濃くなった5月下旬。気持ちの良い緑の中を歩いて、ほしだ園地のゲート(入口)に到着しました。いよいよ本格的な園内散策です(入園無料)。
▲案内板を確認。「星のブランコ」へ向かう途中には「森林鉄道風歩道橋」や「クライミングウォール」、「ピトンの小屋」があります

案内板からすぐ、「森林鉄道風歩道橋」が見えてきました。
▲山の壁面に沿う道が、森林鉄道の雰囲気を醸していることから名付けられた歩道橋。渓流になった天野川を下に見ながら、空中散歩を楽しめます

このウッドデッキの橋は全長約200m、最大地上高約10m。下を流れる渓流のせせらぎや、鳥のさえずりが絶え間なく聞こえてきます。時折、木の葉をサワサワと揺らしながら吹く風が木や土の香りを運んできて、自然と歩調もゆっくりになります。
▲ところどころに、植物の名前と特徴を紹介する掲示があります。花や紅葉した様子の写真も見られてうれしいですね

森林鉄道風歩道橋を過ぎると、だんだん視界がひらけてきました。その先にあるのが、地上から高さ約16.5mある「クライミングウォール」です!
▲正面と、左右両側面の3面を備えた本格的なクライミングウォール。1997(平成9)年の「なみはや国体」の公式競技場として使用されました

ほしだ園地が行うクライミング講習会の受講済証を持った、20歳以上の大人1名を含む2~6名のグループで利用できます(小学4年生以上が対象)。なお、初心者向けの講習会も定期的に開催されているので、ホームページをチェックしてみてくださいね(参加費1名2,500円・税込 ※先着順で1カ月前から予約受付)。
▲ロープをつけているとはいえ、見ているだけで怖くなるような高さまでグングン登っていくクライマー

「クライミングウォール」の向かいにあるのが「ピトンの小屋」。休憩所と案内所を兼ねた建物です。室内には飲み物やアイスクリームの自動販売機をはじめ、休憩用の椅子やテーブル、お手洗いなどがあります。9~17時の間に無料で利用できます。
▲こちらが「ピトンの小屋」。ほしだ園地内の動植物の資料なども展示してあります

さあ、いよいよ目指すは吊橋「星のブランコ」です!道幅のある、緩やかな傾斜の砂利道を歩いていると、前方の木々の間の空に何か見えてきました。どうやら吊橋の一部分のようです。
▲「星のブランコ」です。予想以上にスリル感たっぷりの高さ!

ピトンの小屋から歩いて10分ほどのところで、前方に看板が見えてきました。
▲「星のブランコ」へは、山の中の「ぼうけんの路」を進みます

ここまでの歩きやすい道とはうって変わって、木々の間を縫うようにしていく階段をひたすら歩きます。道の横にどっしり居座る巨石に圧倒されます。
▲階段を10数段上がって数段下がるというアップダウンの繰り返し。足元に気をつけながら登りましょう
▲頭上から声が聞こえたので、ふと見上げるとはるか高い吊橋の上を、人が歩いているのが見えました

1本道なので迷う心配はありません。「マムシ注意」の看板に急に不安になってキョロキョロあたりを見回したり、ふいに足元をトカゲがササーッと横切って行くのにびっくりしたり……大自然の中の「ぼうけんの路」を進んでいきます。

途中で休みながらぼうけんの路を30分ほど歩き、ようやく傾斜の緩やかな広い道に出られました。ここまで来たら、「星のブランコ」まで2~3分の距離です。

緑の海原をゆく空中散歩「星のブランコ」

ぱあっとひらけた視界に飛び込んできた先に見えました!吊橋「星のブランコ」です。
▲渡っていく人が、みるみる小さくなっていきます

標高180mの場所にある星のブランコは、長さ約280m、最大地上高約50mの木床版人道吊橋です。人が渡れる木床の吊橋の中では、全国的にも最大級!

さっそく橋を渡ってみます。当然ですが、木の板の下は、はるか下の方に木々が生い茂るだけで何もありません。急に怖くなっておそるおそる足を踏み出します。
▲床に敷かれた木板のすき間は、広いところで1cmほど

おそるおそる渡り始めると、床に使われている板は厚みがありそうだし、手すりは金属製で、自分の重みで橋がしなることもありません。風で揺れることもなくて、ちょっと安心!
▲床板も手すりもしっかりした造りで、意外と大丈夫かも……
▲緑の山々が続いています。まるで緑の絨毯のよう
▲慣れてきたので、下を覗き込んでみます。人があんなに小さい
▲揺れも少なく、快適な空中散歩。橋の幅は、人ひとりがすれ違える程度の余裕があります

思っていたよりもしっかりとした造りで、揺れも少なく、高いところが苦手な人も、ここなら周囲の大自然を楽しみながら渡り切れるかも知れません。なお、秋は赤や黄色に紅葉した絶景を眺めることができますよ。
▲紅葉した山々にぐるりと囲まれる、ここでしか味わえない絶景です(写真提供:大阪府みどり公社)

「京都タワー」から「太陽の塔」までの大パノラマを楽しめる展望スポットへ!

ほしだ園地には、さらに爽快な絶景を楽しめる場所があります。「星のブランコ」を何とか渡り切ったら、その展望スポットを目指してさらに歩いていきます。途中、お手洗いなどがある休憩スポット「やまびこ広場」を通り過ぎます。
▲「星のブランコ」から約15分で高台にある展望スポットに到着!眼下には「星のブランコ」を望めます

山の緑の向こうに見えるのは、右奥が京都市内。そこから左へ大阪府高槻市や枚方市と続きます。さらに左へ目を移していくと、吹田市にある万博記念公園に立つ「太陽の塔」も見えますよ。
▲白く小さい三角の形がわかりますか?太陽の塔です。その左側にうっすらと見える円形が、EXPOCITYにある大観覧車「OSAKA WHEEL」です
▲「あれは何だろう?」という時に便利な眺望ガイドもありますよ

大阪近郊のアクセス便利な場所にありながら、森林浴気分が満喫できる自然豊かなスポット「ほしだ園地」。春と秋の行楽シーズン、また週末や大型連休には駐車場(普通自動車88台駐車可能)に車が入りきれないほど、多くの人が訪れるそうです。ぜひ公共交通機関で来園してくださいね。

七夕伝説で有名な「機物神社」へ

ほしだ園地のある交野市から、隣の枚方市にかけての一帯は、日本の七夕伝説発祥の地とされています。七夕にゆかりのあるスポットも点在していることから、交野市は「星のまち」とも呼ばれています。
今回は、なかでも有名な「機物(はたもの)神社」を訪れてみましょう。
▲機物神社の祭神は、織女星(しょくじょせい)の棚機姫(たなばたひめ)

ほしだ園地から私市駅まで戻ったら、電車で一駅先の河内森(かわちもり)駅へ。そこから徒歩5分ほどのところにあるJR河内磐船(かわちいわふね)駅より、片町線(学研都市線)で一駅乗った津田駅で下車。約15分も歩けば「機物(はたもの)神社」に到着です。
▲機物神社の本宮。境内には機織り機も保存されています

大陸との交易が始まった、3~7世紀頃の古墳時代。養蚕業と機織りの技術を持った渡来人の集団や、星座に精通する人たちが中国の長安(現在の西安)から渡来し、機物神社のある一帯に定住したと考えられています。そのため、この神社には自然に織姫様が祀られるようになったといわれています。

そして平安時代初期、桓武天皇が国家の安泰を願って北極星を祀る祭事をこの辺りで実施。それを機に、京都の貴族らが狩猟場としてこの地を訪れるようになり、七夕にちなんだ詩歌(しいか)を披露するなどしました。
▲境内の建物には、織姫と機織り機(見学のみ可)も。どこにあるか探してみてくださいね

こぢんまりした神社ですが、渡来人が定住した頃から続くこの地域の歴史の深さに驚かされました。
なお、毎年7月6日・7日には、七夕祭が盛大に行われます。
▲願い事をしたためた多くの短冊や夜店で賑わう七夕祭。立派な竹は、ボランティアの方々が山から50本ほどを切り出してくるそう(写真提供:機物神社)
隣接する枚方市には、彦星の魂が宿るといわれる「牽牛石(けんぎゅうせき)」もあります。間を流れる天野川をはさんで年に1度、織姫と牽牛が出逢う七夕伝説にちなんで、この辺りは「七夕の里」とも呼ばれてるそうですよ。
▲枚方市の「観音山公園」内のもっとも高いところにある牽牛石。高さは約1m、幅が約2mもある巨石です(写真提供:枚方市広報課)
いかがでしたか?大人から子どもまで楽しめる「星のブランコ」の絶景や、ロマンチックな七夕伝説に出合いに、大阪府交野市をぜひ訪れてみてくださいね。
國松珠実

國松珠実

大阪エリアの女性ライターズオフィス「おふぃす・ともとも」所属。人と話すのが好きで店舗や企業取材を得意とする。また旅行好きが高じて世界遺産検定1級を持っている。 編集/株式会社くらしさ

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