白壁に金魚ちょうちんが揺れる柳井の町並み。かわいい金魚グッズ&グルメみーつけた!

2019.07.15 更新

山口県柳井市は、江戸時代に瀬戸内海有数の商港都市として発展した地。当時の商家の建物がそのまま残る市街地の一角は、「白壁の町並み」と呼ばれ人気観光スポットになっています。その軒先で民芸品「金魚ちょうちん」がゆらゆらと泳ぐ光景は、写真映えも抜群!金魚モチーフのグッズ&グルメにも町中で出合えます。そこで、柳井で金魚ちょうちんを楽しみ尽くす旅へとご案内します!

土蔵造りの建物が並ぶ「白壁の町並み」は、瀬戸内海でも有数の美しさ

山口県南東部にある柳井市のアクセスは、岩国錦帯橋空港から国道188号を経由し車で50分ほど。柳井市は古くから瀬戸内海の海上交通の要として発展し、江戸時代になると廻船(江戸時代の貨客輸送船)の寄港によって商業都市としてさらに繁栄した地です。
▲日本三大潮流のひとつ「大畠瀬戸(おおばたけせと)」がすぐ東にあるため、柳井は「潮待ち」の町としても栄えた

特に、JR柳井駅から北へ10分ほど歩いたところに広がる古市・金屋地区一帯には、主に江戸時代の土蔵造りの建物が数多く現存。その美しい景観は「白壁の町並み」として市内随一の観光スポットとなっています。金魚ちょうちんを楽しむ上でもメーンエリアとなるので、ひとまず散策してみましょう。
▲漆喰が映える街並み。軒先にかかっているのが「金魚ちょうちん」

柳井を散策するなら、まずは通り沿いで一際目立つ洋館「柳井市町並み資料館」(10:00~17:00、入館無料、月・木曜休館)を訪れましょう。観光パンフレットが手に入るほか、展示模型を通じてエリア一帯の町割りの様子を知ることができます。
▲旧周防(すおう)銀行本店として1907(明治40)年に建築された建物。2階は柳井出身の歌手・松島詩子の記念館となっている
▲内部には周辺一帯の模型などが展示されている
資料館の見学を終えたら、同資料館付近から約200mにわたって続く「白壁の町並み」へ。土蔵造りの建物が通りの両側に並び、一般開放されている旧商家があったり、カフェや飲食店に改装された建物があったりと、散策を存分に楽しめます。
▲通りには「カニの横断注意」の看板も。通りの裏手に川が流れており、河口に近いことからカニが多い

中でも、同エリアには柳井の特産品「甘露(かんろ)醤油」の醸造蔵が2軒あり、そのひとつ「佐川醤油店」では施設の一部を「甘露醤油資料館」として開放(8:00~17:00、入場無料)しています。地下から汲み上げられている仕込み水を門前で試飲もできるということで、さっそく訪れてみましょう!
▲1830(天保元)年に創業した佐川醤油店による甘露醤油資料館。蔵は江戸中期~後期に建てられたもので2019年現在も現役
▲内部には巨大な「三十石桶(さんじゅっこくおけ)」が並ぶ。一つの桶で約5,400リットル、一升瓶にしてなんと3,000本相当になるそう

蔵内はほんのりと醤油の良い香りが~!醸造した濃口醤油にもう一度麹を加え、発酵させて造る甘露醤油。手間も材料も、通常の醤油のおよそ2倍必要ですが、その深く濃厚な味わいは刺身や冷や奴などに合うそうです。館内では購入も可能ですよ。

町並みを彩る「金魚ちょうちん」。“おとぼけ顔”がかわいい柳井の民芸品

▲まん丸な目におちょぼ口、ぽかんとした表情に思わずクスリ

町並み散策を楽しんだ後は、レトロな風景に映える「金魚ちょうちん」をじっくり鑑賞していきます。金魚ちょうちんは、幕末、青森県弘前市を訪れた柳井の商人が「金魚ねぶた」をヒントに生み出したもので、夏祭に子どもが出かける際に火を灯して使っていたそう。

その後、職人によって改良が重ねられ、戦後には現在のまん丸な目におちょぼ口という“おとぼけ顔”のかわいらしいスタイルに。柳井の夏の風物詩として、地域の代名詞的な存在となりました。
▲お土産用の金魚ちょうちんは、前述した甘露醤油資料館など、近隣のあちこちで入手できる。基本は赤だが、色に加えサイズも大小さまざま

特徴的な紅色は、柳井の伝統織物「柳井縞」の染料によるもので、基本的な素材は「竹ひご」と「和紙」が使用されています。
▲夏だけでなく年間を通じて金魚ちょうちんが飾られている

柳井の市街地では、あちこちに金魚ちょうちんが飾られているほか、消火栓の蓋やお店の看板など、いろいろな場所にもデザインされています。ぜひ探してみましょう。
▲町を散策中に何カ所かで見かけた消火栓の蓋

お土産も兼ねて金魚ちょうちん製作体験!どんな表情になるかは作り手次第!?

この金魚ちょうちん、見るだけでなく製作体験もできるんです。製作体験を行なっているのは「やない西蔵」と「河村信男工房」の2カ所がありますが、今回は甘露醤油資料館の隣にある「やない西蔵」を訪れました。
▲「やない西蔵」の建物はかつて醤油醸造蔵だったそう。入口や内部にはたくさんの金魚ちょうちんが飾られている

金魚ちょうちんは大(胴回り19cm、体験料税込900円)と小(同14cm、税込800円)の2種類から選べます。せっかくなので、今回は大きなサイズに挑戦します!
▲金魚ちょうちん製作キット。胴は組み立て済みで、目やひれの取り付け、鱗の模様の描き込みを体験する

最初は、尾ひれと胸びれに模様となるラインを描き込む工程。お手本を見ながらゆっくりゆっくり…、何とか上手く描けました~。
▲伝統織物「柳井縞」の染料を絵筆に染み込ませて描く。あせらず慎重に~

続いて、顔の部分に目のシールを貼り付けます。「目の位置で表情が決まります。かわいくなる貼り付けのポイントは、正面と横の竹ひごの真ん中あたりに貼ることです」とスタッフさん。
▲左右の位置が合うように確認しながら目を貼り付ける

さらに、目を縁取るように染料を塗っていきます。白目に色がついてしまったり、均等に塗れなかったり、実はここが結構な難所なのだそう。
▲染料で目を縁取る。慎重に、慎重に…、きれいにクリア~!

今度は胴体の後方に鱗の模様を描き込んでいきます。簡単に線を描き込むだけでOKなのですが、絵が得意な人はより細かく鱗を表現したり自分なりの模様を描いたりする人もいるとか。
▲線を交差させるように描いて鱗を表現。この頃には絵筆の扱いにも慣れてスイスイ♪

最後に、胸びれと尾ひれを接着剤で胴体に貼り付けます。最後の最後に失敗しないように、貼る位置や接着剤を塗る量など、しっかりスタッフさんの説明を聞きましょう。そして……、接着剤が乾くのを待ったら、無事に完成~!
▲上手に完成!持ち帰りには箱の追加購入(税込100円)がおすすめ

最初は少し不安がありましたが、終始スタッフさんが丁寧にサポートしてくれるので安心です。ちなみに同施設では、同じく柳井市の伝統工芸「柳井縞」でのコースター制作体験や、染色体験にもチャレンジできますよ。

金魚ちょうちんのオリジナルグッズやステーショナリー、和洋の金魚スイーツも堪能!

製作体験が終わったら、今度はお土産を物色するために「木阪賞文堂 白壁店」を訪れました。こちらは女子必見のスポット。というのも、金魚ちょうちんグッズがてんこ盛りの文房具店なのです!
▲土蔵造りの建物に「木阪賞文堂」の看板が目印
▲店内もレトロな雰囲気。文房具に加えて同店でも金魚ちょうちんを購入できる

消しゴム、鉛筆、ノートはもちろん、御祝儀袋、マスキングテープ、御朱印帳、折り紙など、金魚ちょうちんグッズの種類はおよそ200!しかも、有名メーカーとのコラボ品も多数あります。もちろん同店でしか扱われてない品ばかりです!
▲ノート類(税込270円~1,620円)が特に人気。リングタイプやポケットサイズなど、色も含めて種類が豊富
▲マスキングテープ(税込540円~842円)は全部で10種類。ノートに次ぐ人気の高さ
▲人気上昇中の祝儀袋(税込864円)。金魚ちょうちんをかたどった水引の新商品が近く登場するそう

あれこれと手に取って見ているうちにあっという間に時間が過ぎてしまいそうです。文房具ゆえにお値段も手頃、ついつい大量購入~(汗)。さらなる商品開発も進められており、訪れる度に新発見が楽しめそうです。
町並みを歩いたり体験したりしたので、そろそろ小腹が空いてきました。今度は金魚スイーツを楽しめるお店へとご案内します。まずは「和」のスイーツ。「木阪賞文堂」から徒歩3分ほどの場所にある「きじや」へと向かいます。
▲「きじや」は「柳井市町並み資料館」の向かい。山口県民にはお馴染みの柳井の菓子メーカー「あさひ製菓」が運営

同店でのお目当ては夏季限定で販売されている「金魚最中」。6月中旬頃にお目見えして、8月下旬頃まで店頭に並ぶそう。
▲「金魚最中」(1個税込125円)。ほかに餅入り(同125円)もある

かぶりつくのは何となくかわいそうな気分もしますが……、いただきま~す。中はさっぱり優しい甘みの粒あんがたっぷり。美味しい~!
今度は、「洋」の金魚スイーツを。「白壁の町並み」エリアから徒歩で柳井駅へ向かい、地下連絡路で駅の南側へ。20分ほど歩いて「エスパリエカゲツ 南町店」に到着です。
▲「エスパリエカゲツ 南町店」はJR柳井駅を挟んで反対側。車で移動するなら約10分

ここでのお目当てはケーキ、その名も「おとぼけ金魚」(税込380円、通年販売)!ショーケースを見ると……ありました!たくさん並んでいるのがまたかわいい~。
▲目の部分をよく見ると、個々にいろんな方向を向いていて愛嬌たっぷり!

中は木苺のムースとバニラムースの2層構造になっていて、外はたっぷり木苺のソースで金魚の色を表現しています。またまたフォークを入れるのはちょっとかわいそうですが、ひとくち食べると……、甘ずっぱい木苺の風味が口いっぱいに広がります。「金魚最中」に続いて、こちらも絶品~!
▲ドリンク(税込230円 ※ホットコーヒー、紅茶、オレンジジュース)を選んで、店内の喫茶コーナーで味わうこともできる

同店には、さらに「金魚サブレ」(税込130円)も!さっくり、そして、しっとりした食感で地元でも人気の逸品です。
▲「金魚サブレ」は抹茶・キャラメル・ショコラの3種類。お土産にぴったり!
▲「エスパリエカゲツ」は、柳井港近くに「本店」もある。「白壁の町並み」からは車で15分ほど

8月は街中に約4,000個の金魚ちょうちんが飾られる「金魚ちょうちん祭り」!「金魚ねぶた」も練り歩く!

もしタイミングが合うなら、柳井への旅は8月がおすすめです。毎年8月13日に開催される「金魚ちょうちん祭り」に合わせて、2019年は8月3日(土)から9月1日(日)まで、「白壁の町並み」を中心に、約4,000個もの金魚ちょうちんが飾られます。その内2,500個には実際に灯りがともされるんです!
▲「白壁の町並み」には、暗闇の中で無数の金魚ちょうちんが泳ぐ、幻想的な光景が浮かび上がる

8月13日の祭り当日には10基ほどの「金魚ねぶた」も登場し、「白壁の町並み」と柳井駅を結ぶ「麗都路(れとろ)通り」を荒々しく練り歩きます。さらに「金魚ちょうちん踊り」が披露されるほか、フィナーレには柳井の語呂に合わせて871発の花火が打ち上げられるなど、一帯で様々なイベントが繰り広げられます。
▲「金魚ねぶた」では、団体ごとにデザインや表情の異なる金魚ねぶたが登場する
▲フィナーレの花火が打ち上がる中、通りを練り歩く「金魚ねぶた」

柳井の金魚ちょうちん三昧の旅はいかがでしたか?「白壁の町並み」では江戸時代にタイムスリップしたような気分を味わえるほか、金魚の紅色と漆喰の白のコントラストがとってもキレイ!

何よりも、金魚ちょうちんの“ぽかん”としたその顔は見れば見るほど愛嬌たっぷり。何となく癒やされてしまうから不思議です。製作体験をすれば、その愛着はなおさら。ぜひ柳井で自分だけの金魚ちょうちんを作って自宅の空間で泳がせてみませんか?
兼行太一朗

兼行太一朗

フリーライター・カメラマンとして、山口県を拠点に活動中。 主に旅行、グルメ、歴史、地方創生などについての書籍やウェブサイトを中心に取材・執筆を行っている。拠点とする山口市では、歴史資源を生かした地域活性化に取り組むNPO法人「大路小路まち・ひとづくりネットワーク」にも所属し、守護大名大内氏や幕末に関する史跡、ゆかりの場所や人物についての取材を担う。(編集/株式会社くらしさ)

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